わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

世界のミイラ展 in Cincinnati 自然博物館

2015-03-29 | Museumsとイベント
 実はわたくし、来月から、また日本人補習校で代行の先生となります。今回は中学1年生の担当で、国語、数学、歴史、地理を教え(?)ます。昨年の経験から、土曜日に先生したらグッタリしちゃって、日曜日はどこに出かける気にもなれないのが判っているので、今週末中に遠出をしておくことにしました。昨日はデートとアンティークショップ巡り。そして、今日は以前から気になっていた、シンシナティの博物館群へ。元ユニオン駅を改造した、このCincinnati Museum Centerで現在、世界のミイラ展(Mummies of the World)が開催されており、この機会にGO!

  
元ユニオン駅らしい堂々たる外観と、この地に住んだ人々を描いたロビーの巨大壁画

   
反対側の壁画と内側から観た大窓

  
シンシナティ歴史博物館内は、多くのジオラマや街全体の鉄道模型、第二次世界大戦に関する資料が豊富


 ミイラ展と全博物館の入場券が25ドル。駐車場に6ドルもかかるので、一度の訪問で31ドルは、私的にはちょっと高い。まずはミイラ展へ。薄暗く操縦な音楽が流れ、実際の展示に入る前に、これらのミイラは生前は私達と同じく、それぞれの時代に生きて生活していた人々であり、見学に際しては死者を敬って下さいという短いフィルムを見ます。と、言うわけで、展示は一切撮影禁止です。このアナウンスは展示中にも何度も聞かれました。私達、日本人的には「死者を敬う」のは当然とも言える文化ですが、ゾンビをガンガンぶっ殺す(死んでるけど?)映画やドラマの流行ってるアメリカでは、なんだか苦笑しちゃった。

 エジプトやアンデスのミイラといったお馴染みのラインナップに加え、冷たく乾燥した地下墓地で自然にミイラ化した17世紀ブダペストの男爵夫妻や18世紀ハンガリーの家族、南米の干し首、大学が研究と学習のために作ったミイラ、湿地遺体等、珍しいミイラがいっぱい。DNA解析やレントゲン、CTスキャンを駆使したミイラの調査の様子のビデオも見ることが出来て、なかなかに見応えのある展示でした。特に私の心に残ったのは、前記のハンガリーの家族です。夫妻に加え、夫妻の乳児のミイラなのですが、お母さんのヴィクトリア・オーロビッツさんは結核を患っており、実はご主人も幼子も彼女からの結核伝染が死因だそうで… 死後200年を経て、そういうことを世界中にバラされちゃうって、やるせない…

 ミイラ展の後は、駅ロビーにあるカフェテリアでランチ。ここの特製バーガー、牛肉のパテとポークのBBQがプレッツェルのバンに挟まっている、シンシナティ駅バーガーをいただきました。ボリュームたっぷりで美味しかった!マッシュルームとブリーチーズのスープは、これだけのために帰ってきたいほど!

食べきれなくて。お持ち帰りしたよ~


 食べたあとは、シンシナティ歴史博物館と自然科学博物館も覗きましたよ。その地の歴史を知るのは、どこでも興味深いものです。わかりやすく、親しみが持てるように工夫された展示は好感が持てました。歴史博物館は中学の遠足にピッタリだと思う。自然史博物館は、なんと洞窟模型があり、暗い中を手探りで歩くのが楽しい。氷河期のオハイオ州の展示に向かうには、氷のトンネルを模した通路を通ります。こんな遊び心、好きだなぁ… 展示そのものは、ごめん…NY、スミソニアン、LAの大スターたちを見慣れた私には、まぁ、地方都市やしこんなモンかね?って感じでした。エラソーですまん。

 帰りに世界各国の食材を集めたスーパーに寄って、納豆やら豆腐やら買い込んで帰ってきたら、また犬が脱走してお向かいの家に保護されてた…orz 一体どこから抜けだしてるの???

アンティークに惹かれます

2015-03-28 | アンティーク・スリフト
 古い街に暮らす楽しみの一つは、骨董品屋巡りです。今まで住んだ場所でも、アンティークのお店を見るのは大好きでしたが、触っても起こられない博物館的感覚で、実際に何かを買うなんて事はありませんでした。だって古いから安い物は好きだけど、古いからお高い物はキライなんだもん。それに、おお、これは!と思う物に出会っても、手に届くようなお値段ではないし、当に冷笑し客というヤツ。でも中西部では、飾り物ではない日常的に使える生活に密着した古物や、お屋敷でずっと手入れされていた貴重な品とはまた違う、実は屋根裏や地下室でずっと放置されていたのかな?と、思われるようなお宝が案外とお手頃価格で見つかります。むしろキケンw

