わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

日本vs.韓国映画:「殺人の告白」と「 22年目の告白-私が殺人犯です- 」

2018-11-28 | 映画・ドラマ・本
 2012年の韓国作品と、その2017年の日本製リメイクです。共に、連続殺人犯が時効後に告白本を発行して世間を騒がすが、実は…って、お話。韓国版がアクションをふんだんに盛り込んだクライム・サスペンスでありながら、真犯人はいきなり出てきたって感じなのに対し、日本版は犯人の過去が重要な意味を持ち、オチも違います。

 オリジナルの韓国版は、「ただしイケメンに限る」が大前提。未解決の連続殺人事件を事項発効後に告白するイ・ドゥソク役のパク・シフは、ポスターでは、蛇っぽくて気色っ!なんて思っちゃったほどで、殺人犯なのにキャーキャー大騒ぎされるのって変じゃない?と思っていたのに、動き出すと「ハンサム」オーラがビシビシ。記者会見シーンで、女性誌の記者が「エステ行ってますか?」なんて質問しましたが、ほんと、お肌ツヤツヤ。切れ長の目が妖しく、カリスマのある俳優さんですね。15年前に連続殺人したには若くない?って、思ったけど、実は結構年齢が行ってたのね。

 ポスターはイのアップだけど、主人公は、犯人を追うチェ班長。チェ役のチョン・ジェヨンは、私的に割と好きな顔だし、すぐキレる、いい年こいて母親に背中にサロンパス貼ってもらってる、酔っぱらってばかりいる冴えないオッサンだけど、実は優秀な刑事というのが、なかなかにツボ。

 カーアクションがやけに力入ってて、走る車の屋根での格闘は、どえらい迫力で、そこまでせんでも…とすら思ったよ。上記の通り、真犯人やチェ刑事の恋人失踪の設定が唐突に後半になって出てきたり、イを誘拐するためにプールに毒蛇を放ったり、ラストの締めのシーンとか、色々と目が点になる場面がありましたが、そんなトンデモぶりも娯楽映画として面白かったです。

 日本版では、事件は22年前という設定で、役者さんの年齢に違和感がありました。藤原竜也さんが、22年前に連続殺人って、未成年どころか、下手すりゃ小学生の頃に大人を絞め殺し回ってたんか?と。伊藤英明さんも、何歳の時から刑事やってたんですか?1995年に拘るなら、せめて40代の俳優さんを選ぶべきだったのでは?

 藤原竜也さんは確かに男前なんだけど、殺人犯なのにキャーキャー騒がれるほどのカリスマかといえば、日本の犯罪者への厳しさも加えて、ちと無理があるかと。ご本人は好青年ぽいのに、クズをやらせたら日本一!なのだそうで、この映画の中の役は「クズ」っぷりが足らなかったか?藤原さんは他にも、日本一、絶叫の似合う男なんて称号も持ってるらしい。なんか納得したけど、これって実は大役者ってことですよね。色気もあるし、もう少し年齢を重ねると、さらにクズ役者として円熟しそう。

 刑事役の伊藤英明さんも、爽やかすぎ、カッコよすぎで泥臭さが感じられず、韓国版ほどの必死さと執念が欠けていました。この方も、この映画とは相性合わなかった感じ。肝となる真犯人の動機や人間性も「あ、そう」で共感できなかったのも痛い。事件を追うキャスター役の仲村トオルさんって、私世代には、ひたすらヤンキーのイメージで、番組セットに向かう前に振り返ってニヤリと笑った顔がヤンキーっぽくて、経験豊かなジャーナリストというより、チンピラおやじに見えちゃったのは偏見でしょうか。

 韓国版は、突っ込みどころ満載のお話や設定、日本人的には理解の斜め上を行くエンディングも、勢いで押し切っちゃった。でも、そこが娯楽として点が高い。日本版は、配役ミスに加えて、脚本の中途半端な問題追及性、なにより娯楽性が欠如していたと思います。

