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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「THE GREY 凍える太陽」心底怖くて寒い映画だった

2012-08-22 07:42:35 | ミニシアター系映画
「THE GREY 凍える太陽」★★★☆
リーアム・ニーソン、ダーモット・マローニー、
ジェームズ・バッジ・デール出演

ジョー・カーナハン監督、
144分、2012年8月18日公開
2011,アメリカ,ショウゲート
(原題/原作:THE GREY)






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「石油掘削現場で働く男たちを乗せた飛行機が
アラスカの山中に墜落する、
主人公は孤独な心をかかえ
自殺も考えていたが
極寒の大地に放り出されたとたん
生きることへの執着を見せ
生き残った仲間たちと
生きる希望を抱えて歩き始める」



とにかく墜落時の映像が衝撃的、
どんなに想像をめぐらせても
考えたくない瞬間だ

飛行機に乗れば誰だって
そんな瞬間をチラッと頭で考える、
あんなでかい物体が空を飛ぶ事は
現実的に分かっていても
やはり不思議で
そしてどこか無理してるように感じる。

リーアム・ニーソン演じる主人公は
愛する人を失い
仕事にも希望を見出せず
ついには銃を口に咥える瞬間もあったが
そんな彼が偶然飛行機の墜落に巻き込まれた、
生に絶望する仲間を見ながらも
一貫して「生きる」ことへ執着を見せる主人公は
そのたどり着くかどうかも分からない
道なき道の向こうに何を見たのか。



墜落の衝撃もさることながら
極寒のアラスカの山林に放り出されてしまったら
なんだかそこで「無理!」と感じるだろうな

顔も凍りつく状況で
狼に囲まれ、大自然の脅威を
これでもかと味わったら
どこに希望を見出せばいいだろう。


普段は「生きる」ことについて
考えることはあまりない、

漠然と延々と続いていくだろうと感じ
それよりは日々の些細なことに捕らわれている、
けれどこの映画のような極限状態に遭遇したら
これはもう「人間力」を試されることになる。


自分達は普段は、より安全で
安全に暮らせるように
周囲を固めて暮らしている
危ない事が無いように心を砕いて、
だから映画のような状況は
これからも遭遇することは無いだろうが
映画を見ながら
そこに居るもう一人の自分と言う出演者を
常に感じていて
これはもう寒くて、寒くて
怖かった!


実生活では絶対に起こって欲しくないが
映画としては
最後まで目が離せない緊迫の時間で
終わった後は
どこかに無理な力が入っていたようで
すごく疲れた
そして安全な空間に座る自分を喜んだ。



★100点満点で70点


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書籍「冥土めぐり」主人公の求めるものが分からない

2012-08-20 10:02:32 | 読書の時間
書籍「冥土めぐり」★★★
鹿島田 真希著 ,
河出書房新社、2012/7/7
( 156ページ , 1,470 円)


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第147回芥川賞受賞


「毎回どんな新しい才能に出会えるか
楽しみにしている受賞作、
今回は夫婦で温泉宿へ一泊旅行へ行く話で
そこに母親や弟などの
家族の話が絡んでくる、
これをリアルに感じる人もいるかもしれないが
自分には絵空事にしか感じられず
読みやすかったけれど
読み終えて心に響くものは無かった、
また作者はデビューして13年目と
もう新人じゃないんじゃないか」



かつての高級リゾートホテルが
区の補助で5.000円で宿泊出来ると知り
さっそく旅に出ることを決めた主人公、
そこはかつて事業に成功した祖父が
一族を連れて滞在した想い出のホテルであった、
繁栄と没落はホテルに限らず
主人公の母は浪費家で
弟は無自覚なバカ息子
そのために財産を失った母は
それでもまだ過去の栄光にしがみついている。

主人公の望むものは何だったのか?


