わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

本物 vs.バチもん

2015-10-27 | 映画・ドラマ・本
  ブロックバスター映画よりちょっとだけ先立って、おんなじようなテーマやセッティグで、すごーく似たようなタイトルの作品が出ることが多々あります。こういうバチもん系は、国内だけでひっそり公開されて、スーパーの安売りDVDのカゴに混じるので、日本ではお目にかかれないシロモノです。ブロックバスター映画よりちょっとだけ先立って、おんなじようなテーマやセッティグで、すごーく似たようなタイトルの作品が出ることが多々ありま「San Andreas Quake」は、そんな映画でした。図書館で「San Andeas(邦題はカリフォルニア・ダウン)」を借りようと思って棚を見たら、隣に並んでいたので借りてみたw

 カリフォルニア・ダウンの方は、ロック様演じるLA消防局救急隊員が、別れた妻と娘を助けるため、市の所有物であるレスキュー・ヘリコプターを飛ばして、記録市場世界最大の大地震に見舞われたサンフランシスコに娘を助けに行くお話。どんなムチャ状況でも、絶対に目的を果たすロック様。だってロック様だもの。並行的に、主人公一行とは全く何の接点もなく、カリフォルニア工科大学の地震学者が、地震は予測できるんだ~!でも直前にならなきゃ予測できないんで、SFの人、逃げて、いま直ぐ逃げて!なんだけど、かなり手遅れという、SFXは凄いけど、内容的にはトホホな映画。

 バチもんの方は、登場するのが今まで見たことも聞いたこともない俳優さんばかりで、脚本も予定調和なお手軽なんだけど、CGはやけに豪華。流石に本物みたいに高層ビルがバタバタ倒れたり、金門橋が津波で流されたりってことはありませんが、こちらのほうが本当に地震被害らしかった。主人公の義理の娘がダウンタウンのホテルに閉じ込められるシーンは臨場感ありました。「カリフォルニア・ダウン」は、もう、あれ、地震以外の何かだよね。遅れてくる津波とか、爆発するビルとか、色々と突っ込みどころありすぎて。

 本物は主人公が減りのパイロットで、脇に地震学者、元嫁と娘を救いに行きますが、「クエーク」(バチ物)の方は、主人公が地震学者で、夫がヘリのパイロットで、やっぱり娘を助けに行く。この主人公が意地悪な性格で、なんで主人公なのに、ここまでイヤな奴化しなきゃなんないかなと思うほど。最後には良い人に成るのかと思ったら、最後まで意地悪なおばはんのままでした。なんだか似たようなシーンが有ったり、見比べるのは面白かったです。でも、単独の映画としてみると…

   
右側が私の見たバチもんです

 どっちも暇人だから付き合っただけの凡作だったw

素敵なキャンパスタウン Urbana

2015-10-26 | 田舎暮らし
 毎週、会社から100マイル弱離れたお客様のオフィスまで行くのですが、その途中、ちょうどデイトンとコロンバスの中間辺りに、アーバナ(Urbana)という街があります。メイン・ストリートにはビクトリアンなお屋敷が並び、ダウンタウンの中心であるロータリーを囲って、骨董品店やカフェ、センスの良い雑貨店が並ぶ雰囲気の良い街です。

  
カフェ・パラディッソはとっても美味しいイタリアン


 表通りには19世紀に建てられた石造りの建物が並び、美しいステンドグラスのある教会も。古い街なのにモダンなカフェもあって、若々しい活気があるのは、アーバナ大学という私立の小規模な大学があるからでしょう。街の中心部を少し離れると、大きなWal-Martをはじめ、一通りのチェーン店系スーパーやファーストフード・レストランもそろっており、デイトン、コロンバスから一時間という位置を考えても、暮らしには便利そう。


