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soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「マリー・アントワーネット」豪華な無駄を見るのは気持ちいい

2007-01-21 11:46:43 | ミニシアター系映画
「マリー・アントワーネット」★★★☆
キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツ主演
ソフィア・コッポラ 監督、2006年アメリカ


上映が終わって通路を歩いていると
「あの後どうなったの?」
「ギロチンで殺されたじゃん」

この虚しい会話を聞きながら
映画館を出たわけだけど、
嫁入りから革命前夜までを描いているが、
マリー・アントワネットを描くなら
断頭台までと思うが、
この作品ではその前で「プチッ」と終わっている。

じゃあ、何が見どころかといえば
ヴェルサイユ宮殿で実際に撮影された
数々のシーン、
とくにテラスから見た広大なシンメトリーの
庭園の美しさ、
予算とか考えないで最高のものを作ろうとした
いい見本だ。

そして宮殿内部、
もちろん観光客で行っても見ることはできるが
そこに当時の扮装をした人々がいると
その豪華さが一層際立って見える、
これは映画館の大画面で見てこそ
感じられる醍醐味でもある。

14才で異国へ嫁いだ少女の目で見た
堅苦しくもおかしな風習やきらびやかな毎日、
監督は全体を見渡すというより、
その少女の目で見た
少しいびつなヴェルサイユの日々が
映画では展開される。

強烈なメッセージは見えてこないが、
しきたりとかもやり過ぎると滑稽で
その異質な感じが面白かった。

「マリー・アントワーネット」の一代記としたら
不足な部分はあるが、
それでも今では非日常としか感じられない日々を
普通に過ごしていた事実は
文化はやはりこんな壮大な無駄から
うまれるのだろうなと
実感できるだけでも価値はあるのだ。

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キルスティン・ダンストはイメージのマリー・アントワネットとは
ちょっと違うか、田舎娘というならぴったり。
でも天真爛漫な感じは良かった。

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映画館のお作法を考える

2007-01-20 22:41:46 | soramove
映画館が客を選ぶのか、
色んな制約のある映画館がある。

オレはあの銀座とかにある
おば様のくっさい香水に満ちた
こじんまりした映画館が嫌いだ。

第一、物は食うな、飲むなとうるさい。
かと思えば、映画館の売店以外で
買ったものの持ち込みは禁止とかね。

そこで見るのは映画だよ、映画。

そう思うとでっかい劇場の
のんびりとした
「さあ、どなたでもいらっしゃい」的な
日向ぼっこでもしてるような
おおらかなおいでおいで体質は好きだ。

これは映画を見るスタイルの問題だし、
やはり近くでパンの外袋を
ガサガサいつまでもやられるのは
気になるし、そんな他人を気にして
少しずつ出すんじゃ無くて
ぱっと全部出しちゃって、かぶりつけばいいのにとか
映画の内容とは別に考えることもある。

でもね、面白い時思わず出してしまう
笑い声みたいなものまで
「しーっ」とされたような堅苦しい空間は
どうなんだろうね。

そういう人達を韓国やバンコクの映画館へ
連れて行きたいね。
そこでは携帯はマナー違反と言われてても
フツーに電話かかってくる、
隣の人と話し始める、そのあたりはちょっとムッとするが、
ガマンしてると楽しい経験も出来る。

コミカルなシーンでは笑う、笑う。
その笑い声が会場中に満ちて、その笑い声につられて
また笑ってしまう。

泣くシーンも同じ、泣くよみんな、嗚咽に近くね、
その素直な感情を出すこと、そしてそれを
感じながら同じ画面を見つめること。

その体験があると映画がぐっと近づいてくる。
あとつまらない映画のときも、かなりざわつく。

マナー違反は駄目だけれど、
ある程度大人数で見るという行為には
人の息遣いや笑い声、泣く気配なんかは
普通に存在しているからこそ
映画館でみるんじゃないかな。

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タイの映画館は映画上映前に国歌が流れ、
お客は皆椅子から立ち上がって、礼を尽くす。
異国の映画館体験は面白い。

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「ラッキーナンバー7」脚本の出来の良さに1時間すぎたくらいから驚く

2007-01-19 20:53:28 | 大作映画ハリウッド系
「ラッキーナンバー7」★★★☆
ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス主演
ポール・マクギガン 監督、2006年アメリカ

