わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

私vs.漆

2014-07-27 | 田舎暮らし
 玄関先にポイズンアイビーが生えていた。

 そう、こんな風に…、なワケはなく、玄関ポーチの足元で密かに増殖していたのだ。私は全く気が付かなくて、金曜日に同じ会社の方がディナーに行く前に迎えに来てくださった時に、「これ、ポイズンアイビーだから気をつけて」と教えてくださったのだ。ひょえ~!!

 実は、薔薇の木に絡みついたり、ポーチ上にも進出してきたので、処分しなくっちゃと思っていたのだ。知らずに素手で引っこ抜くところだった。ちなみに、ポイズンアイビーとは:
北アメリカの東部から中部に広く分布しています。明るい森林や灌木帯、荒れ地などに生え、他の樹木などに気根をだして這い登り、高さは15メートルほどになります。葉は3出複葉で、小葉は卵形から楕円形ですが、大きな変異があります。葉の縁は成木ではほとんど全縁、幼木では粗い鋸歯があります。5月から6月ごろ、葉腋から総状花序をだし、小さな黄緑色の花を咲かせます。わが国で見られる「つたうるし」と似ていますが、毒性が非常に強く、消防士が山火事の際この煙でかぶれるといいます。
●ウルシ科ウルシ属の落葉蔓性木本で、学名は Rhus radicans(syn.Toxicodendron radicans)。英名は Poison ivy, Eastern poison ivy。
植物図鑑 Weblio辞書


 日本でも、漆は毒性が強く、触れるとかぶれることは知られていますが、普通に日常生活を送っていて漆にかぶれるというのは、むしろ珍しい経験だと思う。ところが北米では、非常に毒性の強いポイズンアイビーが、"Leaves of three, let it be.”と、語呂合わせで教わるほどに、そこら辺に普通に生えているから質が悪い。その通りで、葉が三枚一組になっているのが特徴で、葉は瑞々しく、秋には美しく紅葉する。上のポイズンアイビー姉さん同様、誘惑してくるのだ。なんと恐ろしい…

 この蔦科の植物から出るウルシオールというオイルは実に凶暴で、実際に触っただけではなく、オイルの付いた手で触ったドアノブを後から触った人や、付着した犬の毛皮を触った人も被れるだけではなく、山火事時に消火に当たる消防員が煙を吸い込んで呼吸困難を起こしてしまうほどなので、燃やすのは厳禁。因みに、わにおの弟は20年ほど前に、自分の家の裏庭にびっしり蔓延ったポイズンアイビーに石油をぶっ掛けて火を付けたところ、エライ目に合いました。たとえポイズンアイビーでなくとも、やることが大胆すぎると思います。しかし、
こんなモンが普通に庭先に生えてるなんて、
どれだけ危険なんだ、アメリカ?!?



 この、私の家の軒先に堂々と生えている、アメリカの一般ご家庭に潜む脅威を撲滅すべく、朝から完全装備で挑むわたくし。この暑いのに、長袖、ジーンズ、靴下、手ぬぐいで顔と首を覆い、眼鏡の上から安全メガネ。なんだって安全メガネなんかがあるかというと、工場で着用が義務付けられているので、いつも会社で着ている制服のジャケットのポケットに常備しており、お洗濯のために持って帰っていたジャケットに安全メガネも一緒に家にきていたのだ。分厚いガーデニング用の手袋をつけて、コノヤロ!コノヤロ!と、引っこ抜き、ビニール袋に入れてゴミ箱へ。ザマミロ!

 その後は素早くシャワーを浴び、着ていたものは全て洗濯機へ。これにて一件落着、なら良いのですが、また何処から生えてくるかわからない。ポイズンアイビーにかぶれた際の症状は、直後ではなく、1~2日後から現れるそうなので、明日、明後日は戦々恐々…

とんでも映画!マチェーテ・キルズ

2014-07-26 | 映画・ドラマ・本
 いやはや、今週は忙しかった!まだ、今週末中に仕上げねばならない翻訳文献も残っていますが、内容はすでに訳し終えたので、後はフォーマットを整えたり、添付資料から画像化されたテーブルやグラフを移動させたりといった作業だけ。図書館で借りてきた映画のDVD観ながら、やっつけちゃう予定。小規模で、蔵書数はトホホな地元図書館ですが、映画に関しては、どっこい頼れる存在でして、新作が取り揃えられている上に、借りる人も少ないのか、発売されたばかりの新作DVDも直ぐに借りられるのです。娯楽が少ないのでむしろ、NetFlixなどのサービスが普及していそうですから、図書館行って映画借りようなんて人が少ないのか、隣町の映画館がいつもガラガラなように、そもそも映画に興味のある人が少ないのか???その辺りは解りませんが、映画大好き!でも、お金は余り払いたくない、なんて私には、とっても有り難い。しかも、一体誰の趣味なのか、妙に趣味に走った作品も平然と並んでいます。そこで、今日、観たのは


