わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

フォート・セント・クレア州立公園

2014-03-31 | 田舎暮らし
 急にぽかぽかと小春日和を超えて、薄っすら汗ばむほどに暖かくなりました。夏時間になってからは、帰宅時間を過ぎても中々日が暮れません。しっかり定時に退社して、犬と一緒に町外れのFort St. Clair州立公園を訪ねてみました。1782年に、酋長リトル・タートル率いる原住民のマイアミ族を防ぐために建てられた砦跡を、公園として保護してあります。1792年11月6日、マイアミ族の戦士200人が、砦内のケンタッキー・ライフルマン100人を襲撃しました。マイアミ族200人+兵士100人でスリーハンドレッド。This is Ohio!と、叫んだかどうかは知りませんが、この戦いで兵士6人が戦死、彼らの墓は未だ同じ場所にそのままに残されています。そこに立つ樫の木は「Wispering Oak(囁く樫の木)」と呼ばれ、風が吹くと、戦場の物語を囁くんだそうな。また、「bloody bones(血まみれの骨)」と地元民に呼ばれている戦士の幽霊や、渓谷の側の墓地で踊る原住民の幽霊もたびたび目撃されているそうです。お喋り好きな木に、彷徨うガイコツ、踊る幽霊。陽気な仲間たちですね。

 今日、私達が歩いたのは、史跡の残る南側ではなく、児童公園やピクニック施設が整備された公園の北側です。また、近いうちも南側も散策してみたいと思っています。でも、今夜から今週中、ずーっと雨の予報なんだな…
    
小川には小さな屋根付き橋がかかっていました。由来を示す標示もなく、見た感じも歴史的な建造物ではないようです。
橋の向こうが児童公園。街を更に南に行くと、同じような赤い屋根付橋があるので、これは子供の為のミニチュアかも?

    
小さいながらも趣があります。右は内部

    
川の向こうに渡りたいけど、流れが怖いモカはへっぴり腰

アンティーク・ショップ巡り

2014-03-30 | アンティーク・スリフト
 昨日は一日中氷雨が降り、肌寒い一日でしたが、今日は一転して快晴です。今週末には一旦、LAに帰って、車で北米大陸横断するので、その間、犬を預かってもらうケンネルの見学ついでに、近隣の小さな町を散策しました。町そのものは本当に小さくて、特に見るものはないのですが、アンティークのお店が数軒あるので、午後のアンティーク店巡りと洒落こみました。私は古いから安い物は好きだけど、古いから高い物は嫌いなので、骨董品店巡りをしても、滅多に何かを買うことはないのですが、アンティーク・ショップは触れる歴史博物館のようで、見て回るのはとても好き。コロラドやカリフォルニアのアンティーク・ショップは、所詮は手の届かないお値段の品ばかりで、見て触って楽しいな、だけでしたが、この辺りまで来ると、お手頃価格になってるので誘惑されてしまいそう(@_@)

   
右:手前はファイヤーキングのピーチラスターですが、後ろに見えているのは日本製のミルク・砂糖入れ

   
ブース毎に粋を凝らした個性的な飾り付けも楽しい

   
古い馬車や馬具を売るブース有り、レトロなダイナーを模したブース有り


 今日、訪ねた町は、私の住む街からはお隣のNew ParisとLewisburg。Lewisburgの市民公園には、1887年造の屋根付橋が移転されてピクニック用の小屋になっています。「マディソン郡の橋」で日本でも有名になった、アメリカの屋根付橋、この周辺にもいくつか保存されていますが、やはり橋に掛かっていてこ価値があるわけで、こんな風に野っ原の真ん中に置いてあっても有り難みがないような気がする…
  


橋の内部の窓からの風景。春は近いかな?

Eatonという街

2014-03-29 | 田舎暮らし
朝から氷雨。しかも風が強い。みじめ… 夕方に会計事務所のアポ。税金の相談。更に惨め…orz 定職も出来たことだし、なんとかクビにならないように頑張って、むしろ春の確定申告で税金が返ってきて、春だわ、ラララってな生活がしたいです。

 税理士さんと会って現実に打ちのめされた後(予想はしてたんですけどね)、会計事務所の向かいにある地元の公立図書館に行ってみました。私は図書館が大好き。図書館があれば、ただでDVDやCDがレンタルできるし、電子図書の貸出もあって貸出期限を気にせずチェックアウトできるし。このシステムは、日本の図書館でも導入してほしいなぁ。別にアメリカにいても、電子書籍の貸出なら場所は関係ないはずだし。でも、きっと、国外はダメ!とか言うんだろうな… 税金払ってないから仕方ないか…

