明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

本場で人気のうどんを味わえる 立川『香川一福』

2018年02月02日 | そば、うどん
ここ3回連続で、ラーメンについて語った拙ブログだが、最近の私はうどんを食べる機会の方が多い。
今年最初に食べた麺類も、吉祥寺『うどん白石』さんの季節限定メニュー「年明けうどん」だった。


赤い海老天に白い揚げモチ、そして紅白のかわいいカマボコが乗った、見た目も味も素晴らしいうどんである。
2018年の「麺はじめ」を飾るのに、ふさわしい逸品だった
…よくよく考えると、今年最初に食べた麺は「サッポロ一番塩らーめん」だった気もするが…まあいいや。

私がうどんに興味を持ち、いろんなお店を巡るようになったのは、確か昨年の6月頃。
その直後、立川市に『香川一福』という、讃岐うどんのお店がオープンした。
本場香川の人気店『一福』で修行した方が、神田に『香川一福』という店を出し、立川はその支店…になるのかな?
どうも、神田と立川ではオーナーが違うらしいのだが、その辺の詳細は知らない。
その神田店は、ミシュランのビブグルマン(要するに、高くないのにウマい店)に選ばれたらしく、
立川店の開店前には、「あのミシュランのうどん店が立川に!」のような宣伝が飛び交っており、
実際、オープン当日は長い行列ができ、閉店時間前に麺がなくなり、早じまいしたそうだ。

その翌日、夜18時過ぎくらいに、様子見で近くを通ったところ、なぜか行列はなかった。
入口では社員と思われる男性がいて、「よかったらどうぞ~」と、やさしい口調で案内してくれたので、
せっかくなので入店してみることに。店内にも客はほとんどおらず、待たされる心配もなかったからね。
券売機の前で少々悩んだが、「釜玉バター」700円と「とり天」180円(2個。現在は1個で120円)を選択。
セルフサービスなので、厨房カウンターで待っていると、うどんも天ぷらもすぐに完成。


麺をひと口すすった感想は…おっ、ウメエじゃねえか! だ。
実は私、ここのうどんは期待するどころか、「なにがミシュランだ、マズかったら承知しねえぞ…」と、
むしろ懐疑心を抱いていた。実際、提供が異様に早く、茹で立て・揚げ立てではなさそうだし。
しかし、そんな私の不安は即打ち消される、見事なうどんだった。
自家製麺は、讃岐うどんらしくしっかりとした腰があり、卵とバターとの絡みもよく、まさにカルボナーラのよう。
また、添付のダシ醤油もおいしく、とり天も冷めてはおらず、いい具合に揚がっていた。
ズルズル、ガツガツとあっという間にたいらげ、大盛りにすればよかったと後悔。
うどんには満足したが、ミシュランという権威に屈服したような気がしてシャクなので(?)、
あえて難癖をつければ、「運ぶときのお盆がすべる」。私だけでなく別の客も、お盆の上で丼がズレて驚いていたしね。
あと、これは私だけの身勝手な印象だと思うが、「ひとりだけ妙な店員がいる」。
他の店員と比べると、どうもコイツだけ表情に笑顔がなく、挨拶の声が押圧的。体格も立派なので余計に目立つ。
しかも、厨房からホールへ出てきたとき、なぜか肩を左右に揺らして歩いていた。さすがは立川の飲食店店員(笑)。
想像だけど、コイツはいまだに、中学時代ワルかった自分とかを自慢してそうだな。
この日以降は、入口から店内をのぞき、コイツが不在のときだけ入ることにしている。

しばらくして、ようやく再訪がかなったので、シンプルな「かけうどん・温・中サイズ」500円を注文。


無料の天カスを少しだけ入れて、黄金色のスープとしなやかな麺を堪能。うん、やっぱりウマい。
しかも、お盆には滑り止めシート(名称不明)が貼ってあり、丼をひっくり返す不安を解消。


やはり、何人かの客から要望があったのだろうか。すぐに対処したところに、お店の誠意を感じる。
そのまた数日後には、「カレーうどん・中」750円を食べた。


A4やら5やらの高級牛肉をふんだんに使った、都内有名洋食店のカレーソースらしく、
ひと口すすってみたところ、すんげえ濃厚
スープがドロドロで麺とよく絡むから、あまり周囲に飛び散らないのもありがたい(笑)。


途中で、付け合わせのダシを加えれば、普通のカレーうどんっぽい濃度になり、1度で2度楽しめる。


「白飯」150円を追加すれば、3度楽しめたな。可能ならば、このカレーソースをツマミに一杯やりたい。

それから数ヶ月たち、季節は夏から冬に移った頃、別の店で飲んだ後に、久々の入店。
注文したのは、期間限定の「瀬戸内レモンうどん・中」670円に、お店の推奨トッピング「豚肉」250円。