街の中心のロータリーに面して、こんなに可愛いお店が

   
お店の中はアーリーアメリカンな駄菓子屋さん

   
レトロな雰囲気とカラフルな駄菓子のディスプレイがお洒落です



  
アンティークのお店も多い



   
紅葉の写真を撮っていると、雌鹿に出会いました

   
アパートの装飾的なアイアン・ワークがニューオリーンズみたい

Woman in Gold

2015-10-24 | 映画・ドラマ・本
 見応えのある映画を見ました。ナチスにより没収された、自分にとっては二人目の母とも言える叔母の肖像、グスタフ・クリムトの名画、オーストリアのモナ・リザと評される『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I』を、オーストリア政府から取り戻した女性の実話を基にした「Woman in Gold」です。ヘレン・ミレンが、第二次世界大戦前にナチから逃れて、今は西LAに住むマリア・アルトマン役。「Queen」ではエリザベス女王役だった彼女が、ユダヤ人移民役というのも面白い。黒い色のコンタクトを入れ、髪の色も染めて、本当に、あの辺りによくいるユダヤ人のおばあちゃんになりきっていました。カリフォルニアに引っ越して最初に住んだのが、この主人公の住むチェビオット・ヒルズ地域だったのだな。毒舌、頑固で何故かエラソーな、シャキシャキお婆ちゃん、ユダヤ教会前のトレーダー・ジョーズに一杯いた。

彼女を助ける若い弁護士、ランディにライアン・レイノルズ、ウイーンで彼らを助けるジャーナリストにダニエル・ブリュール、監督は私がとても好きな映画の一つ『マリリン 7日間の恋』のサイモン・カーティスです。英国きっての大女優演じるおばあちゃんとインテリ男性コンビの探求映画で、先日観た「あなたを抱きしめるまで」と、ちょっと被る。実際には、絵を取り戻すための裁判には10年が費やされたのですが、この映画の主点は裁判そのものではなく、主人公、アルトマン夫人の人生の軌跡を追いながら、歴史を、ナチス、そしてオーストリアという国の非を改めて責めるのがテーマじゃないかと感じました。

 「Woman in Gold(アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I)」 は、グスタフ・クリムトによる絵画で、アデーレの夫、成功した砂糖商人のフェルディナンドの依頼により1907年に完成されました。アデーレ自身は1925年に42歳で死去し、自分の肖像画をオーストリア・ギャラリーに寄贈するよう遺言したのですが、フェルディナンドはナチス占領下のオーストリアから亡命し、その資産はナチスに奪われました。フェルディナンドは1945年に死去した際、資産を甥や姪に相続させるよう遺言し、その中でアルトマン夫人が問題の肖像画を相続するよう指名されていたのです。

 そこで、本人の遺言によって国が所有しているという見解のオーストリア政府と、自分の所有権を主張するアルトマン夫人の間で法廷闘争が起こり、遂に2006年、オーストリア法廷による仲裁裁判が、アルトマン夫人のにクリムトの絵5点(うち1点がアデーレの肖像)の所有権を認めるまでの経過を追いながら、裕福で芸術家たちのパトロンであったユダヤ人商人の令嬢としての優雅な暮らしぶりや、スリリングなナチ占領下のオーストリアからの逃亡劇をはさみつつ、若い弁護士と老女の交流を描いたのが、この映画です。

 映画の中では、「オーストリアは(ナチの)被害者の振りをしているが、立派な加害者だ」という台詞や、ウイーンでアルトマン夫人を助けるジャーナリストが、自分の父がナチスであったことにショックを受け、過ちを正すために、絵が正当な持主に返される助けをしたいという台詞があります。また、スイス行きの飛行機に乗ろうとして「荷物が少ない」と疑われたマリアと夫(オペラ歌手)が、「急にテナーが病気になったから代役なの。カラヤンが振るのよ」と言い訳する場面もあり、カラヤンさん、あんた許されてないよ!と…

 だいたい、一個人が、一国の政府を相手取って、その国宝と見なされている資産を「返せ!」と申立てられる発想が既に、日本人の理解できるスケールを超えている。「赦し」の文化と「恨」の文化の違いを見た様に思います。これは、お互いの理解の相違の根源、その起源に発し歴史により更に刻み込まれていった文化性の差であり、何年経っても、いくら歩み寄ろうと努力しようと決して相容れない領域であるように思えます。島国内で基本的に同一民族同士でぬくぬくしてきた日本人には絶対に判らない。だから、宗教にだって寛容になれる。なんて幸運なんだ、日本!


