わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

ダウンタウンがカオス

2012-06-30 | 時の話題
 今週末はコンベンション・センターでアニメ・エキスポ、お隣のステープルズ・センターでXゲーム、その上、日曜の夜には、そのまたお隣のノキア・センターでホッケー、LA Kingsの試合があり、混雑を極めている、LAのダウンタウンです。この機に、近隣駐車場はべらぼうな高値をつけ、一番近い駐車場では、なんと終日駐車代が45ドル!そして1ブロックごとに5ドル下がっていく。こんなにオイシイ商売ができるものだから、ダウンタウンの空地の持ち主は、手放したがりません。だから、夜になれば物騒な空白の空間がそこいら中に存在する。ダウンタウンへは電車が便利と、ステープルズ・センター前に路上駅を作ったものの、路線が充実しておらず、限られた地域にしか駅がないものだから、利用者は少なく、車の流れを止めてしまうので、益々、渋滞を引き起こす。LAは本当に都市計画の壮大な失敗例だと思います。

 それにしても、地元のニュースメディアが、Xゲームばかり持ち上げて、アニメ・エキスポをあまり取り上げていないのは謎。経済効果は、Xゲームよりアニメ・エクスポのほうが絶対大きいことは。ここ数日の街の様子を見れば一目瞭然なのに。

ともあれ、下の画像は、わに親子が選んだコスプレーヤーNo.1

アイアンマンシェフ!

オバマ兄貴におまかせ!

2012-06-29 | 時の話題
 昨日はお友達が日本からやってきたので、空港にお迎えの後、リトルトーキョーで一緒に軽い晩御飯をいただきました。日本から来た人ですら、LAのオーセンティックな日本っぷりには驚き。私も、初めてリトル・トーキョーに来たときは、本当に「ここは何処?私は誰~??」状態でしたもの。今週末は、米大陸最大のアニメ・ゲームのお祭り、アニメ・エクスポがダウンタウンで開催されるので、街には既にコスプレ姿の若い子達が歩いていて、益々カオスな状態。

 ところで、空港に向かう車の中、ラジオで、エイリアンが地球に侵略してきた時に、適切な対処ができるのは共和党のミット・ロムニー(Mitt Romney)じゃなくて、
オバマ大統領の方だと、65%のアメリカ人は思っているとの、ナショナルジオグラフィック・チャンネルの調査結果聴いて、吹きそうになった。この調査は、同局の新ドキュメンタリーシリーズ「Chasing UFOs」の放送開始に先立ち、米全土の成人1114人を対象に電子メールやインターネット経由で行われたそうな。回答者の3人に1人以上である36%が、UFOの存在を確信しており、11%は実際にUFOを目撃したんだって(ソースは適当に幾つかのニュースサイト)。

 私も、ガチガチのモルモン教徒であるロムニーよか、柔軟そうなオバマ大統領に一票。その点、日本は既に宇宙人政治家がいるから準備万端ですね。折角だから、奥さんも一緒に母星(ルーピー星?)まで持ち帰ってもらいましょう。


全くなにの関係もないけど、スーパーで見たパイナップルの木
本物を見るの初めて!こういう風になってたのね~

日本だ、日本!

2012-06-27 | 日記
 昨日一日限定のレッドボックス(貸しDVDの自販機)の、フリーレンタルのクーポンコードがメールで来てたのに、仕事が詰まってて、とてもDVDなんて借りられなかったよ~!日本より先行公開した映画を見ておいて、「もう観たもん」って自慢しちゃおっかなと企んでるのに… 何故か、明日締切りやんか!ワヤやんか!って日に限って、クーポンコードを送ってくるレッドボックス。実は、顧客の動向を逐一察知している高度なスパイ組織か!?!


 ところで、いよいよ日本に行くまで一週間となりました。木曜の早朝に羽田に到着する便なので、その日は直接、日光へ行って東照宮を見学。日光に泊まって、翌日は奥日光をツアーバスで見て回った後、東京に帰って、あわよくば国会議事堂を見学し、翌朝は築地の魚市場、浜離宮公園から水上バスで浅草へ。スカイタワーを見上げて、土日は浅草に泊まり、週末の秋葉原やお台場で遊ぼうという、何ら恥じらい無く外国人観光客丸出し的な予定を立てております。おみやげは東京ばな奈と浅草の人形焼ねw

 若息子は、月曜から沖縄でホームステイなのですが、沖縄にはアメリカの物は何でもあるから、実は東京のおみやげのほうが喜ばれますよ、なんてアドバイスに従ってなのですが、正直、実家の面々も、アメリカ産のものより、東京ばな奈とか横浜のシュウマイのほうが嬉しいと思う。母なんぞ、お土産とか気ぃ使わんでいいから、わざわざ紅茶とかチョコレートとか買わんでいいから、と、遠まわしに言うけど、「いらんもん、持ち込むな!」という内心が透け透けざんす。妹に至っては、「おみやげ何欲しい♪」ってきいたら、犬用のトイレシート買ってきて、だってw



お家でトイレできるの?アタシもそれ欲しい!


