涼しい林内を弾丸の様なスピードで飛び回るセセリチョウの仲間で、チャバネ系と比べると
明るいオレンジ色の翅が目を惹きます。
本種は翅裏に黒いリング状の斑紋が見られますが、近似種でよく似た種類のコキマダラセセリは
この部分が白い色なので本種と見分けられそうです。
幼虫の食草はイネ科植物。
涼しい林内を弾丸の様なスピードで飛び回るセセリチョウの仲間で、チャバネ系と比べると
明るいオレンジ色の翅が目を惹きます。
本種は翅裏に黒いリング状の斑紋が見られますが、近似種でよく似た種類のコキマダラセセリは
この部分が白い色なので本種と見分けられそうです。
幼虫の食草はイネ科植物。
「上手く化けた」というか、植物の一部になり切ったような姿ですが
カメムシ目/頸吻亜目/アオバハゴロモ科に分類される昆虫、アオバハゴロモです。
ウンカやヨコバイなどに近い昆虫ですが、体長は約10mm。これらの仲間では大型です。
クワ、エンジュ、イチジク等の樹木では柔らかい当年枝に発生して樹液を吸います。
学名では Geisha distinctissima(芸者?)ですが、幼虫が体に纏う蝋物質で植物の茎などが
粉まみれになることから俗名で「しらこばば」とも呼ばれます。
主に水田・池・沼の周辺で見られるにアカガエル科の蛙です。
同じ環境に棲むツチガエル(別名イボガエル)とよく似ていますが、イボ状突起の隆起が弱い、腹面が
白く無模様(ツチガエルの腹面には褐色の斑模様がある)、目と目の間にV型の斑紋がある。
などの特徴があります。
主な生息地域は本州中部以西~沖縄で、比較的暑さに強い南方系の種と思われます。
土用の頃に花が咲くので別名ドヨウフジとも呼ばれます。
和名は夏にフジに似た花序を付けることからの命名ですが、同じマメ科でフジ属のフジやヤマフジ
とは別属のナツフジ属。
7月末~8月中旬に山地の道脇などで、低木に蔓を絡ませ疎に花序を付けているのが見られます。
花序は約20cmの総状で、白い蝶型花を多数開きます。
蔓は半年生で、冬には地上部が枯れ、フジの様に太く育つことはないようです。
山地で見られる体長15mm程のセセリチョウの仲間。
林縁などで素早く飛び回りながら色んな花で吸蜜します。
幼虫の食草はコチヂミザサやカヤツリグサの単子葉植物。
同じ環境でキマダラセセリ、コキマダラセセリ、スジグロチャバネセセリなど
よく似た種類が活動しているので翅裏と翅表、両面の確認が必要です。
少年時代に山遊びをして育った人には懐かしい植物かもしれません。
日本国内に生える野生クルミの中で、核果が食用になる種類のひとつです。
一般的に商品として流通するカシグルミ(中国原産の栽培種)に比べて、核果は固く
可食部分も少ないのですが、割って食べると同じような風味があります。
また、果肉や樹皮は古い時代に和紙を染める黄褐色の染料として使われていたようです。
現在でも趣味の草木染で「胡桃染め」が行われ、この果肉部分が使われているようです。
夜間に自動販売機の照明に誘われて飛来していたヤママユです。
沖縄県を除く日本本土で見られるチョウ目最大種で、翅の開帳寸法は120~150mmの蛾。
黄褐色、灰褐色、茶褐色など色にはかなり個体差があります。幼虫の食樹はクヌギ、コナラ等。
別名を「天蚕」と呼び、明治期~昭和初期までは、萌黄色の繭から絹繊維の一種、天蚕糸(てんさんし)
が生産されていました。現在、長野県の安曇野天蚕センターで天蚕飼育が復活再開されている例を
除けば組織的生産は途絶え、天蚕糸は「幻の糸」になっているようです。
ハゴロモ科はカメムシ目でウンカなどと同じ頸吻亜目に属する昆虫です。
成虫の翅端までの長さは9~13mm、頭部はセミに似ています。
幼虫は腹端にロウ物質でできた毛束を付けていて、ハゴロモの名はこの毛束を
