鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2012.冬の取材旅行「歌津~気仙沼~平泉」 その7

2013-02-20 05:36:30 | Weblog
『石巻災害医療の全記録』の著者である石井正さんは、石巻赤十字病院に勤務する外科医で現在50歳。2011年2月に宮城県知事から「災害医療コーディネーター」を委嘱されますが、その1ヶ月後にあの東日本大震災が発生しました。この東日本大震災において宮城県石巻は東日本最大の被災地となり、「災害医療コーディネーター」である石井さんは、22万人の命がかかる「石巻医療圏」の医療活動を調整する立場に立たされるとともに、行政やほかの医療機関も被災してその機能を著しく失ったために、その分をカバーする活動をも展開していくことになりました。本書は、日本の災害医療がいまだかって経験したことのないような状況に直面し悪戦苦闘していった著者が、その7ヶ月間にわたる「災害医療コーディネーター」としての活動を赤裸々に記録したものであり、医療面からの東日本大震災発生直後の実態と、その後の医療・救助活動の実態を、現場で対応した「災害医療コーディネーター」としての目から記録したものとしてたいへん貴重なものであるとともに、私が訪れ、目の当りにしたあの石巻の海岸部において、震災後どのような深刻な状況が展開していったかを具体的に知ることができる一書でもありました。ほんのわずかな地域でしかありませんが被災地を私自身の目で見てきたことにより、本書におけるさまざまな描写や記述は、きわめて生々しいものとして私に迫ってきました。 . . . 本文を読む