 ところで、この図書館、実はいわく付きでして、司書さんの幽霊が出るともっぱらの噂。事の起こりは1909年7月8日、数年前に建てられたばかりの図書館で、司書のリンダ・グリスワードさんが、彼女にフラれた事を恨みに思うハリス・ライフに、リンダさんの息子の見ている前でリンダさんを射殺するという事件がありました。犯人はその場で自殺をはかりましたが失敗、1910年に死刑になりました。今の図書館は当時の建物ではなく、その後、同じ場所に建てられたものですが、未だに不思議な出来事が起こっては、現代の司書さんたちを悩ませているそうな。でも、新しい図書館には、ビクトリアンの司書さんが現れそうな情緒は全く感じられません。映画のDVDは新しい作品も揃っており満足。でも、やけにロマンス小説の棚が充実しているのは笑ってしまいましたw アメリカで発行された書物を全て保管しているワシントンDCの議会図書館ですら、ロマンス小説だけは例外なのですが、暗く寒い冬の長いこの地方じゃ、お熱いロマンスが読みたくなる??

 この街の古い裁判所の建物や、メインストリートのカフェ、町外れにある古い砦跡にも、幽霊の噂はあるそうな。1806年創立の古い街だけに、色々と歴史的な逸話も残っています。ダウンタウンには、19世紀から18世紀初めに建てられたビクトリア風の可愛いお家が沢山見られますが、街の創立者であるウィリアム・ブルースさんの子孫が住んでいたお屋敷もその一軒。街の中心部に建つ、その由緒正しきお家の前には現在、売家サイン(しかも値下げサイン付き)が出ております。長い歴史の中には、コレラが勃発して殆どの住民が街を逃れた後も居残った600人のうち、120人が羅患して亡くなったとか、1859年には放火を原因として大火災が起こり、街の主だったビジネスが全て丸焼けになっちゃったといった出来事もあったそうです。

 そして、実は、1917年から23年に第24代カリフォルニア州知事を務めたウィリアム・スティーブンズが、元々はこの街の出身。母親が肺の病に罹ったので、気候の良いカリフォルニアに一家で引っ越したのだそうです。オーストリア出身の知事さんもいたくらいだから、カリフォルニでは、元々の出身地なんて関係ない。そんなおおらかさといいますか、西部らしいおおらかさが有りますね。

春になったらメイン・ストリートのお店を探索したり、歴史的な裁判所の建物を見学したり、砦跡も見に行きたいなv

ここの人達は私の想像可能範囲を超えていた

2014-03-28 | 田舎暮らし
このブログの画面左側にブログラムというガジェットがついていますが、ここでガチャガチャしているアイコンにマウスを合わせると、このブログの成分を表示してくれます。このアイコンが可愛くて、私は気に入っているのですが、ここ数日、「安らぎたい」アイコンが出張っておる。で、安らぐため、新聞広告で見つけた貸家を見に行きました。

 何度も電話でお話しした大家さんとアパートの前で落ち合って、まだ住民が出て行っていない中へ。本来、今住んでいる人たちは先週末には引っ越して空き家のはずでしたが、雨で引っ越しが今週末になったハズ… だったのですが、中に入ってみれば引っ越しの気配なんて全くなく、いきなりタバコの臭いプンプン。屋内は喫煙禁止のハズなんですがw 4ヶ月前に変えたばかりのカーペットはしみだらけで、収納場所はふんだんにあるにも関わらず物が溢れ、部屋によっては足の踏み場もない状態。居間には危ない雰囲気のご主人が、むっつりと鎮座し、大家さんが声をかけても返事もしない。負けずに奥にずいっと入り、ここが主寝室、と、ドア開けたら、奥さんが寝てたwww

 ドアの前に山積みの洗濯物を蹴り飛ばして、地下室への扉を開けます。給湯器や暖房機を見て、ちゃんとすれば寝室にも使えるよ、この先は外から直接入れる部分で、あれ?なぜか古いマットレスが立てかけてあり、その先には進めないようになっています。マットレスを動かそうとする大家さんに、まぁまぁ、見なくていいですからと、とっとと退散。既に、そこで大麻育ててようが、クリスタルメス作ってようが驚かないぞ、って気分です。完全に逃亡体勢の私と、顔が引きつってる大家さん。とどめに、2つ目の寝室のドアを開けたら、今度は母猫+子猫が6匹がワラワラ。「きゃー!かわいー!一匹欲しい~!」と、はしゃぐ私の横で、ボロボロの壁と無残なカーペットに大家さん呆然。

