雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

Katrina 35

2007-05-20 17:36:00 | アメリカ
ご無沙汰のKatrina。

NY Times によると、これまで問題だったHousing Project は、FEMAからthe Department of Housing and Urban Developmentに担当がかわり(FEMAは赤十字にかわりアメリカでの災害の指導的立場になる:Washingtonpost)、それなりの進展がみられ、ある調査ではNew Orleans 住民の69%がその未来に楽観的で、悲観的なのは11%という結果が得られたという。

また、Bostonglobe によると、New Orleans といえば「文化」、すなわち音楽を生業としているひとがそれなりにいるわけだが、Wynton Marsalis らの運動で、New Orleans 在住のミュージシャンたちが息を吹き返しはじめているという(New Orleans Jazz Festival の模様はNY Times がレポート)。

しかし比較的よい傾向をリポートしてるのはこのぐらいで、以下悪いNewsの羅列。

1)やっぱりHousing Projects が遅れている。New Orleans を出て行ったひとたちが帰ってきたくなるような家を!(Washingtonpost)

2)Katrina被害への世界からの援助、8億5400万ドルは、実は、4千万ドルしか使われていなかった(Washingtonpost)。

3)The Army Corps of Engineers による堤防はすでに欠陥発覚(NY Times)。

4)被災者用の600万食がムダに(Washingtonpost)。

5)2300名のSocial Security Number が宛名に印刷(Washingtonpost)。

こういうのをみて、参考にすべきなのは、組織で物事をきちんとこなす難しさと必要さ。

日本も他人事じゃなくよく知っているはずだが、組織のなかでいろいろなひとの手を経ていくうちに本来の目的がやがて消えてみえなくなることさえある(司馬さんは軍部は誰が悪いというより誰がやってもあの組織のなかにいれば同じことをすることになったろうと述べていた)。組織は、交響曲のように個人には絶対出来ない力を発揮する一方で、あまりに大きな力を暴走させ、その構成員たる個人に大きな負担をかけることにもなるから注意したいというわけだ。

だから以下のニュースは特に同盟国アメリカに自問してほしい問題。

組織というと、つい湯水のように金を使っていくわけだが、アメリカのテロ対策にかかっていたお金は、第2次世界大戦についで2番目の額になっているらしい(Washingtonpost)。

同記事によると、歴代の対外戦争の費用は以下。

独立革命    $4 billion
1812年戦争   $1 billion
メキシコ戦争  $2 billion
南北戦争    $81 billion
米西戦争    $7 billion
第1次世界大戦  $364 billion
第2次世界大戦  $3.2 trillion
朝鮮戦争    $650 billion
ベトナム戦争  $691 billion
湾岸戦争    $92 billion
対イラク・テロ $754 billion WWII以降をまとめたグラフィック

日米両国に、リアリズムを望む。

追伸1:NY Timesにある新刊紹介欄では、J. F. Kennedy 大統領暗殺の真犯人もいろいろ組織が絡んでいそうでよくわからないが、実はたったひとりの人間に帰せられる、というVincent Bugliosiの本が紹介されていた。

追伸2:Townhall には、New Orleans のTulane University でどのように寄付金が寄付者の意図に反して使われてきたかがすっぱ抜かれていた。

追伸3:これまでのKatrina。 12345678910111213141516171819202122232425262728293031323334


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1 Comments

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deadline (stone)
2007-06-01 23:38:05
NY Times (http://www.nytimes.com/2007/05/31/us/31road.html?_r=1&th&emc=th&oref=slogin)によると、Katrina 被災者の住宅などの援助申し込み締め切りが、7月31日に決まりました。
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