相変わらず、世田谷区の千歳烏山図書館に、せっせと足を運んでいる私。
その後は、近くの『祖仁』さんで厚焼玉子を購入し、近隣の飲食店で食事をすることにしている。
ラーメンも何軒か食べたが、味、価格、店主の人柄などの総合力で、閉店した『榮じ』さんに勝る店は、烏山にはない気がする。
だが、隣駅の芦花公園まで範囲を広げれば、今回紹介する『中華蕎麦 きつね』という良店が存在する。

隣駅といっても、千歳烏山からは徒歩10分チョイの距離。鈍行しか停車しない芦花公園駅には、歩いた方が早い…は大げさか。
屋号からもわかるように、お店のウリは、油揚げの入ったきつねラーメン。
こちらが、最近のメニュー券売機。麺類の基本は「中華蕎麦」と「濃厚中華蕎麦」の2種で、

その他具だくさんの「特製」や、季節限定メニューもあるが、麺類にはすべて油揚げが入っている。
うどん好きとしては、きつねラーメンには抵抗がないし、お店の評判もよかったので、今年の春頃、期待しながら初訪問。
人気店のようだが、夕方の時間帯でたまたま空いており、待つことなく入店できた。
食券を購入し、女性店主に「こちらへどうぞ」と案内されたカウンター席へ。丁寧な応対も、人気の理由のひとつではないか。
注文したのは、「濃厚味玉中華蕎麦」950(現在は1020)円。
席上に置かれたお箸の袋には、お店のトレードマークである、きつねさんが描かれていた。

厨房内では、旦那さんらしき男性店主が、真剣に作業をなさっている。
どこかの雑誌かネット記事で読んだのだが、こちらのお店は、奥さんと旦那さんの双方が店主という、
店主ふたり体制だそうだ。男女ツインボーカルのバービーボーイズみたいだね(←そうか?)。
今回のブログタイトルの“群がるオーディエンス”は、彼らの楽曲「女ぎつねon the Run」の歌詞から引用している。
とはいえ、「きつね」と「男女ふたり店主」から、昭和62(1987)年に発表されたバービーボーイズの曲が、
すぐに思い浮かんだ方はほとんどいないはず。もしいたら、友だちになりましょう(笑)。
ハナシを戻す。コンタ&杏子と同様、息の合ったご夫妻が調理・提供した、濃厚味玉中華蕎麦の画像がこちら。

横アングルも撮影。丼の大きさは普通、麺の量は140グラムらしい。

まずはスープをひと口。「濃厚」のネーミングに偽りはなく、動物系と魚介系の出汁がぶわっと押し寄せる。
さっきの画像では見えなかった麺は、平打ち気味のツルツルとした歯触り。色も白く、細いうどんのような印象。

味玉は、『ビーフキッチンスタンド』などでも使用している、黄身の色が濃い「マキシマムこいたまご」。
基本の具材は、チャーシュー、ほうれん草、ネギ、ナルトにメインの油揚げ。個人的にはナルトが嬉しい。
油揚げは、チャーシューにも負けない存在感と食べ応えで、濃厚スープとの相性も抜群。
噛みしめた瞬間、ジュワっと染み出すスープには、油揚げの甘味と旨味も加わり、実に美味しい。
ただ油揚げを乗せただけでなく、油揚げにマッチするよう、スープや麺を仕上げているそうで、
ラーメン好きだけでなく、きつねうどん好きも納得できる商品となっている。
最後まで箸とレンゲは止まらず、スープまで飲み干し「ごちそうさまです」。
最近のラーメン業界は、以前よりだいぶレベルが上がり、どのお店で食べてもそこそこウマいのだが、
その反面、どこかで食べた記憶のある味ばかりで、印象に残るお店には、あまり巡り合わなくなった。
油揚げ入りという、一見奇抜ではあるが、まったく違和感のない絶品ラーメンを作り上げ、
さらに接客面や衛生面にも問題はないきつねさんは、久々に感動したお店となった。
旦那さんの修行先は不明だが、奥様は高田馬場『渡なべ』で働いていたことを公言している。
以前紹介した、町田のパイナップルラーメン専門店『パパパパパイン』の店主も、同店の出身だそうだが、
修行先では当然、油揚げやパイナップルを使ったメニューはなく、どちらも独自に作り上げたものだ。
渡なべのオーナーは、以前こちらの冒頭で説明したように、ラーメンムックでの座談会記事で、
同業のお店を小馬鹿にするような発言をしていたので、尊敬はできないのだが(なので名前も出さない)、
優秀な弟子たちを輩出した功績は、認めざるを得ない。
すぐにでも再訪したかったきつねさんだが、不定休や売り切れ早じまいなどでタイミングが合わず、