 電話では4月始めに引っ越すつもりなら、余裕で掃除も全て終えて入居可能だよ、窓も注文済だから新しいアルミサッシのに変えるよ、壁も塗り替えるし、カーペットもクリ-ニングしてピカピカにしとくよ、と言っていた大家さん、家を出てから一言、「ごめん… 無理…orz」 今週末に出て行かなかったら、裁判所に退去命令申込むとブツブツ言いながら、申し訳ないからと貸家を何軒も持っている知り合いに「ペットOKの2寝室を探してる人がいるから、何かあったら教えてね」と、メッセージ残して、その人の電話番号をくれました。その人は地元のお医者さんで、なんと25軒も家を持ってるんだって(@_@)

 大家さんは何度も謝ってくれたのですが、私の方が「ご愁傷様」と言いたい気分でした。また一つ、田舎の本気を見たと思う。警察沙汰を起こしてオーナー協会から退去命令を出されながらも、居座り続けているLAのアパートの隣人も大概な厄介者だったけど所詮は1人、こっちは一家揃ってます。しかし、対する大家さんも強面の髭おじさんで、建築請負業を営んでいるので背後に丸太腕の従業員が控えてそうな感じ。ファイッ!(私は逃げます

エルサとジャック(Rise of the Guradians)

2014-03-26 | 映画・ドラマ・本
 暫く前に見た映画なのですが、「アナと雪の女王」を観て、アナには素朴で誠実なBFができたのに、エルサは??と、いうことで、巷では(?)お似合いのカップルと噂の、ジャック・フロストくんが出ている、ドリーム・ワークスのCGアニメ、「Rise of the Gurdians」をご紹介します。とっても豪華な声優陣にもかかわらず、日本では公開されなかったのは不思議だと思っていたのですが、アメリカの子どもたちにはお馴染みの登場人物たちは、日本では全くと言っていいほど馴染みがないし、作品自体が、観客はそれらのキャラクター(ガーディアン達)を知っているという前提なので、確かにこれは公開してもウケないかも… チーン(合掌)

 上息子がすっかりエルサに萌えており、色々とジャックとのカップリング画像を見つけてきます。ジャック・ザ・フロストは「霜のジャック」の名の通り、冷たい突風を吹かせたり、触れるものを凍らせたりと、エルサの原型のような妖精です。北風小僧の寒太郎や、風の又三郎のイギリスのいとこといった感じでしょうか?霜のジャク二郎。妖精になって300年ものキャリア(?)があるにも関わらず、子供のようにイタズラ好きな永遠の少年。この子なら、エルサが触れようが、キスしようが凍る心配は無用。その上、風に乗って空をとぶというエルサにはない能力を持っているので、スーパーマンのように空の散歩にも連れて行ってくれそう。

 豪華声優陣に加え、写真かと見紛うような写実性を求めるディズニーとは少し方向性を異なり、光のあふれるCGアニメの上手いドリーム・ワークスが本領を発揮した美しい映像、そしてお話もよく出来ているにもかかわらず、日本ではビデオ・スルー、本国アメリカでも莫大な制作費を回収できなかった本品。登場キャラクターが童話でお馴染みすぎてお子様向けと大人にはパスされ、一方でサンタらしきキャラがイレズミのタフガイ(アレック・ボードウィン)だったり、イースターバニーがムキムキの武闘派(こちらはヒュー・ジャックマンがウルヴァリン声で熱演)と、子供にも「イメージ違う!」とパスされたのが敗戦原因かと私は思っているのですが。

ここでキャラ紹介をしますと:
ジャック・フロスト:他のガーディアンたちとは一線を画して気楽に暮らすイケメン妖精。声は今をときめくクリス・パイン
ノース:サンタらしき北極点に住む、ロシア訛りのおっさん。橇はハーレー製に違いない。ガーディアンたちのリーダー
バニー:卵を運んで春を告げるウサギちゃんなんだけど、ムキムキ、太眉。希望の守護者
トゥース:歯の妖精。抜けた乳歯を枕の下に置くと眠る間に歯の妖精がお金に変えるという伝承によります。思い出の守護者のハミングバード人間
サンディ:子供の願いを叶え、良い夢を見せる砂の妖精。言葉は発せず砂で描いたイメージで意思表示します。「お願いサミアどん」って昔のNHKアニメと原型は同じですが、こっちの方がパワフルで、最後にいいところを持っていくw
ピッチ・ブラック:悪夢と恐怖を司る悪役。声はジュード・ロウで、子どもたちを恐怖で支配して、世界を闇に包もうとしています

