わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

Bark Park

2016-02-27 | 犬と猫、たまに人間の息子
 お隣、インディアナ州のリッチモンドにあるドッグパークに行ってきました。愛犬モカの対わんこ社交性向上プラスあんまりお天気がいいので出掛けなきゃなんないという、妙な義務感。冬が長くて厳しいと、ちょっとお天気が良くなると、このお天気を無駄にしちゃダメだ!!という気になってしまうようです。今年は穏やかな冬で、雪もあまり降らず過ごしやすかったのですが、雨は多かったので、春になったらワイルドフラワーが、例年よりたくさん咲くという予想だそうです。私は花の写真を撮るのが好きなので、春が待ち遠しい!今年は、押し花を作って樹脂細工にしてみたいと、UV樹脂やシリコン型を買い揃えました。押し花のイヤリングを作りたいのv

   
シェパードのジェリーくんは未だ1才、大きな体なのに仔犬っぽい仕草で可愛いv

   
色々な犬が広いパークで楽しんでいます。モカはボールをくわえてご満悦w

また滝を見に

2016-02-21 | 田舎暮らし
 自分が住んでいる近辺の地図を見ていると、○○滝自然保護エリアや△△滝公園という名前がついた保護地が多くあるのに驚きます。この辺り、全くもって大平原、ひたすら平べったい大地が延々と続いている地域ですから、滝が出来るほど高低差あったっけ?って感じなのですが、日本だったら、わざわざ名前もついていなそうな、「滝」が散在しています。オハイオにも、それなりに規模の大きな滝があるそうなのですが(見に行きたい!)、車で2時間以内にあるのは、華厳の滝や那智の滝から見ればホビットのような、小さくて素朴な滝です。

 先週末は氷点下10度以下だったのに、今週末は打って変わって20℃近くまで気温が上がって、まるで夏みたい。天気の良い週末は、犬と散歩に行くものと私的には決まっておるので、何度か近くを通って気になっていたCharleston Falls Preserveに行ってみました。うちから車で1時間弱、37フィート(11m強)のチャールストン滝とその周辺26万坪ほどの小さな公園です。今週は、愛犬と一緒に写真を撮ってもらえるイベントがあり、訪れるのに調度よい機会でした。

      
チャールストン滝、下、横から

    
上からと説明サイン

 遊歩道はよく整備されており、雨降り後でも苦労せずに歩けそうな感じなので、水量の多い時も見てみたいかも。以前は、人にも犬にも、とっても友好的だった愛犬、モカは、最近あまり他の犬と接する機会が無いせいか、散歩の時にすれ違った犬に唸ったり… だから、飼い主としては、他の犬と付合う機会をなるべく多く設けたいのです。今日はシェパードの子犬を含め、何匹かと出会いましたが、たまたま大型犬ばかりでモカがエラソーに出来なかったのが良かった。LAにいた頃は、近くにドッグパークがあったし、ドッグビーチにもよく行ったので社交的だったけど、家で人間と猫ばかり相手にしていると、犬も意固地になっちゃうのかしらね??
    

タトゥーについて

2016-02-18 | 時の話題
 NPR(National Public Radio)で聴いた話:オハイオ州とミシガン州の州境トレドで、その道20年のタトゥー・アーティスト、ブライアン・フィン氏は、自分のショップがお休みの日には、傷跡を隠すためのタトゥーを彫っています。自傷やDV等で傷跡が残ってしまった人達に、無料でサービスを提供しているのです。
「材料費や設備費は少しで済むし、掛かるのは自分の時間だけで、誰かの1日を…もしかしたら人生をよい良く出来るなら、気分良く眠れるってもんだ。」だって。

