わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

アメリカの選挙人制度の是非

2016-11-28 | アメリカのニュース
 暴言は選挙中のパフォーマンス、実際に選ばれたら落ち着くかもという希望的観測を裏切り、初の公式会議を娘同伴で自宅で行ったり、自分のビジネスの利益の為なのが明らかな「公式訪問」をしたり、過去に問題視されて締め出された人間を次々と重要な地位に任命したり、過去8年間いオバマ政権が築いた功績をことごとくブチ壊すのが使命だと言わんばかりの宣言したり、既に、お先真っ暗感しかないトランプ政権ですが、本当に使命が決まるのは、12月9日の選挙人による選挙の結果によります。

 選挙人(Electoral College)は、庶民に大統領を選出する機会を与えるけど、最終的に見識のある選挙人たちは決定を下すことで、トンデモな奴が国を率いるのを防ぐために、1787年の合衆国憲法制定会議中に制定されました。トンデモを防ぐためのシステムが200年以上を経て、トンデモを選出するシステムになっちゃったわけです。

 このシステムは、ナショナル・ジオグラフィックの記事によると、奴隷制にも深く関わっています。当時、南部人口の4割は奴隷であり、彼らを選挙においてどう扱うかが建国の父達の頭を悩ませていました。選挙権のない奴隷ばっかの南部は、ものすごく不利。そこで、選挙区間の偏りを解消するために、奴隷を3分の4人として人口に計上して選挙人数を決めるとしました。

 黒人の参政権が認められたのは1964年、女性の参政権も1920年まで無かった国なのに、頭数としては数えておこうというのは矛盾している気がすごーくするけど、当時は、参政権を持っていたのは土地を持つ白人男性だけ。「人間」と認められていたのは、ホンの一握り…いや一つまみだけだったのです。

 ラジオもない、新聞はあっても識字率が低く読める人は少ない、交通も通信も未発達で、とてもじゃないけど、全米で選挙する意味なんて無いって背景で生まれた選挙人制度は、過去200年間に700回以上も「改革か廃止」が提案されましたが、排除されないままにズルズルと21世紀まで生き残り、今年また、その存在の是非が問われています。

 更に複雑なのは、自分が所属する党の選んだ候補者に投票しない「不実な選挙人(faithless electors)」が現れる可能性。過去、157人の不実な選挙人がいましたが、21州では何の罰則もありません。今までに、不実な選挙人によって選挙結果が引っくり返った事例はありませんが、今年の12月9日の選挙人による選挙では、多くの選挙人が「不実」な選択をするのではないかと予想され、また、それを求める署名運動も起こっています。

 とはいえ、過去200年以上、選挙人によって結果が覆ったことなんて一度もない。元々が、白人男性土地主に大統領選挙を委ねるためのシステムである事を鑑みても、この選挙人制度が現代において全く何の意味も無いのは明らか。むしろ、このシステムは、奴隷制の過去のしがらみであり、大衆の意志を蔑ろにする弊害以外の何物でもないと思います。

 絶対ムリ!のはずだったBrexitもトランプ大統領も実現したのだから、選挙人で結果がひっくり返ることだってあるかもしれない!神様、仏様、選挙人様…

秋枯れの公園で

2016-11-27 | 田舎暮らし
 4連休最終日、気温は10℃程度でしたが、風がなく穏やかな一日でした。犬と散歩に出かけたら、12月1日から始まるクリスマスライトの準備が出来ていました。実際にライトアップしている所は見たこと無いのですが、大抵のアメリカのクリスマスライトって、日本のルミナリエ等とは比べ物にならないショボさなので、わざわざ見に行く気もしないんだな。むしろ、近所中の家全部が頑張ってる通りの方が、ずーっと豪華絢爛で、工夫も凝らされて見応えあるし。やってやれない事はない、でも、先立つお金がない~なんだろうな…


すっかり葉が落ちて、トレイルには枯葉のカーペット


寒々しい


小人のお家v


スヌーピー・サンタと記念撮影


ところで、凄く気になったのが、この一枚なのですが、変態サンタ?それとも誰かがイタズラしたのかな?