 ガーディアン達は「月に住む男」に任命された世界の守護者。300年前にジャックが、幼い妹を助けるために凍った湖に落ちて死んだ後、冬の妖精にしたのも月に住む男。日本じゃお月様では兎が餅をついてますが、欧米では月は人の顔に喩えられています。この月男、ピッチの野心を食い止めろって命令したりする割りに、自分は何もしない傍観者で、困ったボスの典型ですね。ジャックは規則や義務を嫌い、勝手に生きていましたが、自分がなぜ妖精になったのかを知り、自分もまた「守護者」であったことを自覚して、ピッチに挑みます。

ガーディアン達。ノースの腕には「良い子」「悪い子」のタトゥーが

 ピッチは手下の「闇」を使って、子供達がサンタや歯の妖精を信じられないように仕向け、守護者たちを無力化します。子供が信じなければ魔力が失せ、その存在すら危うくなるのは、「ピーター・パン」のウエンディと同じ。サンディは悪夢により彼を信じられなくなった子どもたちが増えて力を失い闇に飲み込まれ、プレゼント運びを妨害するピッチのせいでサンタの橇は飛ばなくなり、バニーは卵を奪われて小さく非力なうさちゃんになり(しかし声はヒュー・ジャックマンw)、トゥースは歯とコインを交換するハチドリたちを捕まえられてしまう。ピッチに妨害されて時間が限られたクリスマスのプレゼント運びに、守護者達がスパイ大作戦ばりに奮闘するシーンは、色んなパロディーが散りばめられて楽しい。

 他の妖精たちがピッチに敗れていく中、守護者ではないので別に存在を信じられてなくても平気(?)らしきャックの活躍というわけです。妖精達の存在を信じる最後の子供、ジェイミーが説得し、一緒に闇と恐怖に立ち向かいます。この子たちが、意地悪そうな太めの女の子も含め、皆いい子たちなんだなぁ。この辺(オハイオの田舎な)にいそうな素朴な子どもたちです。子供達がが再び信じ始めたことで妖精たちは力を取り戻し、孤軍奮闘していたジャックとともにピッチを打ち破り、力の弱まったピッチは闇に飲まれて消えてしまいます。自分の操っていた手下にやられるとは、「トムとジェリー」のトムはじめ、敵役には容赦無いアメリカさんのえげつなさ爆裂。ガーディアン達は子供達に愛され、互いに和気藹々と楽しくやってるのに、自分は忌み嫌われて孤独。「てめーらだけでキャッキャ、ウフフしってんじゃねー!」と、キれて世界征服を企んじゃったピッチの最期には同情しました。

左はピッチと闇の手下、右はジェイミーと友達、雪男。左端はジェイミーの妹、ソフィー

 それぞれのキャラが立っているばかりではなく、小さなエルフたちや雪男、1シーンだけ登場の親たちですら好感が持て、クスリと笑わせてくれるシーンが有ります。日本ビデオスルーと、アメリカ国内興業成績の失敗が本当に勿体無いのですが、「アナと雪の女王」の大ヒットに便乗して陽の目を見る機会があるかも??ジャックは益々、エルサに頭上がらないね(だいたいエルサは一国の女王様だしねー) 「アナと雪の女王」の感想はこちら

寒い

2014-03-25 | 田舎暮らし
 今朝の気温は-9℃でした。寒すぎるだろ!その上、お昼ごろには雪まで降り始めました。春はどこだ!?!

  

 予報では午前中に雪がちらつくはずだったのに、むしろ晴れていたので油断していたら、正午を過ぎた頃にいきなり吹雪。ぎゃー!と、思っていたら、夕方にはまた快晴。とっても気まぐれなグレート・プレインズのお天気です。もう3月も末なんだから、いい加減に暖かくなってくれないと、朝の犬の散歩がかなり厳しいです。南カリフォルニア生まれの犬は、さぞや寒さには弱いだろうと思ったら、案外そうでもないらしくて、犬は呑気にその辺りの臭いを嗅ぎ、私は「さっさとコトを済ませてよ~。早く帰りたいよ~。寒いよ~」と震えています。面白いことには、彼女はお腹に毛が生えていないのですが、なんか、この頃、毛が生え始めているような?適応力凄すぎない??

 思えば、NYC(実は寒い)→NY州の田舎(真剣に寒い)→ワシントン、D.C.(夏はムシ暑く冬は寒い)→テキサス(温かい)→コロラド(山だけに真剣に寒い)→LA(温かい)ときて、また真剣に寒いエリアへ。きっと次はまた暖かい場所へ行けるに違いない… いや、行きたいです。

ビンテージ!

