雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

Phony

2007-12-09 16:56:20 | 歴史
12月8日というと、John Lennon の命日(1980)と Pearl Harbour(1941)。

Townhall にPearl Harbor についての記事があった。

同記事の内容は、あるアメリカ人捕虜がキリスト教を介して、ある日本人兵も回心させ、最終的には一緒に旅行するまでになった、「敵を愛せ」こそ大事という「素晴らしい」お話だが、興味深かったのは、そのComments欄。

日本人と思しきAkagiなるひとの雄弁同様、Townhall アメリカ人読者の歴史認識が伺える。結局真珠湾奇襲と原爆投下是非が両国にとって裏表になっている。一方を忘れ、他方は忘れたくない。

両方認めてはじめて建設的になると思うが、なにせ原爆にあったひとは、真珠湾奇襲に直接関わっていないし、その逆も真だから仕方ないのかもしれない。

しかしそれを日本とアメリカという国単位でみると、どちらの主張も phony (不誠実)にみえるわけだ。

ただ僕のように戦争を知らない世代から見れば、殺し合いにルールがあることの方が謎である。銃弾で殺すのと原爆で殺すこと、交戦状態にあるときに市民と戦闘員の区別がそれほど差があるのだろうか。拳銃で勝てなければ機関銃を使うだろうし、戦闘員がいなくなれば市民が戦闘員として補充されるだろう。

いずれも殺し合いをしている(相手が死んでもいいと思っている)という点で同じにみえるし、日本の場合、国際連盟の席上、話し合いを放棄して席を立った人間を「よくやった」と称える日本国民とマスコミの反応には理性があったとは思えない。

カントの「永遠平和」による国家像では、国家は、国民そのものであり、いかなる決定も国民に全責任がある。と同時に、国家の目的のために一部の国民が道具として用いられることをよしとしない。

これ自体理想的なことだから大江や福沢のような国家論が出てくるのだろうが、いずれにせよ、自らの食い扶持が確保されなければ、理想も何もなくなるのだ。

John Lennon を殺したChapmanも、Lennon のそうしたphoniness故に殺害したと思われる(Chapman が、Catcher in the Ryeを参照せよ、とはそういう意味にしか解せないはずでは?)。

Lennon が一方で無償の愛を歌って金儲けをし、しかもThe Beatles 自体をJesus Christ を超えていると豪語したのが許せなかったわけだ。

しかし現在のChapman は、Lennonも単なる人間だからこそそのような「冒涜」がいえたのだと考えてるらしい。

永遠平和

2007-12-08 17:03:11 | 雑談(ジョーク)
瀬戸内寂聴のカントの『永遠平和のために』の書評を読んでいたら、Pさんがやってきた。「それはけしからんね」とPさん。

「どうしてですか?(お嫌いなはずないのに)」

「だって翻訳者みてみなさい」

「池内紀でしょ。このひとが書くとカントまでわかりやすくなっちゃうんだろな」

「そうなんだよ、訳が問題なんだよ、カントは。でも池内がやると読みやすくなるんだなんでも」

「いいことじゃないですか、何が問題なんですか?(汗)」

Pさんは答えずにバッグから『永遠平和のために』を取り出した。

「もう買ってるじゃないですか!」

Pさんはまたもや答えずにペラペラとページをめくりはじめ、「藤原新也」の名前が飛び込んできた。

「写真が藤原新也じゃないですか!」

僕は高校のとき国語の試験の出来が悪く、いつも先生に「お前はいつもひとつ考えすぎてる。もっと素直に答えろ」といわれていた。そのたびに「だってそんな誰が考えてもわかるようなことが回答とは思えませんよ、絶対ヒッカケとしか・・・」と答え、先生に「藤原新也みたいにナナメだな」といわれていた(僕は自分が素直なやつだと思っていたので少しショックだった)。