ファンタスビーストと魔法の旅

2016-11-27 | 映画・ドラマ・本
 ネットによると日本で大絶賛らしいし、3Dが本当に飛び出すと言うので観に行きました。結論から言っちゃうと、まぁまぁ… 正直、なんでそんなに絶賛されているのかわからない。1920年代のニューヨークなんて大好物だし、主役を演じたエディ・レッドメインは私のお気に入りの俳優。個性豊かなビーストたちは大きいのも小さいのも魅力的、特にカモノハシみたいなお金、黄金大好きのニフラーと、アップになったら結構顔が怖い枝みたいなボウトラックルは可愛くて大好き。3Dは、まぁ、それなりに立体感あったかな。車が飛んでくるトコなんか、もっと、思わず避けたるなるほど近付いて欲しかったけど。

 私は特にハリポタ・シリーズのファンというわけでもなく、本の方は3巻か4巻目くらいでギブアップしてしまいましたが、映画は一応、全部観ました。作者のJ.K.ローリング氏は、マスコミで見る度に、品の無さが鼻について好きではありませんし、「どんだけ儲けるつもり~?」って気はするけど、別にご近所に住んでるわけでも、会社の同僚でもないんで別にどうでもいい。でもなぁ… 三部作でもメンドイのに10年がかりで5部作とか… 老後の保証かよ?もうホント、どうでもいいって気になった。

 

The Last Waltz

2016-11-25 | Museumsとイベント
 私がよく行くデイトンの美術館では、一年を通して様々なコンサートが開かれています。その中でも、感謝祭を挟んだラスト・ワルツは、6月のアート・ボウル、10月のオクトーバーフェストと並ぶ3大行事です。ラスト・ワルツとはいっても、クラシックのコンサートや舞踏会じゃなくて、地元ミュージシャンによる、1976年11月24日にサン・フランシスコで開かれた、カナダ人4人アメリカ人一人からなるロックバンド、ザ・バンドの解散コンサートのコピー。The Bandのことも、その最後のコンサート、The Last Waltzのことも全く知りませんでしたが、ノーベル文学賞取ったばかりのボブ・ディラン、ニール・ヤング、リンゴ・スター、エリック・クラプトン、ニール・ダイヤモンド、ジョニ・ミッチェル等々、すごいメンバーをゲストに迎え、その様子はマーティン・スコセッシによって映画化されています。この映画は、YouTubeにフルで上がっているので、気が向いたら観るつもり。




 私は感謝祭の4連休中、何の予定もないし、無料でコンサートを見れるならとボランティアしました。今日は特に、ラスト・ワルツの40周年記念日にあたり、478席全て売り切れの満員御礼。バーは7時に、コンサート会場は8時オープンでしたが、7時半頃に会場に行ったら、ロビーはもう人で溢れ、会場まで辿り着くのに苦労しました。客層は、高齢層と50代、40代が8割方で、なんと歩行器のお年寄りも。そりゃ、本物があったのは40年前だものね。観客にパンフレットを渡し、必要に応じて座席案内、そして会場のドアの開閉がお仕事で、インターミッション後にドアを閉めれば、本日の任務は終了です。

 殆どのボランティアはここで帰ってしまいましたが、お手伝いそのものではなくコンサート目当ての私(コラコラ)は、しっかり最後まで堪能してきました。舞台前に密集して踊ってたり、席で立って身体を動かしている人も多かったけど(熟年パワーっすなぁ)、なんしろ私はドア前の空きスペース独り占め。コンサートの最初から最後まで、一番踊りたくってたのは私だったと断言できるwww 特にインターバル後は、お役御免でアルコールが入り、更に盛り上がる。ボランティアご苦労さんって関係者に1杯奢ってもらって、ねーちゃんノリノリやなと、その辺の人にも奢っもらって、「無料」「貰う」大好きな私、嬉しい。タダ酒美味いわー しかし、暗い会場ドア前なんで、踊りまくってもバレないと思ってたけど甘かったw

 管弦楽団も参加して豪華だけど、所詮は(ごめんなさい)地方都市のローカル・ミュージシャン。しかも何度も音が割れてキーン!なってたし、音悪くて歌詞とか全然聞き取れなかったけど、お客さんはお構いなし。一緒に歌って熱く盛り上がっていました。私も来年までには歌詞覚えよっと!