 20歳のマディーさんは、鬱病に罹り12歳頃から自傷を始めました。鬱病は克服しましたが、幾重にも傷跡の残る自分の左腕を見るたびに、過去を思い出して哀しくなったそうです。でも、Finnさんに、黒い薔薇を彫ってもらい、「心の痛みから、自分を身体的に痛みつけていた過去の名残が、自分が誇ることのできる美しい薔薇に変えてもらえて、今は人生が一巡して元のあるべき所に返ってきたような気持ちです。」このセグメントは、NPRホームページの、ここで聴けます。マディーさんのタトゥー前後の腕の写真も見られます。


 私自身はタトゥーって、言い方は変わっても刺青だし、あんまり良いイメージはないです。古い人間ですから。でも、かつての「絶対キライ!」からは寛容になって、例えばオリンピック選手の五輪マーク等、人生の記念碑を刻んだタトゥーには、そりゃ今までの人生ずっとこのために頑張ってきて、ついに目標を達成した記念だもんね、と、思います。自分自身は、タトゥーがあったら温泉やスーパー銭湯に入れないという理由で入れたくないですけど。でも、この、傷を隠すためのタトゥーには、私も

 視聴者からのコメントの中にも、自分も自傷の傷跡の上にタトゥーを入れて良かった、もっと早くそうするべきだったという声があります。中には皮肉なコメントを残す人や、マディーさんのタトゥーが黒一色で安っぽいなんて人もいます(本人のコメントで、黒の薔薇を入れたかったけどお金が無くて入れられなかったって書いてあるのに)。日本では同じ解決法は使えなそうですが、タトゥーが全く珍しくないアメリカでは、Finnさんの善意は、外野に文句を言われる筋合いは全くないと思う。

 このストーリーの舞台であるトレドは、私の住む町から車で3時間ほど北の都市。この辺り、今までに住んだ度の街よりもタトゥー率が高くて、私の働いている会社でも米人の少なくとも8割はタトゥー入りだと思う。だから、受け容れられやすい土地柄かもしれません。過去を振り切る手助けをするタトゥー、過去何年もの苦しみと、今後何年もその苦しみを思い起こさせる寄す処が1時間半で消え失せる。私のタトゥーに対する偏見が、すこし減りました。

不倫、側室、真田丸

2016-02-15 | 映画・ドラマ・本
 今年の大河は面白いとの周囲の声に感化され、ネットで6話まで鑑賞しました。確かに面白い!オープニングの最後のほうが、映画「300」っぽいと思うの私だけ?今に、ディス・イズ・サナダァ~!って叫びそうです。でも、40過ぎのおっさんたちがティーンエージャーを演じてるのは、無理があると思うの。「黙れ小童!」が出るたびに物凄く違和感あるの。松姉さんとキリちゃんも、本当は年相応なんだけど、年甲斐もなくはしゃぎ過ぎに見えて困るの。ここは子役使った方が良かったんじゃなかったかと…

 その昔、私は「真田太平記」に大ハマリしましたので、幸村役だった草刈正雄さんが、今度はお父さんの昌幸を演じているのは感慨深いです。草刈さんは相変わらず男前ですね~ 「風と雲と虹と」の忍者役や、「新選組始末記」の「こんどぉせんせぇ~!ゲホゲホ(喀血)」には萌えまくりました。日本人離れした彫りの深い面立ちに、影のある雰囲気が素敵で、厨二病心に直撃でした。当時はハーフタレントなんて珍しかったし(他に思いつくのは、キャロライン洋子くらい)。でも、その草刈さん昌幸がたまに、「太平記」のお父さん役だった丹波哲郎氏と重なることがあり… さすがは大霊界、あの世でもブイブイ言わして、ワシにもやらせろ~って、乗り移ってんではないかと思うことも。その昌幸さんにしても、今の設定では未だ30代なんですよね。全く、そうは見えないけどw 本人も言ってたけど、お父さんの選ぶ上司は、ことごとく滅びるという疫病神っぷり。豊臣が負けたのもそのせいか!?織田さんなんて、`都会に本社を置く超大企業で、これで下請けのウチも安泰と思ったら、いきなり不渡り出したようなモン。