 日本語映画の韓国リメイク、またはその逆の作品を見比べるのは、これで3作目。今のところ、私の採点は韓国版の3勝です。他に韓国のドラマや映画は見たことないのですが、3作とも復讐がテーマでしたので、復讐への執念では、とても日本は敵わないなと思いました。暴力描写の凄まじさ、「怨」と「恨」の深さ、親子の情、この映画では特に母を思う息子と、娘を思う母の情念の重さが、韓国映画の特徴でしょうか?他のテーマの映画でも比べてみたいでですが、韓流恋愛映画とか歴史ものってイマイチ食指が動かないのですよねぇ…


この爽やかさと下の言葉のギャップがすてき

女の子よ、強くあれ!シュガー・ラッシュ:オンライン

2018-11-27 | 映画・ドラマ・本
 火曜日は5ドルのお気に入り映画館、マーカス・シアター、先週は「ファンタスティック・ビースト」がウルトラスクリーン(IMAXサイズのスクリーンとヒーター付シーツ)の劇場を占めていましたが、今週は通常スクリーンに格下げ、日中は先週末興行成績1位の「シュガーラッシュ・オンライン」、夜の上映は2位の「クリード 炎の宿敵」に取って代わられました。評価も、Rotten Tomateで44%だったファン・タビに対し、ラルフとクリードはともに80%超えですから、客入を見込んだ判断でしょう。シビアだ… ファン・タビも大きな画面で観たかったので、先週のうちに行っとけばよかったかなぁ。でも、先週火曜はボヘミアン・ラブソディ2回目行ったんだ。

 今晩、私が観に行ったのは、6年ぶりの続編「シュガーラッシュ・オンライン(原題はRalph Breaks the Internet)」です。本編の前に、監督・製作者達の「劇場まで見に来てくれて有難う」って、メッセージが流れました。ディズニーの公式サイトはこちらです。前作でアーケード・ゲームの登場人物、ラルフとヴァネロペが大親友になって6年、ゲームキャラである彼らはもちろん年齢を取りません。昼間はゲームの中で働き、アーケード閉店後は自由な時間。

 ある日、同じ繰り返しの日々、同じレースコースに飽き飽きしているヴァネロペのためにラルフが「シュガーラッシュ」のゲームに介入し、ヴァネロペがゲーマーに従わなかった為に、ゲーム機が壊れてしまいます。古い機械なので交換部品は製造中止、eBayで売られていたけど200ドルもするので、オーナーは機械の引退させると言って電源を抜いてしまいます。ゲーム機が廃棄されたら、そのゲームの中のキャラクターたちは居場所がなくなってしまいます。それを阻止するため、ラルフとヴァネロペは、自分たちで部品を手に入れるべく、新たに加わった「Wi-Fi」のゲートをくぐって、インターネットの世界へ。



 インターネット世界の具象化には、成る程、こうなってるんだなぁ~、って、すっかり納得しちゃいましたよ。「リメンバー・ミー」のあの世といい、このインターネット世界といい、魅力的かつ説得力ありすぎ。しかも、流石はディズニー、カメオの数も半端ではありません。直ぐ分かるだけでも、あらゆる人気作品やシリーズのキャラが認められますが、じっくり見ると、一体どれだけ隠れているのやら?スタン・リーおじさんも、しっかりカメオ出演していましたよ。劇場のあちこちで「Ahhh」って、ため息が聞こえました。うん、やっぱり、デジタル世界に引っ越してたんだね。

 予告等でも大きく取り上げられていた、ヴァネロペとディズニー・プリンセスたちの邂逅も、彼女たちが一同に会して、普段着の生活が観られるだけでも面白いのに、短いシーンに個々の個性や特徴がちゃんと出てるのも巧い。今はディズニー傘下だけど、元々はピクサーのキャラクターであるメリダだけは、何言ってるかわからない(どっか違うとこから来たみたい)とか、すぐ歌うアリエルとか、小ネタが効いてます。ガラスの靴を割って武器にするシンデレラ、好きよ。彼女は元の映画でも、結構、蓮っ葉だもんね。