2014-03-23 | アンティーク・スリフト
 寒さに負けて、どこにも出かけず、本日の予定は、夜8時から「軍師官兵衛」を観ることだけ。期間限定の日本語放送なのにハマちゃったらどうするよ??昨日、インディアナ州の観光オフィスに立ち寄って、パンフレットを貰ってきたので、ぬくぬくベッドに潜って、暖かくなったら行きたいところをチェックです。国内でも比較的入植の早かった地域なので、歴史保存地区や古い建物も多くて、いっぱい写真を撮るのが楽しみ。アンティーク・ショップ巡りもしたいな。

 実は昨日、映画の前に少し時間があったので、同じモール内にある屋内フリーマーケットを覗いてみました。食料品にノベルティー商品、衣料品に家具、散髪屋さんまであって、フリーマーケットの名の通り色んなベンダーが入っていましたが、半分近くは、アンティークと言えないこともない雑貨屋さん。骨董品屋というよりスリフトショップのような品揃えですが、長い間、屋根裏や台所の棚の奥で忘れられていたような、気取らないビンテージ品が一杯で、眺めて回るのは、とっても楽しかった!一時に比べれば人気は翳ったとはいえ、まだまだカリフォルニアのスリフトではいいお値段がついていたファイヤーキングも、ここでは古道具価格でした。マメに覗いていると、掘り出し物に出会えるかもしれません。

 未だに仮住まいなので物を増やせないのですが、「ピーナッツ」の作者、チャールズ M.シュルツ氏の一コマ漫画「Young pillars」の1958年発行版が$2.99だったので買ってみました。名前は知ってたけど、実物を見るのは初めて。シュルツ氏が、教会発行の雑誌に連載していた漫画なんだけど、ピーナッツの面々が大学生になったような登場人物たちが愛おしい。もう一つ買ってしまったのは、Glasbake製のミルクグラスのマグ。「Love is another name for Mother.(愛とは、母のもう一つの名である)」という言葉と、レトロな絵柄が可愛いくて一目惚れの衝動買いです。これで毎晩、フォームカップでお茶飲まなくて済むわ~ 一ヶ月分の生活必需品を持ってきたつもりが、スーツケースの中は何故か歯ブラシが数本入ってたり、水着が紛れ込んでたり。寒中水泳でもするつもりだったのか、自分?そのくせ毎日使ってるコップや、寒冷所で必需品の帽子を忘れてきたり(←来て直ぐ、ウォル・マートで今時珍しいほどダサい毛糸の帽子を買いました。Coolの逆だけに温いです)、緑茶のティーバッグを持ってきたつもりが、どこでも売ってるリプトンの紅茶だったり…orz

見せびらかす。$3.99でした


 手作りバスケットのロンガーバーガー社のお膝元に近いだけあって、ビンテージも含めロンガーバーガーのバスケットは沢山あったけど、こちらは流石に結構なお値段(><)オハイオ州都コロンバスから一時間半ほどにあるロンガーバーガー本社のビルは、バスケットの形をしているので有名。自分でバスケット作りの出来る体験コースもあるそうで、夏になったら行きたい!マイ・バスケット作って、巨大バスケットのビルの前で記念撮影したい!

300帝国の進撃(300: Rise of an Empire)感想

2014-03-22 | 映画・ドラマ・本

 「300(スリーハンドレッド)帝国の進撃」を見て参りました。日本の公式サイトはこちら(音が出ます)です。なにしろ、あの「300(スリーハンドレッド)」の続編です。期待も不安も超高まる。レオニダス王率いる、たった300人のスパルタ兵が100万のペルシア軍に挑んだテルモピュライの戦いを描いたオリジナルの「300」は、映画館で見て、IMAXで観直して、DVD買って、Blu-Rayで買い直した大好きな作品です。スタイリッシュな映像、血湧き、肉踊り、見てるだけで腹筋が割れそうなパワーに溢れており、活力が欲しい時、何かわけもなく盛り上がりたい時には、これを観て、「ホー!ホー!ホー!」と叫ぶ。

 その「300」の続編ですから大画面で観たいと思ったので、田舎道を30分ほど走り、州境を超えて、映画館まで足を運びました。チケットは3Dでも9ドル。安い!LAじゃ3Dは15ドルだもん。でも劇場に入ってみたら、画面小さっ!出来るならIMAXで観たいくらいなのに、リバイバル館かってほど小さなスクリーンで、安いには、それなりの理由があったのかと納得。観客、私とカップル一組の3人だけw