   日本では11月27日公開、邦題は「黄金のアデーレ 名画の帰還」だそうです。「帰還」っていうのは微妙だなぁ… 原題の「黄金の女」と、元々の絵のタイトルである「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I」のどちれでもない「黄金のアデーレ」っていうのも、どういう意図でこの題をつけたのか考えちゃう。マリアにとっては美しく優しかったアデーレ叔母さんが、「黄金の女」とアイデンティティーを奪われ、にっくきオーストリアの国立美術館に飾られているのは許し難い状況であったでしょう。そして、そのオーストリアを逃れた彼女と家族を受け入れたアメリカに連れてこられた絵は「アデーレ・ブロッホ=バウアー」というアイデンティティーを取り戻す。そういう意味では確かに「帰還」なんだけど…

 この絵は、2006年に1億3500万ドルで、エスティ・ローダー創設者の息子で当時の社長、ロナルド・ローダーが買取り、ニューヨークのノイエ・ガレリエ(New Gallery)に飾られています。2001年に創設された、このギャラリーも、いつかは必ず訪れたいと思っています。19世紀末から20世紀前半のドイツとオーストリア美術を専門とするからも察せられるとおり、ここに所蔵された作品の多くは、ナチスにより没収された絵画を買い戻したもの。

 そして、弁護士のランディー・ショーエンバーグは、勝訴により得た巨額の報奨金を、LAのホロコースト・ミュージアムに寄付、今では、そのミュージアムの会長を務めると同時に、ホロコースト時代にナチスにより奪われた資産を取り戻す手助けを専門とする弁護士事務所を経営しています。この執念、おそろしや…

アジアンマーケットに行ってみた

2015-10-19 | 田舎暮らし
 昨今の私のプチ・ブーム、ワン・ポット・パスタとフージョン・ウォーター…と、書くと、なにやら超おっしゃれーに聞こえますが、要は材料を全部一度に放り込んだお手軽料理と、裏に生えてるハーブや食べきれなかった果物の残りなんかを水に投入しただけの、安くて美味しい、ついでに何やらヘルシーな気もする飲み物です。

 鍋1つパスタの基本は、深めのフライパンに水、ハズレだったワイン、オイル(具によってオリーブオイルでもごま油でも)、好みで出汁やら粉スープやら、そしてパスタを入れて火にかける。煮立ったら中火にして、飲みかけの豆乳だろうが、缶詰トマトだろうが、使いさしの生クリームだろうが取敢えず、あるものを投入。具も冷蔵庫の中の残り物を適当に投入。麺が程よい硬さになったら、そのまんま大皿に移し替えて完成。この季節は、きのこ類が美味しい。お気に入りの大皿に盛って、一人で「おっしゃれー」とはしゃぎながら頂きます。お味が期待通りでなくても、塩、胡椒に、お醤油かチーズ足せば、何でも美味しくなるもんさw

 お水の方は、ミント、コリアンダー、バジル等、庭で育ててるハーブを、ヘルシーだってんで、セールの時に買ってみたけど好みの味じゃなかったココナッツウォーターに入れてみたのが始まりでした。折角買ったのに無駄にしたくない、でも、この味はちょっと…が、ハーブを入れると美味しくなった!裏庭ハーブに加え、夏の間に安かった果物を買込んで凍らせた冷凍ベリーを飲料水に入れるだけで、ハーブの緑に、いちごの赤やブルーベリーの紫等、見た目にもきれいです。大きなプラスティックの保冷グラスに入れて会社に持って行き、随時、氷とお水を足したり、寒いときはお湯を足して飲んでいます。

 ミントだけでも、スペアミント、チョコレートミント、パイナップルミントをコンテナで育てているので、それぞれに少し風味が楽しめます。ベリー類の他、ピーチやアプリコットも美味しい。果物はずっと入れっぱなしにせず、色が抜ける頃には取出すほうが良いです。シトラス類は見た目はきれいだけど、渋みが出てしまうので、果汁を絞って入れるだけの方がいいみたい。甘みがほしい時は、ドライジンジャー等のドライフルーツを入れるのもオススメ。ミント系だけではなく、コリアンダー(バクチー)とキーウィー、バジルとミニトマト、大葉と梅ぼしの組合せも美味しかったです。但し、パセリは苦味が強くなって失敗だった(T▽T)

