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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

「街の中華屋さん」の鑑 江戸川橋『新雅』

2018年02月20日 | 中華食堂
以前も書いたが、最近の私は、飯田橋界隈を、よくうろついている。
いろんなお店で食事をしたが、常に行列ができているのが、江戸川橋の『新雅』さん。
雅(みやび)という屋号から、高級店かと思う方もいるだろうが、ごく普通の「中華食堂」である。
そもそも、私が高級店なんかに行くわけがない(←カネがなくて入れないだけ)。
店内はL字型のカウンター席があるのみで、席数は10。
だが、ランチタイムは連日、店頭の赤い看板の後ろに、写真の通り10人以上の客が並んでいる。

※遠くからズームで盗撮

行列を形成しているのは、私のような自由人ではなく、近所の務め人らしき方々が大半だが、
昼休みの限られた時間に、キャパ数以上の客が行列を形成しているのに、あきらめず並ぶのがスゴイ。
「よほどウマいんだろうな…」と思いつつ、並ぶのが嫌いな私は、いつも店の前を素通りしていた。
そんな私が初訪問を決意したのは、先月の東京に大雪が降った日。
不謹慎だが、今日はさすがに並ばずに食べられるチャンスだろうと、雪が舞う中お店に駆けつけると、
こんな日でも店内は満席、そして行列が!


とはいえ、さすがに普段よりは並び人が少なかったので、私も行列の最後尾に。
数分後「どうもお待たせしてすみません、どうぞー」と声をかけられ、店内に案内されると、
「いらっしゃいませー」と、明るい挨拶で迎えられた。従業員は先代夫婦に息子さん夫婦の4名体勢。
父さんが麺をゆで餃子を焼き、息子さんが鍋を振り、女性ふたりが接客や調理補助と、チームワークよく働いている。
麺類を欲していたので、いくつかあるラーメンメニューから「五目ソバ」750円をオーダー。
「かーしこまりましたあー」と店員さんたちが一斉に返答し、すぐに調理を始める。
以前紹介した、三鷹の『中華そば みたか』もそうだが、店員が4人いて、4人とも愛想がいい店は珍しい。
特に、こちらのような家族経営の店だと、先代が頑固で不愛想だったり、二代目の息子と不仲なケースもあるのだが、
新雅さんは多忙でもピリピリするどころか、みなさん協力し合い、楽しそうに仕事をしており、見ていて気持ちがいい。
高円寺の某老舗讃岐うどん店(←ほぼ名指し)のように、息子が両親を怒鳴り散らす店なんてウンザリだよな。

お父さんがゆでた麺に、息子さんが炒めた野菜とスープを合わせ、さらに具が盛り付けられて、五目ソバが完成。


おおっ、目、口、鼻、ほっぺと、実に愛くるしいビジュアルだ!
肝心の味も、塩味のスープと細麺が絡み、野菜はシャキシャキ・具材は豊富と、これは素晴らしい五目ソバだ。
すべての食材、中でもほっぺに使われたチャーシューは抜群にウマい。これで750円は安すぎるでしょ。
ウマい、安い、接客もイイ。なるほど、これなら行列ができて当然だ
店員さんたちの「あーりがとうございましたあー」という声を背に受け、気分よく店を出た。

その後降雪は強くなり、新雅付近は、夕方には下の画像のような雪景色になったのだが、


翌日は、早くも除雪され、下記のような風景に。


それでも一部路面は凍結し、気温は低かったため、この日も空いているかなと思い、連日でお店に向かったところ、
寒空の下、7~8人の客が並んでいたので断念(苦笑)。新雅ファンおそるべし!

