平成22年度下期の直木賞受賞作です。
舞台は根津遊郭。
時は明治10年前後、西南戦争の頃。
明治維新後の、時代の変革と混乱とよるべなさが、
すごくリアルに描かれています。
主人公は元・武家の次男坊だった定九郎。
とにかく鬱々として腐っていて、何者でもない男です。
表紙が着物を着た女の子の画だし、
ざっくり「時代物」というイメージで手に取ったので
なんとなーく江戸後期の平和な感じや、
遊郭の煌びやかさ、元武家であることを筋が通った人物像などを
心のどこかで期待してしまいました。
読んでみると、ストーリーに予想したような華がない…。
文章は整っているし、定九郎の葛藤や鬱屈、
遊郭のなかの人間模様などけっこうおもしろく読みましたけど。
よくよく考えたら松井今朝子の『銀座開化おもかげ草紙』と
同じ頃なんですね。
世情が混沌としていて、人それぞれに悩み迷う時代の物語ですね。
歴史の授業では、こんな時代の空気感までは教われないから、
こういう小説が読めるのは良いことだと思います。
しかし、定九郎はホントにダメ男であった。
頭で冷やかに考えつつ、体が動いてしまう、
みたいなことも度々あって、こんなんでよく生き残れたな、と。
主人公らしい煌めきもないのだけど、
ポン太や小野菊は、なんであんなに度々、
定九郎にヒントをあげるような構い方をしたのだろう。
まあ、でも、直木賞受賞ともなると、やっぱり面白いですね。
舞台は根津遊郭。
時は明治10年前後、西南戦争の頃。
明治維新後の、時代の変革と混乱とよるべなさが、
すごくリアルに描かれています。
主人公は元・武家の次男坊だった定九郎。
とにかく鬱々として腐っていて、何者でもない男です。
表紙が着物を着た女の子の画だし、
ざっくり「時代物」というイメージで手に取ったので
なんとなーく江戸後期の平和な感じや、
遊郭の煌びやかさ、元武家であることを筋が通った人物像などを
心のどこかで期待してしまいました。
読んでみると、ストーリーに予想したような華がない…。
文章は整っているし、定九郎の葛藤や鬱屈、
遊郭のなかの人間模様などけっこうおもしろく読みましたけど。
よくよく考えたら松井今朝子の『銀座開化おもかげ草紙』と
同じ頃なんですね。
世情が混沌としていて、人それぞれに悩み迷う時代の物語ですね。
歴史の授業では、こんな時代の空気感までは教われないから、
こういう小説が読めるのは良いことだと思います。
しかし、定九郎はホントにダメ男であった。
頭で冷やかに考えつつ、体が動いてしまう、
みたいなことも度々あって、こんなんでよく生き残れたな、と。
主人公らしい煌めきもないのだけど、
ポン太や小野菊は、なんであんなに度々、
定九郎にヒントをあげるような構い方をしたのだろう。
まあ、でも、直木賞受賞ともなると、やっぱり面白いですね。