満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

昨日、瑕疵のライブに駆けつける

2022-07-30 | 新規投稿
昨日、瑕疵のライブに駆けつける。4月のSCATTER ELECTRONS(臼井康浩gt 宮本隆b 藤掛正隆ds)との時弦プロダクション・ダブル・レコ発以来だ。トップのWEICHES LOCHは僅かの時間しか観られず。メタルパーカッション・ユニットだが、乱れ打ちではなくキメ、ユニゾンを多用したアンサンブルが聴き応えあるサウンド。メンバーの多門くん、終わってから声かけると服のままシャワー浴びたかのような汗だく状態。二番目のFuji-Yukiふじゆき。ダークな音響に導かれる天上のボイス・パフォーマンス。強い世界観に徐々に引き込まれ、手拍子のサンプリングがインダストリアル・ビートに変容する瞬間、もはやゴシックやユーロ・サイケデリック等のジャンルが無効化される。ここにFuji-Yukiふじゆきという個人が屹立し、空間を圧倒するに至る
トリの瑕疵はいきなりのハイテンションなアンサンブルが展開。即興パートかと思いきや、アルバム「ancode」の曲である事が途中で判明。このあたり、曲のアレンジに関する飽くなき追究、思いついたアイデアを実現させるグループの本質が反映される。きっちりとリハを積んだ成果だろう。ドラムとベースの堅固さに支えられた進化系JAZZがここにある。これを体験すればもうフリー・ジャズやポスト音響派JAZZですら外来の鑑賞物らしき感性に収まってしまう気がするのも確かだ。凄まじい演奏をやり終えた瑕疵に対し観客は当然のようにアンコール。瑕疵の音楽はもっと聴いていたい快楽指数を促すもの。個人的にはアルバム「ancode」にも同様の‘短さ’を感じていたのも事実だがリーダー松下氏の潔さはグループの音楽性の在り方そのものを象徴する稀有な個性と受け止めよう。コンパクトで瞬間的な美学めいたものを感じる。そんな瑕疵はライブ数も少ないのは事実だが、それを目撃する者は必ずショックを受けるだろう。以後、彼等の動向にお見逃しなく。私は会場の物販コーナーに瑕疵のCDが無い事に気つき、松下氏に問うと「持ってこなかったんですわ」と。せっかくのライブなのにこの無頓着さ。大物です。という訳でアルバム「ancode」(時弦プロダクション jigen022)は発売中です。必聴、よろしくお願いします!
7.29.fri HOKAGE presents[CITY OF ECHO]
•瑕疵
alto saxophone マツシタカズオ contrabass 鳴瀧朋宏 drum 衣笠智英 Electric guitar 豊永亮Tenor saxophone 登敬三 picture 津田謙司
•FUJI-YUKI(sarry)
•WEICHES LOCH
 
 
 
コメント
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