良い息子じゃ、で、思い出す、このシーン


 しかし、滝川さんはいい人ですね。織田グループの優秀な重役で、帝国重工の良心、財前部長のようですね。でも財前部長は重役会議乗り込みが得意ですが、逆に滝川さんは重役なのに会議に出ないで失墜なので、ちょっと違うか。北条はやっぱりヤなやつですね。高嶋さんは、嫌味野郎を演じると当代一じゃないかってほどのヤな奴ぶり。お父さんは爽やか路線だったのに。

 ところで大統領選で戦っているヒラリーを見ると、私は北条政子を思い出します。ヒラリーさんは信用出来ないけど、他のメンバーを鑑みると、私的に次期大統領になって欲しいのは、この人一択かなと思っています。

何の話を書いているのか、自分でも混乱してきました。

 で、不倫ですよ、不倫!日本では何やら、明けてからいきなり不倫、といいますか、不倫バレが流行している模様。決して不倫を擁護するわけではありませんが、かつては「浮気は男の甲斐性」なんて言われてた日本が、随分と不倫に厳しい国になったものだと思います。今のところ、信繁を巡ってキリと梅がラブコメしてますが、史実では二人とも側室で、正室はこれから出てくるであろう大谷刑部さんちのツンデレお嬢ですが、ここんとこ、どうなのでしょうか?勿論、現代の不倫と戦国時代の側室を一緒にはできないし、意味も目的も違うとはいえ、根本的にやってることは似たようなものと私は思うのです。それをドラマではどう処理して、どう視聴者に受け止められるのか、興味あります。

 私の大河ドラマ鑑賞パターンは通常、6月から8月頃で一度飽きて、年末の総集編で慌ててあらすじをおさらいして最終回に臨むというのが殆どなのですが、今年はどうなるかな?

デイトンの天使たち

2016-02-13 | Museumsとイベント
 今週末も良いお天気になりました。でも、平日中に雪も降ったので、先週と同じ轍は踏むまじと、ちゃんと舗装された道を歩きに行ったよw 行き先は、全米でも最も古い墓地トップ5に入る、デイトンのウッドランド・セメタリー。墓地に散歩?と思われるかもしれませんが、庭園墓地はアメリカでは普通にジョギングや散歩、お墓マニアなんかもいて、日本とは受け止め方が少し違う感じです。日本だと、墓場のお隣に住みたいのは鬼太郎さんくらいかもしれないけど、アメリカでは、裏や隣に家が建つことはないから、むしろ好まれるとか??日本でも有名な武将の墓所など観光地になっている所もありますが、ここには、ライト兄弟をはじめとする、デイトンの重要人物が葬られており、また多くのユニークなモニュメントでも有名です。だから今日のカテゴリーは「Museum」としました。

    

 園内には南北戦争戦死者の墓所等、古いお墓もありますが、なにしろ現役(?)なので、「ここの地区空いてます、興味のある方は事務所まで」の看板も。まだ亡くなった日が入ってないお墓も多くあり、「終活」してる人も多いのね、と、妙に感心。私自身は、焼いて灰は太平洋に流してくれるよう頼んであります。生きてる間に同じ場所に定住せずコロコロ転がってるのに、死んでから同じ場所に居着くのもなにか違う気がして。

 園内の見晴らし台はデイトンで最も標高が高い位置にあり、北側にダウンタウンが見渡せます。右はそこで撮った写真。骨壺のための壁龕も設えられ、埋められて踏まれるのが嫌な故人、景色を楽しみたい故人の需要にも応えます。墓地内には適度にアップダウンがあり、色々なモニュメントを眺めながら歩いていると飽きません。ここは植物園を兼ねており、様々な種類の気が植えられているので、紅葉も美しいそうです。秋にはまた、カメラを持って散歩に来たい。

            