 曲は、聞いたことあるような気がするメロディー。ロックとはいえ、ジャズっぽかったり、ソウルっぽかったり、はたまたフォークっぽかったり。私の知ってるロックより、1世代前という気がしましたが、オールドロック終焉の象徴と目されるコンサートだったと後で知って、なんとなく納得。40年前といえば、まだラジオで洋楽を聞き始める前だったしな。

 40周年ということで、バンドのギタリストだったロビー・ロバートソンの40年後の思いを語った自伝がNPR紹介されていました。The Weightのクリップが入っています。さすが本物はかっこいい!

この中西部の片隅に…食堂があった!

2016-11-23 | グルメ
 朝早くから、ミシガン州までお出かけでした。ビッグ3のお膝元デトロイトを擁するミシガンは、自動車産業以外にも製造業が盛ん。日本の会社も多くがオフィスや工場を置いており、日本人人口も多いので、日系スーパーや和食のレストラン、日本のパン屋さんまであって羨ましい。パンは絶対、日本のが美味しいと思うの。LAで日本のパンに似た台湾のパン屋さんが人気だから、アメリカ人にも喜ばれるはず。もっとアメリカ中に日本のパン屋さんは増殖すべき

 もっとも、シカゴやデトロイトに住みたいかと言われると、私が住んでるオハイオの田舎よか、北に位置し、湖も近くて冬が厳しい地域なので微妙(←と、ロッキーの麓に住んでた人間が言うことではないが)。そんなデトロイト郊外の街、カントンに、昔ながらの「食堂」がありました。

 アメリカの普通の街なら、何処にでもあるようなストリップ・モール、ごく普通の店構えのまっちゃん(Matsuchan)、ガラス戸の向こうには、昭和の日本がありました。注文を取りに来てくれたのは、カウンターの向こう、鉄鍋をゆすって炒飯を作っているマスターによく似たお嬢さん。もう一人のお嬢さんは、レジの前にいるお母さん似。メニューは、ラーメンやカレーライス、焼肉定食、唐揚げ定食等、日本の定食屋の定番メニュー。なんと、日本のマンガ本まで揃えてあります。「ゴルゴ13」はありませんでしたがw

 私は塩ラーメンのセットを頂きました。メニュー上ではミニ・ラーメンですが、実際には普通サイズの丼鉢にたっぷりのラーメン。普通サイズは、日本じゃ大盛りサイズなので、あくまでも、それに比べての「ミニ」でした。これに炒飯、焼売が3つ付いてきます。お味の方も、とっても普通。この普通が、異国じゃ普通じゃない!何この異空間!って感じ。今は小洒落たカフェだの居酒屋だのが並ぶ、私の実家のある街の商店街にも、こんなお店がありました。店長権料理人は、同級生のお父さんだった。

 アメリカの食べログ的サイトには、店は小汚く味は塩辛すぎという評価も見られましたが、それは、この店の真髄を分かってないと思う。こじんまりして、塩辛い味付けこそが、日本の昭和の心なのさ!

私もゾンビ、あなたもゾンビ

2016-11-21 | 田舎暮らし
 先週末に喉の痛みを目を覚ましてから、ずっと風邪気味で、喉は痛いし、身体はだるいし、どうも調子が出ません。通訳は声が出ないと商売上がったりなので、朝起きたら塩水うがい、のど飴舐めまくって、なんとか一週間を乗り越えましたが、こういう時に限って、日本との会議にお呼びがかかる。

 今週分の残業時間消化を理由に金曜は早退し、土曜は自分でも驚くほど寝て、もう6時前なのに暗いなーと、思ったら、朝じゃなくて夕方だった!人間として、この生活はどうなのか?と、落ち込みながら、流石にそれ以上寝る気にもならず、かといって寝過ぎたせいか怠くて何もする気になれず、電子書籍サイトの「無料で読む」でなんとはなしに漫画を読んだり。「アイアムアヒーロー」も、始めの3巻が無料になっていたので読んでみました。
  怖ー!
 映画化されていると言うので、観てみました。
 マジ怖ー!!

