明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

天ぷらも気分もアゲ揚げ 難波『大吉』

2023年08月11日 | 定食、食堂
だいぶ前、どの番組かは忘れたが、ちょっと気になる大阪の天ぷら店を紹介していた。
お店の屋号は『大吉』で、主な特徴としては、以下の4つが挙げられる。
1.深夜に開店し、早朝には閉める 2.天ぷらは安くて美味しい 
1の理由は、店舗が堺の魚市場内にあり、元々は市場で働く人向けの食堂だったから。
私が以前通っていた、築地場内の飲食店も同様の理由で、夜中から昼間までの営業だった。
2は、魚市場ゆえ、新鮮な食材が安く入手できるからだろう。
さらに、3.そんな時間帯でも連日行列ができる 4.店内床は貝殻だらけ
安く美味しい天ぷらを求め、市場とは無関係な人たちも、行列を作るようになるのは必然。
4は、天ぷらと並ぶお店の名物「あさり汁」は、食べ終えたあと貝殻を床に捨てるのが、お店の流儀らしい。
「床に捨ててもらった方が、あとで掃除するのが楽だから」という説を見かけたが、真偽は不明。


串かつと同じくらい、天ぷらで飲むのも好きな私としては、こちらのお店も行ってみたかったのだが、
特殊な営業時間ゆえ、夜に電車で向かったら、始発まで待つハメになるし、朝、早起きして向かうのはしんどい。
せっかく安い天ぷらを食べるのに、タクシーは利用したくないし、そもそも列に並ぶのもメンドーだ。
と、なんだかんだ文句をつけて、いまだに堺の本店には行ったことがないが、
今から5年前の夏には、大吉さんで修業した店主が営む、鶴ヶ丘の『まつりや』で食べてきた。


5年前は、コロナ禍前だったためか、国内外の観光客が大阪・西成区の旅館に殺到し、私がよく利用する安宿はすべて満室。
やむなく、大阪の拠点(注:私にとって)JR新今宮駅から4つ先、鶴ヶ丘駅近くのホテルを確保。 
昼間はいつものように、西成区で安酒場を5~6軒ハシゴして、記憶をなくした状態でホテルに戻り、
寝て起きたら21時過ぎ。22時閉店だったので、まだ酔いは醒めていないが、あわててまつりやさんに向かった。
注文したのは、「瓶ビール中」450円と、単品で頼むよりお得な、天ぷら8種の「1000円盛り」。 ※当時の価格、以下同
天ぷらの盛り合わせは、修行元の大吉にも、7種の「小吉盛り」~23種の「大吉盛り」などがある。
ビールを飲み始めた数分後、店主が丁寧に揚げてくれた、8種盛りが登場。


遅い時間の訪問だったので、営業時間内に会計を終えるべく、すぐに食べ始める。
ビールを飲み終えたが、昼間の酒が残っていたので酒は追加せず、大吉譲りの「あさり汁」400円に、


シメとして「半熟卵天かけごはん」350円もオーダー。


残った海老天と黄身ちゃんを絡めて一気にかき込み、あさり汁もズズっとすすり、お会計。


閉店間際の訪問をお詫びし、「今度はもっと早い時間に来ます」と店主に告げて、お店を出た。

そして今年、5年ぶりにまつりやさんへ行ってみようと計画していたところ、
本家大吉の支店が難波にあり、しかも普通の時間に営業していることが判明。
とんかつカレー専門店『カツヤ』さんへの訪問から1年後、私は再び難波に向かった。

お店の場所は、南海グループが手掛けた【なんばこめじるし】という飲食店の複合施設内。
カウンターとテーブル席があり、ひとり客の私はカウンター席へ。17時台に着いたが、店内はほぼ満席。
私の席だけでなく、どの座席の下も貝殻だらけで、踏まれて粉々状態のものもある。


冒頭の貝殻画像も、堺本店のものではなく、上記と同アングルのアップである。

着席後、まずは「瓶ビール(中)」600円を注文。キリンとアサヒが選べるので、キリンを選択。
私はキリン党なのだか、関西人の大半はアサヒを頼むし、アサヒしか置いてない店も多い。
天ぷらメニューはこちら。いつもどおり、ちゃんとした写真は、食べログとかで確認してほしい。


メニューは他にも、天丼や盛り合わせ、さらには日替わりの天ぷらや、お刺身などのおつまみもある。
既述したように、具材7種~の盛り合わせもあるが、好き嫌いが多い私は、単品の組み合わせを頼むことに。
卓上に紙とペンがあるので、望みの商品を書き込み、店員さんに渡す。
注文したのは、大好きな「穴子」260円と「海老」190円に、串かつでも頼む「紅生姜」「玉ねぎ」「シシトウ」各150円、
さらに日替わりメニューから、“龍の玉子”というブランド卵使用の「半熟卵」390円も選択。
厨房では、リーダー格と思われる中年男性がご飯や汁物を調理し、天ぷら担当は若い男性。
後述するが、若い彼ではなく、ベテラン風のリーダー格に揚げてもらいたかった。
まずは、たっぷりの大根おろしが入った天つゆが提供される。大根嫌いの私は「抜き」でお願いした。
数分後、注文した天ぷら6種が同時にやってきた。


