バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

バリウムと胃カメラの比較3 (上手な受け方 編)

2008年08月12日 | 胃X線と内視鏡の比較
こんばんは。
今日は胃X線と胃内視鏡の上手な受け方について触れます。
まず胃カメラを受けたほうが良い例を挙げます。
①胃が痛むなど、すでに自覚症状のある人
②以前に潰瘍やポリープなど病変があると指摘された人 
③ピロリ菌を持っている人などです。
①については、直に粘膜を見ることのできる胃カメラが良いと思います。胃カメラは生検といって、粘膜の組織を採取することができ、その組織を顕微鏡で見ることで、良性悪性の診断が行えます。バリウム検査で、異常を発見しても、結局はがんであるかどうかの判別は、生検結果に委ねることになります。つまり結局はカメラを受けなければならないため、自覚症状がある場合には、最初からカメラを受けたほうが良いでしょう。
②についてもほぼ同じ理由です。経過観察を見るため、カメラが有効です。生検ができますから。
③について、ピロリ菌に感染していると、胃がんになりやすいということがわかっております。リスクの高い人はカメラを選択されたほうが良いでしょう。
ここでバリウム検査の良さについて触れておきます。良いところはどこでしょう。ずばり検査時間の短さだと思います。発見能力は残念ながらカメラに一歩譲ってしまいますが…。
私どもの検診施設では、一日のバリウム検査、多いときには50名を越えます。一人約5分で撮影しております。はたしてこの人数を、カメラでこなせるでしょうか。カメラは倍以上、検査時間を必要とします。極端な話、現在のバリウム検査を廃止した場合、すべての人にカメラを施行することになるわけですが、時間的制約から全員への内視鏡検査は厳しいと思います。仮に行えても検査の質の低下は免れないような気がします。
バリウム検査に適している人は、自覚症状のない人や、今まで特に病変を指摘されていない人だと思います。明らかに健常な人を初めっからカメラをするのも、受ける側から考えた場合、しんどい気もします…。
受ける方の症状によって、バリウム検査と胃カメラを使い分ける、お互いの長所を生かしながらの検査を積極的に行っていきたいものです。

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