 大泉洋さんが主役なので、軽いコメディー調でゾンビ退治するのかと思ったら、普通にグロいゾンビ・ホラーでした。漫画を読んだ直後に見ましたが、大泉洋さんが、主人公にぴったり。偶然、今までに観た大泉さんが出ている作品は、「駆込み女と駆出し男」、「清州会議」、「真田丸」と、時代劇ばかりだったので、現代劇は始めてですが、どちらにも違和感なく画面にゆる~くハマって、全く違う役柄でも「大泉洋」を発揮しつつ、なのに役にぴったりと収まる、なんとも稀有な役者さんだと思います。女子高生、比呂美役の有村架純ちゃん、かわいい~!!長澤まさみさんも美しいですv

    

 「ウォーキング・デッド」も第7シーズンを迎え、何時まで経っても無限に増えていくらしきゾンビの皆さんに、一体どんだけ長持ちする死体やねん?ジョージア州とか南部で温い地方なのに、程よく腐ったままで朽ちないのか?何年も経ってんだから、そろそろサプライが途絶えるんではないのか?と、疑問に思いつつ、第5シーズン惰性で見ていたましたが、もう先シーズンから、ネットであらすじだけ追うようになり、今シーズンはいきなりグレンが死んだってんで、もーホントに、これ以上観なくていいや、って、すっかり飽きてますが、日本でゾンビが大発生したら、どうなるのかなーと、いつも思いながら観ていたので、日本製ゾンビ映画あるやん、と興味本位で観てみたら本気でホラーでした。

 日本人って、死体に対しても仏様としても崇めるので、アメリカのゾンビ映画みたいにモノ扱いでガンガン倒したりしないかと思ったけど、この映画のショッピングモールの状況みたいに大量で襲ってこられると、そんなコト言ってる場合じゃないか。原作が未だ終わっていないので、色々と謎を残したまま。映画もこの先何作か作られる予定だそうです。こういう何部作的なのって、あんまり好きじゃない。続き物映画って、先駆けはスター・ウォーズやバック・トゥ・ザ・フューチャーあたりでしょうか?でも、これらは一作目は、それなりに完結してて、人気あったんで結果としてのシリーズ化。指輪物語は、元々の原作が長い。でも本来は、映画なら、ちゃんと二時間で完結させろ、って思う。


ともあれ…


 続いてなんとなく選んだのが「高慢と偏見とゾンビ」。全く違う映画を探したつもりが、何故かゾンビ繋がりに。自分が半分ゾンビみたいなもんなので、類が友を呼んだのか?これだけ寝たんだから、風邪は撃退できたかなぁ?なんかダルいのは、これだけ寝れば仕方ないかと… 来週は、木曜日から感謝祭のお休みなので、出勤日は3日しかありません。気分良く目覚めて、人間らしい生活したい。

 で、映画ですが、期待した以上に面白かったです。「クリムゾン・ピーク」も好きだったし、こういう映画、大好きだわ。お話は分かりきっているので、アクションや衣装、インテリア等を堪能。豪華な調度品や絢爛たるドレスも素敵なら、キレッツキレちゃんばらカンフーでゾンビを倒す5姉妹もそれぞれ素敵、素敵!ミスター・ダーシーの伯母様、レディー・キャサリンもかっこいいし、妹も可愛い。兎に角、強くて美しい女性たちを満喫できる一作。人間に混じってもすぐに判別できない知能あるゾンビは新鮮だし、後半の人類対ゾンビの戦闘もなかなかの迫力。そして、宿敵に率いられたゾンビ集団が襲ってくるラストシーンにもニヤリ。一作で何度も美味しい。

 一方で、キーラ・ナイトレーのエリザベスが魅力的だった「プライドと偏見」同様、私にはミスター・ダーシーの魅力がいまいち判らない…お金持ちってこと以外。やな奴だと思ってたら実はいい人だったっても、第一印象最悪すぎて、不良が雨に日の仔犬を拾ってキュンなレベルじゃねーかと。お金持ちだけど。

全く似てないベネット家の5姉妹

 この調子で、「罪と罰とゾンビ(殺したはずの金貸し婆さんvs.ゾンビ・ハンターのソーニャ!)」とか、「白鯨とゾンビ(ゾンビ化した巨大クジラの逆襲!)」とか、「嵐が丘とゾンビ(ヒースクリフ、私よ、キャシーよ、開けてってゾンビが…って、あ、そのままだ)」とか、いっそシリーズ化?と、思ったら、リンカーンがヴァンパイアハンターだっていう「リンカーン・秘密の書」と同じ原作者だった。すると次は「ロミオとジュリエットと狼男」とか??

