思惟石

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『失敗の本質』 戦闘志向性をバキバキに粉砕するぜ!!

2023-01-10 18:04:53 | 日記
『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』

戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎


初版は1984年(昭和59年)5月、ダイヤモンド社より刊行。
1991年(平成3年)に中公文庫で文庫本にて再刊。
文体が古いとは感じなかったし、とても読みやすかった。

とはいえルビは少なめか。
「邀撃(ようげき)」が読めなくて、
「激撃作戦(げきげきさくせん)」かな?と、
アホっぽい読み方をしてみたが、全然違った。

空母「竜驤(りゅうじょう)」も知らない言葉だったので、
辞書を引いて「龍驤虎視(りゅうじょうこし)」という熟語を知った。
こういうオマケ知識は楽しい。

後半の分析では、何度も何度も
「日本軍は(過去の栄光と現状の成功に)適応しすぎて、
再適応できない」
「科学的思考をせず、精神論にすがる」
と理路整然と詰められ続け、
「やめて、日本のライフはゼロよ!!」と
読者は思い続けることになる。
とは過言かもしれないけど、少なくとも私の戦闘系ライフは
もうゼロよ!!

こういう素晴らしい本が1980年代に出版され、
日本人の戦闘精神バキバキに粉砕して
「戦争向いてないわ〜」と自覚させてくれたおかげで、
我々は平和に暮らせているのかもしれない。
てのも過言かもしれないけど、
私は平和が大好きです!!!

個人的には、
「ふ」兵器が登場した時点で
「日本人は今後一切、戦争しない方が良いんじゃないか」
としみじみ思いました。
「ふ」は「風船」の「ふ」である。
風船爆弾である。
日本からマジで9300個ほど飛ばしたらしい。
米国到達率は3%だそうです。
パラシュート猫作戦かよ!!

そして最後に、
実生活や仕事で、ちょっと増長気味かな?と思ったら
自らを戒めるためにこの言葉を思い出そうと思います。

(日本の失敗へと向かう過程は)
「主観と独善から希望的観測に依存する戦略目的が
戦争の現実と合理的論理によって
漸次、破壊されてきたプロセスであった」


ひでぶ。
コメント
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