※お店のツイッターで報じられた、10月の営業予定日
再訪したのは数ヶ月後。前回は「濃厚~」を食べたので、今回は普通の「中華蕎麦」900(当時は850)円と、

トッピングとして揚げ玉=「たぬき」100円を選択。きつねとたぬきの競演だ。

券売機では、【濃厚系】の濃厚中華蕎麦に対し、【淡麗系】とカテゴライズされている中華蕎麦だが、
スープにはしっかりとコクがあり、私の基準では「淡麗」ではなく、じゅうぶん「濃厚」である。
濃厚よりも動物系出汁と脂分が少ないようだが、こちらの方が魚介が前面に出ていて、うどん好きとしても歓迎。
麺は濃厚と同じだろうが、具材は三つ葉が加わっている。スープを少し飲んでから、別皿のたぬきも加えてみた。

食べ進めていくうちに、熱々のスープに揚げ玉が溶け出し、さらにコクが増す。
さらに卓上の七味も振りかければ、一瞬、濃厚なきつねうどんを食べているのかと錯覚する。

前回と同様、スープを一滴も残さず、大満足のまま退散。
そして先日、千歳烏山図書館で本を返した帰りに3度目の訪問。ちなみに私は、3回とも千歳烏山から歩いているが、
最寄りの芦花公園駅からは、徒歩20秒という超近距離である。
こちらは油揚げラーメンだけでなく、真っ黒な外観の「黒炭稲荷寿司」2個250円もあるのだが、

ラーメンのきつねと被るという単純な理由で、頼んだことはない。※上記画像はお店ツイッターから拝借
また、平日には日替わりの「まかない丼」300円もあるが、訪問当日は売り切れ。
日替わり丼は最近の例だと、「きのこカレー丼」「豚バター醤油丼」「梅しらす丼」などなど、レパートリー豊富である。
この日の私は、「特製中華蕎麦」1300円と、ご飯ものから「卵かけご飯」280円をオーダー。
いつものように、旦那さんが丁寧に調理し、具材を並べた、特製中華蕎麦が完成。

通常の中華蕎麦に、味玉、海苔、そして、これもラーメンでは珍しい、牛しぐれ煮が加わる。
「特製~」は濃厚タイプ1270円もあるが、そちらにはしぐれ煮が入らないので、淡麗タイプを選択したのだ。
しぐれ煮はトッピング注文不可のため、特製中華蕎麦でしか味わえない。
ほぼ同時に、奥様が作成した、マキシマムこいたまご使用の卵かけご飯も登場。

「きつね被り」を理由に稲荷寿司を頼まなかったくせに、味玉としっかり被る、卵かけご飯を選んだのがマヌケである。
玉子はあまり溶かず、付属の醤油をちょろっと垂らして食べる。オレンジ色の黄身が美しい!

途中で、油揚げとしぐれ煮を乗せてみた。肉自体の味は薄いため、牛丼風にはならなかった。

この日の特製中華蕎麦は、私が購入した分で売り切れた模様。間に合ってよかった。
なので、「最後だから全部入れちゃえ」となったのかは定かではないが、しぐれ煮の量が異様に多い(笑)。
とにかく、食べても食べてもスープの下から姿を現す、しぐれ煮には恐怖すら覚えた…というのは大げさか。
既述のとおり、牛肉の味付けは薄いのだが、大量に入っているからか、スープの味が少々ぼやけたような?
具材豊富なのはありがたいが、私は前回の「通常版+たぬき」の方が美味しく感じた。
現在、世田谷図書館では本を借りておらず、芦花公園界隈に行く予定はしばらくないが、
稲荷寿司やまかない丼などの未食メニューも試したいので、
きつねさんに群がるオーディエンス(支持者)としては、また足を運びたいと思っている。
京王線沿線は、他にもいいお店がたくさんあるようなので、機会があったら探索をしてみたい。
中華蕎麦きつね
東京都世田谷区南烏山3-3-1
京王線芦花公園駅から徒歩約20秒、千歳烏山駅からも約11分、八幡山駅からも、たぶんそれくらい
営業時間 月~金11時~19時、土日祝11時~16時
定休日 不定休 月に8~10日くらい?
※品切れ早じまいあり
※2025年3月29日で閉店なさいました。今後は故郷岩手県での再開を計画しているそうです
その後は、近くの『祖仁』さんで厚焼玉子を購入し、近隣の飲食店で食事をすることにしている。
ラーメンも何軒か食べたが、味、価格、店主の人柄などの総合力で、閉店した『榮じ』さんに勝る店は、烏山にはない気がする。
だが、隣駅の芦花公園まで範囲を広げれば、今回紹介する『中華蕎麦 きつね』という良店が存在する。