 私が育った西宮市は、水道水が宮水だけに、実家を出るまで「水道水が不味い」という感覚を知りませんでした。別に美味しいと意識したこともなかったけど、不味いと思ったこともなく、水道から出てくる水はそういうものだと思ってたの。でも、アメリカを転々としてきて、中には水道水が激マズな地域も経験しました。鉄分が多く、直ぐに洗面所や風呂おけがオレンジ色になっちゃうテキサス州オースティンの水は咽るほど不味かったし、カリフォルニア州リドンド・ビーチの水は、海沿いなので軟水で髪やお肌には優しいけど、味の方はイマイチ。今住んでいるオハイオ西部は、カルシウムが多く含まれ、激マズって程でもないけど美味しいとはとても言えない。でも、ボトル入りの水を買うのって勿体無い。だから、お茶やコーヒーばかり飲んでたけど、裏庭ハーブ入りのお水を飲み始めて、毎日、十分な量の水分を供給できるようになったばかりではなく、お財布にも優しい。


 ところで、先日、お財布にやさしくないお買い物に出かけたんですよ。この近辺で唯一、薄切りのお肉が買えるという噂の中国系のスーパーに初めて行ってみたんです。思っていたより大きく、日本の食材も多かったけど、もう行きたくない…と、思ってしまいました。

 理由は、お客さんのマナー。傍若無人とまでは言わないけど、回りが全く目に入っていないように、平気でカートおを商品棚の前に止めたり、逆方向から来る人をよけずに真ん中を突っ切ってたり、お肉の切り売りのエリアは、誰も並ばすわらわらと群がって、そのエリアは完全にブロックされた状態。高そうなブランド物のバッグを下げ着飾った女性は、携帯で喚きながら(としか思えないほどの大声)で通路を闊歩し、何度も自分のカートを他のカートにぶち当てる。私などは、「ひょえ~」と、慌てて横に避けるけど、ぶち当たられた方も、それがここでは普通なのか気にしてないよう。

 とどめは、レジで並んでいるとき、隣の列で、60過ぎくらいのおじさんと、その後ろに並んでいたアラフォーくらいの女性が中国語で口争い。内容は判らないけど、状況を見るに、少しの商品しか持っていないおばあさんを、自分の前に入れてあげたおじさん(カート一杯の買い物)に対し、その後ろに並んでいた女性(やっぱりカート一杯)が文句を言ったよう。オロオロとうしろに回ろうとするおばあさん、意地でもって感じでおばあさんを先にやるおじさん、なにやら回りの意見を求めてるらしき女性。もめてる間に、おばあさんは支払い済ませちゃった。

 LAでも、中国系や韓国系のスーパーは、普通のスーパーに比べて市場風というか、騒々しく活気があるって感じだったけど、特にマナーが悪いと感じたことはなかった。オハイオやお隣のリッチモンドのスーパーが、今まで住んだことのある街に比べて、お客さんのマナーや雰囲気が違うと感じたこともないから、土地柄でもないと思う。考えられるとしたら、LAの中華系マーケットは台湾系か香港系、このスーパーは中国本土系(漢字が簡易体だったので)らしきことくらい。日本でも、中国人観光客のマナーが云々されてるけど、なるほど、こういう事なのかなぁ…と、その一端を見たような気になったのでした。相容れないわぁ…

男女7人インド物語は続く~マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章

2015-10-17 | 映画・ドラマ・本
 「マリゴールドホテルで会いましょう(原題:The Best Exotic Marigold Hotel)」を借りて観ました。面白かったので、続編の「The Second Best Exotic Marigold Hotel」も借りて観ました。一作目が「会いましょう」なら、二作目はどんな邦題が付くのか、興味津々と思ったら、「幸せへの第二章」だって。もうちょっと捻れなかったかな?

  


 様々な思いを抱いてイギリスからやってきた7人のシニアたちと、ジャイプールのおんぼろホテルを経営するソニーとガールフレンドのスナイナの恋の行方が巧く絡みあって、素敵な群像劇だった一作目。「ラブ・アクチュアリー」を作ったお国だけに、と、感心しましたが、2作目はそれぞれのエピソードがバラバラで、まとまりがなかったように思います。一作目のグレアムに代わり、リチャード・ギアがアメリカからの旅行者として参加、ソニーの未亡人のお母さん、マダム・カブールと、大人の恋の駆け引きの一方で、結婚式を目前にしたソニーとスナイナの間には波風。なんだか随分とありがちな展開なのは否めない。でも、映画としては楽しくて、結婚式ではボリウッド名物、ハデ派手ダンスもあって満足でした。

