しっとう?岩田亜矢那

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《解説編》意味がわかると怖い話2984 「沈没船」

2020年02月08日 18時52分40秒 | 意味がわかると怖いコピペ
まず、本文中の違和感を全て挙げてこう。

◇救命ボートは1艇を除いて全てなくなっている。

◇乗客のどの部屋も、沈没に慌てた様子が見られない。

◇食堂に乗客全員の亡骸がテーブルに座っている。

◇操舵室の死体と『船底金庫』と書かれたメモ。

◇閉じた金庫の扉から僅かに気泡が漏れている。鍵は開いている。

等々。

では、この豪華客船の沈没前に起こった出来事を語っていこう。

沈没から数時間前、調理場を何者かが襲撃する。
犯人はシェフにその日のディナーに毒を混入させるよう指示する。
食べてすぐ死なれたのでは、食堂に遅れて来た乗客がいた場合に困るので、
即効性の睡眠薬と遅効性の毒薬を混ぜて使用する。
結果、何も知らない乗客は皆席に座ったまま永眠……

その後、用済みになったシェフとボーイを殺害し、
犯人は船底金庫の鍵を得るため操舵室へ。
調理場の時同様、皆殺しにするが、僅かに息のあった乗組員が
『犯人は船底金庫に向かった』
とメモを残し息絶える。

船底金庫に向かう途中、後に沈むであろうこの船を探索された時のために、
犯人は自身の脱出分を残して救命ボートを切り離し、乗客乗員が逃げたように隠蔽する。

金庫の鍵を開け、順調に貴重品回収をしていた時にアクシデントが発生。
舵を失い航海ルートを外れた船は座礁、衝撃で金庫の扉が閉じてしまう。
犯人は必死で開けようとするが、
流れ込んだ海水の水圧でそれは叶わず、そのまま沈没してしまった。
語り手が金庫の前に来た時、中の犯人は生きていたのだろうか?