 私もプリンセスだよ、なヴァネロペに、それぞれが、特殊能力がある?毒を盛られた?誘拐・監禁された?なんて聞いて、ヴァネロペがドン引きするのも笑うけど「あなたの問題や揉め事は、大きくて強い男性の登場で全て解決された?」「うん、まぁ…」「彼女はプリンセスだわ!」の下りは、最高の自虐ネタでしょう。


急に彼女たちが大好きになっちゃった。かわいい~


 『グランド・セフト・オート』っぽい(?)デンジャラスな世界での過激なレーシング・ゲーム 『Slaughter Race』内でのカーチェイスは、近年の派手なブロックバスター映画と比べても、遜色のない迫力。CGであることを逆手にとってのゲーム的臨場感と、現実離れした映像には、文字通り手に汗握っちゃいました。ヴァネロペのレース対戦相手、クールな女性ドライバー、シャンクは、ワンダー・ウーマン、もといガル・ガドット。

 何ら変化のない現状に不満を感じていたヴァネロペは、「自分の夢を追うことが何よりも大切」というプリンセス達の言葉と、好敵手であるシャンクとの会話によって、自分の存在意義を、そして夢を問い直します。そう、多かれ少なかれ「強い大男」の助けはあっても、プリンセス達は、自分の夢を信じて、信念を通した女性たち。一方で、プリンセスではなくクイーンのエルサと、卓越したレーシングのテクニックで女王として君臨するシャンクは、「強い大男」を全く必要としない女性です。そして、ヴァネロペもまた、「強い大男」から独立します。

 そしてラルフは、親友であり、最も大切な存在であるヴァネロペを理解することで、成長します。彼は、ヴァネロペに精神的に依存しすぎて、ゲームに介入したり、コンピューター・ウイルス化してしまったり、不完全なキャラクターです。でも、ヴァネロペのヒーローであることが詩文の存在意義であるかのような、ある意味幼稚だったラルフは、ヴァネロペを手放すことで真の理解者になり得たと思います。

 1作目は、自分を信じることの大切さを訴えました。今作では、自分の夢を信じることがテーマのように思えます。そして、これは、男に頼る必要なんて無い、真に強く賢い女たちと、女同士の友情を祝福する映画であるとも思えました。



 この映画の最高のシーンの一つは、本当に最後の最後に来ます。エンドロースが終わるまで、席を立たないでね。でも正直、製作者の悪ふざけがちょっときつすぎるって気がしないでもないけど…

バスターのバラード

2018-11-23 | 映画・ドラマ・本
 なかなか名前の覚えられない私が、監督の名前で見ようと決めるのは、どよ~んとした作風が特徴のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(ブレードランナー2049メッセージ複製された男等)、想像力にいつもぶっとばされるギレルモ・デル・トロ監督と、ジョエルとイーサンのコーエン兄弟です。その最新作、「バスターのバラード(原題は、The Ballad of Buster Scruggs)」は、Netflixでの独占配信と聞いて、DVD化されて図書館に入るまで、暫くはお預けかなと思っていましたが、ネットには何でも落ちているもので… ありがたや、ありがたや。

 西部開拓時代を舞台にした、6つの短編のオムニバス。作品説明のウィキペディアはここですが、ネタバレなので注意。タイトルの「The Ballad of Buster Scruggs」は、第一章のタイトルで、バスター・スクラグは主人公の名前です。えらいテンション高くて、派手な格好のチャラい男は、実は凄腕のガンマン。歌いながら、アホみたいなパフォーマンスでボカスカ人を殺していきますが、ハーモニカ吹きの男と決闘して、あっさり殺されます。昇天しながらも陽気に歌っているバスター。いきなり、コーエン兄弟らしいユニークなお話でした。