強く主張することなく
周囲を語る事で
自分の状況を説明するばかりで
どう感じているかは読者に任せている
色々考えられはするけど
いくらなんでも主人公以外は常識はずれで
だからどうなんだ?と
逆にこちらが強く聞きたいのに
その答えはラストで気抜けするようなものだった。



ここには生への強烈な希求や
不満や希望も何も描かれない
漠然とした「物足りなさ」みたいな雰囲気に
満ち満ちているが
それが何なのか
そしてどうしたいのかは提示されない。


だから読み終えて
「何がしたいんだろう」
とんなふうに感じてしまう、
ありふれた小さな幸せ
人の価値観は様々
でも普遍的なものの断片でも示して欲しかった。



★100点満点で70点


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鹿島田 真希 作品一覧
『二匹』 1999年、河出書房新社 のち文庫
『レギオンの花嫁』(2000年、河出書房新社)
『一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する』(2003年、河出書房新社)
『白バラ四姉妹殺人事件』(2004年、新潮社)
『六〇〇〇度の愛』(2005年、新潮社)のち文庫 
『ナンバーワン・コンストラクション』(2006年、新潮社)
『ピカルディーの三度』(2007年、講談社)
『女の庭』河出書房新社、2009
『ゼロの王国』(2009年、講談社)のち文庫 
『黄金の猿』文藝春秋、2009
『来たれ!野球部』講談社、2011 
『冥土めぐり』河出書房新社、2012 

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映画「アベンジャーズ」知ってる顔も知らない顔も

2012-08-18 18:17:22 | 大作映画ハリウッド系
「アベンジャーズ」★★★★
ロバート・ダウニー・Jr.、スカーレット・ヨハンソン、
マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、
クリス・エヴァンス、ジェレミー・レナー、
サミュエル・L・ジャクソン出演

ジョス・ウェドン監督、
144分、2012年8月14日公開
2012,アメリカ,ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(原題/原作:THE AVENGERS)






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「ヒーロー大集結!というが
この人たちはヒーローか?っていうのも
紛れ込んでるし、
存在自体知らなかったヒーローも居て
でも物語としては
全部分かってるのを前提にどんどん進んでいく、
アメリカ人にとってはどれも馴染みの
ヒーローなのだろう、
そしたらこっちもそのつもりで見るだけだ、
贅沢なVFXはそれだけで見る価値あり、
大画面で見るべき作品」



109シネマズの大画面、iMAXシアターで見た、
ここは何度か書いてる通り
どんな割引も通用しないという
無敵の劇場で前売券を差し出すと
「差額900円です」と言われる、
うーん、手ごわい。


とんでもない力を秘めた四次元キューブが
研究所から奪われた、

奪ったのは「マイティーソー」でも出て来た
ソーの弟の邪悪な神ロキだった、
神々の国アスガルドを追放されたロキは
キューブの力を使って地球の支配をもくろんでいた。


それに対抗するために国際平和維持組織
「シールド」の長官ニック・フューリーは
7人のヒーローを呼び寄せた

とまあストーリーは大まかにあるが
見どころはVFX満載の映像、
とにかく物凄い!
こんなんで生きてるわけないと思うのだが
結構なダメージを受けても
みんな傷つきながらも、大丈夫という
まさにアニメの世界、
画面を狭しと縦横無尽に繰り広げられるバトルを
ただただ見つめるだけ。



現代のアイアンマンとキャプテン・アメリカでは
時代の違いがあるが
それを二人のかみ合わない軽妙なやり取りで
まあ細かい事言うのはヤボだなと
思わせてくれる、
この掛け合いは結構笑えた。


ホークアイとブラック・ウィドウのナターシャ・ロマノフは
完全に生身の人間なのに
空飛ぶヒーローや
ソーのような神様と
何の遜色も無く戦っているのが笑える、
もう何でもアリの世界、
でもまあ映画なんてそんなもの、
それぞれの見せ場を作りつつ
なにげにナターシャ・ロマノフが大きな役割だったりで
彼ら全員を良く知った上で見れば
また違ってるのだろう。



アメコミの映画化は全米では成功しているが
日本では必ずしもそうとは限らない、
でもこの映画に限っては
「日本よ、これが映画だ!」と
覚悟を決めたような宣伝文句は
全く嘘じゃなくって
見終えてこれだからハリウッド大作は見逃せないと
またしても思わされた。



今回は3Dで見たが
結構破片や壊れた物体が
ビュンビュンこっちへ飛んできて
これは3Dでも満足

もう一回見よう。

★100点満点で80点


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全米では最終成績「約6億1700万ドル」で
歴代3位と言う記録、日本ではどのくらい稼げるか。


