晴耕雨読 in 神鍋高原

~ものづくり・工場改善の本の紹介を中心に~

ものづくり・工場改善 BSC ④バランス・スコアカードの創り方(伊藤一彦・上宮克己)

2013年03月03日 | ものづくり・工場改善 BSC

第135回目記事(2013年3月4日(月)発行)(次回は3月11日(月)に発行予定)

 さあ今回から、本の中身に具体的に入って行きたいと思います。
 今までは、よく理解できない点や分からない点などを具体的に書かなかったのですが、今後は場合によっては記載していきたいと思います。それが、私に勉強不足から来ている場合は申し訳ありません。お薦めの点は当然たくさん記載していきますので。

タイトル
 小さな会社にも活用できる!「バランス・スコアカード」の創り方 3版
 (本の帯には、「決断の先送り」はもうやめませんか?-今、リスクを考えて決断しないことが最大のリスク-と記載されている。)
著者
 伊藤一彦、上宮克己
 (著者らは中小企業診断士の資格を持たれていて、大阪を拠点に会社経営やBSCの経営コンサルタントをされているようです。)
出版社
 
同友館
定価
 1500円(税別)
おすすめ度
 
5段階評価の1.5くらい

感想
 5段階評価のなかの1.5で、大変厳しい評価をしている理由は、著者の言いたいことが私にはあまり理解できなかったからです。3版を重ねている本ですから、読む方によっては十分に理解できるかも知れません。私が理解できないと言っている点は、①中小企業にも活用できる!とタイトルに記載されている理由、②本の帯に「決断の先送り」はもうやめませんか?-今、リスクを考えて決断しないことが最大のリスク-と記載されている理由が読んでみて私には分からなかったからです。
 良い点を上げてみると、①57pの図2-3でバランス・スコアカード運用の理想と現実の比較を挙げられており、現実と理想のギャップがよく理解できる点、②さらに、その中で”必ず業績が向上する”わけではなく、”短期的には業績が下がる場合もある”と事例を紹介されながら記載されている点、③ホームページにアクセスすれば、無料でプレゼント(バランス・スコアカード作成テンプレートなど)がもらえる点です。
 気になる点は、①記載されているバランス・スコアカードをよくよく吟味してみるのですが、会社ではなぜなぜ分析の研修の講師をしており要因間の因果関係について見る目はあると自負していますが、どうもバランス・スコアカードに本物らしさがない点、(情報をオープンに出来ないためそうなっているのかもしれませんが)②他の本と比較してですが、第1章と第3章のバランス・スコアカードの説明と創り方があまりにもあっさりしていて、簡単でページ数が少ない点、③バランス・スコアカードの説明・創り方と導入の事例の繋がりが弱いと思われる点です。

 この本は、気軽に買って、気軽に読める本ですので、まず概略を掴むことを目的とする読者の方には良いかも知れません。

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ものづくり・工場改善 BSC ③まだまだ整理中

2013年02月17日 | ものづくり・工場改善 BSC

第133回(2013年2月18日(月)発行)
      (次回2月25日(月)発行予定)

BSC(バランス・スコアカード)の本をまだまだ読み続けています。

かつてのブームの時に多数の方が研究をされ、整理され、本を書かれており、
以前紹介した本以外にも良い本が多数あります。
たとえば、
(6)バランスト・スコアカード 櫻井通晴 同文館出版
(7)実践バランス・スコアカード 柴山慎一・正岡幸伸・森沢徹・藤中秀雄 日本経済新聞社
です。(6)の櫻井先生は、専修大学の教授で、キャプラン教授とノートン氏の著作の2番目・3番目のものを翻訳をされています。(7)の柴山先生他は野村総合研究所などでBSCのコンサルタントなどをやられているようです。
これらの本も、順番に紹介していきたいと考えています。

また、BSCの考案者のキャプラン教授とノートン氏の、著作も読み始めています。
(8)バランススコアカード ロバート S・キャプラン+デビット P・ノートン[著] 吉川武男[訳] 生産性出版
(9)キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード ロバート・S・キャプラン デビット・P・ノートン[著] 櫻井通晴[監訳] 東洋経済新報社
(10)戦略マップ [監訳]櫻井通晴 伊藤和憲 長谷川惠一 ランダムハウス講談社

とにかく、どれもこれも分厚い本で、ちなみにページ数を順番に書くと581p、約250p、380p、494p、567pとなります。

とにかく、頑張って読み進めたいと考えています。

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ものづくり・工場改善 BSC② ただ今整理中

2013年02月03日 | ものづくり・工場改善 BSC

第131回(2013年2月4日(月)発行)
(次回は2月11日(月)に発行予定です)

◆5冊の本を読んでも、BSCについてはまだまだ浅学ですが、もっと浅学の方の役に立つことを願って、以下をまとめました。少しでもお役に立てばと思います。5冊の本を以下に再掲しておきます。
 (1)バランス・スコアカードの知識(吉川武男 日経文庫 2006年)
 (2)松原流 戦略マップ/BSC<バランス・スコアカード>実践教本(松原恭司郎 日刊工業新聞 2010年)
 (3)会社がみるみる変わる戦略マップ(澤根哲郎 PHP研究所 2005年)
 (4)小さな会社にも活用できる!「バランス・スコアカードの創り方」(伊藤一彦・上宮克己 同友館 2011年(新訂3版))
 (5)会社を戦略通りに運用するバランススコアカードの使い方がわかる本(松山真之介 中経出版 2003年)
 

