今年もクラス会のハガキが届いていた。
このクラス会は、卒業してから毎年ハガキがきている。
小学6年の時のクラスのものだから、あれから30年。
ハガキには、印刷された文字の他に、一言挨拶もあった。
30年も経ち年々参加者が減ってきているが、今年は卒業の時に埋めたタイムカプセルを開けてみる予定だからぜひきて欲しい。
というものだった。
かく言う俺も、懐かしいとは思いつつ一度も参加した事がなかった。
30人いたクラスメイトのうち数人
はもう亡くなったと風の噂で聞いた。
まだ若いつもりだが、そうやって会えない人が増えていくんだと、少し寂しい気持ちになる。
よし、今年は行ってみるか。
タイムカプセル。。そういえばそんな物を埋めた、と今頃思い出す。
懐かしいな。
今年のクラス会は、タイムカプセルを掘り出すから学校で行うと言う。
当日、少し早めに着いた俺は休日で誰も居ない校舎をゆっくりと歩いていた。
思っていた以上に小さな机と椅子、廊下に貼られた絵、下駄箱に並ぶ上履き。
全てが懐かしく、自然と笑みがこぼれる。
さて、そろそろ俺らの教室に向かうか。。
教室を覗くと、まだ一人しか来ていないようだった。
『こんにちわ』
窓際に立つ女性に声をかける。
女性は振り向いて
『こんにちわ、幹事の土田です。土田さおり。』と挨拶してくれた。
正直、土田さんという名前を思い出せなかった。
『上田です。クラス会一度も参加してなかったので。。覚えてますか?』
『もちろん覚えてますよ。クラスの人気者でしたよね。』
その後、少し他愛もない会話をしてふと時計に目をやると、ハガキに書かれた時間を15分ほど過ぎたところだった。
そんな俺の仕草に気づいたのか、彼女は立ち上がり言った。
『ごめんなさい。今日のクラス会、出席者は高野くんと私だけなの。』
『えっ!。。そうなの?』
『えぇ。でも30年前の約束通り、タイムカプセルは開けましょうね。』
正直なんだか拍子抜けだったが幹事の彼女が気の毒になり、俺たちはタイムカプセルを埋めた裏庭のケヤキの樹の下に向かった。
そうだ、この樹。。
懐かしいなぁ、ちゃんと残ってるのかな、タイムカプセル。
少し緊張しながらゆっくりと土を掘っていく。
『あった!』
俺たちは同時に声を上げた。
小さな木箱に沢山のカプセルが入っていた。
俺たちはこの中に、30年後の自分への手紙を書いたんだ。
カプセルの薄れた名前が時間の経過を物語っているようだ。
ドキドキしながら上田と書かれたカプセルを開ける。
【30年後の自分へ。】
これを読んでいるということは、
私の願いが叶ったということかな。
ありがとう。
30年間お疲れ様。
これでやっと、私は救われる。
ん?これ、俺のじゃないかも。。
よく見ると、上じゃなく土って書いてある。
『あれ?これ俺の書いたのじゃなかったみたいだ。ゴメン、中みちゃったよ。』
そう言って彼女に手渡した。
『ところで、願いが叶ったってどういう意味?』
『それはね。。』
次の瞬間、俺は腹に強烈な痛みを感じた。
『ねぇ、土田みゆきって知ってる?』
このクラス会は、卒業してから毎年ハガキがきている。
小学6年の時のクラスのものだから、あれから30年。
ハガキには、印刷された文字の他に、一言挨拶もあった。
30年も経ち年々参加者が減ってきているが、今年は卒業の時に埋めたタイムカプセルを開けてみる予定だからぜひきて欲しい。
というものだった。
かく言う俺も、懐かしいとは思いつつ一度も参加した事がなかった。
30人いたクラスメイトのうち数人
はもう亡くなったと風の噂で聞いた。
まだ若いつもりだが、そうやって会えない人が増えていくんだと、少し寂しい気持ちになる。
よし、今年は行ってみるか。
タイムカプセル。。そういえばそんな物を埋めた、と今頃思い出す。
懐かしいな。
今年のクラス会は、タイムカプセルを掘り出すから学校で行うと言う。
当日、少し早めに着いた俺は休日で誰も居ない校舎をゆっくりと歩いていた。
思っていた以上に小さな机と椅子、廊下に貼られた絵、下駄箱に並ぶ上履き。
全てが懐かしく、自然と笑みがこぼれる。
さて、そろそろ俺らの教室に向かうか。。
教室を覗くと、まだ一人しか来ていないようだった。
『こんにちわ』
窓際に立つ女性に声をかける。
女性は振り向いて
『こんにちわ、幹事の土田です。土田さおり。』と挨拶してくれた。
正直、土田さんという名前を思い出せなかった。
『上田です。クラス会一度も参加してなかったので。。覚えてますか?』
『もちろん覚えてますよ。クラスの人気者でしたよね。』
その後、少し他愛もない会話をしてふと時計に目をやると、ハガキに書かれた時間を15分ほど過ぎたところだった。
そんな俺の仕草に気づいたのか、彼女は立ち上がり言った。
『ごめんなさい。今日のクラス会、出席者は高野くんと私だけなの。』
『えっ!。。そうなの?』
『えぇ。でも30年前の約束通り、タイムカプセルは開けましょうね。』
正直なんだか拍子抜けだったが幹事の彼女が気の毒になり、俺たちはタイムカプセルを埋めた裏庭のケヤキの樹の下に向かった。
そうだ、この樹。。
懐かしいなぁ、ちゃんと残ってるのかな、タイムカプセル。
少し緊張しながらゆっくりと土を掘っていく。
『あった!』
俺たちは同時に声を上げた。
小さな木箱に沢山のカプセルが入っていた。
俺たちはこの中に、30年後の自分への手紙を書いたんだ。
カプセルの薄れた名前が時間の経過を物語っているようだ。
ドキドキしながら上田と書かれたカプセルを開ける。
【30年後の自分へ。】
これを読んでいるということは、
私の願いが叶ったということかな。
ありがとう。
30年間お疲れ様。
これでやっと、私は救われる。
ん?これ、俺のじゃないかも。。
よく見ると、上じゃなく土って書いてある。
『あれ?これ俺の書いたのじゃなかったみたいだ。ゴメン、中みちゃったよ。』
そう言って彼女に手渡した。
『ところで、願いが叶ったってどういう意味?』
『それはね。。』
次の瞬間、俺は腹に強烈な痛みを感じた。
『ねぇ、土田みゆきって知ってる?』