ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

人間椅子 14th 真夏の夜の夢

2010-03-08 22:09:14 | 人間椅子
 初期Black Sabbathをベースとしたドゥーミーなサウンドに、日本文学&おどろおどろしい歌詞をのせ、津軽弁の節回しで聴かせてくれる青森発の和製ヘヴィロックバンド<人間椅子>。
 1990年にデビューアルバムを発表。その後12枚のアルバムを発表し、2006年2月には13thアルバム「瘋痴狂」を発表。アルバム発売後にレコ発ライブを行い、年末にはクリスマス対バンライブ、翌2007年はいくつかの対バンライブに出演や、7月に対バンの東名阪ツアーも。そして8月にこの14thアルバム「真夏の夜の夢」を発表します。ブルー基調の万華鏡のようなジャケット、クールですねぇ。
 今回は<夢>をテーマにしたコンセプトアルバムだそうで、和嶋さん曰く、いまの若者は夢をもっていない、夢を持つという心を失っているような気がする、と。科学が発達して、それまで不思議だったものや未知の分野が科学的に解明されつつあり、現実にばかり目を向けるようになって、<夢>がなくなってきているのではないかと。そんななかでももっと若者に「自分の可能性を信じる」という<夢>を持ってほしい、という希望と、<夢>は人間にとってとても必要なものである、ということを再認識してほしい、という願いがこめられているそうで。もちろんこれまで通りにおどろおどろしい歌詞もあるようですが、夢にも“悪夢”というものもある、ということで。
 アルバム1曲目は「夜が哭く」。ダークなベースリフからはじまってダイナミックなリフが盛大に響き、そしてアップテンポのギターリフが。和嶋さんヴォーカルのアップテンポのパワフルでスリリングなかっくいい曲。中盤では一転ミドルテンポのレゲエモードに。和嶋さんいわく“作曲中に南方の風が吹いた”そうです。ラストはパワフルにFin。
 2曲目は「転落の楽天」。ザクザクのヘヴィなリフからはじまるツーバスドコドコのアップテンポのパワーメタル。鈴木さんヴォーカルの力強い曲です。中盤は地響きのようなベースリフからワウを効かせたアグレッシブなギターソロが。
 3曲目は「青年は荒野を目指す」。ズンズンと力強いリフからはじまるミドルテンポのビートの効いたストレートなハードロック。White SnakeのStanding in the shadowに似てますね。鈴木さんヴォーカルの力みなぎる若者応援歌です。中盤ではメロウに伸びやかに、そしてスライドギターソロが。
 4曲目は「空飛ぶ円盤」。ミステリアスなギターリフから静かにダークにはじまって、そして一転ミドルテンポのパワフルながら和嶋さんのちょっぴりコミカルでノンビリした感じのヴォーカルが。リフはヘヴィなんですけど、歌メロはなんかほんわかした感じですね。中盤ではうねりまくる電子音が響き、そしてワウを効かせたギターソロのあと、静かでスペーシーな雰囲気に。そして再びミドルテンポのリフ、ヴァースへ。終盤はテンポアップしてめっちゃ楽しいノリノリモードに。
 5曲目は「猿の船団」。パワフルなドラムフィルからはじまるアップテンポのノリノリのとっても楽しいハードロックで、ノブさんヴォーカルのちょっぴりコミカルな曲です。中盤ではテンポアップしてさらに盛り上がって、そのままギターソロへ。この曲、ライブでめっちゃ盛り上がります。
 6曲目は「閻魔帳」。アップテンポのヘヴィなリフからはじまって、そしてミドルテンポのダークな感じになって鈴木さんの不気味なヴォーカルが。サビではアップテンポになってパワフルに。ヘヴィロックって感じですね。中盤ではアグレッシブなギターソロも。
 7曲目は「白昼夢」。ミドルテンポのゆったりしたギターリフからはじまり、美しいアルペジオのリフをバックに和嶋さんのゆったりとしたおだやかなヴォーカルが。浮遊感のある幻想的な曲です。
 8曲目は「牡丹燈篭」。ミドルテンポのパワフルでダークなリフからはじまり、鈴木さんの気味の悪いヴォーカルが怪しく響いて。このアルバムで唯一ドゥーミーさを感じる曲かな。中盤ではテンポアップしてパワフルにヘヴィに、そしてギターソロへ。その後テンポダウンしてダークモードに。狂気の喘ぎからテンポアップしてハードにダイナミックに。
 9曲目は「世界に花束を」。力強いボレロリズムで重厚なコーラスが響いて。そしてミドルテンポのダークなリフをバックに和嶋さんが・・・歌うのではなく詩の朗読を。1通目は愛する妻子を残し、戦地に赴いたカメラマンの死を覚悟して家族へあてた悲しい手紙。2通目は戦地でケガをして入院中の兵士が死を覚悟して家族へあてた悲しい手紙。間奏ではエモーショナルな悲痛のギターソロが。戦争の悲惨さ・残酷さを感じさせる非常に重いテーマの異色曲です。この曲、アルバムのライナーノーツには詩が記載されていません。
 10曲目は「膿物語」。ダイナミックなリフからはじまるアップテンポのノリノリのドライブ感満点のスリリングでかっくいいハードロック。鈴木さんヴォーカルで力強く気味の悪い歌詞を。これもパチンコシリーズですね。
 11曲目は「肥満天使」。アップテンポのかっくいいギターリフからはじまる、鈴木さんヴォーカルのコミカルでとっても楽しいストレートなハードロック。
 12曲目は「どっとはらい」。パワフルでダークなリフからはじまる、和歌調の和嶋さんヴォーカルのミドルテンポのヘヴィロック。“どっとはらい”とは、昔話の最後の”めでたしめでたし“と同じ意味だそうで。中盤ではパワフルな変拍子リフ、そしてヴァースのあとはテンポダウンしてエモーショナルなギターソロ、アグレッシブなギターソロが。ラストはダイナミックにFin。 
 このアルバム、ドゥーミーといえる曲はあまりなく、ストレートでパワフルなハードロック・ヘヴィロックが主体となってますね。ライブでのノリがいい曲がいっぱいでとても楽しめます。そして異色曲「世界に花束を」は・・・各地でテロや紛争が絶えないこの世の中、ほんと考えさせられますね。ライブでもやはり重く微妙な空気がただよっていました。しかしライブでの技術面を捉えるとこの曲、実は凄い!リズムをとって楽器を弾きながら、リズムもメロディもない詩を朗読するってすっごい難しいと思うんです。和嶋さんも相当練習されたのではないかと思うのですが、何度も観たライブでは譜面を見ながらではありましたが見事に演奏も朗読もされてましたね。しかも後のライブでは譜面ナシでも演奏&朗読をされて。凄いっす。
 アルバム発表後、9月にレコ発東名阪ワンマンツアーを敢行。東京公演は休日ということもあってか超満員!徐々に人気が高まっていきます。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おじゃまします (蟲子)
2010-03-09 22:19:57
いよいよ、「真夏の夜の夢」になっちゃいました…。
残り少なくて、寂しっ
(>_<)