横アングル(?)はこちら。右から玉ねぎ、紅生姜、穴子、海老、半熟卵、シシトウ。熱いうちに、どんどん食べよう。


天つゆは、辛い大根おろしが入るのを想定した味付けなのか、けっこう甘口。
コロモはかなり硬めで、シシトウは見てのとおり、ほとんど剥がれ落ちてしまっている。
ネット上では、「サクサクで美味しい♪」なんて意見が多いが、私の天ぷらはサクサクではなくガリガリである。
つゆにどっぷり浸けて、コロモをふにゃふにゃにして食べると、ちょうどいいのかな。
コロモだけなら、弟子のまつりやさんの方が、薄くまんべんなく具材を包んでいて私好み。
ただ、食べログに載っている「お店提供画像」の天ぷらは、薄コロモで美味しそうであった。

とはいえ、熱々の天ぷらはビールが進む。もう1本お替わりし、さらに天ぷらを食べ進めていく。
海老や穴子よりも高いため、期待も高かった半熟卵の感想は、「フツーに美味しい」であった。


味オンチの私には、ブランド卵の価値がわからないのかも。

天ぷら6種をたいらげ、「豚肉チーズ巻き」260円と、季節メニューらしい「活ハモ」390円を追加。


吉祥寺『串かつ髙橋』の「チーズ豚しそ」と同様、豚肉チーズ巻きにも大葉が入っていて、なかなかイケる。
また、関西ならではの活ハモも、風味・歯触りともによく、390円とは思えぬクオリティ。
コロモもさっきよりは硬くなかったので、どちらの商品も気に入った。

ビールを飲み終えたので、シメのお食事を注文。さすがに「天丼」690円~はしんどいので、
日替わりメニューの「鯛めし」550円と、名物の「あさりの味噌汁」460円をオーダー。


鯛ダシで炊かれた鯛めしは、レモンなどの柑橘類を刻んだものも薬味に混ぜられている。


上品な味わいだが、下品な私の口には、「白飯」の小190円に、天つゆをぶっかけて喰う方が合うかも(苦笑)。
一方のあさり汁は、リーダー格の店員が、お椀からあふれんばかりにあさりを盛り付け、
そこへ別の鍋から、熱々かつしょっぱい味噌汁を注ぎ、ネギをドバっと振りかける、豪快かつ下品(←ホメ言葉)な仕上げ。


あさりは、貝殻からほじくり出し残さず食べて、味噌汁も飲み干し「ごちそうさまです」。


貝殻を床にぶちまけるのは、遠慮しておいた。私の滞在時は他の客も、床に捨てていなかったと思う。
お会計は4160円。私の暗算より10円高いが(みんなも計算してみよう)、天つゆ代が10円かもしれないし、まあいいや。

説明し忘れていたが、店員さんたちが着用している、お店オリジナルと思われるTシャツの背中には、
「堺が産んだ 大阪を代表する 超豪快! 天ぷら店」のコビーが躍っている。
たっぷりの大根おろし、豊富な天ダネに大胆な盛り合わせ、荒っぽい揚げ方(普段は知らんが)、しょっぱい味噌汁などなど、
確かに超豪快! な天ぷら店であった。

食後は、隣駅の日本橋に移動し、場外車券売り場『サテライト大阪』で、競輪を少々たしなむ。


たいした額ではないが珍しく的中し、大吉で支払った分よりは儲かったので、気分アゲ揚げである。
私のようなおっさんが、「アゲアゲ」なんて言葉を使うのは気が引けるので、
天ぷらにかけて「アゲ揚げ」にしてみたが…こっちの方がさらに恥ずかしい気もする。

そもそも、私が大阪に行った最大の目的は、甲子園で試合をする、母校野球部の応援であった。
翌日、母校日大三は見事快勝!  私の気分が、さらにアゲ揚げ(笑)になったのは、書くまでもない。
 ※詳細はまた改めて



天ぷら 大吉 なんば店
大阪府大阪市浪速区難波中2-10-25
南海電鉄難波駅から徒歩約3分、他の私鉄・地下鉄・JRなどの難波(なんば)駅からも徒歩10分以内
営業時間 11時~23時 ラストオーダーは30分前
定休日 月曜
※堺本店の住所は大阪府堺市堺区栄橋町2-4-28

天ぷら まつりや
大阪府大阪市阿倍野区西田辺町2-11-11
JR鶴ヶ丘駅から徒歩約3分、地下鉄西田辺駅と長居駅からも約7分
営業時間 12時~22時、土日祝、祝前日は11時開店
定休日 月曜
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