天女の羽衣に見立てた命名のようです。
幼虫の種名は特定できませんが、2種の成虫を候補として挙げておきます。
☟ ベッコウハゴロモ
☟ アミガサハゴロモ
真夏の強い陽光が差し込む林道上でもがいていた、体長60mm程の大型の
カミキリムシです。
和名はウスバカミキリで、厚みが薄く軟質な上翅の特徴に由来します。
夜行性で飛翔性が高く、灯火にも飛来しますが、この時は歩くこともおぼつかない
モゾモゾとした動きをしていました。夜になると一転して行動が活発になるようです。
成虫の食性はよく判りませんが、幼虫は生木の枯死部分や、立ち枯れ、倒木の
材部を食害し穿孔します。しかし、これらは材木として利用されるような良質な
ものではないため、重要な害虫とはみなされていないようです。
中国原産のトウダイグサ科落葉高木で、別名シナアブラギリとも呼ばれます。
果実は直径5cm程で先端は尖り、果皮は厚く中に3~5個の種子があります。
この種子から採った油が桐油(とうゆ)で、昔は和紙製品の番傘や提灯の防水、絶縁用
のワニスや塗料、印刷用の油などに使われていました。
現在はほとんど生産されていません。
4月末~5月に咲く花はこちらです。
草地や林縁に生える蔓性の多年草です。
双子葉離弁花類としてはかなりユニークな花ですが、この花を見ると
ウマノスズグサという変わった名前も少しは納得できそうです。
しかし、和名はこの花の形ではなく、糸状に裂けた柄で吊り下がった球形の蒴果に
由来しているようです。
花は基部が球形に膨らみ、先端に向けてラッパ状に広がる形で、花弁はなく萼が合体
して変化したものだそうで、1個の雌蕊と6個の雄蕊が球形の中にあります。
この植物自体はさほど珍しいものではなく、河川堤防の土手などにもよく生えますが
蔓が一定の長さ以上に伸びたものでないと花を付けないようです。
定期的に草刈りが行われている所では殆ど花を見ることは出来ません。
この植物はジャコウアゲハの幼虫の食草として知られていますが、幼虫はこの植物に
含まれる毒(アリストロキア酸)を摂取することにより、天敵から身を守っています。
シャクガ(尺蛾)は幼虫が尺取虫の形態を持つ蛾の総称です。
シャクガ科は鱗翅目(蝶・蛾)ではヤガ科に次ぐ大きな科で、世界では24,000種近く
日本では900種近くが報告されています。
山林内を歩くと草木の葉に止まっている多彩な模様のシャクガに出会うことが出来ます。
種名の判らないものが圧倒的に多いのですが、独特の模様や色合いはデザイン的にも興味
深いものがあります。
マルモンシロナミシャク(ナミシャク亜科)
幼虫の食草はユキノシタ科のツルアジサイ、イワガラミ、ノリウツギ・・等
ウスキヒメアオシャク(アオシャク亜科)
幼虫の食草はカバノキ科、ブナ科、ツツジ科、カエデ科、アジサイ科・・等
フタマエホシエダシャク(エダシャク亜科)
幼虫の食草は主にツツジ科
ウラベニエダシャク(エダシャク亜科)
幼虫の食草は主にスイカズラ科
トンボでは珍しく長距離の壮大な旅をするトンボです。
初夏に南西諸島などからやって来て、繁殖しながら北上を続け、秋には個体数が
最大になりますが、本土では越冬できず死滅します。
確認したわけではありませんが、高校野球選手権大会が行われている夏の甲子園で
飛んでいるのも実はこのトンボだそうです。
アカトンボに似ていますが、胴体はややくすんだ黄色~褐色で、ハネビロトンボ亜科という
アカトンボとは別のグループに属しています。
胸部側面にアカトンボの仲間に見られるような太い縞模様がないことで、見分けられる
と思います。
ツツジ科スノキ属の常緑低木~小高木です。
スノキ属には珍しく常緑樹で、他のスノキ属のブルーベリーやクロマメノキ
などと同様、液果は秋に黒く熟して食べられます。
言わば里山のブルーベリー