 私が一番、好きなのは第4章の「金の谷」です。主人公のジッ様が魅力的なのと、「で、なんだったんだぁ~?」と、呆気にとられるお話(←褒めてます)の中で、これは観終わった時に「にしし…」と、笑える。金脈を探して地面を掘り返し続ける老人、ある日、遂に、ミスター・ポケットと彼が呼ぶ、金脈を掘り当てますが… 全編に飄々とした雰囲気が流れ、ちょっとしたどんでん返しもある。牧歌的風景の中で、殺し、殺され、生と死は紙一重。緑の谷、透き通った川、蝶の飛び交う野原と、本当に美しい。

 ポスターの絵は、6つの別方向に向かっていますが、むしろ、登場人物が向かうのは、第6章の馬車が向かっている「死」です。監督も、テーマは「死」だと言っていますが、見せたかったのは、様々な人生が唐突な終りを迎える直前の、その表情ではなかったかと思います。

 胸糞悪い話もあり、これをコーエン兄弟らしいトンデモなトール・テールとして楽しめるかどうかで評価が分かれそうです。でも、それを現実にこんな事もあったに違いない、現代でも形を変えて頻繁にある、と、サタイヤとしても取れるのかも?でも、深く考えずとも、面白いものは面白い。コーエン兄弟の作る映画は、やっぱ面白いわ~


ゴーン逮捕で、何が何だか??(@_@)

2018-11-21 | アメリカのニュース
 月曜日に、日産自動車の有価証券報告書に自身の報酬を約50億円少なく記載していたとして、金融商品取引法違反の容疑でゴーン会長が逮捕されたというニュースに腰を抜かしそうになったばかりなのに、日を置かずして今度は、三菱UFJが、北朝鮮のマネーロンダリング疑惑で米検察当局の捜査を受けていたというニュース。どちらも国際ビジネス界に於ける一大事だと思ったのですが、アメリカでは、てんでニュースになっていないのが意外でした。

 そりゃ、ごく一部を除いたアメリカ人にとっては、カルロス・ゴーンは「それ誰?」であるとはいえ、日産車は全米の自動車市場において6番目のシェアを持つそうですし、少なくとも日産車オーナーにとっては、ちょっとくらいは関心のある出来事ではないかと思ったのですが、ニュースを探したら、やっと、ちょろっと報道されてる程度の扱い。

 MUFGに関しては、NY Timesのビジネス・ページの後ろの方に出てただけ。多分、この記事が、日本での報道の元になったのではないかと思います。米国ビジネス界に於ける、日本への関心度の低さが垣間見えるようで、日本企業の一挙一動に、アメリカが注目してたイケイケ・ジャパン時代を知る身としては、ちょっと寂しい気がします。

 ゴーン氏は、死に体だった日産を立て直した優秀な経営者としての評判と共に、多くを切り捨て、日産をルノーに売り飛ばした非情の執行人としての評判もつきまとい、その傲慢で冷酷な人間性も取り沙汰されることの多い、複雑な人物という印象があります。巨額の報酬を得ていながら、更に脱税、そして私用目的での豪邸や高級ヨットを日産に購入させたり、何もしていない親族を名前だけの要職につけて高給を支払う等の、強欲ぶりが次々と明かされていますが、ここまで大規模ではなくとも、会社のお金で贅沢してるお偉いさんもいるのでは?

 会社を持ち直すために下請けを買い叩いて、中には廃業にまで追い込み、工場閉鎖によって2万人とも言われる社員を切り捨てておきながら、自分は私腹を肥やしていたゴーン容疑者と、現場が経費削減に苦労し、人員縮小が実施されている一方で、自分たちのために多額を費やす経営陣は、規模の差は大きくとも、根本的な態度に大差はないと思います。

 大中日本企業の役員の皆様も、己の経営幹部としての「品格」を見直し、社用費での贅沢な会食や、TV会議でも十分なはずの頻繁な出張、接待という名目で高額なゴルフ会員権を経費で購入などといった行動を見直し、引き締める機会とすべきではないでしょうか。

さて、どうしよう?

