ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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人権感覚を磨く(挙手)

2007-11-02 | 育児
 子ども一人一人を大切にした授業をしようと努力することは、教師自身の人権感覚を磨くことに他ならない。集団を対象に一つの教育活動を行うときにどれだけ個を意識して事を進めていけるかが勝負である。授業でよく使われる挙手について考えてみる。
<全員挙手を目指す>
 全員が挙手しなくても、数名が挙手していれば挙手している子を指名して授業を進めることはできる。しかし、これでは挙手しない子どもを置き去りにしている。挙手しない子の中に挙手できない子もいる。これは、分からない子どもがいても平気で進めることができる授業になる。
 どの子も挙手できる状況を挙手の前にどれだけ配慮したかがその人の人権感覚となる。次のような働きかけをしたい。
○挙手についての意識を高める働きかけ
 「考えをもった(作った)証拠になるよ。」
 「考えを作るまでの自分の努力の成果だよ。」
 「授業に向かうやる気をしめすことになるよ。」
 「聞き手の願いに答えようとする思いやりのある姿だよ。」
○挙手する内容を作るはたらきかけ
 「困っていることがあったら教えて、助けにいくから。」
 「前の学習を思い出してみるといいよ。」
 「これに似たことはなかったかな。」
 「この資料(道具)を使ってみたら?これから考えてみたら?」
 「お隣さんの考えを参考にしてみたら?」
○挙手への意欲を高める働きかけ
 「あなたらしい考えだよ。自信をもっていいよ。心配しなくていいよ。」
 「考えをもったことに間違いはないんだ。」
 「あなたが何を考えたか知りたいんだ。」
 「あなたが考えたこと(内容)を発表しないと誰も知らないよ。」
 「考えたこと(内容)のねうちは発表しないと分からないよ。」
 「勝手に自分でねうちを決めてはだめだよ。」
 「聞いているから話してご覧。いいぞ。うまく話せるね。それなら安心だね。」
○挙手を促す働きかけ
 「どの子の考えも大事にしたいから、あなたを放っておけないよ。」
 「もう少し待つから頑張って。」
 「挙手する子がどんどん増えていくね。1、2、3・・・すごい。」
 「よく頑張ったね。挙手できたね。まずは挙手できることが大事。」

 全員挙手を目指していると必ず手を挙げていない仲間を心配する子どもが生まれてくる。「どうしたの?」「何か困っているの?」「これ使ったら?」などと挙手しない仲間に働きかけをしたり、「先生、○さんがまだ挙手していないから、もう少し時間をください。」「先生、まって。まだ○さん考え中だよ。」と教師に要求をしたりする子どもがいる。こんな子どもの声が聞こえるとみんなで一緒に分かろうという雰囲気で学級が動き出す。ここまで子どもの意識を高めないと学習する集団にはならない。自分が分かればいいという考えをもっている子どもでは、こんな働きかけはできない。
 教師の一人一人を大切にしたいという思いが子どもに伝わったから生まれた姿だと思う。