Doctor Strangeおもしろかった

2016-11-13 | 映画・ドラマ・本
 特撮すごすぎー!!


 予告を見て、とても楽しみにしていました。公開されたら速攻で見に行く!と決めていたのですが、先週末は大量の仕事を抱え込んでいたので、映画とか見に出かけるというのが自分的に「そんなん許されへんよね」(←思考はNative Tongue)な、気がして出掛けられませんでした。小心者なので。でも、公開された先々週の金曜に見に行った息子が、
Doctor Strange. Initial reaction - GO WATCH DOCTOR STRANGE IT WAS ABSOLUTELY AMAZING!
I will never see Benedict Cumberbatch as anyone but Doctor Strange. His face is perfect, his voice is perfect, his actions are perfect, his mannerisms are perfect, he is perfect. I think playing Sherlock helped immensely.
The magic was amazing, the progression felt real (well... as real as it gets...), the music had epic timpani parts (I played timpani so I'm biased to love anything with timpani), the graphics were incredible (they did Inception better than Inception), and just general YES.
Only issue. The Ancient One is a Tibetan monk. I mean, Tilda Swinton was absolutely incredible, but like... I dunno. She was awesome, just not the original character. No matter.
When you watch it (no, it's not optional. Go watch it), I hope you enjoy it. It was, in my opinion, one of the best Marvel movies. Heck with the philosophy they crammed in there, it's one of my favorites of all movies. I'll have to give it time and rewatch it to tell, but GO WATCH DOCTOR STRANGE.
ドクター・ストレンジ。最初のリアクション:見に行け!すごい!
もー、ベネディクト・カンバーバッチをドクター・ストレンジとして以外は見れないよ。顔も完璧、アクションも完璧、話し方も仕草も表情も完璧、要はカンバーバッチ超当たり役。シャーロックを演じたのが凄く助けになったと思うよ。
魔法は驚異的だったし、魔術師として成長していく過程もリアルに感じたし(まぁ、出来る限りで、だけどね)音楽はティンパニの聞かせどころがあった(自分はティンパニを演奏してたことがあるので、ティンパニが加わってる音楽は自動的に座布団追加)、画像はただただ凄い(「インセプション」以上にインセプションしてた)し、とにかくYES!なんだ。
唯一、エンシェント・ワンはチベット僧のはずなんだけど。ティルダ・スウィントンは文句なしに素晴らしかったけど…うーん… 彼女は凄く良かった。ただ原作とは違う…まぁ、問題ないか。
君が観に行くとしたら(ってか、観るとしたら、じゃなくて、絶対観るべし!)気に入るといいな。自分に言わせれば、マーベル映画の最高傑作だよ。無理やり押し込んだ哲学は無視しといて、自分的にはベストな映画の一つ。それは暫く時間を置いてから、また観に行ってから再評価してみるけど、要はDr.ストレンジを見逃すな!ってこと

 なんぞと言って煽るので、隣町に観に行ってきました。ちなみに彼には、「オールタイム・ベスト映画」が結構たくさんある。

 折角なので3Dに投資したけど、如何せん、田舎の映画館は画面が小さい。もっと大きな場面で見たかった。簡単なあらすじは、マーベル世界のスーパーヒーローの一人、Dr.スティーブン・ストレンジは、元は天才的な神経外科医。よそ見運転の結果の事故で、自慢のゴッドハンドの機能を失ってしまいます。高慢ちきで頑固なストレンジにとって、有名な一流外科医であることは、自己の存在の全てでした。手の機能を取り戻すために、藁をもつかむ思いで辿り着いたのがネパール。地上を護り続けてきた偉大な魔術師、エンシェント・ワン(Ancient One すっげー古いやつ… 実は失礼な名称ではないか?)は、彼の中に可能性を見出し、弟子にします。原作では7年間修行をして魔法を身に着けたらしいけど、映画だと数週間程度にしか見えない。レインボーマンがインドの山奥で修行してダイバダッタの魂宿すまで1年らしいですが、凄いスピードラーニング。ハリー・ポッターもびっくり。本来、手の機能を取り戻して、外科医として復帰するつもりだったのが、それだけでは済まなくなって、遂には時間を止めようとするダーク・ディメンジョンのドーマムゥと対決することに…

