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「パフューム」ある人殺しの物語ー想像力は本当に恐ろしいものだ

2007-03-13 10:09:37 | 大作映画ハリウッド系
「パフューム」★★★☆
ベン・ウィショー主演
トム・ティクヴァ監督

18世紀、パリ
華やかな宮殿の毎日とは裏腹に
街は汚物やさまざまな腐臭で
ひどい匂いに満ちていた。

そこに登場するのは
驚異的な嗅覚をもつ青年。

彼は美しい女性の甘い匂いを
永遠に閉じ込めたいと考えていた。

小説世界を映化すると
描写や行間を実際の映像で見せなくてはならない。
ただそれはなかなか大画面で
見せることを前提にすると困難なことだ。

この映画から漂ってくるのは
彼が夢にまで見た
甘く切ない香りではなく
画面で見せられる死の匂いだ。

主演の俳優を選んだところで
この映画はある程度のおぞましい雰囲気は
手に入れている。
彼の焦点の定まらない視線の先にあるものを
一緒に見ることに慣れたころ
彼は最高のパヒュームを完成させる。

そしてラスト。
群集がその最高の匂いに魅了されるのだが
映像としてはすごい、圧巻!
だけど説得力としてはもうひとつ。

映像の限界を感じた。
たぶん本でも同じような描写をするだろうが
頭の中のイメージをほぼ再現しているにもかかわらず
どうしてもそこに真実を見出せないのは
見てしまうことの限界なのかもしれない。

ということで★3つ半、
野心的な作品、ちょっと変わった映画を見たいなら
いいけれど、正統派の人には勧めない。

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遠くにいる人の匂いをかぎ分けるとか
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