 今日は、デイトンに住むSeptember 30さんに、とても素適なアンティークのお店を紹介して頂きました。訳あって、何度も通ったMaiami Valley総合病院の裏側にひっそりと潜む隠れ家のようなお店の中は、ドアを開けた途端に「おもちゃ箱をひっくり返したような」という表現が頭に浮かびました。雑然としているのではなく、さりげなく、でも実はきっと計算されているに違いない配置で、様々な雑貨やアクセサリーが並べられています。ならば何故おもちゃ箱かというと、綺麗と可愛いが一杯で、ワクワクしちゃうから!乙女心を直撃やわー(そこ!どこが乙女やねんと突っ込まない!心は何時も乙女なの!)お店の名前は、Brown Oak Antiquesです。店主のリンダさんも素敵な方で、お話してみると、なーんと!レドンドビーチのお隣、海を見下ろす高級住宅地のパロス・バーデス出身なのだそう!道理で、なんとなくカリフォルニアを思い起こされる感じのある方だと思ったv

 September 30さんと軽くランチをご一緒した後、町のメインストリートにアンティークショップが立ち並ぶ、Waynesvilleのことを聞いて、いてもたってもいられなくなり、そのまま行っちゃった!お店は皆、5時に閉まってしまうので、全部のお店をゆっくり見て回る余裕はありませんでしたが、どのお店もそれぞれに趣向を凝らした飾り付けにコレクションで、これぞ眼福。夏になったら、絶対リベンジする!

   
メインストリート沿いに可愛いお店が立ち並びます。中もとってもお洒落

オハイオ一周年

2015-03-08 | 田舎暮らし
 随分と暖かくなってきました。天気予報を見ると、まだまだ予断はならないのですが、久しぶりに温かい週末、愛犬を連れて、Hills And Dales Metro Parkへ。道には相変わらず雪が残り、滑りやすいので小一時間ほどの短い散歩でしたが、一生懸命、滑り易い坂道を登っていると、冷気を含んだ空気が気持ちよくて、リフレッシュした気分。
   


 タイトルの通り、去年の今日、私はオハイオに引っ越してきました。さぞや寒かろうと構えていたけど、実際にデイトン空港に降り立ってみれば、今日と同じような小春日和の気持ちいい日だったのを思い出します。NYCにNY州の大学町イサカを経てボストン郊外、ワシントンDCといった東海岸海岸のエスタブリッシュメントから、南部のテキサス、ロッキーの麓で自然が豊かでありながらも、リベラルなデンバーで働くプロフェッショナル達の住宅街としてコスモポリタンな雰囲気をたたえたエバーグリーン、そして西海岸のLAと、まぁ全米で色んなところに住み、日本から初めて米国に来た時でさえ、若さの勢いか、それとも初めから「ここは外国」と腹を括っていたせいか、カルチャー・ショックなんて感じたことの無かった私が、初めてカルチャー・ショックを受けたのが、ここ中西部での暮らしです。お父さんが陸軍に所属していたので、やはり全米各地やドイツ、韓国で育ち、平和部隊でアフリカ生活を経験したわにお君ですら、電話でこちらの様子を伝えると、「マジ?(@△@)」になってしまう、ここは異郷。その度に私の返事は「You can never imagine and you really don't wanna know...(絶対想像もつかないし、絶対に知りたくもないよ…)」

 ところが、今夜は私のほうが、「マジ?(@△@)」になってしまう出来事が…

 これは、LAで乗っているプリウスに貼っていた「Americans for OBAMACARE(オバマ・ケアを支持するアメリカ人)」のステッカーです。何時から、こうなっていたのかは分かりません、というのは、今日になって息子に指摘されるまで、わにおは気付かなかったからw 確かに自分がいつも乗ってる車の後ろなんて、しみじみ見ないわな…

 この辺りでは、オバマケアがアメリカを破壊する、とか、オバマケアはアメリカンじゃない、なんて標語も珍しくはありませんが、南カリフォルニアの、更にリベラルでオープンなビーチシティーでの出来事だけに驚いてしまいます。当然、これは器物破損ですから違法ですが、何時、誰がしたかなんて予想もつきません。ただ、オバマケア等に反対してるのって、こういう形で不満を表すことしかできない、気も頭も弱い連中だってことを証明したと私は思うw

それが結婚というものよ ゴーン・ガール

2015-03-01 | 映画・ドラマ・本
 3月は獅子のようにやってくる(March is coming in like a lion )、という英語の諺がありますが、いきなり朝から大雪の3月1日。でも、家の前の歩道は、ご近所の方が雪かき機でブロック全部を往復して下さるので安心して歩けます。車寄せも、お向いさんが小型トラックにショベルを付けてガガー!でスッキリ。おかげで私は一度も雪かきをしていません。本当に助かっていますが、困る(?)のは、自分ちをやるついでだから、と、お礼を受け取ってくれないこと。もし日本に帰れたら、一杯おみやげを買ってきたいなぁ…