このアルバム曲で、ライブで聴くのを楽しみにしていた「猿の船団」。
ノブさんのボーカルが曲に合ってますよね!
演奏に専念してるお二方も、私好みのイイ音出してて、大好きな曲です。


「牡丹燈籠」の中盤のギターソロが、色っぽくカッコ良くて、生ソロを期待してたけど、ライブで聴けなかったので、私の中でレア感あります♪

「世界に花束を」は、詩の記載がないので何度も何度も集中して、繰り返し聴きいった曲。
楽器弾けないので、語りと演奏の難しさは、想像すら不可能だけど、そんな私が聴いても、スゴイなぁ~って感心します!
( ̄∀ ̄)
返信する
ありがと! (ひより)
2010-03-09 22:36:11
 わぁ!蟲子さん、いらっしゃいませ!
いつもコメントを書いてくださってありがとうございます。
 はい、もうここまできてしまいました。あとは20周年傑作選と未来浪漫派、そして番外編を1つ用意しております。
返信する
続・おじゃまします (蟲子)
2010-03-10 00:28:29
なぜか、打ち込みが途中で切れていたので、また訪問(^O^)

このアルバム曲で、ライブで聴くのを楽しみにしていた「猿の船団」。
ノブさんのボーカルが曲に合ってますよね!
演奏に専念してるお二方も、私好みのイイ音出してて、大好きな曲です。


「牡丹燈籠」の中盤のギターソロが、色っぽくカッコ良くて、生ギターソロを期待してたけど、ライブで聴けなかったので、私の中でレア感あります♪

「世界に花束を」は、詩の記載がないので何度も何度も集中して、繰り返し聴きいった曲。
楽器弾けないので、語りと演奏の難しさは、想像してみても難解。
そんな弾けない私が聴いても、スゴイなぁ~って感心します!
( ̄∀ ̄)

そっから、膿物語~肥満天使~どっとはらいと、人間椅子ならではの個性的な曲が続くきますね!

「どっとはらい」去年は何度も聴けて、迫力ある演奏にクラクラとしました(≧∇≦)
返信する
すみません (ひより)
2010-03-10 22:03:35
 そっか、途中でとぎれてしまったのですね。ブログのほうのトラブルだったのですね。申し訳ありません。続きをあらためてカキコしてくださって本当にありがとうございます。とっても嬉しいです。
 「猿の船団」は自分も大好きです。ライブでもめっちゃ盛り上がりますもんね。歌前のリフではみんな両手を挙げて♪グーパーグパグパって。サビはもちろん大合唱だし。
 「牡丹灯篭」は自分はライブで1回だけ聴いたかな?あとでライブレポ見直してみます。とてもレアですよね。ギターソロも好きです。
 「世界に花束を」はレコ発ライブでは曲のあと歓声があがらず拍手だけだったですね。とてもYeah!とは言えない重い空気でした。皆さん聴き入って考えさせられたことでしょう。
 「どっとはらい」はもう定番になってきましたね。人間椅子らしいパワフルでかっくいい曲で、自分もライブでこれをやってくれるとめっちゃ嬉しくなります。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。