明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

感動レベルのKTI=木耳玉子炒め 荻窪『啓ちゃん』

2018年02月14日 | 中華食堂
これまでもブログで紹介してきたように、私が一番好きな中華料理は間違いなく「餃子」だ。
二番目は、人生で食べた回数(インスタント含む)だけなら、餃子をはるかに上回る「ラーメン」だろう。
三番目は…ホイコーローや杏仁豆腐も捨てがたいが、「きくらげ玉子炒め」かな。
ふわふわの玉子に、ガッツリ絡みつく豚肉、コリコリとした歯触りのきくらげ。
そこに玉ネギなどの野菜が加わり、甘じょっぱいタレで炒めれば…ウマくならないわけがない。
玉子好き、豚肉好き、濃い味好き、ついでに野菜嫌い(苦笑)の私が大好きなのは当然だが、
クセのない食材を使用しているため、老若男女、嫌いな人はいない料理だと思われる。

きくらげ玉子炒めは、使う食材や調理法について、厳格な定義はなさそうだが、
以前、居酒屋『一休』で出てきたのが、本当にきくらげと玉子だけだったのには驚いた(笑)。


激安価格の居酒屋チェーンだから仕方ないけど、やっぱり肉がないのはさみしいよ。
あと、個人的には、玉ねぎは入れてほしいな。歯応えもあるし甘味も出るしね。
実は私、日本で唯一の「きくらげ玉子炒め評論家」だったりする。どうせ他にいないでしょ。いたらすぐに謝るよ。
玉子かけご飯=TKGに負けじと、きくらげ玉子炒め=KTIを流行らせようと試みたこともある。
結果は…私の周囲で、4人くらいは賛同してくれたかな。その4人も今では使ってないだろうけど。

そんな、KTIの自称評論家であり、熱烈な愛好家でもある私が、最もお気に入りなのが、
荻窪の中華食堂『啓ちゃん』の「木耳玉子」だ! ※券売機での表記は「木耳卵」


たっぷりの玉子と豚肉、きくらげと玉ねぎの歯応え、濃い目の味付け。まさに私が理想とするKTIであった。
初めて訪れたのは、今から5年前。荻窪在住の先輩に、「近所においしいラーメン屋ができた」と聞いてね。
まずはビールと「水ぎょうざ」、それに木耳玉子の単品を頼み、シメに麺類を注文する予定だったが…
KTIがあまりにウマく、アルコールが進みすぎちゃったため、酩酊状態になりシメを断念。
これがその時の写真。おいしそうに見えない理由は、ガラケー撮影のためだ。


申しわけないけど、水餃子の記憶がないんだよね。それだけKTIの印象が強烈だったんだよ。
結構ボリューミーなのに、価格は単品600円とリーズナブル。ご飯とスープが付く定食だと750円だ。
その後も、酒と「ツナマカロニサラダ」(現在は提供していない)とKTI、
酒とKTI、シメに「半ライス」(全然「半」じゃない量だが)、酒と「焼きぎょうざ」にKTI…と、
相変わらず麺類は食べず、酒とKTIの組み合わせばかりを頼み続けた。
なお、酒類はビール小びんとサワー各種が350円、ホッピー、ウイスキー、日本酒などは400円とお手頃価格だ。

最近の啓ちゃんは、雑誌などにもよく掲載されているようだが、そこで紹介されるのもやはり木耳玉子らしい。
その影響なのかはわからないが、先日入店したときは、客の大半が木耳玉子定食を食べていた。
私も当然、いつものようにKTI単品とビール、そして「つまみチャーシュー」を初オーダー。


ネギとタレがかかったチャーシューの下には千切りキャベツ。このひと皿でビール小びんが空いた。
ホッピーセットをお替わりしたところで、愛しのKTIが登場。


おお、以前より片栗のトロみが増したのか、具材の一体感が出て、さらにウマくなった気がする。
しょっちゅう通っていたわけではないし、人見知りゆえ、店員さんたちと話したことがない私も、
雑誌を見てKTIを食べに来たと思われたかな。ずいぶん前から、そのウマさには気づいていたのに。
この日は深酒はせず、食べたことのなかったカレーライス(650円)を半分サイズ(350円)で頼んでみた。


しまった、以前の半ライスと同様、全然ハーフじゃない量が来てしまった。
一般的なカレーライスの3/4くらいはあるね。スープも付いて350円は安いよ。おかげで満腹になってしまったが。
味自体は、意外とスパイスが効いた、辛ウマな逸品。ニンニクも結構入ってるみたいだね。
料理単品は150円引きらしいけど、カレーソースだけ200円で売ってもらえれば、いいツマミになるなあ。

啓ちゃんではこれまで、毎回欠かさずKTIを頼んできたが、せっかく先輩に「うまいラーメン屋」と聞いたのだから、
先日は、初めてKTIを頼まず、麺類を注文してみた。ラーメンは各種そろっているが、450円~とやはり安い。
ただし、頼んだのは写真の「木耳玉子麺」850円である。いつもと同じじゃねえか(笑)。


ウマそうな匂いが漂う丼から、まずはレンゲでスープをひと口、次に麺をすすってみたところ…


うわっ、このKTI麺、最高にウメエ!
互いの味を打ち消し合うどころか、双方の旨味を増幅させており、スープ、麺、具のすべてがウマい。
とりあえず、ラーメンを食べてこんなに感動したのは、本当に久しぶりだ
あまりの感動に、またまた印象が薄れちゃったけど、実は半チャーハンも頼んでいた。


カレーと同様、3/4くらいのサイズで、ラードで炒められたと思われる、パラパラでおいしい炒飯だったけどね。
すべてを食べ終わったあと、あまりに感動した私は、「すごく美味しいです」と、初めて店主に話しかけてしまった。
木耳玉子麺用の特別なスープなのかとたずねたら、「ベースは普通のラーメンと同じ」とのこと。
普通のラーメンとKTIを組み合わせて、こんな絶品料理が生まれるとは…他の店でも試したくなったぞ。

店主の啓ちゃんこと幸田啓さんは、中野の人気中華食堂で修行したのち、自身の地元・荻窪で店を開いたらしい。
その修行先は、失礼ながら態度の悪い店員が多いのだが、幸田さんはいつも穏やかで、真摯な応対をしてくれる。
そもそも、開店当時は20代の若者だったのに、ラーメン店ではなく中華食堂を開業したのが珍しいし、
我々「街の中華屋さんマニア」としては、本当にありがたい。
中華だけでなく、すべての個人食堂にとって、後継者や若い職人の不足は、深刻な問題だからね。
若き店主の決断と、「中華食堂への愛」を応援すべく、私は今後も啓ちゃんに通い続けるし、
皆さんにもぜひ1度、ここの木耳玉子を食べてもらいたい。2度目は当然、木耳玉子麺ね。
あと、できれば「KTI」という略称を流行らせてくれると嬉しいのだが………無理かな?



中華屋 啓ちゃん
東京都杉並区天沼3-31-35
荻窪駅北口から徒歩約5分
営業時間 11時半~23時
定休日 月曜
※隣のビル2Fに、店主が営むバーがある


コメント
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