 原作の方は全く知らなかったのですが、Wikiなんかで読むと、映画とは色々と設定が違うみたい。Dr.ストレンジの同僚で、同じ病院のERドクター、クリスティーン(ほくろが気になるレイチェル・マクアダムス)とのロマンスもあるし。映画的にロマンス要素が必要なのと、自己中なストレンジの人間としての成長のためにも必要な要素でしょうが、お話の重要な部分を占めるにも関わらず、どうもストレンジのキャラクターに合っていない気がしました。ベネディクト・カンバーバッチの、どこか人間離れしたような容貌は、キャラクターにハマってたと思いますが、カンバーバッチの人間臭さの欠如とDr.ストレンジのキャラクターに、元同僚の普通の人との恋愛要素がかみ合ってないような。

 ティルダ・スウィントンがチベット僧の役は、昨今、特にハリウッドで役が何人の設定でも全くお構いなしに白人が演ずる風潮に非難が集まっているだけに、この配役も批判もあったらしいですが、彼女には何か神秘的な雰囲気があるので似合ってたと思うな。初めて彼女の出た映画を見たのが「オルランド」でした。そんなに似てないのになぜか、ケイト・ブランシェットと区別がつかない頃があったのですが、彼女はエルフの女王様、ガラドリエルの奥方を演じてるし、どこか高貴で神秘的なとこが似てる。ケイト・ブランシェットといえば、これまたグウィネス・パルトローと似てるって私は思うんだけど、この二人は雰囲気が違うから見間違えない。人種お構いなしに配役は白人といえば、予告で「攻殻機動隊」見たけど、とりあえずルックスは、スカーレット・ヨハンセンの草薙素子少佐ぴったりだった~

インセプション」以上にインセプションという上息子の意見には私も全く賛成。ロンドンの街がガンガン変化しまくる映像は圧巻!もう、いつケン・ワタナビーが出てくるかと…「インセプション」の公開から6年、特撮も随分進化したものだ… 「インセプション」でビルの廊下がグルグルは平気だったのに、今回のロンドンのお屋敷の中で画面がグルグル回ったときは酔いそうになったですよ。

 いつも通り、エンドロールの最中と一番最後にオマケ予告があります。Dr.ストレンジもアベンジャーに参戦するそうだけど、傲慢で頭が良くて…って、アイアンマンの社長とキャラが重なりそうだし、彼と同等の力を発揮してるのってハルクくらい?なんだか浮きそうな気がするんだけど、どう料理するのか、そこも楽しみです。


 ところで、自動車部品の製造会社に勤める私は、Dr.ストレンジの手の負傷の原因となった車の事故時の、シートベルトとエアバッグの動きが気になった。手を怪我したのは、エアバッグがちゃんと機能しなかったからじゃない?あっ!もしかしてタカタ製か!?!(コラコラ)

Tensuke Expressで納得できない!

2016-11-11 | 田舎暮らし
 今日は、午後にコロンバスに出掛けねばならなかったので、日本人が多く住み、日本食材店もあるダブリンでお昼にしました。その日本食材店に併設して最近、開店したばかりの和食ファーストフード的なTensuke Express、せっかくの機会だし、行ってみましたよ!人気は上々、平日なので家族連れは少なく、学生さんらしき若い人のグループが目立ちました。ラーメンが$9.75、具無しカレーとライスだけなら$5.95だけど、何か乗せたら3ドル増しと決して安くはないのに、若いもん金持ちやな~

 私は、ZARU TEMPURA SOBAを頼みました。要は天ざるやね。$8.75で、やっぱ安くない。Shurimp Tempuraがついてるらしいけど、これかき揚げに変えてもらえないかな?と、レジのお姉ちゃんに聞いてみたんだけど、かき揚げをプラス?No,エビをかき揚げにチェンジ、エビとかき揚げ?No,エビをなくして代わりにかき揚げと押し問答の挙句、もーいーよ、両方くれって、もらった領収書によると、かき揚げ一枚$2.75なり(↓)むちゃくちゃ、高くない?
   