2018-11-20 | アンティーク・スリフト
わたし、バカよねぇ~、お馬鹿さんよねぇぇ~♪
と、歌わざるを得ない状況におります。

 所用あって、コロンバスの北にある小さな町に行った帰り、掘り出し物の多いダブリンのグッドウィルに立ち寄ってみました。スリフトの醍醐味は、何があるか予想不能なこと。「こんなの、一体どこで売ってるの!?」と、驚くようなデザインの服があったり、これ、アンティーク・ショップで100倍の値段で売ってた、なんて骨董品が、転がってたり。実際に何かを買うのは、多分5回に一度程度、しかも10ドル以上使うことはないのですが、アンティークショップ巡りと同じで、色々なものを見て歩くのが楽しいのです。

 ダブリンは高級住宅地の上、日本人が多く住んでいる地域なので、日本製のものがよく混じっているのも魅力。日本語の推理小説の文庫本や、凛々しいお顔の陶器の武者人形を買ったこともあり、近くに行く機会があると、なるべく寄ってみることにしています。

 そんなダブリンのグッドウィルで、入った途端、目の前にあった赤い二人がけのソファに一目惚れ!渋すぎもなく、派手すぎでもない深めの赤が、私の心臓を直撃したのです。スエード風の生地の肌触りが優しく、カーブのある肘掛けの形も好き。なにより、座ってみた時と、寝転んでみた時(←入口真ん前でいきなり寝転ぶ謎の東洋人)の心地がいい。お値段は49.99ドルと、スリフトとしては強気だけど、ダブリンはいつも、ちょっとお高めなのよね。名前はGoodwillだけど、立派な営利企業だから、需給の原則が適用されているのは仕方ないのですが。

 ちゃんと車の後部に収まり、SUVで良かったvなのですが、問題は、これをどうやってアパートまで運び込むか。なんしろわたしの部屋は二階。アパートの掲示板にヘルプ募集の紙を貼って、助けを求めるつもりですが、椅子はお得価格だったけど、これにお金がかかりそう。それまでは、載せたまま運転するしか無いかな…


みっしり


後日談:この椅子は、ご近所の引っ越しの際に、引越し屋さんに10ドルで部屋に入れてもらいました。しかし、その直後、私自身の引越しが決まり…

白内障手術経験者より

2018-11-18 | 白内障手術
 『白内障手術によってごく少数ですが、期待通りの結果が得られないどころか、逆に長く苦しむ「白内障術後不適応」』という症状があります」』から始まる記事に興味を惹かれました。読売新聞の、yomiDr.に掲載されていた「「左右で見える大きさが違う」「上下左右から視野が圧迫」…白内障手術後に起きる不調 見え方に脳が「不適応」のケースも」です。

 私は40代だった7年前、2011年に白内障手術を受けました。40代で白内障手術というのは珍しいそうで、看護婦さんにも、間違いじゃないかと思ったと言われました。私の眼球は、真ん丸ではなく、やや長細いのだそうで、水晶体も少し厚めなので濁りやすいのだとか。どうせ、この先、症状は進行するばかりで良くなることはないんだし、手術しちゃったら?と、いう眼科医さんのアドバイスで手術を受けようと決めたのですが、かなり気軽に決めてしまいました。

 目の前の自分の手すらもぼやける程に強度の近眼に加え乱視も酷く、ソフトタイプのコンタクトレンズや、レーシックでも完全に矯正はできない状態でしたが、手術後は近視は矯正されました。引き換えに遠視になってしまいましたが、もとより眼鏡なしでは生活できなかったのですから、大して気にはなりません。今は、遠視・乱視矯正のために、近く、遠方に加え、コンピューター画面を見る中距離の3焦点レンズのメガネを掛けていますが、かつて特注の高くて分厚いレンズが必要だった頃に比べれば、レンズは安いし、軽いので縁無しメガネも選べるし…