 映画は、今回の主人公、アテナイのテミストクレスが英雄として崇められるきっかけとなった、ペルシア海軍とアテナイ・プラタニア合同軍間のマラソンの戦いから始まります。ペルシア軍は陸から攻めてきたギリシア合同軍の奇襲にあい、船を返そうとしますが、当にその時、ペルシア軍を率いるダレイオス1世を背後から射抜いたのが、テミストクレス。このときに息子である、後のクセルクセス一世を見逃したのが仇になって大戦争に発展します。矢傷が元で床にあるダレイオス1世は、ギリシアを攻めるのではなかった、ギリシアを倒せるのは神だけだと言って息を引き取ります。そんな父の言葉に落ち込むクセルクルスに、「ならば神になればいい」と囁いたのが、今回の女性側主役、ギリシア人ながらも、父母を殺され自らも奴隷となり、死にかけて捨て置かれたところをペルシア人に救われた、ペルシア海軍提督で、剣の達人であるのアルテミシア。エヴァ・グリーンがアイシャドーたっぷりで、冷酷なアルテミシアを禍々しく演じています。私はエキゾチックな黒髪美女に弱いらしく、キャサ・ゼタ姐さんとか、このエヴァ・グリーンとか好き。ホンの数十秒だけど、エヴァさんのトップレスシーンも有るぞv


 で、クセルクルスは砂漠の洞窟に行って、巨大化した金ピカの神様になっちゃう。ドクター・マンハッタンみたいなもの?神様って、結構カンタンになれるんだな。で、ここまでは面白かったんだけど、その後は、スパルタンどこ~?いつ出るの~?と、待ちわびてしまう。作品中の二回目の海戦は、「300」の舞台、テルモピュライの戦いと同時進行です。スパルタの敗北を知ったテミストクレスがスパルタを訪れ、スパルタの有する全艦の出撃を依頼しますが、女王ゴルゴに拒否されます。今回のゴルゴさんはお化粧も薄めで、前作ほどの迫力ない。まぁ、喪に服しているせいなのでしょうが、第一印象では、女優さん変わった?と、思いました(注:同じ女優さんです)。

 この男性側の主人公、テミストクレス将軍に、ジェラルド・バトラー演じたレオニダス王のようなカリスマや圧倒的存在感がないのが、魅力を削いでいる。まぁ、そういうキャラクターではあるんですけどね。戦士たちもスパルタンほどムキムキしてないんでビジュアルとして、300人の戦士たちが戦場へとマーチしてきた時のような「おおー!」って感動はありませんでした。スパルタンじゃないので、戦争バカのクレージーな奴はいなくて、むしろ弱気になったり、将のテミストクレスが信じられなくなったりと熱さがない。「300」同様に将軍の親友であり片腕である副官と、その若い息子とのエピソードがあるんだけど、いかんせん、イケメン度が格段下がる。とにかく、映画全体に漢前レベルが低い。クセルクルスの登場場面は少ないし、エヴァ・グリーンのアルテミシア以外の登場人物に魅力がない。

 海戦シーンはそれなりに迫力があり、ペルシアの重装備の艦隊を、足の早いギリシアの軽量船がこてんぱんに。赤壁やアルマダと同じパターンですね。これが一度で派手に対戦して、決着付くなら高揚感もあるのですが、同じような戦いを何度も繰り返されるとマンネリ化します。それに、3Dを意識してなのか、画面にホコリだの水飛沫だの火の粉だのが殆ど常時ちらついて鬱陶しい。少しくらいなら許せるけど、ずーっとオーブみたいな白いポワポワが飛んでいて、イライラしました。ハリウッド映画の常として、女性悪役を男性ヒーローが殺すわけないだろ、と、ゴルゴ女王対アルテミシアの女同士の対決を楽しみにしてたら、女王が登場する直前に、テミストクレスがアルテミシアの息の根止めてた。ヲイヲイ…orz 

 ずーっと「スパルタンはまだか、スパルタンはまだか…」と待っていたのですが、スパルタン、キタ━━ヽ(゜∀゜ )ノ━━!!!!と、思ったら、映画終わった(´゜д゜)これは、次に本物のスパルタン含めたギリシア総合軍対クセルクルスを描くための布石よね?「スリーハンドレッド 1.5」みたいなものよね?そうじゃなきゃ、浮かばれないよ~!

結論:LAのIMAX価格で観なくてよかった。

お役に立てましたか?  



余談:映画見た後は、映画館の向かいのモール内のウォル・マート・スーパーストアでお買い物。さすがの品揃えに感動した!ブルーベル社のアイスクリームまであった!テキサスで製造しているブルーベル社のアイスクリームは、子ブッシュ時代には、ホワイトハウスの晩餐会用にしばしば取り寄せられたり、国際宇宙ステーションに送られたりしたこともある、元テキサンが泣いて喜ぶアイスなのです。全米23州でしか販売されていないにも関わらず、全米アイスクリーム市場シェアの第二位を占めるのが、テキサスの小さな町で作られている、このアイス。コロラド、カリフォルニア時代には「ブルーベル・アイス食べたい」と思ったものです(今はコロラドでも売るようになったらしいけど)。早速、息子らに電話して羨ましがらせてやったよんw