 B級なんてものじゃありません。C、いや、D級映画です。実に下らないです。今どき、中学校の映画クラブでも、ここまでメチャクチャなお話は作りません。それを何億ドルも掛けて製作し、配給しちゃうアメリカ映画界は流石です。吹っ飛ぶ手足、吹っ飛ぶ首、吹っ飛ぶ車、吹っ飛ぶボート、吹っ飛ぶビル。何でも吹っ飛びます。そして、機関銃ブラにパンツのサディスティック娼婦軍団… 本当に無茶苦茶です。タラちゃん(クエンティン・タランティーノ監督を、私は彼の作品への愛情を込めて、そう呼んでおります)の舎弟、テキサスが産んだ多才なオタク、ロバート・ロドリゲスは、今作でも、監督、原案、脚本、撮影、編集、音楽等を兼任しています。
 
 でも実は、ロドリゲスさん(←監督だけでもないし、何と呼べばよいのかわからない)は女性をセクシーに美しく撮る点では、ハリウッドでも五本の指に入るのではなかと思います。ミシェル・ロドリゲス姐さんも、ワイルドスピード・シリーズやアバターの時より、マシマシで美しくセクシー。出てくる女優さん達が皆セクシーで魅力的なのは、そういう役柄だから、服装が挑発的だから、だけではなく、撮り方が良いのだと思います。「ルパンIII世」シリーズの、峰不二子ちゃんがワラワラ出てくるような迫力です。

 そして、マチェーテ。強いです。ミサイル付きバイクに乗ったチャック・ノリスといい勝負です。レイディー・ガガは、今作が映画初出演だそうです。さすがはガガ様、渋い選択です。レイディー・ガガとキューバ・グッテン Jr.、アントニオ・バンデラスが同一人物を演じています。破天荒もいいところです。LAの二大嫌われ者達、メル・ギブソンとカルロス・エステベス(=チャーリー・シーン)が、とても楽しそうに、悪の親玉とガン・クレージーな大統領を演じています。この大統領、きっと意識して撮っているのでしょうが、時折、レーガン大統領に容貌が似ていて、この皮肉にも笑わずに入られません。

 演じている皆さんも、とても楽しそうですが、見ている側も楽しいです。何度大笑いしたことか。たとえ一瞬足りとも、理屈に合わせて考えこんだら負け。「んなアホな!」を笑い飛ばせて、多少のグロも大丈夫なら、楽しく無駄な2時間を過ごせると思います。いかにも作り物とはいえ、首とはちょん切るためにある、みたいな映画ですから、血糊ドバー!が苦手なら、お勧めは出来ません。頭を空っぽにして観られる映画、というのはよく聞きますが、これは、観たら頭が空っぽになってしまう映画でしたw

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謎の陶器人形

2014-07-24 | 時の話題
 国土が広く位置によって気候も文化も違う上に、州によって法律も差があるアメリカでは、日本のような全国新聞は、あっさりした「USA Today」紙と、経済・金融に重点を置いた「Wall Street Jounal」紙しかありません。全米ニュースも国際ニュースも、地元新聞から情報を得ることになりますが、大都市に住んでいなければ、最寄りの地方都市が発行する新聞を愛読します。私も、自分がアメリカ本土内を移動するに連れ、New York Times、Washington Post、Austin Stateman、Denver Post、LA Times、と、愛読新聞を乗り換えてきました。今住んでいる小さな田舎町の地元紙は、週に一回発行されるホンの数ページの、コミュニティー・ペーパーに毛の生えた(しかも波平さん程度の)ようなもの。