そんなことを思い出していたら、Pさんが「問題は藤原じゃないよ」といいつつ、挿絵の版画をみせた。

「ああ、山本容子ですね。僕はそんなに好きじゃないけど、味はありますね、あとキレイだし。。。」

「そうなんだ、キレイなんだよ、山本容子はっ。オレはこいつら(池内と山本)デキテルと思ってんだ。なんかあるとドイツだのどこだのって旅行してさ。きっとデキテルよ。」

「え(汗)」

「じゃなきゃ、こんなに組むはずないよ、まったくけしからんっ、あんなキレイなひとが・・・」

「じゃあ、僕が頂きますよ、まだ読んでないから。」

といってとろうとすると、

「ダメだよ、これ藤原新也の写真とか山本容子の絵とかキレイだから、今年のクリスマス・プレゼントにするんだ」

「誰にあげるんですか?」

「XXXさんとYYYさんだよ」

「ふたりとも新人の女の子じゃないですか!?しかも今山本容子が好きだっていってたじゃないですか!」

「それとこれとは別だよ、わかるだろ」

「わかります」
(僕も誰か探そ)

Katrina 38

2007-12-06 06:01:54 | 雑談(ジョーク)
B・ピット、ハリケーン被害者向けに住宅150戸建設目指す(ロイター) - goo ニュース

元記事は、たぶんNY Times である。読んだときこれは記事にできると思ったのだが、いかんせん、最近の忙しさで時間がない。と思っていたら、Goo News に先を越された。

ほかにも記事にしたい事件はたくさんあった。

Jordan にはここ7年間CIAの息のかかったスパイがいたこと(Washingtonpost)や、「世界の空港ワースト」(FP)、「日本での安全な食事」(NY Times)、「BostonのGay Barが閉鎖に追い込まれていること」(Bostonglobe)、「民主党大統領候補のヒラリーとオバマの人種別争い」(Washingtonpost)、「Gay のためのスポット、アルゼンチン」(NY Times)、「本当にOilを使っているのは誰か」(Foreign Policy)、である。

特に最後は、ここ数ヶ月での30%増のOil インフレをそれなりに説明してくれている(こちらも参照)。結局投資家の動向にすぎないというものだ(石油の適正な価格はバレル60ドルではないか、という)。

さて、Brat Pittの話。僕と顔だけでなく着ている革ジャンまで同じの彼がそんなことをしようと計画したのは、ここにもあるように、New Orleans の住宅供給が足りず、レンタル料が上昇したためであろうが、そんなことをされると唯一の僕と彼の差である財力の差が世間に知られてしまう(みんな知ってると思うけど)。

ただ前回も紹介したが、New Orleans はもう違う方向に走り出している。もうクヨクヨしていない。NY Timesのこの記事では、New Orleans の新しい sight が紹介されていたが、とにかく「希望ばかり持つ人間は、現実の問題は対処できない」(『Dark Angel』:僕はこのシリーズ好き)。ガンガン、進むしかない。人間、挑戦できなくなったらおしまいだ。

追伸:これまでのKatrina 12345678910111213141516171819202122232425262728293031323334353637

Cold Mountain

2007-12-05 20:07:56 | 歴史
映画 Cold Mountain をみた。

南北戦争が題材だが、映画だからそれなりにわかりやすい二項対立の構図をとらなければならないわけだが、この映画では、戦争を非難する、という構図が採用されていた。

南北戦争というと、大きな利害関係がからむ歴史的事件だけあって、なかなか総括されないが、ある学術書を98年くらいに読んだとき、公正な南北戦争像がやっと確立されたと書かれていたように記憶する。

が、ただその著作も非難の矛先は南部プランターになっていて、十分偏っていた。

しかし2000年くらいに出た一群の南北戦争の本は、一般向けでしかも公正なものだったと思う。

ざっとその本にある、戦争の起承転結を振り返っておこう。

まず南部と北部がそれぞれ採用する相容れないふたつのシステムの衝突に始まる。両方に理があるが、南部の方が人口が少ないために多数決で北部システムが採用されるため、南部は、合衆国憲法が謳う全体と個の関係が無視されたとして連邦を脱退、しかし北部は連邦がアメリカに不可欠だとして戦争に突入した。