不運続きの主人公スレヴンは、友人を頼ってNYに来た、
しかし友人は外出していて、
何故か彼は腰にバスタオルを巻いただけの
格好で連れ去られてしまう。

巻き込まれ型の展開に平行して
別の場所で事件が起こり
どこかでつながるんだろうなと思いながら
見ているが、
どう繋がるのかなかなか分からない。

この引き伸ばしが1時間くらい続くので
自分の中でうまくピタッと繋がると気持ちいい、
だけど引っ張りすぎの感じもする。

10年近く企画を暖め
脚本を練り直しただけのことはあり、
本がいいんだなと実感。

しかも惚れこんだ脚本のそれぞれを
役者が嬉々として演じている様子も分かってくる、
ただこれも1時間以上すぎた時点で
なんとなく分かるわけで
残りの1時間はストーリーと
暗闇で一対一で向き合うのは
快感ですらある。

なかなか役に恵まれなかったルーシー・リューが
美味しい役をこれまた楽しそうに演じている。

ということでこの映画は★3つ半
面白いは面白いがこの映画が好きかと聞かれたら
なんかもうひとつという感じ、
これは脚本が良すぎて、あまりにピタッと埋まりすぎで
逆に息苦しいというか、贅沢な悩みですかね。

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こういうストーリーを思いつく人って、理系な感じがする。
最初から色んなものを理論的に組み込める才能が見える。

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韓国最新映画ランキング1/14付 

2007-01-18 18:26:50 | 韓国映画・アジア映画
年末からの正月映画興行もひといき、
初登場首位は今回もハリウッド映画。
昨年は5月までは韓国映画が完全制覇していたが
今年は異変が起きている?

①「エラゴン/遺志を継ぐ者」


②「美女はつらいの」韓国
キム・アジュン、チュ・ジンモ、ソユン 主演
先週に続き2位にランク、なかなか好調のよう。
やはりコメディ強し


③「ハーブ」
カン・ヘジョン、ベ・ジョンオク、チョン・ギョンホ主演
彼女には秘密があった、歳は二十歳だけど
心は永遠に7歳ということ。


④「ナイト・ミュージアム」

⑤「デスノート : ラストネーム 」
邦画もがんばってます。

昨年日本で公開された「トンマッコルへようこそ」は
韓国での爆発的な動員と比べて、ホント淋しい興行だったようだ。
韓国映画は日本ではほとんどヒットしていない、
俳優が人気だけれど、それらの作品も
それほど当たっていないのが現状だ。

宣伝の仕方もあるだろうが、駄作に期待して
ガッカリした映画ファンに本当にいい映画を
しっかり宣伝して欲しいものだ。

さて今年はどんな韓国映画が見れるか楽しみだ。


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昨年は訪韓3回、映画はそのとき10本くらいみたが
公開は半分くらい。

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「百年恋歌」タイトルが大袈裟すぎ、もっとパーソナルな映画

2007-01-17 23:01:53 | 香港・アジア映画
「百年恋歌」★★★
スーチー、チャン・チェン主演
ホウ・シャオシェン 監督、2005年

3つの時代の恋人たち、
「それはもう帰らないから美しい」
原題の意味するように、
二人はどの時代も悲しそうだ。

特に1911年の二人は、言葉を話さず、
サイレントで字幕がセリフを伝える。
表情だけで伝える
繊細なシーンは、動きも無いためか
退屈に感じる。

映画を見る時に、
感情移入することは、かなり重要だ。
もちろんアクションの凄いシーンの
ヒーローになるつもりは無いが、
自分の気持ちを重ねることが出来る人や、
エピソードを見つけると
映画がぐっと近付いて感じるのは確かだ。

この映画にそれは無い。
何かを匂わすような部分はあるものの、
全体的には作家性の強い監督のこだわりにあふれ、
「分かる人にだけ、分かってもらえたらいいからな」といった
雰囲気に満ちている。

それが悪いとは思わない、
その映像や表現世界が、自分の感情に
ぴったりとくる時もあるからね。

ただこの映画に自分はそういった「何か」を
見つけられなかっただけのこと、
結局映画好きな人の多くは
そういう気分を何度も味わいなら
自分の「この一本」に巡り合うため
また劇場へ足を運ぶのだから。

ということでこの作品は★三つ
見て「損した!」ということは無いが、
ここに自分の見たい何かを見つけるのは
難しい。

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見る前と見てからの印象が全然違うのも
珍しい映画。

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