 一番近い地方都市は、リッチモンドですが、ここはお隣のインディアナ州なので、州法や規制に関連する情報が得られない。同じオハイオ州内の、Daiton Daily紙も、ローカル色が強すぎる。ところがシンシナティまで行くと遠すぎて今度はローカル情報が役に立たない…で、結局、未だに毎日、LA Timesのサイトを読んでいます。習慣的なものもあるのでしょうが、LAならではの変なニュースが面白くて癖になっている所為もあります。今週もまた、そんなツボにハマるニュースが。その本文は、LA Timesのサイト、こちらから読めますが、事の起こりは、オレンジ郡の高級住宅で、少女の住む家の前に陶器人形が置かれていたいう、数日前の報道。

 しかも、その人形は、その家に住む少女に似ているという不気味さで、一体どのようなメッセージが秘められているのか… 警察は警戒を深めていました。まるでおとぎ話のように、ある日、突然にドアの前に現れた自分に似たお人形は、犯罪の参考品として警察が没収。自分が、その女の子だっったら、自分に似たお人形がある一ツ瀬習われて嬉しい!と、思っていたら、犯罪に関わっているかもと取り上げられて悲しくなったろうな…

 その顛末が今日のニュースになっていたのですが、お人形を置いていったのは、近所に住む女性で、同じ教会に通う家族の女の子たちに、自分の娘達が遊ばなくなった人形をプレゼントしていたんだって。そして確かに、その家の女の子を意識して、似ている人形を選んだのだとか。それが、こんな騒ぎになってしまって、ご本人は大いに狼狽しており、警察も事情を聞くだけに終わったそうです。確かに、こんなことになってしまっては、狼狽してしまうでしょうね。しかも、ニュースでは「不気味な人形」なんて報道されるし。

 記事からは、何のメッセージやメモもなく、ただ人形を置いたのが悪い、という感じがしましたが、もしかしたら魔法のプレゼントを置いていく妖精のおばあさんか、ある日突然、人形の方からやってきた、みたいなファンタジーを演出しようと、メッセージを付けずに人形を配ったのかも…と、私は想像してしまいます。ともあれ、事情は判明したんだから、お人形は無事、元々プレゼントされるはずだった女の子に贈られればいいな、と、思います。本当に世知辛い世の中だねぇ…

グランド・ブダペスト・ホテル

2014-07-19 | 映画・ドラマ・本
 週末は映画!今日も、図書館で借りてきたDVDで映画鑑賞です。ぜひ見たいと公開を楽しみにしていたのに、実際にオープンした時期がちょうど引越しなんかと重なって見過ごしてしまったウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル(原題:The Grand Budapest Hotel)」を鑑賞。面白かったです。「映画」を観た!と、思える映画でした。真面目なのかふざけているのか、メッセージがあるのか娯楽に徹しているのか、製作者に振り回されてしまうような作品でしたが、私はこういう、虚空世界故のハチャメチャな映画が好き。画面がピンクがかっていたり、平面的になったり、ストップモーション・アニメみたいになったり、遂には画面の縦横比まで変わっちゃたりと、変態的に凝り性な(←褒めている)ウェス・アンダーソン監督のこだわりが炸裂した映画でした。勿論、彼のトレードマークである、左右対称な画面も健在。そして、ペットが酷い目に合うエピソードもしっかり入っています。今回は犬ではなく、猫ですが… まぁ、この病みっぷりも、アンダーソン監督映画の面白さではあると思うのですが、毎回、これって本当に必要なの?とは思う。


    
しかし、猫のエリーも気に入った模様


 可愛い小物がたくさん出てくるし、重要な役目を果たすお菓子はひたすら美味しそうだし、あの人がこんなところに?って楽しみはあるし、物凄く稚拙なイレズミだらけの監獄脱出組ボス(ハーベイ・カーテルですよ!)の描いた絵が凄いとか、本人のインタビュー等を見るとオカマさん炸裂のウィレム・デフォーの暗殺者が怖い、でもなんか笑えるとか、ティルダ・スワンソン姐さんの老貴族婦人っぷりが、よくぞ、ここまで… 女優さんって凄い、とか(彼女は本当にイギリス貴族だそうですが)、もう、一々ツボにハマる。観終わった後に、「映画って本当にいいものですね」とつぶやいて日曜洋画劇場のエンディングテーマが脳内にゆったり流れていくような作品でした。