 一作目でも、ちょっと感じてたけど、ジュディ・デンチのイヴリンは非の打ち所な無さすぎだなぁ、って。行動力も決断力も、ビジネス交渉で、ここぞというときにヒンドゥー語出して相手をやりこめるとことか、黙ってオレについて来い!なご主人と40年間連れ添ってきたとはとても思えない自立した意志の強い女性で、実は死んでなかったMが、偽のアイデンティティでインドで隠居してます、って言われても、はぁ、そうですか、やっぱりねと納得しそう。一作目はダグラスのヒステリックな奥さん、ジーンとの対比で「素敵な女性」さが強調されてたけど、今回も全くそつなく、もう少し普通の人らしい、欠点とは言わずとも隙もあった方がいいかもって思った。

 自分も息子達とは離れて、一人暮らしの私には、一作目でイヴリンが公衆電話で息子に電話して強がっているところにはホロリとさせられたし、未亡人の彼女が、決して幸福とはいえなくとも、やっぱり夫婦なダグラスとジーンに孤独を募らせる気持は判る。それでも頑固で人種差別者のミュリエルの方が共感できるのは、イヴリンの完璧すぎるところのせいだと思うのね。

 イギリスの錚々たる名優達に対する、デーヴ・パテールのソニーは、基本、「スラムドッグ・ミリオネア」と同じキャラクターなのですが、押し付けがましく、騒々しいながらも抜けてるところもあって憎めないキャラ。マリゴールド・ホテル拡張の投資をプレゼンするためにアメリカに行って、ホテルを売込む文句が「毎朝、お客様の点呼をします。夜の間に死んでる人がいないか確かめるために!(にっこり)」「ここで死ぬことが出来るのに、なぜ、そこで死ぬか?ですよ!(満面笑顔)」と、アクセントのある英語でやられたら苦笑するしかない。私自身が大阪弁ネイティブなので、癇に障らず、他の地方の人にも理解可能な範囲で、チャーミングなご当地訛りのレベルって難しいと思うのです。彼のインド訛りの度合いが絶妙なのが、イギリス、アメリカでも人気の要素の一つかも。

 一昨目できれいに大団円を迎えたけど、思わぬ人気で二作目、そして、これは絶対3作目があるなと思わせる内容でした。他のメンバーと違って、恋愛とは無縁のミュリエルにも春の予感、そしてソニーの御母堂と作家志望のアメリカ人、ガイの関係も一筋縄ではいかなそう。かつてアメリカきっての色男役だったギアが、油が抜けて良い感じの初老男性で、わたしゃ初めて彼が魅力的だと感じたよ。未だに他の男性との関係を続けるキャロルと恋多き男ノーマン、現在、現地のお金持ちを二股中のマッジ。マッジのバイタリティーには、オバサンだって、まだまだ頑張れるぞ!と励まされます。結局は、ノーマンと落ち着きそうな気配だけど、それも予定調和すぎだし、急展開も期待できるかも?と、まだまだ話は尽きないマリゴールド・ホテルのこれからも、開き直って観てやろうじゃないか!って気なので、三作目も楽しみです。絶対、作ると思うのw

モンタゴメリー郡の橋

2015-10-17 | 田舎暮らし
 愛犬とよく行く公園から帰り道、うっかり曲がる角を間違えて通りがかった道で、こんな橋を見つけました。この道は前にも一度、通った覚えがある道なのに、何故そのときは気が付かなかったのかな?私有地内にあって、立ち入り禁止のサインが出ていたので、道端からパチリ。橋の手前のサインによれば、この橋の名前は「Jasper Road Bridge」で、下を流れるのは、Mudlick Creek(直訳すると泥舐め川)。1877年にオハイオ州グリーン郡トレドのシーザーズ川に掛けられましたが、撤去されるところだったのを、1964年にヒューストン・ブラウン氏が買い取って自分の敷地内に再建したそうです。だから個人私有地内にあるのか…

   
ラスティックで良い雰囲気


 小川の向こうには、汽車や水車のある石造りの家、古い小屋が散在して歴史公園的な雰囲気も。オープンハウスとかで公開してくれないかな。中、見てみたい。

ユニオン郡の橋、再び

2015-10-15 | 田舎暮らし
 相変わらず、毎週二時間かけてお得意様の会社に通っています。オハイオはここ数日で急に冷え込み、週末には霜が降りるとの予報も。朝起きる時間は、まだ真っ暗で、暖かいお布団から起きだすのが億劫。早く夏時間が終わって、お日様が昇ってから起きたい。なんだか夏時間が、年々、長くなっていく気がします。今年は11月1日に時計を一時間遅らせますが、10月なんて、全然、夏じゃないし! 

