サー・エルトン、何やってんですか? この一言に尽きる。
世界中の麻薬を仕切る女王、ポピーは、麻薬が違法なので、自称世界で一番成功した女性実業家なのに表には出られず、誰も知らない遺跡の中に作ったポピーランドで隠れていなければならないことに頭にきて、麻薬を合法化すべく、マリワナ、ヘロイン、メス等々全ての違法ドラッグに毒薬を仕込みます。その解毒剤が欲しければ、麻薬を合法にしろと米大統領に迫ります。世界中の麻薬使用者を人質にしたポピーに、キングズマンと、そのアメリカ版ステーツマンが挑むというのが、今回のお話、ゴールデンサークルとは、ポピーの率いる麻薬組織の名前です、ジュリアン・ムーアがイッちゃってるポピーを怪演。
ポピーランドに監禁されていたエルトン・ジョン、色々な意味で活躍するのですが、もうホント、あんた、何やってるんですか…orz で、なんか全部、持って行かれた気がします。あと、仔犬が可愛い。これ大事。主人公のエギーくんも、相変わらず可愛いんですよね。しかも童顔なので、どうしてもお子様に見えてしまって、英国紳士っぷりが違和感あるんだなぁ… 中の人、タロン・エガートンくんは好きな俳優さんなんだけど。「シング」のゴリラ役も、繊細さを秘めた声に演技、凄く良かった!
以下、色々とネタバレしてますのでご注意。
前作でもやられてたキングズマンの資格試験に失敗してダークサイドに堕ちたチャーリーが、再びエギーを襲うシーンから始まる二作目、エギーは今はなきハリーのフラットに住んでいます。スウェーデンの王女さまとに関係は、上手くいってる模様。スウェーデン王家は、この映画のことを一体どう思ってるのか、きいてみたい。
エギーがガールフレンドの両親、即ちスウェーデンの国王と王妃と一緒のディナーの最中に、イギリス中に散らばったキングスマンたちのアジトにミサイルが放たれ、エギーとマーリン以外、あっさり全員が死んでしまいます。ホンマか?
英国のキングスマンに対し、アメリカには、よりによってケンタッキー州に本部を置くステーツマンがいます。全員がカウボーイハット姿で、こちらはシャンペン、ウイスキー、テキーラとお酒の名前がついていますが、マーリンに当たるのは、ノン・アルコールのジンジャー・エール。演ずるのはハル・ベリーで、「007 ダイ・アナザー・デイ」のCIAエージェント、ジンクスを意識してるのは勿論だよね。
前作で顔を撃たれて死んだものと思われていたハリーは、ステーツマンに保護されていましたが、記憶を失っています。記憶を取り戻すには、かつて受けたのと同じショック(トラウマ)に向き合う必要があるのですが、この方法が素晴らしい。私的に最高の場面。
世界中の麻薬使用者を人質に交渉するポピーですが、大統領はジャンキーたちを一掃する良い機会だと、交渉に応じる気はありません。映るテレビはFOXニュースばかり、トンデモ大統領、特別収容所に集められ、小さな折に閉じ込められた、死を待つ膨大な数の麻薬施用者と、とことんアメリカをコケにしていますよ。道理でアメリカでの評判が悪かったはずだwww
カーチェイス、酒場の「マナーを教えるための」乱闘、スキー場でのガンファイトに、ポピーランドで最期での対決と、見応えはあるのですが、少ししつこい。特に最後、ハリーとエギー対ウイスキーは長過ぎて、早送りしちゃった。
今回も毒が効いていますが、人間をミンチにしてハンバーガー作っちゃうポピーの設定したパスワードが「ビーガン万歳」とか、なんか狙いすぎて滑ってると思う。マーリンが、カントリー・ロードを歌いながら自分を犠牲にするシーンは、感動的ではあるんだけど、ハリーのこともあるし、どうせ生きてるんでしょ、というか、生きてて欲しい。冒頭で、あっさり吹き飛んじゃったランスロットも、わんこのJBも、三作目でけろっと復活してほしいものです。
だって三作目、作る気満々ですよ。今回、最初と最後以外は凍ったままだったチャニング・テータムのステーツマン、テキーラが、キングズマンの所に修行に来ましたから。スーツに帽子で英国紳士の服装なんだけど、がに股でカウボーイ体型(ずっと馬に乗ってるから、カウボーイはO脚なんです)ってとこ、正直、一番笑った。で、次はハル・ベリーにも大活躍して欲しい。今回、ジンクスとは正反対な地味な支援スタッフ役なのは、次へのネタだと思いたい。
エギーくんは王女様と結婚して皇族になっちゃったんですが、そこんとこも何かの伏線かなぁ…?正直、1作目に比べると、狙いすぎて滑ったと思う「ゴールデン・サークル」だけど、キャラクターや設定は魅力的だし、面白く使えるネタも多いと思うので、三作目は挽回してほしいです。正直、楽しみにしてるよ!