 この映画、最後に欧州文化の行く末に悲嘆して自殺したユダヤ人小説家、シュテファン・ツヴァイクに捧ぐ、というメッセージが出ます。ツヴァイクに、というより、古き好きヨーロッパの文化に、と、私は勝手に解釈したのですが。ツヴァイクの伝記歴史小説、「マリー・アントワネット」と「メアリー・スチュアート」は、まだ少女漫画がふりるとレースに溢れ、主人公の瞳には星が輝いていた私世代には、絵のない少女漫画のような絢爛さでハートにどんぴしゃだったのだなぁ。なんたって、時代に翻弄された王妃、女王の悲劇ですもの。特に、「マリー・アントワネット」は、「ベルサイユのばら」をインスパイアした作品だけに、私の世代のオタク女性には必読の一冊だった。ちなみに、「ミシェル・フーコー」は読んだことありません。本人もまた、消滅してしまった祖国と、失われいく文化に幻滅して自殺、と、悲劇ではあるのですが、今になって、この文章書くためにツヴァイクのとこをウィキ先生で読み返したら、すっごい恵まれた特権人生送ってて、まぁ永遠の厨二病ってのだったんかいな、と。


ところで、早いもので、エリーが我が家に来て5週間が経過しました。どんどん大きくなって、今では雌と間違えよう無きオイナリさんも。顔立ちも心なしか精悍に、凛々しくなってきたような気がするのは、単なる親の欲目かしら?モカとは、結構激しくプロレスをするようになり、見ている私はハラハラなのですが、本犬猫達は楽しそう。しかし、夜中に私の上で取っ組み合いはやめて…orz

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今週のエリーさん(5週目)

2014-07-18 | 犬と猫、たまに人間の息子
 普段は3人いる会社の通訳・翻訳者が、二人が夏休みをとって今週と来週は私一人だけ。そこへ、色々なイベントが重なって、私的に阿鼻叫喚。日頃は長閑に美味しいものを食べながら(謎)、和やかにPCに向かっているお気楽社員の私がパタパタしていますが、そんな中でも私的に一番の阿鼻叫喚は、連日の残業でも、朝から晩までぶっ通しの会議でも、溢れかえる積み重なった書類でもなく、仔猫のエリーさん。まず、まだ平和だった月曜日、退社後にエリーを検診と予防接種のため獣医さんに連れて行きました。そこで判明した衝撃の事実:
   エリーは雄だった
 クロとミケや、過去の経験から、どうも女の子同士はやきもちを焼く。すでに雌犬のモカが居るので雄猫が欲しかったのに、同僚のエリオットさんの家で野良猫が産んだ仔猫が4匹とも全部雌のようだというので(その時の状況は先月の記事、子猫が来た!参照)、最初に抱っこさせてもらった子を連れてきたのですが、実はもともと私が欲しかった男の子だったという顛末。獣医さんが奥から真面目な顔をして診察室に入ってきて、「実はお宅のエリーだけど…」と、切り出した時には、何処か悪いのかとドキドキしましたが、あっさり「雄だわ」と言われた時には、「はぁ?!?」と、思い切りマヌケな声が出てしまいましたよ。

 そして昨夜、草木も眠る丑三つ時、常日頃、私の足やモカを相手に狩りの訓練に余念ないエリーが、遂にその成果を発揮!平和に爆睡していたら、犬が興奮して「母さん、起きて、起きて!」とキュンキュン、ヒンヒン大騒ぎするので、何事かと思って灯りをつけたら、小さなネズミ  の死体を前に超ドヤ顔のエリーが!まだチビ猫なのに、中々に将来が楽しみなハンターぶりです。今ではすっかり、エリオット家の飼い猫と化したエリーの母猫は、毎朝のように玄関先にもぐらやネズミ等、「プレゼント」を並べてぴてくれるのだそうで、楽しみなような、実に不安なような複雑な心境。深夜にいきなり、ネズミの死骸を寝室に運んでくるのは勘弁して~!
    
エリーがネズミを咥えて来たんです。私も驚いて家中駆け周ったり、人間に飛びかかってしまいました(モカさん談)


 記念すべきエリーの狩りの成果、第一号、写真に撮っておくべきかとも思いましたが、流石にグロくて無理でした。恐る恐るビニール袋に入れて放棄しましたが、今朝、その話を同僚のエリオットさんにしたら、「今にすぐ、”Good job, boy!なんて言いながらポイ捨て出来るようになるわよw」と、エリオットさんに笑われました。オバタリアンはこうして、益々鍛えられていくのね…