 春に紹介した屋根付き橋(ユニオン郡の橋)を通りかかるときには夕暮れで、家にたどり着くころはもう真っ暗。厳しい冬も、もう目前です。ぜんぜん楽しみじゃない…



シンシナティ美術館

2015-10-12 | Museumsとイベント
 で、昨日の記事の続き。チョコレートをたくさん食べて、気分も血糖値もハイな私の次なる目的地は、シンシナティ美術館です。前回の訪問時にもカボチャが飾ってあったので、一年ぶりくらい。
  


 今回のお目当ては、ローマのボルゲーゼ美術館から借り出し中のラファエロ作「一角獣を抱く貴婦人(Young Woman with Unicorn)」です。ブロンドの若い女性が、こじんまりしたユニコーンを膝に乗せている肖像画、近年の調査の結果、このユニコーンは元々は子犬だったという事実が判明。道理で小っこいはずだ。モデルに関しても謎でしたが、一番最近の研究では、ジュリア・ファルネーゼの娘、ロウラ・オルシーニであると言われています。ジュリアは法王アレクサンドル6世の愛人として有名な美女。一応は、ご主人のオルシノ・オリシーニとの間に産まれたとなっていますが、アレクサンドル6世の娘という説も根強い。確かに、ルクレツィア・ボルジアの(と言われる)肖像の女性に似ている。

   
壮厳なる美… 右の画像は美術館のサイトから

   
今日の午後にはちょうど、この作品をテーマにしたバレエを披露していました。

  
 もう一つ見たかったのが、この美術館の保有する日本の美術工芸品の特別展示、Masterpieces of Japanese Artです。所蔵している作品が常に公開されているわけではないので、たまたま、「お宝拝見」的な特別展で、日本の作品を見られるのはラッキー。
 
        



  

 中段は小川破笠の動物絵巻。漆芸で有名な破笠は、肉筆浮世絵師でもありました。この絵巻は、蛙と小鳥の擬人化物語絵巻で、あまり日本では知られていない作品のようです。上段の右は春叢紹珠画の達磨。私が一番気に入ったのは、下段右の象牙彫刻です。細かいところまで精密で、温かみのある柔らかな曲線や、お母さんの穏やかな表情に癒されます。左は本当に蛤サイズの中の漁村の彫り物。根付などでも見られる江戸時代の細工物の精巧さ、本当にすごい!

 こういった細工物って、どういう経緯でこしらえられたのでしょう?お大名や裕福な商人の屋敷に飾られていたのかなぁ?西洋の陶器のフィギュアや彫像はいかにも装飾品、お金持ちがお屋敷を飾る目的で作らせたって感じがするけど、こういうこじんまりした飾り物は、どんな旦那が、どういう理由で職人に作らせたのか、背景が知りたいです。

 今日も、私の美術館訪問時の定番、「犬集め」をして、テラスのカフェでお昼をいただいてきました。こんなにいいお天気なのに家でお留守番の犬にはゴメンだけど、とても豊かな一日で、お腹も心も大満足v


チョコレート・フェスティバル

2015-10-11 | 田舎暮らし
 うちから車で1時間強、シンシナティは一番近い大都会です。週末ごとに様々なイベントが催されていますが、延々代わり栄えのない田舎道を運転するのが面倒で、なかなか出かける気になれません。でも、このイベントは絶対見逃せない!だって私、チョコレートが大好きだもの!

 入場料二人分30ドルが20ドルの割引価格になる前売り切符を買ったのは3ヶ月以上も前、夏からずっと何があっても絶対行くと心に決めていたのだ。土壇場になって、一緒に行くはずの人が行けなくなったのですが、じゃ、二人分食べてくる!と、意気込んで会場に乗り込みました。前売り券に含まれているのは、12時の開場の一時間前に入場できる権利にチョコレートのサンプル一人5個分のチケット、ワインとチョコの組合せのテイスティングX5。さすがにワイン10杯はなぁ、と、思ったら、代わりにチケットを10枚余分にくれました。つまり、私一人でチョコのサンプル20個、食べ放題! わっはー!わっはー!とあらゆるサンプルを食べまくる。

