晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 吉原靖彦 5Sによるコストダウンの進め方

2011年10月03日 | ものづくり・工場改善

(2011年10月3日発行)(次回10月10日発行予定)

ものづくり・工場改善の本の紹介も7回目になりました。
今回は、5S関係の2冊目の紹介です。ぜひ本を購入して読んでください。
全体では7冊目です。
年間12冊の中の10月の一冊です。

タイトル:「5S」によるコストダウンの進め方
著者:吉原靖彦(東京都市大学工学部卒業。(社)中部産業連盟参与。主席コンサルタント)
出版社:中経出版

ここが読みどころ(ここがお勧め)
「5S」の本を整理・分類してみると、①実際の5Sのやり方、実施の前後の様子を写真で紹介した本(初歩的、基本的)②より高度な5Sのやり方などを紹介した本(応用的)に分かれると思いますが、この本は後者の部類です。「5S」を実施しているが会社としての成果が出ていない会社の方にお勧めの本で、サブタイトルには「成果を追求を徹底し、習慣化することで確実にコストダウンに結びつきます!」とあります。
本の中では、特に、本の最後についている切抜きのページ(5Sからコストダウンへの繋げ方説明が入っている)は有効かつ参考になります。

内容
43p、45p、47p及び最後についている切抜きのページに記載されている、
 5Sの展開(ホップ)
  ⇒経営資源4Mの質の向上(ステップ)
   ⇒PQCDのレベルアップ(ジャンプ)
    ⇒コストダウン(労務費、材料費、経費の削減)
の流れを図で理解ください。形の5Sではなく、コストダウンという成果を強く追求する中で、徹底・習慣化の5Sにすることで、成果が必ず上がります。
また、コストダウンも、労務費狙いなのか、材料費狙いなのか、経費狙いなのか目標項目を明確にした活動が大切です。
最後に、4Mの質の向上がコストダウンにつながるところの説明・事例が少なく、読者の一人として、この点は理解ができなかった点を付け加えておきます。

目次
 序章 今こそ5S活動で差をつける
 第1章 5Sなくして改善の成果は上がらない
 第2章 逆風でも利益を生む5Sによるコストダウン
 第3章 コストダウン活動の基本を押さえる
 第4章 コストダウンに直結する5S実践法
 第5章 コストダウンをめざす5S導入法
 第6章 躾で5Sを強化・維持する

ページ数:173p
価格:1400円

概観
Photo_2 ほぼA5の大きさです。

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ものづくり・工場改善 企業編 ①中田工芸 木製ハンガーシェア5割

2011年10月03日 | ものづくり・工場改善 会社編

(2011年10月3日臨時発行)

(独り言:今、もの造り企業の環境はたいへん厳しいですね。3K職場ですし、海外から安価なものが入ってくるし。
また、但馬は”谷間”から来ているのではと言われるくらい平地が少ないところです。
そんな但馬地方のもの造り企業の応援の気持ちでこの記事を書いています。
                                       井上三郎右衛門@晴耕雨読)

(下記の内容については私の知識レベルがまだ低い時に記載していますので、
適切でない部分があるかも知れませんが、修正はしていませんので。)

●今日、10月2日、NHKのルソンの壺という25分番組で、兵庫県豊岡市にある中田工芸さんが紹介されました。実は、9月4日に放送予定だったのですが、和歌山県の台風による大災害の報道が急に入ったため放送されず、1ケ月遅れでやっと見せていただきました。
●中田工芸さんは、豊岡市の中の旧日高町に本社があり、神鍋高原も同じ旧日高町にあり、地縁があります。
●中田工芸さんの主製品は木製のハンガーで、国内シェアは5割だそうです。中小企業診断士が関係するJ-NET21などでも、俳優の方が来て取材をされ、紹介されていたと記憶しています。
●個人的な中田工芸さんの思い出は、母が中田工芸さんから折りたたみ傘を購入した時に、(当時の)社長の奥様からアドバイスされた内容です。それは、もうだいぶ前のことで、当時は雑貨店をされていたはずで、概観でほぼ同じように見える傘なので安い方を母が購入しようとすると、「見てください、奥さん。こちらの安い傘の骨はこの程度の太さですが、少し高いこちらの傘の骨はこんなに太いんです。だから、丈夫で長持ちしますよ。」とわざわざ傘を開いて示され、アドバイスされたそうです。価格だけでなく、消費者・使用者の視線が入ったアドバイスをされているところがすばらしいと当時思った記憶があります。
●そんな会社さんですから、ここまで会社が大きくなったのではと想像をします。
●番組を見て、私も1つ購入したくなりました。

前置きが長くなりました、番組で紹介された内容を中小企業診断士風にアレンジ・構成して紹介します。

会社名:中田工芸
売上:7億5000万円
従業員:46名
市場シェア:木製のハンガーで5割
社長:中田孝一さんPhoto

市場の環境:ハンガーの市場はプラスチックの安価な製品が主流であるが、ブランド品の店頭販売などで使用されるハンガーは、ブランドのイメージやコンセプトを保つこだわりのハンガーが必要となる。
Photo_12
会社の強み(知的資産からの視点):
①著名デザイナーなどのブランド・コンセプトに関わる細かい要求に応えてきたため、信頼を得ている。(関係資産)
Photo_4 Photo_10
③細かい要求に応えてきたことで、細かい要求にを実現する設計力・製造技術力が蓄積されている。(人的資産)
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動機付け:東京の青山・渋谷などへの社員旅行時に、自分たちが製造したハンガーが店頭販売時に使用されている様子を見て、モチベーションがあがった。
最後に:番組の中で出てきましたが、ハンガーは服をかけるものですが、服だけでなく福もかけたいですね。
Photo_8
(上記内容では著作権に触れない程度で、公共放送としての番組の写真をわかりやすいよう使用させていただいています。著作権侵害の意図はありません。)

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