Trouble with the Curves - 「人生の特等席」は全然、特等じゃなかったしカーブでもなかった

2014-07-13 | 映画・ドラマ・本
 普段の私の一週間のハイライト、それは隣町のスーパー・ウォルマートへの買い出し!いくら何もないド田舎暮らしだからって、単身赴任の独り身だからって、華やかな社交と無縁の疲れた中年だからって、借家なんでガーデニングやインテリアに凝る気もなくたって、過去に年分の税金を未だに月賦で払ってるビンボーだからって(以下、永遠に続く)、これは哀しいわー。情けないわー。

 オハイオ州にも、シンシナティやコロンバスといった立派な都会はあるし、少し足を伸ばせば十分に日帰りで行ける場所にあるのですが、お出掛けすればお金も掛かる。お弁当持参で無料の美術館に行くにもガソリン代が掛かる。息子たちが来ていた間は散財したので、少なくとも今月中は締めなくちゃ。だから、今週はスーパーウォルマートにも行かず、図書館で借りてきた映画を見る週末。昨日、地元のしょぼいファーマーズマーケットには行ったけど。10店ほどしかテントも出てない小規模なマーケットの中で異彩を放つのは、LAのマーケットでは一度も見たことのない、生きた鶏を売るテント(右の写真ね)。春先にはひよこも売ってたし、庭で飼って卵産ませるのかなぁと思っていたのですが、今日、雌鳥を買って箱に入れてもらっている人の会話を聞いてると、明日食べるんだって!いやー、さすがに街じゃ聞けない話が聞けるわ…

ともあれ…

 意識したわけじゃないけど、タフじじぃ尽くしの週末になりました。シュワースタ・コンビの「大脱走」、「アイ・フランケンシュタイン」では私的に人外・悪の親方の二大巨頭の1人(もう一人はクリストファー・リー)、ビル・ナイ、そして真打ち登場(?)、クリント・イーストウッド御大、84歳。「人生の特等席」という昭和のメロドラマみたいな邦題に嫌な予感はしたんだけど、好きなエイミー・アダムスにジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマンが出てるし、監督としてはいつもズシンと来る作品を世に問うクリント御大の愛弟子、ロバート・ロレンツの初監督作だし、なによりタダだし。しかし、原題の「Trouble with the Curves」とは裏腹、まっすぐ、直球、ストレートでした。しかも、へなちょこ球だ。参った、参った。

 クリント御大は、メジャーリーグの伝説のスカウト。伝説過ぎて、もう、とっくの昔に引退してもいいと思う。娘は有能な弁護士。いくら有能でも、大事な訴訟の最中に職場を離れ、片手間に対応してる弁護士なんか私は雇いたくないし、そんな弁護士をパートナーにしようなんて弁護士事務所にお金払いたくない。悪者は、今時珍しいほどにいやな奴。今どき、ディズニー映画だって悪役が最初は良い人ぶってたりするのに(「アナと雪の女王」のハンス王子とかさ)、極端すぎてしらける。御大、もう監督だけしてて下さい。最新監督作の「ジャージーボーイ」は評判いいので、図書館で借りられるようになったら見ます。人生の特等席どころか、テレビ前の三等席だったよ…

    

アイ、フランジェンシュタイン、大脱出

2014-07-12 | 映画・ドラマ・本
 息子たちを月曜朝に送り返し、一週間ぶりの会社で、休暇後にはその疲れから回復するための休日が必要~、などとふざけたことを言いつつ、長い一週間が終わりました。息子たちがいる間にやっと!DVD再生機を繋いでもらったので、早速、図書館に行ってDVDを借り込んできました。今夜、観たのは「大脱出(Escape Plan)」と、「アイ、フランケンシュタイン(I, Frankenstein)」の二作。どちらも、アメリカじゃコケちゃった作品(TT)

「大脱出」はもう、シュワちゃんとスタさんの二大巨頭が共演してるというだけで、私的にはMUSTな映画です。なにしろ、「コナン」、「ロッキー」からずーっと、主演映画が公開されれば、いそいそと劇場に足を運び、○曜ロードショーや洋画劇場で「コマンドー」や「ターミネーター」「ランボー」等々何度も放映されるたびに、しつこく何度も観た世代ですもの。TVのCMでもお馴染みだったし、たとえ映画好きじゃなくとも、アラフィフ世代にとっては、シュワルツネッガー、スタローンは、時代のアイコン。シュワちゃんの去年の映画、「ラスト・スタンド」もコケたけど、実際にはとても良く出来た映画だったし、この「大脱出」も隠れた名作かも?と、期待しました。