隣駅といっても、千歳烏山からは徒歩10分チョイの距離。鈍行しか停車しない芦花公園駅には、歩いた方が早い…は大げさか。
屋号からもわかるように、お店のウリは、油揚げの入ったきつねラーメン。
こちらが、最近のメニュー券売機。麺類の基本は「中華蕎麦」と「濃厚中華蕎麦」の2種で、

その他具だくさんの「特製」や、季節限定メニューもあるが、麺類にはすべて油揚げが入っている。
うどん好きとしては、きつねラーメンには抵抗がないし、お店の評判もよかったので、今年の春頃、期待しながら初訪問。
人気店のようだが、夕方の時間帯でたまたま空いており、待つことなく入店できた。
食券を購入し、女性店主に「こちらへどうぞ」と案内されたカウンター席へ。丁寧な応対も、人気の理由のひとつではないか。
注文したのは、「濃厚味玉中華蕎麦」950(現在は1020)円。
席上に置かれたお箸の袋には、お店のトレードマークである、きつねさんが描かれていた。

厨房内では、旦那さんらしき男性店主が、真剣に作業をなさっている。
どこかの雑誌かネット記事で読んだのだが、こちらのお店は、奥さんと旦那さんの双方が店主という、
店主ふたり体制だそうだ。男女ツインボーカルのバービーボーイズみたいだね(←そうか?)。
今回のブログタイトルの“群がるオーディエンス”は、彼らの楽曲「女ぎつねon the Run」の歌詞から引用している。
とはいえ、「きつね」と「男女ふたり店主」から、昭和62(1987)年に発表されたバービーボーイズの曲が、
すぐに思い浮かんだ方はほとんどいないはず。もしいたら、友だちになりましょう(笑)。
ハナシを戻す。コンタ&杏子と同様、息の合ったご夫妻が調理・提供した、濃厚味玉中華蕎麦の画像がこちら。

横アングルも撮影。丼の大きさは普通、麺の量は140グラムらしい。

まずはスープをひと口。「濃厚」のネーミングに偽りはなく、動物系と魚介系の出汁がぶわっと押し寄せる。
さっきの画像では見えなかった麺は、平打ち気味のツルツルとした歯触り。色も白く、細いうどんのような印象。

味玉は、『ビーフキッチンスタンド』などでも使用している、黄身の色が濃い「マキシマムこいたまご」。
基本の具材は、チャーシュー、ほうれん草、ネギ、ナルトにメインの油揚げ。個人的にはナルトが嬉しい。
油揚げは、チャーシューにも負けない存在感と食べ応えで、濃厚スープとの相性も抜群。
噛みしめた瞬間、ジュワっと染み出すスープには、油揚げの甘味と旨味も加わり、実に美味しい。
ただ油揚げを乗せただけでなく、油揚げにマッチするよう、スープや麺を仕上げているそうで、
ラーメン好きだけでなく、きつねうどん好きも納得できる商品となっている。
最後まで箸とレンゲは止まらず、スープまで飲み干し「ごちそうさまです」。
最近のラーメン業界は、以前よりだいぶレベルが上がり、どのお店で食べてもそこそこウマいのだが、
その反面、どこかで食べた記憶のある味ばかりで、印象に残るお店には、あまり巡り合わなくなった。
油揚げ入りという、一見奇抜ではあるが、まったく違和感のない絶品ラーメンを作り上げ、
さらに接客面や衛生面にも問題はないきつねさんは、久々に感動したお店となった。
旦那さんの修行先は不明だが、奥様は高田馬場『渡なべ』で働いていたことを公言している。
以前紹介した、町田のパイナップルラーメン専門店『パパパパパイン』の店主も、同店の出身だそうだが、
修行先では当然、油揚げやパイナップルを使ったメニューはなく、どちらも独自に作り上げたものだ。
渡なべのオーナーは、以前こちらの冒頭で説明したように、ラーメンムックでの座談会記事で、
同業のお店を小馬鹿にするような発言をしていたので、尊敬はできないのだが(なので名前も出さない)、
優秀な弟子たちを輩出した功績は、認めざるを得ない。
すぐにでも再訪したかったきつねさんだが、不定休や売り切れ早じまいなどでタイミングが合わず、

