わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

看板を回せ

2013-08-29 | アメリカのニュース
 カリフォルニアの道を走っていると、交差点などで看板を回している人に気付きます。テキサスやコロラドでは見かけたことがなかったので、LA周辺独特の宣伝法なのかと思っていたら、南カリフォルニアに始まって、徐々に全国進出しつつある広告法なんだって。看板回しのコンテストも開かれ、上級者ともなると、時給20ドル以上ってんだから、なかなか侮れない。

 いまどきのカリフォルニアで、時給20ドルのバイトなんて、滅多にありませんよ。全米の大都市の何箇所かで、ファーストフ0ド店に働く人たちが、時給を15ドルにしろ!と、デモの最中ですが、カリフォルニア州の最低賃金は時給8ドル。時給15ドルというのは、小売店の店員さんや事務員さんでも高給取りな一部の人しか稼げない金額です。フルタイムで働いていても、家賃も物価も高いカリフォルニアの都市部で、生活していくのは大変です。1秒で8ドル以上稼ぐ人も沢山いるし、彼らが最低賃金で働いている人より大変な仕事をしているかといえば、必ずしもそうではない。本当に不公平です。

 話を元に戻すと、看板をグルグル回したり、空中に放り上げたりで、肝心の看板に書いてある文字が読めないんで、注目は浴びても、宣伝効果はいかなるものか?と、観るたびに思っていたのですが、実は宣伝効果もバッチリなんだそうですよ。運転中に目を引かれて、つい矢印の方向へ向かっちゃう?お、バーゲンか、と、入っちゃう?ともあれ、何の話をしているかを見て頂くには、看板回し屋さん(Sign Spinner)の「パフォーマンス」のクリップを見ていただくのが一番かも。ディズニーのアニメ版は、下の画像をクリックして観てください。因みに、このサイトから観られる「Tokyo Meter」も面白いよv

画像クリックでディズニーのサイトへ


 こういった看板回し屋さんは、お店が直接に雇ってるんじゃなくて、1時間30ドルほどで専門の会社が派遣しているのだそう。こんな会社の一つ、ノース・ハリウッドを本拠地とする、AArow Advertising社は、今年の世界中のチェーンの総合年収予想額が400~450万ドル、支店は南アフリカのヨハネスブルグ、シドニー、パリ、そしてクロアティアのザグレブにあるそうですから、結構な国際企業です。この会社では、看板回しのトレーニングもしますが、300以上の動きに、ちゃんと名前が付いていて、会社に登録されてるんだって。しかも、従業員は毎週、練習に参加しなければならない。本職は、ミュージシャンや歌手(の卵)が多いそうです。何時間も街角に立っていられる、テンションが高く、注目を浴びるのが好き!な人向けな仕事だけに、ね。

 こういった、マーケティングの新しいトレンドは、南カリフォルニアが発祥地であることが多いのだそうです。マーケティングには、エンターテイメントの要素が重要だから、なんとなく納得ですね。看板回してる人と同じくらい、LA周辺でよく見かけるのは、ゴリラのマスクをかぶってたり、自由の女神の扮装をした人が看板持ってる路上広告。つまり、ゴリラや自由の女神が看板を回してたら最強?!

 今日の記事の参考は、NPRのマーケット・プレイス、元の記事はここです。でも、私はこんな看板見てお店に行った事ってないな