「大脱出」って邦題は、「大脱走」を意識したのかな?正直なところ、原題の「Escape Plan:脱出計画」の方が合ってると思う。途中、テンポが悪いところもあったけど、シュワちゃんがドイツ語で喚いたり、あざとく満面スマイルしてるだけで、観る価値あり。そして、機関銃を構えた途端に、おなじみの不敵な「コマンドー」顔になるところなんて、思わず身震いしたね!シュワちゃんもスタさんも大根役者で知られているけど、スクリーン内でのOne and onlyなカリスマ、存在感は誰もが認めざるをえないと思う。それだけに、「ラスト・スタンド」や、「リベンジ・マッチ」がコケたのは、この二人の名前じゃ、もう観客は呼べないのかなと寂しい気もします。

 日本では、予告でとんでもないネタばれをやらかしちゃったそうだけど(後からネットで検索して知った)、私は、この監獄の秘密を全く知らずに見たので、「おおーっ!」と、驚きました。あれをバラしちゃ、駄目だよねぇ… イスラム教徒のおじさんが、かっこ良く二十拳銃で仲間を逃すために犠牲となるなんて、中東市場を狙ってかもしれないけど、このご時世に敢えて、モスリムをヒーローに据えるという心意気に好感が持てます。元イエス・キリストのジェイムズ・カヴィーゼルの、実にいやらしい監獄の所長っぷりも良かったわw

 でも同時に、次世代以降のハリウッド・アクターに、この二人の系統を継ぐような大スターが思いつかないのは、ドンパチ映画が大好きな私としては少し心配なのです。シュワちゃんの後継者は、エキゾチックな出自、カリスマ、強面なのにコメディーもこなせる器用さで、ロック様ことドウェイン・ジョンソンに期待できそう?と、密かにロック様ファンの私は思っているのですが、スタさんの後を継ぐ大物は思い浮かばない。スタさんは、肉体はスターであるばかりではなく、ファンサービスに徹した監督作や製作映画からも明らかな知性派。サンドラ・ブロック、レスリー・スナイダー、アントニオ・バンデラス等、名前の売れ始めた頃にスタさん映画に抜擢されることによってスターダムに登った人も多く、エクスペンダブル・シリーズでは往年のアクション・スターを一同に集め、ラングレンやヴァン・ダムのように、過去の人から人気を得た俳優さんもいる。こんな人は本当に他にいないなぁ…


 面白かった、でも何か食い足りないなぁ、と、いうわけで、続けて「アイ・フランケンシュタイン」を観る。予告はすご~く面白そうだったのに、公開されてみたら、超酷評+「予想と全く違った!」という文句が溢れて、公開前の大広告とは裏腹、密やかに消えていった作品です。私も予告を見て楽しみにしていたものの、評論や口コミのあまりの酷さに見に行かなかったのですが、期待度が底辺だっただけに、意外と面白かったですよ。ま、図書館で無料で借りてきたからそう言えるのであって、お金払ってたら怒ってたかもしれないけど。

 フランケンシュタインの映画なので、ゴシック・コスチューム・ドラマを期待していたら、現代が舞台で、まずここで拍子抜け。フランケンシュタイン博士に造られた人造人間、名前はまだないは、博士の奥さんを殺して恨みを買い、北の方に逃げるんだけど、生身の人間である博士は寒さに耐え切れずあっさり死亡。何がしたかったんだ、博士?博士を埋めていると、いきなりデーモン族というのが来て襲いかかるが、ガーゴイル族に助けられ、聖堂に匿われる。そこで、ガーゴイル族は聖なるものとして、ずっと人間をデーモンから護って戦い続けたことを知ります。さっさとコロコロしちまおうぜ、というガーゴイル族の将軍はいいますが、中年おばさんの女王様は、彼を「アダム」と名付け、デーモン族が欲しがっているフランケンシュタイン博士のノートを封印するよう言い渡します。いや、別にガーゴイル族には何の役にも立たないんだし、さっさと処分しちまえばいいのに…と、思うんですが。

 ところで、むか~し、「ガーゴイルズ」って、昼間は石だけど、夜は生身のモンスターとなって地球を守る正義の味方なガーゴイル達のTVアニメがありました。私は結構、好きだった。こちらのガーゴイル達は自由に人間の形になれます。ガーゴイルが人間に変身したり、空飛んだり、デーモン族がやられると派手に炎が舞い上がったり、FSXが楽しい。これだけでも、観た価値はあったと思う。しかし何処の国か知らんけど、昼間っから空にガーゴイルが束になって飛んでようが、街のそこら中で派手に爆発して火柱が上がってようが、ビルからビルへ人間離れした跳躍力でわやわや聖堂に向かう大群がいようが、そもそも街の真ん中の大聖堂が一切秘密じゃない秘密基地になっていようが、なーんにも気にしていないらしい、その街の人間たちは凄いと思う。慣れって怖いわね(そういう問題か?!)