 でも、実際に出てきたら、かき揚げしか載ってない。なぜ?と、思ってレシート持って質問に行ったら、今度は日本人のおばちゃんが、エビもトッピングの一つなのでエクストラがかかります、だって。ざるそばだけは$7.05らしいんで、エビ天は$1.70?なんで、かき揚げと値段が1ドル以上も違うの?で、ちなみにメニューにはエビ付き価格しか書いてない。ずいぶんとセコい商売してると思う。しかし、超納得行かないなぁ(

 ちなみにざるそばは、ごく普通で、量は少なめでした。かき揚げは美味しかったけど、一枚300円ほどしてるのはびっくりだ。LAの虹屋のかき揚げよか小さかったし~!

なぜ私はトランプを嫌い、将来を危惧するのか

2016-11-10 | アメリカのニュース
 ブッシュ対ゴア時のやるせない怒りも蘇って、先週は自分でも驚くほどの鬱状態になってしまいました。すぐに抗議行動に出られるエネルギーは羨ましくもありますが、抗議のデモ行動だけで大した成果が望めないのは、ウォール街占拠時が何を生み出したかを見ても明白。もう一歩踏み込んだ活動が始まれば、ぜひ参加したい。トランプが世界最強軍の最高司令官であり、先進諸国首脳会議に参加する代表だなんて、地球の悲劇だと私は信じます。

 私の怒りは、トランプ自身にではなく、トランプを選んだアメリカ人に対する失望によるものです。全く政治経験のない男を、商売上手だからと選んでしまった。歯が痛いから、自動車整備工場に行くようなものです。しかも、彼は決して優れたビジネスマンではない。彼が不動産王と呼ばれる所以は、自動車王ヘンリー・フォードや、新聞王ウィリアム・ハーストと同じにしてはならない。トランプは世襲による「王」であり、己の才覚ではない。むしろ何度もビジネスに失敗している。その度に損害を取り戻したというのも詭弁にすぎない。

 この怒りは、子ブッシュ2期目が決まった時の失望にも似ています。1期目も当時、実弟のジェブが知事をしていたフロリダ州で、選挙人の表数え直しというゴタゴタの末に大統領になった子ブッシュ、戦時大統領は負けないというジンクス通りに、二期目再選を果たしました。これも、トラン雨に対する不安要素の一つです。

 トランプの人気は、就任後すぐに失速すると私は思います。直後とは言わずとも、ハリボテと虚飾で4年間、アメリカ国民を欺け続けるとは思えない。二期目を狙うとすれば、子ブッシュ政権同様、どこかに戦争を仕掛けるのではないか。子ブッシュの時も、存在しない大量殺戮兵器を理由にイラクに侵攻したのですから、火種はいくらでもでっちあげられます。背後に政界の重鎮を副大統領に据える手口も子ブッシュと同じだ。

 トランプがアピールし、支持を得たのは、白人低所得層と一般に言われていますが、彼らは勝手にトランプに幻想を見て支持したのであって、トランプが狙った本来の支持層は、懐古主義の高所得層であると私は考えます。「Make America Great Again」のスローガンは、レーガン時代は良かったと懐かしむ、悠々自適の人々。黒人が大統領になったなんて許せないのに、続けて女が大統領とか絶対容認し難いと思っている人々。ここには、同性である女性、特に白人女性も多く含まれています。それは一体なぜなのか?