犬のくせに生意気よ!
それと、変顔ばかり狙って撮るの止めて!


名付け注意

2012-06-26 | 日記

 日系スーパーのマルカイで、ブルボンのチョコビスケットが大安売りになっていたので、喜んで買って来ました。なんで大安売りかというと、どうも名前がイカンかったんではないかと思います。曰く、「チョコダイジェスティブビスケット」

digestive
【名】 消化剤、消化薬 《料理》ディジェスティブ、食後酒、食後料理、デザート用ワイン(dessert wine)
◆【参考】wine ; aperitif ; table wine  
【形】 消化の、消化を助ける、消化力のある
(翻訳業者の心の友、英辞郎 on the WEBより。良いサイトだけど、たまにトンデモな訳語が混ざってるんで要注意)


 食べるとお通じが良くなるビスケットなのでしょうか?それはそれで、アリだと思いますが。小麦胚芽が効くのかも?美味しくてためになる。


証拠写真



 変な日本語英語で「あっちゃー!」なネーミングも困りものですが、変な漢字のタトゥーを自慢げに見せびらかしているアメリカ人も沢山いるので、どっちもどっちです。日本では変な英語のTシャツが売ってるけど、アメリカじゃ変な日本語のTシャツが売っています。上息子は「愛 東京」と大きく書かれたTシャツを暫く着ていました。彼のニックネームはトーキョーなので(かつてはリトル・トーキョーだったけど、背が伸びたので、トーキョーに格上げされました)、これはトーキョーを愛せよ、つまり僕を愛しなさいという意味なんである、と、友だちに講釈タレてました。それは何か違うと思う。その頃、若息子はLAのリトルトーキョーで買った「小東京」Tシャツを兄のお下がりで着ていましたが、彼は兄ちゃんの背を凌駕しそうなので「リトルトーキョー」を引き継ぐことは無さそうです。

 ネーミングといえば、近頃流行のキラキラネームでは、聖母(マリア)ちゃんとか騎士(ナイト)くん、または当て字で英語っぽい名前、於菟(おっと)、不律(ふりっつ)、杏奴(あんぬ)、真章(まくす)、富(とむ)… おっと、森さん家の悪口はそれまでだ… も、増えているとか。普通に読めない名前なので、毎年新学期に読み方を直さねばならない訂正人生だった私の経験から言わせてもらえば、難読名前は子供が苦労すると思うんだ。ついでに新学期早々、先生に「変な名前だ。お前の親は何を考えているんだ」とか言われてたし。

 ところで名前といえば、いくらアメリカで設計したアメリカ市場向けの車だからとって、自社車に「Venza」なんて名前をつけてしまったトヨタさんも、一体何を考えていたのか謎です。Venza… ベンザ… 便座… 日本人幹部の皆様は、何ら異議を唱えなかったのでしょうか。いい車だとは思うけど、私は乗りたくないわ~



ところで私の名前はモカです


そして私の名前はミケ


ないわ~ 安易すぎやわ~

 

ちなみに、私の名前はクロ


アジア系移民が標的になる日

2012-06-25 | 時の話題
 先日、アメリカ国内で最も急速に人口を増やしているのは、アジア系移民だというニュースをお伝えしましたが、実は、各人種グループ間で最も教育程度が高く、収入が多いのもアジア系だそうです。アジア系の移民は、アメリカに来た時には既に、その6割が大学を卒業しており、専門職、技術職として、アメリカに入国してくるので、まずは土台が他のグループとは異なります。また、子供の教育にも熱心で、高等教育の場へのアジア系の占める率は、目を見張るものがあります。