戦争はすぐに終結しそうなほど南北で力の差は歴然としていたが、圧倒的不利の南部を英仏が援助したために長引き、このまま戦争が続けばアメリカ自体の破滅を導くと判断したリンカーンが妙手奴隷解放宣言(まだ解放したわけじゃない)を放つ。

英仏の援助のない南部はそのまま敗戦濃厚になるが、南部の騎士道が終戦の好機(奴隷解放宣言前に降伏することは可能だった)を逸しさせ、南部は戦後貧窮と混乱に苦しみ、その苦しみはF.D. ルーズベルト大統領が南部復興政策をするまで続く。

となるとこの戦争のポイントは、合衆国憲法を無視した北部と、戦争敗戦の好機を逸した南部の戦後の貧窮、ということになる。

が、この映画では両方とも指摘されることはなかったから歴史上の事件を題材にした映画としては失格で、「戦争反対」という誰もが認めざるを得ない指標を掲げてフタをしたと非難したくなったが、よく考えたら、まだ時間がそれほど経っていないから無理なんだなと合点した。

というのも1870年前後は、周知のように、20世紀前半の戦争の主役に躍り出る世界の強国(日米伊独露)が近代国家になるための変化を経た時代である。

ドイツはビスマルクが出てその準備をするし、イタリアも統一国家になるのは60年だが、ローマやヴェニスが加わるのは70年だし、ロシアも1861年にアレクサンドル2世が出てくる。

ビスマルクとアレクサンドル2世の比較が面白いのだが、それはおいて、日本とアメリカに絞ると、南北戦争だけでなく、確かに明治維新の本質も面と向かって論じられることがないことを思い出すだろう。

つまり明治維新による、政府の金の流出をとめるシステム変更は、西郷や新撰組の影に隠れてみえないはずである。

それなら南北戦争もそうであっておかしくない(ただ今度リンカーンの日記にまつわる映画がやるそうだ)。

追伸:フェルメールを観に行く前にどうしてもみておきたかった『真珠の耳飾の少女』もレンタルした。あの女優、いい雰囲気だ(名前メモらなかった!)。透明なのに確固たる存在感がいい。

今日電車で 2

2007-12-04 19:03:22 | 雑談(ジョーク)
今日電車で四人座れるボックスの通路側に座っていた。

ふと気付くと、上半身だけ通路を通せんぼするみたいにはみだして、眠っていた。

不覚。。。

追伸1:今日は、ハンナ・アーレントの命日(1975年)。アーレントといえば、数々の著作があるが、ハイデガーとの恋愛が思い出される。書簡が公開されて久しいが、稀代の天才といえども、恋愛していると、明晰とはとてもいえない判断を下すところが切ない。ハイデガーのナチ活動という裏切りを、なぜヤスパースやアーレントは騙されてやるのか。ただ、最後の数年、アーレントとハイデガーは仲直りし、毎年アーレントがハイデガーを訪問しつづけたわけだが、あの頃のふたりの間柄は美しいし、胸を温めてくれる。

追伸2:プーチン圧勝(Washingtonpost 11/30NY Times 12/3Washingtonpost 12/2NY Times 12/4)と、プーチン最後の敵は芸術家(NY Times 12/1)。

追伸3:アメリカのサブプライムローンの焦げ付き、Norway に飛び火(NY Times)。

やせ我慢

2007-12-02 21:32:13 | 雑談(ジョーク)
今日空気清浄機を買いに行った。

配送を頼もうか迷って女店員に訊くと、「意外と軽いですよ」といって持ち上げられてしまった。

そこで確かめたりしては男が廃ると、大して確かめもせずに「あホントだ」とか言いいながら持ち帰った。

すごく重かった。