   
アニメのガーゴイルたちと、この映画のポスター


 デーモン族は、魂のないものでないと乗り移れないので、生身の人間には乗り移ることができない。だから死体を蘇らせて乗り移ろうと企み、魂が無いけど生きているフランケンシュタイン博士の人造人間、アダムの秘密を探ろうとしてるんだけど、地球を支配するために仲間を増やそうと、何世紀も人間の死体を集めてる割にあっさり殺されすぎ。そんなに数を増やしたければ、もっと静かに地下に潜ってりゃいいのに。で、死人を蘇らせる為に、彼らの雇っている電気生理学の世界第一人者が、金髪のべっぴん姉ちゃん。少女漫画とハリウッド映画では、世界有数の科学者はいつも、一体何年飛び級したの?と考えこむような若さの、研究よりもお化粧とファッションに時間を費やしていそうなお洒落な女性なんですねー。当然ながら、博士はアダムの恋愛対象なのですが、魂が無いにしては恋愛したり、自分の過去が気になるし、怒ったり、親切にしてくれたガーゴイル戦士の死を悼んだり、後悔したりと実に感情豊か。涙は流さないけど熱い友情は分かる、どこぞのマシーンさんみたいなものでしょうか?

 設定は穴だらけだし、ストーリーはありきたり、登場人物もあまり魅力はないんだけど、特殊効果は良かった。それだけで、もういいです。但し、これだけは言っておきたい。
  女王はロリータ美少女であるべきだったよね!

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今週のエリーさん(4週目)

2014-07-11 | 犬と猫、たまに人間の息子
 日に日に成長し、しっかりしてきたエリーが窓の外を見られるように、キャットタワーを買いました。猫が興味を持ってくれるかなんて、実際に使って見ないとわからない。値段の高いタワーやハウスを買ってみたら、実際に猫が興味をもったのは、タワーが入ってきた段ボール箱だけだったなんて話もよく聞きます。だから、無駄になるかもしれないのを覚悟で買ったタワーですが、嬉しい事に気に入ってくれた模様。

    

  


 実はこのタワー、リサイクル材で出来ているのです。下のちぐら部と上のかごは再生紙を編んだもの。通気性もよく、爪とぎ代わりにもなっちゃう。逆に言えば、爪とぎ代わりにもなるので、何時まで保つかは分かりません。重くて嵩張るので、オハイオには持ってこなかった前に使っていたキャットタワーは、元々はクロ用にコロラドで買ったもの。クロにはあまり使われませんでしたが、ミケが愛用していました。ずっしり重いだけにとても頑丈でしたが、このタワーは、そう何年も持ちそうにありません。その時には、これのもっと背の高いバージョンがあるので、そっちを買うさ。

 今はまだ、上のかごに飛び乗れずによじ登っていますが、そのうち、ひょいとジャンプできるようになるんだろうなぁ…

再びアンティーク・ハンティング

2014-07-05 | アンティーク・スリフト
 今日もまた、インディアナのアンティーク・ショップ巡り。今回は、若息子も引っ張って行きました。今日は、インディアナ州40号線のケンブリッジ・シティーのお店を攻略。America's National Bywayでもある、風光明媚なルート40沿いには、アンティークショップを売りにしている小さな古い街が並んでいます。私の住む街の近辺では、このケンブリッジ・シティーに、先週、上息子と訪れたセンターヴィル、更に東へ行って、旅行の時にモカを預けてるお犬様リゾートのあるルイスバーグに、アンティーク・モールがあります。更に東へ行くと、先日、息子たちを迎えに行った、コロンバス郊外のスプリングフィールドには、とっても大きなアンティーク・モールがあるそうなので、是非とも行ってみたいな。地図上ではコロンバスって、ずいぶんと遠いような気がして躊躇してたけど、先週末にスプリングフィールドまで行ってみたら、高速一本で意外と近く(?)、一時間ほどで行けてしまったので、近々、噂の巨大アンティーク・モールに行ってみるぞ!