 東部の名門大学でもアジア人が増えており、今から15年ほど前にすでに、MITで教鞭をとっていた友人が「学部によっては、中国、韓国、日系の学生ばかりで、ここはどこ?って気になる」と、言っていたほど。私が通ったコーネル大学は、台湾の李登輝元総裁が博士号を得た学校ということもあって、台湾からの学生が多かった。私が取った院生向けの英語クラスでは、8割が台湾からの生徒で、なんだか台湾人のお友達がいっぱい出来て、色々と美味しい物を食べさせてもらったものです。台湾人、御料理上手。

 アジア系人口の多いカリフォルニアの、カリフォルニア州立大学アーバイン校(UC Irvine)では、全学士生徒の実に49%がアジア系。UCIは「University of Chinese and Indian」のことだと揶揄されているそうです。で、去年の新入生の41%がアジア系だったUCLAは「University of Caucasians Lost Among Asians (アジア人の中で白人が見失われた大学)」だって。私達、ハーフの子を持つ日本人の親の間では、入学願書の人種のところにアジア人と書くのは厳禁だよね!という暗黙の了解があるくらい。

 話が元の記事からズレまくりましたが、この記事を書いたのは、グレゴリー・ロドリゲツ(Gregory Rodriguez)という人。名前からすると、中南米系らしいのですが、記事内で、クリストファー・ヒッチェンズの引用としながらも、「かつてユダヤ人が嫌われたのは、その優秀さと裕福さで妬まれたからだ」と書いています。これって大胆。

 ともあれ、教育程度が高く、多くの収入を得ているアジア系が、ユダヤ人に取り替って、他のグループからの妬みと羨望の対象になるのではないか?と、いうのが、この記事の「アジア人がターゲット」という主題なのです。この記事の原文は。LA Timesのここから読めます。(別ウィンドウが開きます。)

 数が少ないから、ひっそりと確実に生きてきた、我々アジア系だけど、目立ってきて、嫌われ者になるのは嫌だなぁ…

スーパーチューズデー~正義を売った日

2012-06-24 | 映画・ドラマ・本
「スーパーチューズデー~正義を売った日(原題は、Ides of March)」を観ました。ジョージ・クルーニー演じる民主党大統領候補の広報官を務めるスティーブン(ライアン・ゴズリング)を中心に、予備選の裏で繰り広げられる丁々発止の駆け引きを描いた映画です。邦題は盛大なネタバレで、選挙に勝つためには、誰も清廉潔白でなんて居られない。スティーブンは、かつては心酔していた大統領候補のモリス(クルーニー)が、若いインターンをホテルの部屋に連れ込み、妊娠させてしまったという事実を知って幻滅しますが、それをネタにモリスを脅し、自分をクビにした上司の選挙参謀、ポール(フィリップ・シーモア・ホフマン)を辞めさせ、自分が選挙参謀の座を手に入れる。それだけじゃなく、モリスの嫌う黒人上院議員に副大統領のポストを約束して味方陣営につけることを納得させる。

アメリカ大統領は、何でもできる。戦争を起こそうが、大量虐殺をしようが、国家を破産させようが構わない。だけど、たった一つだけ、やってはいけないことがある。それはインターンとヤっちまうことだ!

 と、いう台詞は過去の二人の大統領を思い返せば、苦笑せざるを得ない場面です。確かにブッシュは、利己的な理由で戦争を始め、多くの死亡者・負傷者を出し、アメリカ経済を破産寸前にまで追い込んではいるけれど、女性関係で問題になったことはない。

 映画では最終的に、スティーブンは自分の望んだ地位と、選挙の行方を大きく左右する権力を握りますが、この作品のお話は、まだまだ予備選の段階。老練なポールがこのままで済むはずはないだろうし、はてさて、このあとはどうなるのかな?と、余韻を残して終わります。地味だけど、名優が揃い、見る者を飽きさせない一作でした。

 主演のライアン・ゴズリングは、私の気になる若手俳優3人のうちの一人です。ちなみに、後の二人は、ジョセフ・ゴードン・レヴィットと、マイケル・ファスベンダーで、この三人が出ている映画は、条件なし、問答無用で見てるのです。この映画も、そういうワケで図書館で借りてきました。特にレヴィットは、かつて「3rd Rock from the Sun」というTVのコメディー番組のレギュラー、トミー役でお馴染みの顔で、おばさんは未だに彼を十代のトミーとしてみてしまいます。あのトミーが三十路だなんてねぇ…(しみじみ) 私の一つ上の世代にとっては、マイケル・J.フォックスが、何をやっても、キートン家のアレックス(TV番組「ファミリー・タイズ」での役柄)だそうですが、全く同じ感じなのかも。役者さんにとっては、きっと迷惑でしょうね。

