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読書と旅行と柴犬のブログ
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「幻をなぐる」取り返したい恥ずかしい時間、誰にもあるはず

2007-03-11 00:33:59 | 読書の時間
「幻をなぐる」★★★
瀬戸良枝 著
第30回すばる文学賞受賞作品

理想の男との信じられない夜を過ごして、
やはり付き合えないと言われた主人公は
ジムで体を鍛え、最強の体を作ろうと誓う。


注意深く読まないと
同性愛の物語かと思うような
主人公を「中川」名字で呼び、
イメージ的にはドタドタ歩き、
およそ女性らしくない描写が続く。


彼女はそんなに体を鍛えてどうしようと
いうのだろうか。

鍛えることで自ら男の体になろうとする人の
エピソードも出てくるが、
主人公をそうさせる理由は
理想の男に振られた事くらいしか
思い当たらないが
のそのそしていながら、何かに憑かれたように
突き進んで行く様子は
読んでいてなんだか凄まじいものがある。


タイトルの「幻」が振られた男の幻だったら
つまらないが、彼女はもっと別の何かの「幻」を
ターゲットに選んだのか、
読んでいてそれらを思わず想像させてしまえなかったのは、
もう一つ何か物足りない気持ちがあったからだろう。

しかし、文章の勢いなどは心地よく、
次の作品も読みたいと思った。

作者のインタビュー記事を読んで
作者が優しい感じの女性でちょっとビックリした。
作品のイメージと違うのはなかなかいいものです。

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加速度を増していく様は、アル意味爽快。
書くテクニックを感じる。スゴイね。

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