 ここで最も有名なモニュメントが、上の写真の左、少年と犬の像です。5歳で冬の川に落ちて亡くなったジョニー・ムーアハウスと、眠る少年を護る犬。不自然な黄色い首輪は、この像が破壊行為にあい、頭を何者かに持ち去られてしまったから。アホなことをする奴がいるものです。墓場なので、幽霊話は付き物ですが、そのうちの一つは夕暮れの中で楽しそうに遊んでいる古風な服装の子供を見た、犬の吠え声を聞いたというものだそう。怖い話というより、幼くして亡くなった19世紀の少年と彼の忠実な犬が、100年以上を経ても、この地で仲良く駆けまわっていて欲しい…という人々の願いの表れという気がします。

    
等身大の石像が立ってる自分大好きな人のお墓も。右はライト家の墓所

    
ウィルバーとオーヴィルのライト兄弟のお墓


天使たち


天空の蜂

2016-02-06 | 映画・ドラマ・本


 原作本を借りて読んだのですが、とても面白かったし、迫力のあるシーンも多いので、是非とも映画が見たいと思っていました。本を読んだ後だから謎解きの楽しみはありませんでしたが、ネタも結果も判っていてもハラハラするシーンあり、テンポよく話が進んで中だるみもなく、ストーリーを知っていても十分に楽しめる娯楽作品でした。東野圭吾氏の本を全部読んだわけではありませんが、今までに読んだ本は、ちょっとオカルトチックだったり、「それじゃないだろwww」な、とんでもサイエンスだったりと、超常現象ものが多かったので、原作は、こんな骨太な作品も書くんだ、と、少し意外でした、でも、東野作品で一番好きなのは、まさに超常現象がベースの「ナミヤ雑貨店の奇跡」。いいお話だよねぇ…

 この映画の感想や批評をネットで見ていると、原発の危険や政府の無責任とかって社会的告発の映画として弱いって意見も多いようですが、私は、それは単なる設定の味付けとして、完全にエンターテイメントとして楽しみました。軍用機なのに見張りもなく子供が機内に忍び込めるザル警備、バックアップもなく犯人のアパートに踏込むアホな自衛隊、おもちゃみたいなちゃちいリモコンで制御される巨大軍用ヘリ、日本中の危機とか言いつつ、政府の偉い人は一人しか出てこない… 言い出したらキリが無い。三島をこの事件に走らせた息子の自殺も、重要な要素なのに甘すぎ。下にマットくらい敷け。あれだけ落書きされてるのに「いじめはなかった」と言い張る学校はもうギャグの域。手っ取り早く説明したかったんだろうけど、それをやったら焦点がずれるから軽く流したのかな、と、思いました。そんなとこも、娯楽に徹した作品と思った理由。

 でもねー、若い刑事さんが殉職して、彼にも小さな息子がいたってのは、いたたまれない。主人公の息子は無事に救出されてめでたしめでたしの一方で、脇役の息子はこれからどうなるんだろうって…

 ともあれ、細かい事は気にせず、ハイジャックされたヘリに取り残された設計者、湯島の息子の高彦くん救出の無茶っぷりにハラハラ・ドキドキし、高彦くんが落ちた時にはキャッ!と声を上げ、無事、地上に降り立ってよかった、良かったと胸をなでおろし、クライマックスのヘリを海に落とすシーンにも手に汗握り… いやー、楽しみました。

 先日、「日本の一番長い日」を見たばかりなのですが、温和な昭和天皇を演じていた本木雅弘さんが、終始、厳しい表情で三島を演じ、まるで別人。役者さんって凄いなぁ。存在感のある俳優さんになられたと思います。スシ食いねェ!って歌い踊ってた兄ちゃんという私の中のイメージは、流石にそろそろ払拭させなきゃ。大抵の映画で、出るだけでお腹一杯なる竹中直人氏も、今回は抑えた演技でよかった。高彦くんのお母さん(湯島の奥さん)は初っ端からヒスりすぎだし、事件の鍵を握ると紹介される赤嶺さんはひたすら暗く、美しい女刑事さんは添え物っぽいと、男性陣が目立つ映画ですが、おっさん達がそれぞれ渋くて良いねぇ。

