『数学者たちの楽園』 今作も数学うんちくメガ盛り！

『数学者たちの楽園　「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』
サイモン・シン
青木薫：訳

おなじみサイモン・シンの超絶おもしろ数学作品で、
青木薫氏の数学知識に裏付けられた邦訳の掛け合わせ！
おもしろくないわけがない！

今回は、アメリカの超有名アニメ作品「シンプソンズ」には
なにげに数学ネタがメガ盛りだよ！！というお話し。

シンプソンズ…？
黄色い生物？かな？
というイメージしかない…。

というわけで、
「シンプソンズ」になじみのない日本読者のために、
訳者が「まえがき」を追記してくれています。
ありがたし。
（ファミリーストーリーなんだね！知らなかったよ！）

そんな「シンプソンズ」の脚本家チームには
数学で修士どころか博士号をとっている人間が複数いる。

って、
シンプルにビックリであります。
研究の道か、コメディ脚本家の道かって
そんな選択肢があるの？というのも驚きだし、
そういう人生の岐路に立ったギーク＆ナードが
結構たくさんいるってのも驚きである。

数学とコメディって近いのか〜？
と、目から鱗でした。

以下、好きな数学小ネタたちのメモ。

■エルデシュ数
数学者ポール・エルデシュ（1913-1996）との
「論文共著」という観点での6次のへだたりの数字
（友達の友達の友達の友達！みたいな関係性の数値化ですね）。
エルデシュは発表論文が20世紀の数学者の中で最も多く、
1525篇、共著者は511人もいるので
数学界隈では意外とエルデシュ数が出るらしい。

■統計への不信
マーク・トウェイン（『ハックルベリー・フィンの冒険』の人）
「嘘には３つの種類がある。
　嘘と、真っ赤な嘘、そして統計」
フレッド・メンガー（化学者）
「必要なだけ拷問にかければ
　データは何でも白状する」
統計を信じない偉人の名言が多過ぎである笑

■メルセンヌ素数
２のP乗−１
素数の候補となる数を出す式。
ただし、P=11は、
２の11乗−１＝2047=23×89
となるので、素数ではない。

■完全数
因数を足し上げると、もとの数になる。
最小の完全数は６
因数の１、２、３を足すと１＋２＋３＝６
次は２８
因数を足し上げると
１＋２＋４＋７＋１４＝２８
次は４９６、その次は８１２８
デカルト
「完全数は完全な人間と同様に、きわめて稀である」

■ゴーグル
１０の100乗＝１googol（ゴーグル）
グーグル社の社名の由来でもある。

■ベルフェゴール素数
1000000000000066600000000000001
０が13個並んで、真ん中が６６６で、また０が13個並ぶ。
ベルフェゴールは７つの大罪「怠惰」の悪魔。
厨二病がうずく素数である。


以上！
おもしろかった！！