  アンティークなんか興味ない~、という若息子ですが、実際に行ってみれば、古い剣や銃を触ってみたり、古着の毛皮のコートを羽織ってみたり(右の写真)、それなりに楽しんでみた模様。今回の上息子の収穫は、1914年発行の速記の本。今でも議会や法定では速記者が活躍していることもあるらしいですが、タイプの早打ちや音声返還記録システムに完全に取り替られる日も近いのではないかと思います。だから、息子世代には速記は過去の産物的で面白いのでしょう。

 私は、アンティークじゃないと思うけど、何故かモールの隅っこで密やかに売られていた、頑丈な作りの木の机。冬になったら、またキルティングを再開したいと思っているので、ミシンを置くしっかりした机が欲しくてスリフトをチェックしていたのですが、奥行きは深過ぎないのに十分な横幅があり、引き出しも付いている上に、お値段もすてきな39ドル。これは嬉しい。一方、若息子は、木工細工が好きな祖父のためにと、古い木工道具を探したけど、気に入ったものには出会えず、宝物を発掘できませんでした。農耕具や普通の大工道具の骨董品は、沢山あるんですけどね。

 ケンブリッジ・シティーの大小のお店を堪能した後は、帰り道のセンターヴィルで、先週末に行ったウェブス・アンティークモールの駅構内カフェで軽食を頂きました。ここの雰囲気が、上息子も私もとても気に入ってしまったの。ケンジュン・スパイスで味付けしたバーガーを頂いたけど、とっても美味しかった!実は先述の机は、ここで見つけたもの。ここは、ファイヤー・キングやパイレックス、ディプレッション・グラス等のガラス器が豊富で、これらのお値段は良心的ですが、ロンガーバーガーのバスケットは高い!私が持っているロンガーバーガーのバスケットは全て、スリフトで見つけた超お得価格でゲットしたものばかりなので、新品同様の価格だと、高いような気がしちゃう。

 でも、逆に言えば、ここのモールのガラス器の値段は、LAのスリフトとどっこいどっこいか、むしろ安いくらいなんです。私がよく言ってた、サウスベイのサルベーション・アーミーなんて、ミルクグラスには、スリフトとは思えない強気なお値段付けてたし。ここで人気のジェダイトやキャンドルウィックを大量に買って、トラックでLAに運んで、フリマで売りさばいたら儲かるかな?なんて、考えちゃった。いや、むしろ、日本で売ったらいいんじゃ?!?日本お雑貨屋さんやアンティーク・ショップのバイヤーさん、インディアナ、オハイオは狙い目ですぜv

Independence Day そしてエリーが来て3週間目

2014-07-04 | 犬と猫、たまに人間の息子
 7月4日はアメリカの独立記念日。たぶん、アメリカで最も重要な祭日の一つです(もう一つは、11月の感謝祭)。だけど、わに母子は昨日遊びすぎて、今日は(しぶしぶ)休息日。実は私は、犬を連れて州立公園にハイキングに行きたかったのですが、「暑い、疲れた、出掛けたくない」と、息子たちに却下されてしまったのだ。軟弱者どもめ…orz

 そこで今日は、扇風機をガンガン回して、家でDVD鑑賞会。うち、冷房が壊れてるんです。大家さんは、買い換えるって行ってくれてるのですが、実行が伴っていない。ガレージの屋根も直さなきゃなんないのに、早くしてくれ~

 日本からいつもの様に、お友達のKちゃんが送ってくれたDVDの「岩合光昭のねこ歩き」を見ていると、仔猫のエリーも一生懸命に画面を凝視していました。ミケさんは、TVの中から猫の鳴き声がすると「どこにいるのかみゃ?」と、不思議そうにTVの裏をチェックしていましたし、クロさんは我関せずで興味なしでしたが、エリーはTVっ子?仔猫の成長は早いといいますが、それをしみじみ実感中です。毎日、目に見えて大きくなっているような気がする。活動範囲もどんどん広がって、昨夜も晩御飯の準備をしていると、いきなりカウンターの上にエリーが現れて驚きました。同じ黒猫でも、LAにいるクロ女王様が丸顔なのに対し、エリーは三角顔に大きな耳。お母さんネコが小柄な別嬪さんなので、どんな美猫に育つか楽しみですよv(←親ばか全開)

     
「ねこ歩き」を見る猫。最初は椅子の上でしたが、だんだん接近

    
参考画像:ご幼少の砌(www)なクロ女王様(左)とエリー