 上記の記事によると、『強度の近視の人の場合、眼鏡をはずして見たい物体を目に近づけさえすれば、物は大きく明確に見えるという得意技を持っている』のだそう。そして、『白内障の手術前、医師から眼内レンズについて「遠くに合わせますか。近くにしますか」などと聞かれると、長い間強い近視で苦労した人は、手術を機に近視を解消しようと眼内レンズを遠方視に合わせることに同意してしまいがち』だそうで、私も、その一人。

 但し、近視と遠視を同時に対応する方法として、遠近両用の多焦点レンズを入れる方法がありますが、このレンズには保険が適用されません。保険適用内なら、片目に近視矯正用、もう一方の目に遠視矯正用の単焦点レンズを入れるという方法があるという説明を受けました。また、利き目に単焦点レンズを、もう一方に多焦点眼内レンズを入れる「ハイブリッドモノビジョン」という方法もあるのだそうです。

 記事に戻って、遠方視に合わせると、『遠くはよく見えるようになるのですが、近くはいつも老眼鏡が必要になり、あの得意技が使えなくなってしま』います。そして、『これまでの生活が一変するわけですが、そこまでの変化を予想しておらず、不適応を起こしてしまうことがある』そうです。この新しい状態に脳が適応するまでの時間がかかるのですが、通常、術後数日で気にならなくなるものですが、1~3%の人はいつまでも不適応が続くのだそうです。

 私が、片目に近視矯正用、もう片方に遠視矯正用を選ばなかったのは、この不適応を恐れたせいでした。なんだか想像しただけで、頭痛くなりそう…って。でも、この方法で快適に過ごしている人も沢山おられるので、全く個人の選択だと思います。

 白内障手術は、日本では年間で130万件以上、行われているそうです。私の時は、片目15分程度で終わってしまいまました。術後から5年経った2016年に、眼内レンズを固定している水晶体の袋の後方が濁る、後発白内障のレーザー手術を受けました。これは、本当に一瞬。

 いくら実施件数が多くとも、技術が進化して手術がルーティン化しようとも、100%ということは有り得ません。こういった不適応性があるという事実や、目にレーザーを当てて、自前の水晶体を砕く、というと、何やらおどろおどろしく、日常生活に支障がないなら、わざわざ手術しなくとも、と、思われる方もおられるでしょうし、不安で迷っている方もおられるでしょう。

 ですが、私は手術後、生活はずっと快適になりましたし、手術を受けて本当に良かったと思っています。不適応性になってしまっても、同記事内で『どうしても慣れない場合は、眼内レンズを前方に移動するなどの処置をする再手術で解決』するとあります。もし私の経験が、迷っておられる方のお役に立てれば幸いです。


サイモンも白内障なって、晩年は殆ど見えなかったなぁ…

猫が見ていた

2018-11-16 | 映画・ドラマ・本
現代を代表する人気作家たちが猫への愛をこめて書き下ろす猫の小説、全7編。作家の家の庭に住みついた野良猫。同じマンションの女の猫が迷い込んできたことで揺れる孤独な女の心。猫にまつわる名作絵本に秘められた悲しみ…ミステリアスな猫たちに翻弄される文庫オリジナルアンソロジー。巻末にオールタイム猫小説傑作選も収録。


タイトルの示すとおり、猫のことが主題のお話は一作だけ、猫が象徴的モチーフであったり、狂言回し的に扱われているお話が多くて、第三者的に「見ていた」ポジションな短編集でした。表紙を見ると「家政婦は見た」みたいで、色んな謎が暴かれそうですが、ミステリではありません。

 先入観を避けるために、著者の名前を確かめずに読み恥じたのですが、このお話は余り好きじゃないな(でも、読者の感想を見ると一番人気だった)と思ったら、自分が苦手な作家さんだったり、今まで知らなかった若い作家さんの現代的な作品に触れて、今まで縁のなかったラノベに興味を持ったり、なんか〇〇っぽいと思ったら、本当にその推理作家さんで笑っちゃたり。スタイルも内容もバラエティーに富んだ、色んな味のクッキー詰め合わせみたいな幸せな一冊。