 実に簡単な事だと私は思います。同性であるが故に、彼女の華々しさが憎らしい。キャンペーン中、スターに囲まれ、賞賛を受ける生意気な女。所詮は大統領だった夫のお陰でここまで来れたくせに。また、ミシェル・オバマが去って、やっとホワイトハウスを「クラス」が返ってくる、なんて声を聞きます。トランプ自身が下品を極めたような野卑な男なのに。

 私は、ミシェル夫人は正にクラス、洗練された上品さを備えた女性だと思っています。私がアメリカに来てから見てきたファースト・レディーは、ミシェル夫人の他、バーバラ・ブッシュ、ヒラリー・クリントン、ローラ・ブッシュでした。バーバラには古き良き時代の名門一家出身の音付きある品の良さが感じられましたし、ローラもまた南部出身の夫を支えるしっかりした賢命な女性らしさが感じられました。彼女達のような一歩下がった女性こそファーストレディーに相応しいと信じる人々にとって、ヒラリーの登場は鼻につくものでした。ナンシー・レーガンさんのことはすっかり忘れちゃったのかな~?

 たまたま親ブッシュ政権時とクリントン政権時にワシントンDCに住んでいた私は、「でしゃばりすぎる」ヒラリーに対する批判を身近に感じてました。それに正直、クリントン政権一年目の、ホワイトハウスの前にある「大統領のクリスマスツリー」の安っぽい派手な飾り付けに「ヒラリーさん、これはちょっと…orz」と、脱力した覚えはあります。ミシェル夫人が飾り付けたクリスマスツリーは見ていませんが、彼女は、ヒラリーがクリントン時代に持っていたと同じ程の発言権を有し、確固たる存在感を示しつつも、洗練された上品さを持つ知的なファーストレディーとして、尊敬されていたと思います。彼女よりも、ミシェルさんのスピーチを丸パクリしたトランプの3番目の奥さん、外国人の元ヌードモデルに、どんな洗練された上品さを求めてるんでしょうね?って、いじわるおばさんの私は思っちゃう(二重国籍の元ビキニモデルを党首にしてる国の人間が言えたもんじゃないかw)
 

 でも、そういった保守的な、というのか、白人であるという優位感のぬるま湯に漬かっていたい市民が多かったにも関わらず、実は、実際の得票数はクリントンの方が多かった… つまり、民衆の意思はクリントンにあったはずだったのです。にも関わらず、選挙人という大昔のシステムが未だに民意を覆して、トランプを選びました。アル・ゴアも同じで、ブッシュよりも得票数は多かった。

 現代民主主義における選挙人は矛盾する存在ではないかと、私は常々疑問に思っていました。変化を受け容れられない、世界から完全に取り残されても慣習を変えられないアメリカ人の、古いものにしがみつく弊害が、こんな所にもあったか、と、いう感じです。彼らは『変化』を求めてオバマを選び、今度はトランプを選びましたが、彼らの言う『変化』は上っ面の変化に過ぎず、根本的な変化はアメリカ人には耐え難いことも、今度のトランプ当選で暴露されたと思います。メートル法、摂氏、グラム、一般市民の銃携帯… アメリカだけが他の国に追随できないまま、取り残されている事例はたくさんありますが、民主主義世界を率いると自称する国に、このような民意の反映を阻止する体制が残っている。

 アメリカは古い価値観を捨てられない、保守的な人民によって成り立っています。トランプの台頭は、その再確認となったのではないでしょうか。そのトランプですが、私的には、彼の目標は大統領になることであって、その後はどうでもいいような気がしてならない。彼の公約のどこまでが暴言、虚言で、何処まで本当にやるつもりかどうかは判りませんし、どこまで議会がそれらを許すかも判りません。ですが、上院・下院共に共和党が占めるアメリカで、過去8年で築き上げられてきたものが崩壊するであろうことが悲しく悔しくてなりません。

 覚えておいて欲しい。ブッシュ時代の巨額な赤字と失業率を抱えたアメリカ経済を好転させたのはオバマ政権だったこと。国民皆保健を目指したオバマ・ケアは、統計的に国民の健康度を改善し、国の医療費負担を減らしたこと。オバマは今までの大統領の中でも一番多くの土地を国立公園に指定して護り、次世代へと繋げたこと。

来年一年、どんな変化が起こるのか、また、どんな変化が起こらないのか。大した影響を受けず、ただ見ていられるだけでありたいのですが、メキシコとのやり取りが多い製造会社に勤める、外国人の私が、何の影響設けずにのうのうとしていられるとは思えない。不安だ…