 肝心のヘリコプター、ビッグBが、何度も台詞で「でかい!」と言われていても、巨大さがイマイチ伝わってこないのと、フォルムがかっこ良くないのは私的にはややガッカリ。こういうトコ、ハリウッドだったらCG使いまくって、「おお、すげー!」なマシンだったかも。思い出したのは、トニー・スコット監督の遺作(惜しい人を亡くしました)、デンゼル・ワシントン主演の2010年映画「アンストッパブル」です。まるでジョーズのサメのように、怖い音楽とともに迫る貨物列車の脅威を、ニュース中継を観るような臨場感で魅せたスリルのある映画です。ぼてっとしたビッグBくんには、暴走列車777号のような存在感がない。不敵にニヤニヤしながら原発上空でホバリングするビッグBくんにも、もっと見せ場が欲しかった。

 あと、原作が20年前に書かれた作品ということで、大人になった高彦くんが救助ヘリの操縦手となって東北大震災の被害者救援に携わっている姿が付け加えられてるのですが、これは蛇足だと思ったな。どうしても、今どきの原発問題に結びつけたかったのかもしれないけど、これで、原発告発作品と誤解しちゃった(?)観客もおられそうです。三島が、事件後20年近く生きていたって情報も蛇足。むしろ、赤嶺さんのお腹にいた三島の子供がどう成長したかのほうが興味あるわ。震災直前まで服していた三島が、その年月を生きてきたのは、子供が救済の存在になったから…で、あればいいな…

オデッセイ 火星でロビンソン・クルーソーをやってみた

2016-02-05 | 映画・ドラマ・本
マット・デイモン惑星に1人だけ置いてけぼり (1年ぶり2回目)

個人的には、後半とんでも展開になっちゃったインターステラーより面白かった。原作は2011年発行の「火星の人」。アメリカのタイトルもそのまま「The Martian」です。邦題は「オデッセイ」なのに、主人公、マーク・ワトニーの家族は全く出てきません。ルイス隊長のご主人や、マルティネス少佐の一家、子沢山なドイツ人宇宙飛行士のアレックス・フォーゲル一家や、同じミッションのベスとベック医師は恋人同士なのに、ワトニーには、家に帰ってから壮大な言い訳をシなければならない奥様はいないようです。

 お話が始まるまでに、延々と主人公の地球で夫を心配する妻とか、出発前の涙の別れとかのしがらみや、お話最中の家族との遠距離通話で落涙ってシ-ンを見ずに済んだのは良かった。最初からいきなり火星で、ちゃっちゃと砂嵐、アンテナにぶち当たってふっとばされるワトニー、ぎりぎりまで探索を続けるも退避するアレス3のメンバー、そして気付いたら「俺、火星に一人じゃん!しかも怪我してるし!」なマークー、 で、本題に入ります。リドリー・スコット監督作品の、こういうドライさは好き。でも、彼特有のケレン味は今回抑え気味だったような。



 そんな極限状態における、マークのバイタリティーとメンタルの強さに驚きます。刺さったアンテナを自分で抜いてホッチキスで傷を留めるという火星でブラックジャックした直後には、冷静に次の火星ミッション、アレス4号が来るまでの時間と食物残量を計算し、食料確保の方法を考え、実行する。そして、常にユーモアを忘れない明るさ。流石は、過酷な選択過程を経たエリート、更にとても厳しい訓練をくぐり抜けてきた宇宙飛行士です。正直、時に、ここまで脳天気でいいのか?って思ったシーンも有りましたが、笑い飛ばしでもしなければやってられないのでしょう。