※お店のツイッターで報じられた、10月の営業予定日
再訪したのは数ヶ月後。前回は「濃厚~」を食べたので、今回は普通の「中華蕎麦」900(当時は850)円と、

トッピングとして揚げ玉=「たぬき」100円を選択。きつねとたぬきの競演だ。

券売機では、【濃厚系】の濃厚中華蕎麦に対し、【淡麗系】とカテゴライズされている中華蕎麦だが、
スープにはしっかりとコクがあり、私の基準では「淡麗」ではなく、じゅうぶん「濃厚」である。
濃厚よりも動物系出汁と脂分が少ないようだが、こちらの方が魚介が前面に出ていて、うどん好きとしても歓迎。
麺は濃厚と同じだろうが、具材は三つ葉が加わっている。スープを少し飲んでから、別皿のたぬきも加えてみた。

食べ進めていくうちに、熱々のスープに揚げ玉が溶け出し、さらにコクが増す。
さらに卓上の七味も振りかければ、一瞬、濃厚なきつねうどんを食べているのかと錯覚する。

前回と同様、スープを一滴も残さず、大満足のまま退散。
そして先日、千歳烏山図書館で本を返した帰りに3度目の訪問。ちなみに私は、3回とも千歳烏山から歩いているが、
最寄りの芦花公園駅からは、徒歩20秒という超近距離である。
こちらは油揚げラーメンだけでなく、真っ黒な外観の「黒炭稲荷寿司」2個250円もあるのだが、

ラーメンのきつねと被るという単純な理由で、頼んだことはない。※上記画像はお店ツイッターから拝借
また、平日には日替わりの「まかない丼」300円もあるが、訪問当日は売り切れ。
日替わり丼は最近の例だと、「きのこカレー丼」「豚バター醤油丼」「梅しらす丼」などなど、レパートリー豊富である。
この日の私は、「特製中華蕎麦」1300円と、ご飯ものから「卵かけご飯」280円をオーダー。
いつものように、旦那さんが丁寧に調理し、具材を並べた、特製中華蕎麦が完成。

通常の中華蕎麦に、味玉、海苔、そして、これもラーメンでは珍しい、牛しぐれ煮が加わる。
「特製~」は濃厚タイプ1270円もあるが、そちらにはしぐれ煮が入らないので、淡麗タイプを選択したのだ。
しぐれ煮はトッピング注文不可のため、特製中華蕎麦でしか味わえない。
ほぼ同時に、奥様が作成した、マキシマムこいたまご使用の卵かけご飯も登場。

「きつね被り」を理由に稲荷寿司を頼まなかったくせに、味玉としっかり被る、卵かけご飯を選んだのがマヌケである。
玉子はあまり溶かず、付属の醤油をちょろっと垂らして食べる。オレンジ色の黄身が美しい!

途中で、油揚げとしぐれ煮を乗せてみた。肉自体の味は薄いため、牛丼風にはならなかった。

この日の特製中華蕎麦は、私が購入した分で売り切れた模様。間に合ってよかった。
なので、「最後だから全部入れちゃえ」となったのかは定かではないが、しぐれ煮の量が異様に多い(笑)。
とにかく、食べても食べてもスープの下から姿を現す、しぐれ煮には恐怖すら覚えた…というのは大げさか。
既述のとおり、牛肉の味付けは薄いのだが、大量に入っているからか、スープの味が少々ぼやけたような?
具材豊富なのはありがたいが、私は前回の「通常版+たぬき」の方が美味しく感じた。
現在、世田谷図書館では本を借りておらず、芦花公園界隈に行く予定はしばらくないが、
稲荷寿司やまかない丼などの未食メニューも試したいので、
きつねさんに群がるオーディエンス(支持者)としては、また足を運びたいと思っている。
京王線沿線は、他にもいいお店がたくさんあるようなので、機会があったら探索をしてみたい。
中華蕎麦きつね
東京都世田谷区南烏山3-3-1
京王線芦花公園駅から徒歩約20秒、千歳烏山駅からも約11分、八幡山駅からも、たぶんそれくらい
営業時間 月~金11時~19時、土日祝11時~16時
定休日 不定休 月に8~10日くらい?
※品切れ早じまいあり
※2025年3月29日で閉店なさいました。今後は故郷岩手県での再開を計画しているそうです