 トリュフにカップケーキ、チョコレートアイス、マカロン、チョココーティングのストロベリー… ほかにもスポンサーからエコバッグ等が無料で配られ、クーポンもふんだんに。わにこ、しあわせ…

   
チョコを使ったお菓子のデモもありました


 二時間半ほどチョコレートに埋もれていましたが、混んできたし、チケットも使い果たしたので、お昼過ぎには退散。来年もきっと来るぞと、心に決めたのでありました。とてもお天気のよい日曜日の午後、折角シンシナティまで遠出してきたので、次の目的地へ移動しました。続きは明日!

キャノンボール!

2015-10-09 | 映画・ドラマ・本
 相も変わらず、毎度おなじみ図書館で週末に見る映画を探す私。あんまり、しょっちゅう来るので、司書さん達とはファーストネームの仲w しかし、金曜の夕方なんて、めぼしい新作はみな貸し出されてしまって、DVDの棚が歯抜けで寂しい。そんな中に、懐かしい作品を見つけました。「キャノンボール」、英題は「The Cannonball Run」、1981年公開作品です。むか~しナンチャラ洋画劇場で見て、すっごく楽しかった思い出があるのですが、過去補正が入っているのは承知なので、あんまり期待せずに借りました。でも、やっぱり面白かった!

 主人公、酒と女にだらしないJJ(当時は大スターだったバーと・レイノルズ)のパートナー、お人好しなビクターのアルター・エゴである、腕っ節の強い正義の味方、キャプテン・カオスと、一度見たら忘れられない顔のドクターは、好きにならずにはいられないキャラクター。ファラ・フォーセットはやっぱり美しい… 「地上最強の美女たち チャーリーズ・エンジェル」は、毎週楽しみだったな。ファラさん演じるジルは本当にかっこよくてゴージャスでした。
 

 当時の大スターが集結したお祭り騒ぎのような作品で、プロットは無いも同然、アメリカ大陸を横断しながら、コントをつないだだけで、最後は皆がハッピーでおしまい。レースのゴールは、レドンド・ビーチのキング・ハーバー、私には懐かしい場所で、さらにハッピー。日本のチームのはずなのに広東語のジャッキー・チェンは、ちゃんとカンフーアクションを披露してくれます。しかも、イージー・ライダー、ピーター・フォンダに蹴りをくらわす!若くて、アクションのキレも素晴らしいです。

 相棒のミスター・ブーもまた懐かしい。Mr.ブーと、自身をパロりまくる当時の007、ロジャー・ムーアは、広川太一郎さんが二役でした。広川 太一郎さんのアドリブに、ジャッキー・チェンといえば石丸博也さん!吹き替えが最高に良かったんだなぁ… もう一度、日本語版が見たいな。

 ちなみに「Cannonball」は、デビッド・キャラダイン主演の方です。でも、よくある人気映画に便乗したバチもん作品ではなく、実はこっちのほうが5年早い。「デス・レース2000」のポール・バーテル監督作品で、邦題は「爆走!キャノンボール」、一応コメディー映画らしいんだけど、レースしながら、主要人物も単なる巻き込まれた一般人も、バンバン死んでいくシャレにならん映画です。

 こっちは、カリフォルニアを始点に東海岸へ向かう逆ルートのレース。むやみと美女の谷間でサービスのRunとは違って、お色気は少な目かと思いきや、主人公がシャツをはだけるシーンが何度もあって、実はこれがお色気サービスシーンなの?今となっては、あまりに不遇な死に方だけで覚えられてる感があるけど、デビット・キャラダインって、当時はセクシー系だったのかな??不遇といえば、マイケル・ジャクソンの逝去の翌日に亡くなったファラ・フォーセットも一世を風靡したスターなのに、煽りを食ったようで少し寂しかった。
   
ラストのどたばたシーンの背景のホテルはもうありません。ついでに「爆走!」の方のポスター。70年代っぽいね

 ところで、この映画の中で一つ気になった台詞が。「全米50州の中に、スピード違反で死刑って州は一つもないことを思えば… もっともオハイオ州はどうか知らんが(Think of the fact that there is not one state in the 50 that has the death penalty for speeding, although I'm not so sure about Ohio.)」オハイオって、実は恐ろしいところなのか…