アパート探しがチャレンジすぎる

2014-03-21 | 田舎暮らし
 今日のお昼には、気温が華氏60°(15℃)まで上がりました。オフィスでぼそぼそランチしてると、屋内にいるなんて勿体無いよ~!と、言われましたが、南カリフォルニアから来た私には、15度は十分に寒いです。ありがとうございました。

 ここに来るまでは、アパートも多いし、借家広告も沢山あるので、住む場所を探すのに苦労はないだろうと思っていました。しかし、二週間を経て、そんな自分の考えがアメリカのスーパーで売っているケーキほど甘かったとを実感。田舎やし!庭とか広いし!そこら中、犬だらけやしー!と、思ったら、ペット不可の物件の多いこと、多いこと。お家賃を多めに払ったら許してくれないかしら、と、電話してみても「過去に嫌な経験したんで、ペットはねぇ…」と、電話の向こうから「すご~くイヤ」感がひしひしと伝わってくるような経験を数回し、農村部なめたらあかんということを、思い知らされております。

 職場から5分という好条件のアパートは空き部屋が出るまで少なくとも6ヶ月、少し離れた市内のアパートは、全く電話に出ない、メッセージを残しても返事がない、オフィスに行ってもいつも留守という、かなり不安なマネジメント。だいたい、連絡が取れないから空き部屋があるかどうかを確認する手立てもない。今までに見た部屋も、ガレージがなくて路駐、1860年代の建物の一室でロマンティックだけど住むとなったら超不便そう、一階と二階をそれぞれ貸し出してる一階だけど、見に行った時に既に二階で子供が暴れてる音がひしひしと、今のところ全敗。不況のせいか、売家はふんだんなので、週末に不動産屋さんに行って、売れるまで貸したいという所有者がいないか尋ねてみるつもりです。
    
町の中心を離れると、こんな光景

いなかのこわいはなし

2014-03-19 | 田舎暮らし
 田舎のせいか、この辺りの猫は外飼いが多いらしく、猫達がフリーダムに裏庭を通っていくので、犬のモカはガラス戸に張り付いて鼻を鳴らしています。ゴージャスなフッサーラな猫達が多いのは、寒い地域のせいでしょうか?お友達になりたい~!モフモフさせて欲しい~!

 はてさて、中西部のアメリカ農村部に引っ越してきて10日目。野生の王国みたいなロッキーの麓に暮らしたことは有りますが、そこはあくまでもデンバーのベッドタウンで、Small Townではあったけど、設定的には「田舎」と言えませんでした。でも、ここは本物の農村部のSmall Townです。農業、工場勤務にサービス業が少々で、就業者人口のほぼ全て。残りは引退後のお年寄りか失業者。さぞや長閑と思われるかもしれませんが、なんの、なんの、アメリカの貧しい田舎町はカオスなんである。つい先週まで、アパートの隣人が麻薬でハイになッて、お巡りさんにしょっぴかれていくような所に住んでいた自分が言うのも何ですが、一週間ちょっとしか住んでないのに、既に思わず身震いする事を見聞しました。

 先ず、出社第一日目に通りすがりに耳にしたのが、立ち話している人の娘さんが週末に拳銃を突きつけられて財布を取られた話。そして先週末、スーパーのレジで前に並んでた女性が携帯での会話内容。どうしても聞こえてしまったのですが、元夫だかBFだかにストーカーされていて、何度も住むところを変え、電話番号も最近だけで3回変えた。接近禁止命令が出ているのに、未だに付きまとわれ、昨夜も避難先に現れたので、警察に来てもらった、と。いや、公衆でそんな話、大声でしないでいいから(呆然)。そして今日、貸家広告目当てで週に一回しか発行されない地元の新聞を買ったら、その一面が、近くのでクリスタル・メスの製造に失敗してアパートが爆発ってニュースだった。金曜夜に消防車のサイレンがうるさかったのは、その所為か…orz