 その中で、これは巧い!と、舌を巻いた作家さんは、初めてその作品を読んだ柚木裕子さんの作品、疎ましく思っていた母親の気持ちを猫を通して知る「泣く猫」です。先日、映画、「孤狼の血」を見て、その骨太な小説の原作者が女性であったことに驚いたばかり。しかも、東北出身の方なのに、「仁義なき戦い」シリーズを思い出さずにはいられない、広島を舞台にした抗争を、あたかもその場にいたかのような生々しさで描く力量に唸ったのですが、この20ページちょっとの短編にも、奥深い世界が感じられました。今後、注目していきたい作家さんです。

ウェスト・ワールドのセットが燃えちゃった~

2018-11-12 | アメリカのニュース
 今日は、スタン・リー御大逝去のニュースで、朝からがっくり。御年95歳の大往生とはいえ、まだまだ長生きしてほしかった。マーベル映画では、スタン爺さんのカメオも、大きな楽しみでした。今後も、CGで出演し続けて欲しい。水木しげる氏は妖怪になっちゃって、スタン・リー氏はデジタルになったんだよね。


Mr. Stan Lee, Forever!!

 もう一つ、エンターテイメント界関連でショックだったのは、LA近郊アゴウラヒルズにある、パラマウント・ランチが焼失してしまったというニュース。もう10年近く前に、このパラマウント・ランチを訪れたことがありました。その時は、しばらく撮影には使われておらず、寂れていましたが(その時のブログ、2009年1月3日の記事)。楽しい思い出の場所だけではなく、この記事読んで興味を持ち、図書館でDVD借りてきて、シーズン1と2全20話を一気見した「ウェスト・ワールド(シーズン2の公式サイト)」のセットでもあります。メインとなる街の大通りのシーンに、面影を見ることができました。来年、放映予定のシーズン3が気になって仕方ないのに、メイン通りのセットが焼け落ちちゃったら、撮影はどうなるよー?!?時系列を行ったり来たりするどらまなので、もう使われないってことは無さそうなので、セット再建のために撮影延期になったら、放映も延期?そりゃないよー!!


 ウェスト・ワールドは、西部開拓時代の世界を模したテーマパークで、客に娯楽を提供する人間そっくりのアンドロイド達が自我を持ち始め、反乱を起こすというSFスリラー。はい、この世界には、人間そっくりのロボットがいるんですね、そのロボットが人間を襲ってくる、恐いですね、なんて淀川長治さんの声が聞こえてくるような。
 

 それにしても、つい先日、南カリフォルニアのサウザンド・オークスで無差別銃撃で12人が犠牲になり、今度は、山火事が猛威を奮うという悲劇続き。毎年、大規模な山火事に見舞われ、多大な被害を被るこの地域は、本来、人間が居着くべき場所ではないのではないかと思います…

ディズニーのくるみ割り人形と秘密の王国

2018-11-11 | 映画・ドラマ・本
 予告の美しいビジュアルに惹かれて、劇場に見に行きました。先週は、近くのお気に入り映画館でのウルトラDLXスクリーン(IMAXクラスのスクリーンで、シートはヒーター付)は、最終の夜10時半からの「ボヘミアン・ラプソディー」以外は、この「くるみ割り人形」に割り当てられてたのに、今週はすでに、コロンバス近辺の映画館は皆、通常サイズに格下げ。公開週である先週末の全米興行成績は2位なのに、随分と急な落ちぶれぶりに驚きました。

 「チャイコフスキー作曲の音楽によるバレエ『くるみ割り人形』の原作としても知られる、E.T.A.ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』の実写映画化(Wikioedia)」で、日本の公式サイト曰く、「今、イマジネーションに富んだこの物語に、ディズニーが新たな命を吹き込み、圧倒的な映像美で少女クララの冒険を描くファンタジー超大作が誕生した」そうなのですが…