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映画「テイク・ディス・ワルツ」幸せな日常に潜む不安

2012-08-16 11:06:39 | ミニシアター系映画
「テイク・ディス・ワルツ」★★★☆
ミシェル・ウィリアムズ、セス・ローゲン、
ルーク・カービー、サラ・シルヴァーマン出演

サラ・ポーリー監督、
116分、2012年8月11日公開
2011,カナダ,ブロードメディア・スタジオ
(原題/原作:TAKE THIS WALTZ)






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「この間、マリリン・モンローを演じていた
ミシェル・ウィリアムズが今度は等身大の
何処にでもいそうな主婦を演じているが
幸せに満たされた日々の間に
スルリと忍び込んでくるもの、
その捕え所のない感情を
実にうまく表現していたと思う、
好きかどうかは別として」



マーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)は結婚5年目、
子供は居ないが料理研究家の夫と
恋人同士のように暮らしている、
彼女は雑誌のライターで
いつか小説を書いてみたいと思いつつも
そのいつかが永遠にやってこないのではと
漠然とした不安を抱えている。



そんな時、旅行の記事を書くための旅で
ダニエル(ルーク・カービー)と出会うが、
彼が二人の住む家の向かいに住んでいる偶然に
驚きつつも気になり
彼女は一歩前に踏みだしてしまう。


簡単に言ってしまえば
人妻の不倫映画ってことになるが
それがなかなか深いというか

「少し物足りないぐらいが、丁度いいのよ」
途中でこんなセリフが彼女に向けられるが
そんなことは分かっている
けれど言葉を尽くそうと
頭でそれを分かろうとしても
どうしても埋められない空虚さはつきまとう。


時々主人公のマーゴの視線は宙を泳ぐ、
見えないものを見ようとしているのか
見えているものを見ないようにしているのか

彼女を包む暖かい日差し
夫のまなざし
やわらかいものに包まれて
これを幸せというなら、
それでいいはずなのに・・・・。


どこかで妥協すると考えたら
生きて行くのはハードだ、
これが自分の道と確信出来る人は少ない
ほとんどはこれで良いのかと
常にどこかで自問してるはず。



そんな捕えどころのない感情を
この映画ではそこここに感じた
彼らは「物足りない」とは言わない
「愛している」「愛している」と言うが
その言葉は真実であり
でもどこかにそういう事で
自分を納得させている姿も見える。


怖い映画だと思った。
彼女は自ら一歩踏み出したれど
その向こうでも
またしても満たされないダンスを踊り続けるのだ。



★100点満点で75点


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ミシェル・ウィリアムズ出演作品
マリリン 7日間の恋(2011)
テイク・ディス・ワルツ(2011)
ブルーバレンタイン(2010)
シャッター アイランド(2009)
ブローン・アパート(2008)
脳内ニューヨーク(2008)
彼が二度愛したS(2008)
アイム・ノット・ゼア(2007)
痛いほどきみが好きなのに(2006)
ブロークバック・マウンテン(2005)
ランド・オブ・プレンティ(2004)
16歳の合衆国(2003)
私は「うつ依存症」の女(2001)
ミー・ウィズアウト・ユー(2001)
ハロウィンH20(1998)
スピーシーズ 種の起源(1995)

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書籍「ロスジェネの逆襲」気軽に読める企業小説

2012-08-15 10:46:19 | 読書の時間
書籍「ロスジェネの逆襲」★★★★
池井戸 潤著 ,
ダイヤモンド社 、2012/6/29
( 386ページ , 1,575円)


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「後になってその時代を振り返る時
たとえば団塊世代とか
バブル世代だとか名前を付けたがる、
それでは1994年から2004年の
就職氷河期世代を何と言うか、
ロストジェネレーションを略して
ロスジェネ世代と
朝日新聞が定義したということだが、
何かをひとまとめにするのもどうかと思うが
大まかな傾向としては
何かが見えてくるのかもしれない」



団塊世代の大量の上層部と
中間管理職のバブル世代、
そして今まさに世に出て
色んなことを学んでいるロスジェネ世代、
主人公の半沢はバブル世代であり
彼はロスジェネ世代の部下の森山らに
現状に甘んじることなく
まして取り巻く光の見えない環境を嘆くだけでなく
自らの信念をもって切り開いて欲しいと
そんなメッセージを残す。