◆まず最初に、BSC関係の本5冊を読んでみてつくづく思うのは、内容が全くまちまちということです。本の内容が、書きたい部分や書けるページ数などでまちまちなのは当然なのですが、
 ①BSC自体が長い期間を経て進化をしてきた(松原先生によると4段階)、
 ②BSCの定義が決まっていない(商標登録されていないため、自由に定義が可能)、
 ③コンサルタントの先生は、経験から得られたものをフィードバックされている、
といった点から違いが出てきています。理解を深めるために読み込んでいくほど、個人的にはどうしてもその点に目が行ってしまいました。具体的には次のような点になります。
 ①バランスさせているものの説明が、ほぼ全ての本で異なる
 ②4つの視点の中で、「学習と成長」もしくは「人材と変革」が使用されている
 ③ビジョン・戦略と4つの視点の関係性の図で、矢印が両方向だったり片方だったりする

◆内容がまちまちでも、内容がすごく適切と思われたり、参考になる資料もあります。まず、その点を記載してみます。その中には、私が誤解していて、そうだったのかと感じた部分も入れています。
 ①会社へのBSC導入・活用の成功率は、10~30%である。(松山先生の本より。幅が広いですが、最低の10%の成功率は低すぎますね。)
 ②記載されている「戦略マップ」の詳細を検討すると疑問だらけ(各先生すいません。もしかして読者にわかりやすくされているためかもしれませんが。)
 ③BSCで大変なのは(重要なのは)実行の工程
 ④「バランス・スコアカード」と呼んでいるために、他に戦略マップやアクションプランが入り、重要な役割を果たしていることが、忘れがちになる(なりそう)。

◆5冊の本を、2次元の4つのマトリックスのどこにポジショニングすることで、本の狙いなり特徴を出せるかとトライしてみましたが、残念ながら狙いを達成できる良い案が出来ていません。ここでは著者の分類に従い分けてみました。
 ①研究者       吉川先生、松原先生※
 ②コンサルタント  伊藤先生、澤根先生
 ③社内実践者    松山先生
 
 ※松原先生は正確にはコンサルタントに分類されると考えますが、本の内容から研究者に分類しました。

◆BSCの全てについて記載した本は残念ながらありません。本を書店で立ち読みして、気に入った本を読まれるのも方法ですが、今回私はそれで少し失敗しましたので、お勧めの本を記載しておきます。
 松原恭司郎先生の戦略マップ/BSC<バランス・スコアカード>実践教本 +
 松山真之助先生のバランススコアカードの使い方がよくわかる本のPART2
です。
 松原先生の本は高レベルですが、私が持っていた色々な疑問に答えてくれています。また、本のタイトルに戦略マップ/バランス・スコアカードが入っている点からも、網羅性が高いことを理解いただけると思います。
 松山先生の本は、他の本には無い部分(企業がBSCを導入する場合のステップや注意点)などが記載されています。

◆最後に、BSCをわかりずらく思っていた者が、こう考えたらBSCはわかりやすいよねという体系図を書いておきます。ご参考になればと思います。
 BSC----戦略マップ(プランPlanの第1ステージ)
      |    ↓
      |--バランススコアカード+アクションプラン(プランの第2ステージ)
      |    ↓
      |--(実行:ドゥーDoのステージ)
      |    ↓
      |--実績記入されたバランススコアカード(チェックCheke・アクションActionのステージ)


 

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ものづくり・工場改善 BSC ①はじめに

2013年01月20日 | ものづくり・工場改善 BSC

第129回(2013年1月21日(月)発行)
      (次回1月28日(月)発行予定)

 今回から、ものづくり・工場改善のジャンルの中で、BSC(バランススコアカード)のテーマを取りあげたいと思います。
 取りあげる理由は、最近、知的資産経営の勉強をしています。大企業と比較し、人・設備・資金の少ない中小企業ほど、知的資産が大切だと痛感しています。
 知的資産は、見えない資産で、人的資源・構造資産・関係資産に分かれます。この人的資源・構造資産・関係資産の関係が、BSC(バランススコアカード)の4つの視点である、①学習と成長の視点②内部業務プロセスの視点③顧客の視点④財務の視点のなかの最初の3つとかなり近い関係があります。
 BSC(バランススコアカード)は、2000年から2004年ぐらいまでは、経営関係では大変なブームでした。しかし、現在は下火です。
 現在の2013年から過去を振り返りながら、中小企業で役に立つBSC(バランススコアカード)という視点で、下記の本を読んで、今後役に立つ内容をまとめていきます。
(1)バランス・スコアカードの知識(吉川武男 日経文庫 2006年)
(2)松原流 戦略マップ/BSC<バランス・スコアカード>実践教本(松原恭司郎 日刊工業新聞 2010年)
(3)会社がみるみる変わる戦略マップ(澤根哲郎 PHP研究所 2005年)
(4)小さな会社にも活用できる!「バランス・スコアカードの創り方」(伊藤一彦・上宮克己 同友館 2011年(新訂3版))
(5)会社を戦略通りに運用するバランススコアカードの使い方がわかる本(松山真之介 中経出版 2003年)
(最近の出版の新しい本や改定がなされている本を出来る限り選んでみました。)
(BSCをバランススコアカードと記載していますが、バランス・スコアカードとかバランスト・スコアカードとかバランスド・スコアカードといった記載がされている場合もあります。ここでは、バランススコアカードを使用します。ただし、本のタイトルの場合には正確に記するため、タイトルどおりの記載とします。)

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