数日後、長時間行列を覚悟して再訪。25分ほど並んで着席。
隣のサラリーマンふたり組が、「ラーメンふたつに大盛りチャーハンをお皿ふたつに分けて」と注文したので、
私も彼らに相乗りするように、「チャーハン」600円の大盛り+100円をオーダー。
作る側もラクだし、早く提供されるので、混んでいる中華屋さんでは、炒め物は他人と同じものを頼むべし!
『餃子の王将』では、同じ注文が重なると「ナイスオーダー!」と言われることもある。全然嬉しくねえけど。
なお、チャーハンを「お皿ふたつで」と頼むふたり連れの客は他にもいた。気さくに応じるお店の姿勢がいいね。
数分後、まずはスープとお新香が提供され、続いて隣のサラリーマンと私に、大盛りチャーハンがやってきた。


期待以上のイイ盛り具合ではないか! わかりやすいように、ヨコからの写真も紹介。


具材は玉子、ネギ、ナルト、そして先述した絶品チャーシューの角切りがゴロゴロ。
シイタケも入っているそうだが、チャーシューの圧倒的な存在感に隠れたのが、バカ舌の私は気付かず。
こりゃうまいガツガツ、さすがは新雅ガツガツ、スープもイケるズルズルと食べ進め、大盛りだったけどすぐに完食。
あるブログに「新雅の一番人気はニラソバ」とあったが、私が見た限り、チャーハンを頼む客の方が多いね。

後日、その「ニラソバ」750円も食べてみた。


野菜を120グラム以上使用した、肉ニラ炒めと醤油ラーメンの組み合わせだ。
ニラやモヤシなどの炒め野菜が香ばしく、麺やスープとケンカするどころか、相乗効果でさらにウマくなっている。
前回ブログ『啓ちゃん』の木耳玉子麺と同様、美味しい中華屋さんの炒め物+ラーメンは、1+1が4にも5にもなるね。
野菜もたっぷり摂取できる、うれしーヘルシー(?)メニューだったよ。スープ全部飲み干しちゃったけど。
先客で、混雑しているのにビールを飲んでいるヤツも、ツマミ替わりにニラソバを食べていた。
並んでいる客を待たせての飲酒とはけしからんが、ビールが欲しくなるコイツの気持ちもよ~くわかる。

この日も当然、数分並んでの入店で、待ち客もいるので、食べ終わったらとっとと退店。
会計時、お母さんに「いつも混んでますが夜はどうですか?」とたずねたら「18時くらいなら…(空いてる)」とのこと。
「そうですか。ではまた来ます!」と返答し、さっそくその日の18時過ぎに再訪。
お母さんはもちろん、「うわっ本当に来やがった…」と内心で思っていたとしても、顔には出さない。
確かに夜は空席があり、先客は5人ほど。私はとりあえず「餃子」500円とビール大びん600円を注文。
お通しの無料メンマをツマミに飲んでいると、餃子が焼きあがった。


ひと口かじれば、野菜の甘味がジュワっと来る。ここは本当に、何を食べてもハズレがないねえ
ビールをお替わりし、一品料理でも追加しようかなと思ったら、客が次々とやってきて、夜なのにやっぱり満席に。
餃子を食べ終えた頃には、店外で並び始める客もいたので、「長居はできぬ」と涙を呑んでお会計。
ゆっくり飲み食いするには、夜営業が始まる17時に来なくちゃダメかな。

中華だけでなく、個人経営の食堂を愛する私は、店内汚く不愛想で、味がイマイチだったとしても、
黙って受け入れることが多いのだが、そのような店は、他人(特に女性)を連れていけないのがネックだ。
しかし、こちらの新雅さんは、人気店ゆえ並ばなくてはいけないことを除けば、
味、価格、接客、衛生など、すべての面で問題はなく、自信を持って人におススメできる。
まさに街の中華屋さんの鑑だ。
ここより素晴らしい中華食堂は、なかなかないと思うよ。



新雅(しんが)
東京都文京区水道2-11-2
有楽町線江戸川駅から徒歩約3分 JR飯田橋駅から徒歩約17分
営業時間 月~金 11~14時、17~21時 土 11~13時半、17~20時
定休日 日曜祝日
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