 ところで、一緒に借りてきたのは、ギャング映画の「グッドフェローズ」。つい先々週、このモデルとなった元ギャングスターのヘンリー・ヒルが亡くなったというニュースを読んだので再見したのですが、これを先に見てしまったので、「スーパー・チューズデー」で、インターンが自殺を計った時は「口封じか?」、ポールが解任を言い渡されるために、路地裏に止めた黒塗りの車の中に呼ばれる前には、「ここで撃たれるか?」と、思ってしまったw

 続けて映画を見る時の組合わせは大事ですね。先日は「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」を、「MI4 ゴースト・プロトコール」の前に見てしまって、一生懸命、身体を張って格好付けてるトム・クルーズさんに悪いことをしてしまいましたよ、わはは。

科学は誰のもの?

2012-06-22 | 時の話題
 LA Timesに出てた話。理系研究職に女性が少なく、経済には欠かせない科学界での女性の存在感の薄さに危機感を感じた欧州連合が、「Science: It's a girl thing!(科学は女の子のもの)」たる3年越しのキャンペーンを立ち上げたものの、そのプロモーション・ビデオが化粧品のCMみたいで、トホホ… なんだって。問題のビデオは、ここで鑑賞できます。直接埋め込もうと思ったら、ここ(gooブログ)は、携帯でとった動画しか投稿できないんだって。使えねー!FC2に帰ろうかな…

 ともあれ、確かに「何か違う」感がすごいけど、おかげで世界中で話題になってるんだから、キャンペーンとしては大成功なんではないでしょうか。でも、これって絶対、ムキムキのチッペンデールタイプの男性による「Science: It's a guy thing!」とかってパロディーが出てくるよね。楽しみだこと!(じゅるっ

蝸牛の不思議

2012-06-21 | 日記
 今朝の散歩中、遊歩道を横断中のかたつむりと遭遇。


道の向こうには何がある?


 この、かたつむりの通った後の点々が不思議。ずずーっと筋になっていそうなものなのに、点々になっているのは何故なのでしょう?実はかたつむりは微妙にピョンピョンに飛んでいる??そこんとこ確かめたいと立ち止まったら、犬も興味津々で鼻を近づけたので、かたつむりは驚いて籠っちゃったw かたつむりの移動法に関する調査ならびに見解は次の機会に譲ることといたしましょう。


鼻との遭遇

アーティチョークと移民政策

2012-06-20 | 時の話題
 近所にレンタルの共同農園があり、私も毎朝、犬の散歩の度に、フェンス越しに作物の成長を楽しみにさせて頂いています。でも、大きなアーティチョークの茂みが、収穫されずにどんどん花が咲いちゃうのが、勿体無くて無念。大輪の濃い紫の花も華麗ですが、アーティチョークが大好物の私には、目の毒。「あんなに大きなアーティチョーク、買ったら高いのに…」と、毎朝、指を咥えて、あうあう唸ってます。切りたての新鮮なアーティチョーク、茹でて食べれば、さぞや美味しかろう… ベランダでトマトやレタスなどの葉物は作れるけど、コンテナ菜園じゃ限りがあるし、庭が欲しいです。アーティチョークやアボカド、レモン等々育てたい。


もったいない~!食べないなら私にくれ~!!


 で、急に話題は変わりますが、今日のLA Timesに出てた記事によると、アジア系移民は今、アメリカで最も急速に増えているグループなんだって(元の記事はここ)。ラテン系移民が減少しているのに対し、アジア系移民は増加し続けており、しかも、アジア系は他の人種グループ、白人、黒人、ラテン系よりも教育レベルが高く、収入も多い。この中で、日本人は、中国、フィリピン、インド、ベトナム、韓国に次いで人口が多く、2010年には1,304,286人の日系移民がアメリカにいるそうな(ソースはPew Research Centerと人口統計局)。ちなみに最も多い中国からの移民は、400万人超え。そして、こんなアジア系移民が一番多く住んでいるのが、ここカリフォルニア。今、私が住んでいる、ロサンゼルス郊外のサウスベイ地域なんて、本当にアジア系、特に東アジア系が多いですもんね。

 つい先週、オバマ大統領が、子供の頃に親に連れられて入国した若年層を対象とする新移民政策を発表したばかり。これによって、16歳までに米国に来て、米国の高校を卒業するか、米軍や海上警備隊での勤務経験があり、重犯罪歴がない30歳以下の不法移民には、国外退去は免除され、就労権も与えられます。ってゆーか、不法移民なのにちゃんと学校に通い、軍にまで入隊も出来るってとこが、既にとってもオカシイような気がするんですけど?

