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書籍「ロスジェネの逆襲」気軽に読める企業小説

2012-08-15 10:46:19 | 読書の時間
書籍「ロスジェネの逆襲」★★★★
池井戸 潤著 ,
ダイヤモンド社 、2012/6/29
( 386ページ , 1,575円)


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「後になってその時代を振り返る時
たとえば団塊世代とか
バブル世代だとか名前を付けたがる、
それでは1994年から2004年の
就職氷河期世代を何と言うか、
ロストジェネレーションを略して
ロスジェネ世代と
朝日新聞が定義したということだが、
何かをひとまとめにするのもどうかと思うが
大まかな傾向としては
何かが見えてくるのかもしれない」



団塊世代の大量の上層部と
中間管理職のバブル世代、
そして今まさに世に出て
色んなことを学んでいるロスジェネ世代、
主人公の半沢はバブル世代であり
彼はロスジェネ世代の部下の森山らに
現状に甘んじることなく
まして取り巻く光の見えない環境を嘆くだけでなく
自らの信念をもって切り開いて欲しいと
そんなメッセージを残す。



上場企業を舞台にした
銀行マンと企業戦士の物語、
経済に疎くても
ストーリーを追っていけばなんとなく分かる
そんな親切な小説でもある。


企業は儲けを獲得するために設立されたもの
だから利益追求こそが「善」であり
それを阻害するものが「悪」である、
ただし一方で企業は大きくなるにつれ
社会貢献も大きな使命だけれど
それは印象としては随分おざなりになっている、

まさに現代は生き残りの社会、
バブル時代とは違うからだ。


そんな状況の中で自分は何をすべきか、
何を実現したいか、
読みながらそんなことを
自分に置き換えて考えたりした。



ラスト直前の最後の切り札が登場するが
これはちょっとお粗末で
そのことで「アレレ」と感じた、
上場企業がそんなこと見逃がすわけないだろうと
だけどまあ、小説世界だからね、
そこはお約束と飲み込んでしまえば
全体的にはエンタメとして楽しめた。


心に訴えるものや
新しい発見は無かったけれど
読んでいくうちに
誰もが自分と社会や会社、
仕事との関係性を考える瞬間があると思う、
そこで何を考えるか

それは千差万別だが
そんな瞬間を持つだけでも
この小説を読んだ意味はある。

何といっても今、勢いのある作家のひとり
あまり多作になって
内容が薄まらないようにと願いながら
次の作品も楽しみにしている。

★100点満点で75点


soramove
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池井戸 潤 作品一覧
果つる底なき(1998年9月 講談社 / 2001年6月 講談社文庫)
M1(2000年3月 講談社)
改題『架空通貨』(2003年3月 講談社文庫)
銀行狐(2001年9月 講談社 / 2004年8月 講談社文庫)
銀行総務特命(2002年8月 講談社 / 2005年8月 講談社文庫 / 2011年11月 講談社文庫新装版)
MIST(2002年11月 双葉社 / 2005年7月 双葉文庫)
仇敵(2003年1月 実業之日本社 / 2006年1月 講談社文庫)
BT '63(2003年6月 朝日新聞出版 / 2006年6月 講談社文庫)
最終退行(2004年2月 小学館 / 2007年5月 小学館文庫)
株価暴落(2004年3月 文藝春秋 / 2007年3月 文春文庫)
金融探偵(2004年6月 徳間書店 / 2007年7月 徳間文庫)
不祥事(2004年8月 実業之日本社 / 2007年8月 講談社文庫 / 2011年11月 講談社文庫新装版)
オレたちバブル入行組(2004年12月 文藝春秋 / 2007年12月 文春文庫)
銀行仕置人(2005年2月 双葉社 / 2008年1月 双葉文庫)
シャイロックの子供たち(2006年1月 文藝春秋 / 2008年11月 文春文庫)
空飛ぶタイヤ(2006年9月 実業之日本社 / 2008年8月 実業之日本社Jノベル / 2009年9月 講談社文庫)
2009年3月よりWOWOWドラマWにてテレビドラマ化
オレたち花のバブル組(2008年6月 文藝春秋 / 2010年12月 文春文庫)
鉄の骨(2009年10月 講談社 / 2011年11月 講談社文庫)
第31回吉川英治文学新人賞受賞、2010年7月よりNHK土曜ドラマにてテレビドラマ化
民王(2010年4月 ポプラ社)
下町ロケット(2010年11月 小学館)
第145回直木賞受賞[1]、2011年8月ドラマWにてテレビドラマ化、2012年3月TBSラジオにてラジオドラマ化
かばん屋の相続(2011年4月 文春文庫/文庫オリジナル)
ルーズヴェルト・ゲーム(2012年2月 講談社)
ロスジェネの逆襲(2012年6月 ダイヤモンド社)
七つの会議(日本経済新聞社より11月刊行予定)
仏蘭西ノオト(早川書房より来春刊行予定)
幡ヶ谷行き迷宮バス(朝日新聞出版より刊行予定)
鋼のアリス(新潮社より刊行予定)
ブラックバード(文藝春秋より刊行予定)
ようこそわが家へ(小学館より刊行予定)
アキラとあきら(徳間書店より刊行予定)
狂咲シリーズ(不祥事)続編(講談社より刊行予定)

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