 ところで、先週末にはアカデミー賞授賞式がありました。毎年、この時期は映画的に年度が一周りした感があります。TVはあるけど、ケーブルやサテライトと契約していないので、放映される番組は見られない我が家。普段はDVD見るだけで十分ですが、アカデミー賞授賞式だけは見たいと去年までは思っていました。ところが、東に引っ越した今年は、時差のせいで生中継の時間が遅い(明日も会社だしー)のと、どうせハイライトは後からいくらでもネットで見られるしー、だいたいノミネートされた作品も見てないしー…

 最優秀作品賞ノミネート作で唯一観た「グランド・ブタペスト・ホテル」は、とっても楽しんだ一作だけど、受賞しそうにない。他のノミネート作は、話題作だし図書館にあったら一応観ておこうかなと思う程度。でも、ロザムンド・パイクが主演女優賞にノミネートされてた「Gone Girl」は、気になっていたので、図書館で取り寄せてもらって観ました。いやー、評判通りの後味悪さでしたね。流石は「セブン」のデヴィッド・フィンチャー監督、後に引く嫌な感じの結末はお得意です。「ファイト・クラブ」や「ソーシャル・ネットワーク」だって、決して見終わってすっきりする映画じゃないし、でもだからこそ、忘れられない印象深い映画。

 ロザムンド・パイクさんは、「ジョニー・イングリッシュ気休めの報酬」や「ザ・ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」でのイメージが強く、私にとっては、イギリス・コメディーの女優さん。でも、ここではとっても怖いサイコさん。母親の書く児童書「Amazing Amy(すんごいエイミー)」シリーズのモデルとして、本人もハーバード卒の才媛でしかも美しく洗練された女性。NYのバリキャリ(死語)時代の彼女は、もー、知的かつ美しく、惚れ惚れします。パイクさんご本人も数カ国が堪能なオックスフォード大学出身の才色兼備な人で、滲み出てんのよ~、知性が。お洒落のセンスもよく、自分自身に対するお手入れが行き届いてる。ボディコンのドレスに完璧にセットされたブロンド。おハイソ感がダダ漏れですよっ!はーはー(←落ち着け)

 ニューヨークで出会ったハンサムな男性と夢の様な恋に落ち、傍からは完璧なカップルに見えましたが、共に失業し、夫の母が末期がんを患っていることもあって、夫の故郷、ミズーリ州の小さな街に引っ越したのが運の尽き。夫は仕事を探すつもりもなく、だらしなくて、昼間っからバーを経営する双子の妹と客のいない店でボードゲームしてる為体。完璧なアタクシの完璧な夫が、こんなダメ男のはずはない。許せないわ、ムキーッ!ってんで、夫に自分殺しの罪を着せてしまおうと言うお話。ネタばれ込みで詳しいストーリーはウィキペディアに載っています。私はお話の内容を知ってから観たのですが、何も知らないままに見たかった!あの、開始後1時間位の「あっと驚く」超展開を、前知識なしで楽しみたかったですよ!
 

 この映画のいいところは、その配役の妙にあると思います。ロザムンド・パイクのエイミーもピッタリですが、ベン・アフレックの夫が最高にはまり役です。お口ポカーンで、カメラを向けられると反射的ににっこりしてしまう間抜けっぷり。この、ワケもなく人をイライラさせる雰囲気は、持って生まれた才能でしょう。天性の才能といえば、とことん損な役回りのエイミーの元カレ、デジー役のニール・パトリック・ハリスの醸し出る変質者臭も絶妙です。かつて「天才少年ドギー・ハウザー」で全米のショタ心をキュンキュンさせた彼は、今年のアカデミー賞司会で、白ブリーフ一丁で世界生放送に現れる、立派な変態さんに成長しましたね。映画では、いきなり転がり込んできた元カノに尽くしまくったのに、一方的に殺されて変態誘拐犯人扱いは可哀想と思いましたが、原作では色々と変態っぷりが表現されていて同情キャラじゃないらしいです。
 
 それにしても、元カレは大金持ちで教養豊かとはいえ変質者っぽいし、旦那は間抜け。エイミーさん、実はだめんずウォーカー?そして、この映画で得した(?)のは、エイミーさんから現金を奪ったヤク中カップルだけってのが、とっても皮肉。この映画、日本のサイトで紹介を見ると、アメリカではコメディーとして受け取られて、観客から笑い声が漏れたと書いてありますが、在米28年目の私には、これのどこがコメディーなのか分かりませんでした。多分、トークショー・ホストのいい加減さや、ベン・アフレックの間抜け面っぷり辺り?とは思うのですが、笑えるとこかというと微妙な気が…

これですよ、これ!


ま。何はともあれ、猫が可愛かったです。