 ともあれ、この新政策の対象は約80万人にも上り、その殆どはヒスパニック系だって。ま、だいたい、不法移民の多くは、地続きでアメリカ国内に入れる中南米の人々が大多数なので、当然の結果でしょう。親の意志で異国に連れてこられた子供に罪はなく、また有能な若者の才能を米国のために役立てることが出来るという意味でも、意義のある政策だとは思いますが、相変わらず失業率も高く、正当なアメリカ人や合法移民が不景気にあえいでいる中で、反発は必須だろうなと思います。でも、これも何年もの間、移民問題を先送りにし続けてきたが故の問題。アーティチョークも、内政問題も、放置はイカンよ、勿体無い。

スカーフェイスで、おっぱい、おっぱい ( ゜∀゜)彡

2012-06-19 | 映画・ドラマ・本
 息子たちと一緒に、1983年制作、ブライアン・デ・パルマ監督のバイオレンス映画、「スカーフェイス」を観ました。前半の暗黒街でのし上がっていく野心に燃えた、ぎらついた目のキューバ難民、そして後半の全てを手に入れながらも破滅していく男の虚ろさを演じるアル・パチーノが素晴らしい一作ですが、80年始めの描写が強烈でした。幅広な襟のスーツや、テラテラしたドレス、透明のプラスティック椅子、ディスコ等、あの時代の、高級なはずなんだが、やけに安っぽいファッションやインテリアは、もー、見ていて、居た堪れない気分になるですよ。

 アル・パチーノ演じる主人公、トニー・モンタナが後ろ姿だけで一目惚れしちゃったボスの情婦、エルヴィラは、ミシェル・ファイファーが演じているのですが、振り返ったらいきなり、真っ平胸で驚いた!フロリダが舞台なので、ビーチでビキニ美女をナンパするシーンもあるのですが、そのビキニ美女たちも、トニーが溺愛する妹役のメアリ・エリザベス・マストラントニオも、今のハリウッド映画じゃ、滅多にお目にかかれない貧乳ぶり。この30年間で、ハリウッドの女性たちの胸に一体何が起こったのでしょうか?!?

 右はグーグル検索で拾った画像ですが、エルヴィラの洗濯板っぷりがお伺いいただけるでしょうか。トニーが初めて会ったエルヴィラに言い寄るときの、「美しくて、素晴らしいボディーで」って台詞に、上息子が「この女性がビーチ歩いてても、誰も声かけないと思うけど…」だって。厳しい。実は私、公開時には、美しくて、ツンとしたエルヴィラ、すてきー、と思った(実は私、今も昔も、ミシェル・ファイファーのファンなのです)ものですが、今見たら、エルヴィラって、とことん性格悪いやん。私自身が全く「美しい女性」ではないので、特にエルヴィラみたいな女性に憧れたのかもしれないけど、でも、これでも良かったんだなぁ、あの時代は。美しい女性は、お高くとまって方がいい、みたいな…

 そういえば、あの頃の映画も、ヒーローが一目惚れするヒロインは、プライドの高い女性が多かった。他の80年代前半映画といえば思い出す、「ステイン・アライブ」や「摩天楼はバラ色に」の主人公も、高嶺の花のヒロインに恋をして、最終的には成功して彼女もゲット、というお話でした。今のハリウッド映画でも、まずは主人公がヒロインの美しさに一目惚れってパターンは全く変わってないけど、ヒロインは気軽に応じつつも、最初は主人公を軽くあしらう。で、後から、お嬢様だったり、凄く有能な女性だったりということが分かる、ってのが多い。一方、80年代ヒロインは、かなーりツンケンした高飛車タイプに描かれていたように思います。そういえば、1982年の「ブレードランナー」のレイチェルも高飛車美女でしたよね。

 その「ブレードランナー」を最近、見た時も、ちょっとだけ映ったハリソン・フォードのブヨブヨお腹に、ちょっと笑っちゃったんだな。今時の映画だったら、デッカードは見事に割れた腹筋を披露してたはず。対するバッティなんて、ムキムキに違いない。ハリウッドの皆さんも、身体も鍛えあげねばならなくなって、益々大変なのかもね。