昨日、武富士自身が
「本日の一部報道について
弊社が発表したものではございません。
また、弊社が報道されているような決定を行った事実もございません。」
との会社更生法申請を否定するかのプレスリリースを出した事で
夜のニュースでは殆ど報じられる事がなかった。
でも、東証ではきっちりと
「上場廃止の恐れあり」の「管理銘柄」に指定している。
(武富士のプレスリリースには、わざわざ(確認中)と括弧書きが)
そして表面上では会社更生法申請報道を否定しながらも
水面下では「DIP型会社更生手続き」の適用を画策してるらしい。
この聞き慣れない「DIP型会社更生手続き」だが
従来、企業が破綻して会社更生法適用を申請した場合
裁判所が財産保全命令を出し、管財人(通常、弁護士)を任命。
これに伴い、旧経営者は経営の権限を失うのが通常の流れであった。
経営陣が記者会見でお詫びした後、一斉に立って頭を下げ
場合によっては「従業員は悪くないんです!」と号泣した後
総退陣である。
でも、最近は会社を潰しておいて、
「なんでわしの会社やのに辞めなあかんねん?」
と経営陣の退陣が前提となる会社更生法の適用が減少し、
民事再生法の適用が増加したことに伴い、
破綻企業の経営陣が退陣せず、更生計画などに関与する
「DIP型会社更生手続き」が導入された。
民事再生法と比較し、
担保権についても更生計画の定めるところによって権利が制限されるといった面で
会社更生法の方が法的拘束力が強い。
更生手続きを進めるにあたって、(債務者にとって)有利な点の多い会社更生法の利便性を、
現経営陣を残しながら利用できることになる。
DIP型会社更生手続きを利用するにあたっては、
主要債権者の同意、
現経営陣に不法行為等の違法な経営責任がない、
スポンサーとなるべき者がいる場合はその了解がある、
現経営陣の経営関与によって会社更生手続の適正な遂行が損なわれるような事情が認められない、
といった要件を満たす必要がある。
業務に精通している経営陣に引き続き経営に当たらせる事で
円滑に再建を進める事が望めるが
モラルハザードの懸念も残る。
よって、今回の武富士の場合は
社長と、創業家出身(てまだおったんかい?)副社長は退任する予定。
しかし、この二人とも「執行役員」
つまり取締役でさえない。