一緒にするとこんなビジュアル。言い忘れたけど、ここは生姜も無料で入れられるよ。


レモンとうどんの組み合わせは、正直あまり気に入らなかった。レモンが多すぎるのでは…が個人的な感想。
ただし、立川店にしかないという具の豚肉は、しょっぱい味付けがモロに私好み。卓上の胡椒をかけるとさらにウマい。
白飯と生卵をあわせて、「特製豚丼」にして喰ってみたい。ネギも少量もらえるとうれしいな。
以上、香川一福立川店には、これまでに4回入店。先述の理由で、入口で引き返したことも何度かある。
そのたびに感じるのが、「客がいない!」だ。
これまで散々ホメてきたのに、手の平を返すようでお店には申し訳ないけど、事実である。
ウインズ立川が近いので、土日は大勢の競馬客が利用しそうだが、平日は昼夜を問わず、混んでるのを見たことない。
前評判は良く、開店当日は大行列。その後の評判もそんなに悪くない。実際、食べてみても味に問題はまったくない。
私が嫌いな巨漢店員も、気にしない人の方が多いはずだし、接客面や衛生面も、見た限りではちゃんとしているのになぜだ。

不入りの理由は、近所に安価な『はなまるうどん』があるのと、セルフサービスが面倒なことくらいしか浮かばない。
ただ食器については、最近はセルフではなく、食前も食後もすべて店員さんが運んでくれるようになった。
理由は悲しいことに、「終始ヒマなので、他にやることがないから」だと思われる。
食べ終わって立ち上がった途端、「そのままで結構ですよー」という声とともに、女性店員が駆けつけるのにはビックリ。
食事中見張ってるのか? ま、若い女性に駆け寄られるのは、悪い気はしないけどねえ(←さみしい男)。
あと最近、お店のマイナス点をもうひとつ発見した。それは、店頭に掲示してあるメニュー表。
各商品と価格、「ミシュラン獲得」などのアピールに続く、最後のキャッチコピー。その問題作(笑)はズバリ、
“「出汁にフィネス(=雅、優雅さ)」をぜひご堪能ください!” なんじゃこりゃ!? ※食べログでの表記は“体験ください!”

そもそも文法から間違っていて、正しくは「出汁フィネス」か、せいぜい「出汁にフィネスを感じてください」だ。
「ミシュラン獲得」も当然ウザいが、何より不愉快なのが、カッコミヤビユウガサカッコトジルだ。
●一般的ではないと思われる単語や外来語は避ける ●()内で元の意味を説明するなら、素直にその単語を使うべし
「やってはいけない文章例」などによく挙げられる、上記2点が見事に当てはまっている。
美しい日本語を愛する私にとっては、実に許し難いキャッチコピーといえよう。
こんなクソコピーやめちまえ! この大バカヤロウ!!(←「美しい日本語愛」あふれる怒号) 
どうせ店員たちだって、フィネスなんて日常では使ってねえだろうし、このコピーも、おそらく誰かの入れ知恵だろう。
関係ないけど、私が敬愛する(嘲笑)食べロガーも、一人称を「小生」にしているヤツ多いよな。普段使ったこともねえくせに。
ミシュラン→フランス→そうだ、フランスの単語を使おう…という経緯で採用したのならば(推測だけど、当たってそう)、
明らかに方向性を誤っている。こういう勘違いが、店内閑古鳥の原因に繋がっているのかもしれない、
と結びつけるのは強引だろうか………とんでもなく強引だね。スマン!
それにしても、店員さんが食器も運んでくれて、並ばず待たず、ゆっくり落ち着いておいしい食事が楽しめる。
そんな、文字通りフィネス…じゃなくて優雅な空間になってしまった現在の状況は、なんとも皮肉である。

まあ、キャッチコピーなんて気にする方は少ないだろうし、これを読んだ皆さんもよかったら、
ぜひお店へ行ってみてほしい。雅か優雅かはともかく(笑)、うどんの味自体は満足してもらえるはずだから。
私は試したことないが、天ぷらやおでんなどをツマミに飲んで、シメにうどんをすするのもいいね!
とにかく、せっかくの美味しいうどんなのに、利用客が少ないのはもったいないよ。



香川一福(かがわいっぷく) 立川店
東京都立川市錦町2-2-1
立川駅南口から徒歩約4分
営業時間 11時~22時
定休日 年末年始以外は無休
※池袋にも支店あり


※22年5月31日に閉店しました
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