 丁度うまい具合に、マークはメカニック+植物学者なので、水、空気、電気も確保の上、じゃがいも栽培にも成功。いもは偉大だな。他にも人参とか豆はなかったのかな?完全有機栽培って自慢してたけ度、火星の土は放射能とか大丈夫なんでしょうか?そこんとこ、ちょっと謎。排泄物を火星の土にまぜて畑を作るシーンでは、鼻の穴に詰め物をして挑みます。乾燥した排泄物も、そんなに臭いとは…

 ジャガイモ栽培だけではなく、マーズ・パスファインダーを見つけて地球との交信を成功させたり、実に有能、実にタフ!一方、マークが生存してることを知ったNASAも救出作戦を展開。今年はアカデミー賞ノミネートされた俳優20人全員が白人だったからと非難を浴びていますが、多くの賞にノミネートされているこの作品では、ミッションを率いるのは黒人、大切なヒントを思いつくのは黒人の学生と、実は気を使ってる感じ。この火星ミッションのパイロット、ルイス・、マルティネスはラティーノのマイケル・ペニャ。私、ペニャ好きなんです。どんな映画でも、ペニャが出るとホッとする。変に役幅の拡大とかって悪人の役はしないでほしいなぁ。

 一度は追加食品等を載せたロケット打ち上げに失敗するも、中国の助けを得て、他の5人のクルーが乗るハーミス(ヘルメス)号に追加食料等を届けることに成功、一行は火星に戻ります。70年代のディスコ音楽が好きなルイス隊長(ジェシカ・チャスティン、知的で意思の強い女性の役がぴったり)癒しのパイロット、マルティネス、いいムードの若い二人と、影薄い(ごめん)アレックスと皆、任務を確実に遂行する気力と能力を有するいい人。変に話を盛り上げるための悪人がいないのも、この映画の魅力だと思います。

 NASAが失敗したミッションを、チャイナマネーと中国の宇宙局が救うというのは、中国市場のヒットを狙ってかと思いましたが、ウィキ先生によると原作が発表されたのが2011年。この時には有人飛行や月面軟着陸を成功させており、米、旧ソ連に続く宇宙先鋒国と見なされての選択でしょう。ハリウッド映画の最新技術国といえば日本がデフォだったのに、なんか悔しい。

 中国のロケットは無事にヘルメス号に届き、火星へ。そのころマークは、アレス4号の為に送られていたマーヴ目指して、改造したローバーで火星をひた走る宇宙最速の男。どっちへ行っても宇宙!どこへ行っても前人未到!作中、色んな事件は起こるのに、何故か淡々と物事が進んでいるような映画の中で、遂にスリリングな無茶振りランデブーを経て(ここんとこアニメみたいだった。アムロ~、こっち~)、今回はちゃんと地球に帰還できたマット・デイモンでした。

 その後で、火星探索候補生の教官になったマークと、他の面々が映しだされます。アレス4号のリフトオフを見守る美男美女のルイス隊長夫妻と子沢山アレックス一家、赤ちゃんが生まれたばかりのアレス3カップル、そして無事ねす。アズ・ユージュアルなNASAの人達。フライトディレクターのミッチだけは、子どもとゴルフしてたけど、私が気付かなかっただけで、なにかクビになるような事やらかしてたのでしょうか?ショーン・ビーンだけに「実は裏切り者で途中で殺される(クビになる)」役だったの?

 正直、ここんとこは蛇足だと思ったな。エンディングでスナップショット的に見せれば十分だったような。「グラビティー」で最後にタイトルが出て、おおー!みたいに、エルメス号に無事乗り込んだマークとクルーが喜んでて、地上でも皆がホッとした表情で終わった方が、余韻もあって感動したような気がする。最後のマークの授業んとこで、私は冷めちゃったですよ。何事も引き際が肝心…

 ところで、こういう役って、一昔前だったら、絶対トム・ハンクスがやってたと思わない?なんだか後半は色々すっ飛ばしてる感じだったので、原作本も読んでみたいです。