上場企業を舞台にした
銀行マンと企業戦士の物語、
経済に疎くても
ストーリーを追っていけばなんとなく分かる
そんな親切な小説でもある。


企業は儲けを獲得するために設立されたもの
だから利益追求こそが「善」であり
それを阻害するものが「悪」である、
ただし一方で企業は大きくなるにつれ
社会貢献も大きな使命だけれど
それは印象としては随分おざなりになっている、

まさに現代は生き残りの社会、
バブル時代とは違うからだ。


そんな状況の中で自分は何をすべきか、
何を実現したいか、
読みながらそんなことを
自分に置き換えて考えたりした。



ラスト直前の最後の切り札が登場するが
これはちょっとお粗末で
そのことで「アレレ」と感じた、
上場企業がそんなこと見逃がすわけないだろうと
だけどまあ、小説世界だからね、
そこはお約束と飲み込んでしまえば
全体的にはエンタメとして楽しめた。


心に訴えるものや
新しい発見は無かったけれど
読んでいくうちに
誰もが自分と社会や会社、
仕事との関係性を考える瞬間があると思う、
そこで何を考えるか

それは千差万別だが
そんな瞬間を持つだけでも
この小説を読んだ意味はある。

何といっても今、勢いのある作家のひとり
あまり多作になって
内容が薄まらないようにと願いながら
次の作品も楽しみにしている。

★100点満点で75点


soramove
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池井戸 潤 作品一覧
果つる底なき(1998年9月 講談社 / 2001年6月 講談社文庫)
M1(2000年3月 講談社)
改題『架空通貨』(2003年3月 講談社文庫)
銀行狐(2001年9月 講談社 / 2004年8月 講談社文庫)
銀行総務特命(2002年8月 講談社 / 2005年8月 講談社文庫 / 2011年11月 講談社文庫新装版)
MIST(2002年11月 双葉社 / 2005年7月 双葉文庫)
仇敵(2003年1月 実業之日本社 / 2006年1月 講談社文庫)
BT '63(2003年6月 朝日新聞出版 / 2006年6月 講談社文庫)
最終退行(2004年2月 小学館 / 2007年5月 小学館文庫)
株価暴落(2004年3月 文藝春秋 / 2007年3月 文春文庫)
金融探偵(2004年6月 徳間書店 / 2007年7月 徳間文庫)
不祥事(2004年8月 実業之日本社 / 2007年8月 講談社文庫 / 2011年11月 講談社文庫新装版)
オレたちバブル入行組(2004年12月 文藝春秋 / 2007年12月 文春文庫)
銀行仕置人(2005年2月 双葉社 / 2008年1月 双葉文庫)
シャイロックの子供たち(2006年1月 文藝春秋 / 2008年11月 文春文庫)
空飛ぶタイヤ(2006年9月 実業之日本社 / 2008年8月 実業之日本社Jノベル / 2009年9月 講談社文庫)
2009年3月よりWOWOWドラマWにてテレビドラマ化
オレたち花のバブル組(2008年6月 文藝春秋 / 2010年12月 文春文庫)
鉄の骨(2009年10月 講談社 / 2011年11月 講談社文庫)
第31回吉川英治文学新人賞受賞、2010年7月よりNHK土曜ドラマにてテレビドラマ化
民王(2010年4月 ポプラ社)
下町ロケット(2010年11月 小学館)
第145回直木賞受賞[1]、2011年8月ドラマWにてテレビドラマ化、2012年3月TBSラジオにてラジオドラマ化
かばん屋の相続(2011年4月 文春文庫/文庫オリジナル)
ルーズヴェルト・ゲーム(2012年2月 講談社)
ロスジェネの逆襲(2012年6月 ダイヤモンド社)
七つの会議(日本経済新聞社より11月刊行予定)
仏蘭西ノオト(早川書房より来春刊行予定)
幡ヶ谷行き迷宮バス(朝日新聞出版より刊行予定)
鋼のアリス(新潮社より刊行予定)
ブラックバード(文藝春秋より刊行予定)
ようこそわが家へ(小学館より刊行予定)
アキラとあきら(徳間書店より刊行予定)
狂咲シリーズ(不祥事)続編(講談社より刊行予定)

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