 映像は美しいけど、正直なとこ退屈で、途中で寝そうになった。今年の夏のディズニー大作、『A Wrinkle in Time』と同じで、贅沢にスターを使い、CGも駆使した目を見張るような映像だけど、それだけ。お話が薄っぺらく、主人公に共感できないという全く同じ間違いを繰り返していました。

クララ役のマッケンジー・フォイ、凛とした雰囲気で本当に綺麗なんだけど、その行動や態度に納得できないので、共感しにくい。ドロッセル・マイヤーのモーガン・フリーマンはアップが恐い。キーラ・ナイトレーとヘレン・ミレンは、エンドロール観るまで気が付きませんでした。この3人も、『A Wrinkle in Time』の、オプラ・ウィンフリー、リース・ウィザースプーン、ミンディー・ケイリングと同じ。すべてを見通すかのようなオプラとフリーマン、ウェザーストーンのWhatsit(それは何だ)婦人とナイトレーの金平糖の精は妙にテンション高く、ケイリングとミレンはミステリアスと、役柄のみならず演技まで同じ。


 お話は、敢えて周知の物語を改変し、母を亡くして、父に対して心を閉ざしたクララが、冒険を経て成長し、父への愛情を再確認して感動~、のはずが、盛り上がりに欠けるんですよね。お金がかかってるのに、深みがないから安っぽく感じてしまう。ネズミの王様は沢山のネズミの集合体で、ネズミが苦手な方にはおすすめできない。正直、うげぇ!だった。

 くるみ割り人形のフィリップは、王子様から門番に格下げされたけど、アフリカ系なのが、ディズニーらしい。映画の最中で、おなじみのチャイコフスキーの曲に乗ってバレエの場面が挿入されるのですが、これが、アメリカン・バレエ・シアター初の黒人女性のプリンシパル、ミスティー・コープランドと、セルゲイ・ポルーニン。この踊りを大画面で見られたのが良かった…と、いう事にしておこうと思います。素敵な映画になる要素はたくさんあったのに、残念だなぁ…

思いがけぬ観光・ジャーマンビレッジ

2018-11-10 | アメリカの街の暮し
 お友達と、コロンバスに最近できた猫カフェで待ち合わせをしました。思っていたより小さくて、入場制限があるので利用はできませんでした。予約しておくべきだった!外から覗いた感じ、猫も3-4匹しかいなかったような?子猫いっぱいだね~、かわいいね~、と、指を咥えていると、お友達はどこに子猫がいるの?と。ほら、あそこにも、ここにも、と指差すと、いきなり吹くAさん。わにちゃん、みんな普通に成猫だよ、って。またもや、うちの猫が基準の私は、普通サイズの猫たちを小さいから子猫だと大ボケしちゃったのでした。普段はクールなAさんを、路上で爆笑させちゃったよwww

 ともあれ、猫カフェでお茶できなかったので、急遽予定変更、ジャーマン・ビレッジに行きました。有名なレストランやカフェの多いジャーマン・ビレッジでも、その象徴と言っていいであろうドイツ料理店のシュミッツへ、ジャイアント・パフ(巨大シュークリーム)を買いに、ちょくちょく行くのですが(←血糖値が気になってるんと違うんかい!?というツッコミはなしで)、石畳の街をゆっくり歩くのは、これが3回目。最初は若息子と、次に上息子と、そして今回は、オハイオ生活は長いのにジャーマンビレッジは行ったこと無いというAさんと、そぞろ歩き。




   
上の写真を撮ってるとこ。アホ面を激写されちゃった


 石造りの家々の趣を凝らしたお庭を覆う赤や黄色の落ち葉、青空に紅葉が映え、肌寒い通りを歩くのも楽しい。雑貨屋さんで、かわいー、かわいー!と感嘆し、素敵!欲しい!でも高いな品々を、せめてもと写真に収め、ドイツ菓子のお店でキャラメル・チョコを買って半分こ、そしてお約束どおり、シュミッツでソーセージとビール!思わぬ、プチ女子旅になりました。楽しかった~