 タトゥーがすごい、というのも驚き。何が「凄い」かといいますと、そのデザインのセンス。タトゥーはアメリカでは日本よりもずっと寛容的に受け入れられています。気候が穏やかで、肌を露出する機会の多いLAでは、知的職業の人々のタトゥーも珍しくもありません。長袖と思ったら手首までびっしり刺青だったことも何度も有ります。色鮮やかで、ここまでびっしり入っていると、もう軽く「タトゥー」ではなく、「刺青」と呼びたいのは私のこだわり。この辺りで見るのは、デザインも余り凝っていない一色彫りばかりですが、私が「凄い」と思うのは場所。幼児二人を連れた若い女性、こめかみ辺りが青いのでアザかと思ったら、小さな星がびっしり彫ってあった。顔にイレズミって、一体あなたはマイク・タイソンですか?もう一人は、一見ごく普通の若い女性。首に鷲の紋章のような大きなタトゥー。首の後ろ側のタトゥーは珍しくないけど、前というのはギャングのメンバーみたい。入れる時凄く痛かったんじゃないかと余計な心配しました。しかも二人共、いかにも自己主張タイプではなく、服装もトレーナーにジーンズ、ちょっと太めな典型的田舎の白人さんタイプなのに目立つ所にタトゥーを入れてるのが意外というか驚きでした。

 ロシアでここ数年、貧しい若者の間にクロコダイルという安価で大変に危険な麻薬が広がりつつあるそうです(クロコダイルで画像検索すると恐ろしい)。モスクワなどの都市部では、失業率も高く、貧しい若者たちの麻薬問題がアメリカでも報道されますが、まずは足元を見ろと。息子の高校でも常用してる級友がいるそうですし、お隣さんは、よりによって私の引越し日にもハイになって騒いでいた。しかも、ちょっとドラッグやってハイになってただけだから心配いらないと、謎な弁解をしていた。いや、ちょっとドラッグやるっての、立派に違法だから。

 コロラドやワシントン州ではマリファナが合法化。麻薬というと、都市部の裕福な層か、むしろ麻薬で身を落としたホームレスが思い浮かびますが、ここに来て、アメリカにおける違法ドラッグ問題はむしろ、地方のほうが深刻ではないかと思うようになりました。高い失業率、限られた娯楽、そして閉塞した環境で、自家製生出来る安い麻薬のメスが蔓延する。

 今をときめくジェニファー・ローレンスが注目を浴びるきっかけとなった映画、「ウインターズ・ボーン」の舞台はミズーリ州の山岳地帯ですが、過酷な貧困の中、収入を得るために地域全体が共謀してメスを作って売っており、ミイラ取りがミイラになって廃人化した中毒患者もいる悲惨な状況が描かれていました、麻薬や貧困の問題はデトロイトなどの都市部を中心に語られることが多く、ハリウッド映画でも麻薬といえばLA舞台が多い中で、注目を浴びにくい地方の極度な貧困と麻薬問題を取り上げた秀作です。
    
左は主人公が食用にするリスの撃ち方を妹に教えているシーン

 私が引っ越してきたのは、この映画のような山間部ではなく真っ平で一見開放的ですが、その風景はとても良く似ている。冬なんで空が鉛色なのは仕方ないけど、その荒涼感たるやすさましいものです。少し街の中心から離れると廃墟さながらの家が並び(人、住んでるんですよ)、街の大通りも店の半分以上は閉まっており窓にベニヤ板が打ち付けられている。アメリカの抱える真の貧困問題は、地方にこそあると、私もここで初めて実感するようになりました。とにかく雇用機会がない。選択肢がない。若者の農村部離れ、都市流入が深刻な問題となる日本が、むしろ健全に思えるほどです。これも、大学進学率が高い、日本の高度な教育レベルのなせる技でしょう。それに、大学進学のために街に出なくとも、高校出たてでいきなり東京や大阪都行っても、やる気があればなんとかなりそうなのが日本。高校の卒業証明書持って大都市に出ても、、最低賃金の仕事を、既にネットワークを確立してる移民と奪い合わなきゃならないのがアメリカ。

 土地に縛り付けられ、教育を得る機会もない。アメリカ人口の大部分は実際には、こういった状況にあるのではないでしょうか?シカゴ出身の黒人であるオバマ大統領、というよりミシェル・オバマ大統領婦人は、このような現状を知っていて、健康な食生活を推進しているのかもしれません。その他にも、低・中間所得層の引上げを目的とする国民全員健康保険、幼児教育の促進、最低賃金値上げや、残業手当免除の撤廃を掲げる、オバマ政権に私は共賛同します。この底辺層を引き上げずに景気回復はあり得ないし、アメリカは廃れていく一方でしょう。そして日本は、これを教訓に、麻薬ダメ、絶対!厳しく取り締まると同時に、反麻薬教育を浸透させるべき。そして、国民全体の教育レベル維持に全力をつくすべきだと思います。そして、移民問題にも留意すべきでしょう。出生率が低いから移民をもっと受け入れよう、外国人にも参政権を、というのは、ほんとうに危険だと思います。いやマジでね、私自身は自然がいっぱい~、お家カワイイ~、物価安い~、無駄使いしないで貯金できそ~、なんて、脳内お花畑なんですが、状況は悲惨よ、ここ。