わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

ショックな真実

2018-09-25 | アメリカの街の暮し
 いつものように、寝る前にiPadで標準アプリのニュースサイトを見ていたら、衝撃的なタイトルが目に入りました。ナショナル・ジオグラフィックによる「日本は如何にして違法象牙取引を廃止する努力の障害となっているか(How Japan Undermines Efforts to Stop the Illegal Ivory Trade)」と、いうのがそれ。副題は「中国が象牙の販売取締まりを始めた今、世界最大の市場である日本の法の抜け穴が密輸入者たちに機会を提供している(As China cracks down on ivory sales, legal loopholes in Japan—the world’s largest market—offer opportunities for smugglers)」。

 この記事は、著者のRachel Nuwer氏が、世界中で禁止されている象牙販売が、「違法かつ大っぴらに」行われている日本に行った著者が、浅草の宝石店で、450ドルの象牙のネックレスを見せてもらった経験から始まります。「これをニューヨークに持って帰ったら、違法にならない?」ときく著者に、店主は「違法だけど、首から掛けて税関を通れば見付からないさ。みんな、そうしてるよ」とアドバイス(?)したそうな。

 元々、世界における、ほぼ全ての象牙取引の場であり、そのための密猟の原因となっていた中国が、今年1月に、象牙の販売取引を一切禁止したことは、世界中で称賛されました。そして、この中国の勇断によって、日本が、世界最大の違法象牙取引の場となったというのです。いくら中国の当局が禁止しても、実際には完全に規制することはできないでしょうし、中国政府だからできたことであるとも思います。これを日本もすることが可能なのか…?

 たしかに昔は、根付や三味線のバチ、印鑑等々で象牙が使われていましたが、その頃はピアノの鍵盤等も象牙で、世界中が、その貴重さと、それらの象牙がどのようにしてもたらされたかへの無知ゆえに、罪悪感なしに象牙を取引していました。象牙って、ローマ時代から使われていましたし。でも、世界中で大問題になっている現代において、日本人が取引をやってたとは!無知ゆえに、これは大きな衝撃でした。

 確かにイルカやらクジラやらで独自路線を貫いてはいますが、日本はむしろ、動物愛護や世界的な法への遵守には鋭く反応する方で、こういった残酷な象の密猟だとか、象牙の違法販売・購入とかの廃止は、率先して実行しそうなのに。イルカ漁や捕鯨に対する、歴史的背景や文化を全く無視して、ヒステリックにイルカやクジラは可愛いから捕まえたらダメ!と叫ぶ欧米人にはムカつく私も、象牙取引は日本の恥だと情けない気持ちになります。そのうち、色んな組織が、イルカ、クジラに加えて、エレファント・キラー!とかって喚き出すんではないかと、いや、むしろ、騒ぎになれば日本も象牙取引を厳しく取締始めるだろうかと期待するのは、調子良すぎ?


 欧米諸国では、象牙を所有していることすらが恥ずかしいという風潮があるけど、日本では、まだそこまでの意識はなく、それが問題でもあると思います。日本における象牙の違法取引が表面化すれば、鯨・イルカとは違って、大多数の日本人が、象牙取引に反対するようになると、私は思います。象牙を違法に卸していた業者が捕まったときには、大きくマスコミに報道されても、多くの日本人は、自分とは関係のないことだと思っているのではないでしょうか。かくいう自分も、40年前に親に作ってもらった印鑑は象牙だったりします…

 日本における象牙需要の多くは、印鑑だそうです。でも、象牙加工は江戸時代以来の日本の伝統工芸だから、そう簡単にはやめられないという言い訳は、捕鯨は伝統的なものだから止めないというのとは、ちょっと違うと思う。印鑑は象牙じゃなくても、つげの木でも高級品は作れるし、この頃はキャラクター印鑑も市民権を得てきて、だいたいハンコ文化そのものが変化中でしょ?他にも、絶対象牙でなきゃ作れないって物はないんじゃないかな?需要があるから供給される。日本での需要がなくなるのが一番良いわけで…

 この記事では、2011年から16年にかけて、国際取引監視グループによれば2011年から16年にかけて、日本から流出した象牙は2.4トンに及び、その殆どは中国へ送られたとか。中国から入ってきたんかと思ったら、逆やんか!?!この間は、東南アジアで捉えられた希少な蝶の最大の市場は日本って記事も見たし、ちょっと日本、ヤバイ…


 記事内で、米国務省の方が、日本における国内象牙取引を許す法律が抜け穴となっており、世界的な努力を無駄にしていると糾弾しています。他の国々は、日本が象牙市場を完全閉鎖するよう仕向けなければならない、とも。国内でも、楽天による象牙販売の停止は賞賛を持って迎えられ、野生動物保護団体は活発に活動しています。

 でも一方で、日本には、象牙を扱う小売販売店が8,200、加工業者が300、卸業者が500も存在するのだそうです。象牙取引を禁止すれば、これらの人々は困るでしょう。この産業に従事する多くの日本人の方への補償をどうすればよいのかは、深刻な課題です。

 和歌山の伝統的な鯨漁師の方々は、老齢化が進み後継者もいないと聞きます。象牙細工も、そうなるまで待つのでしょうか。でも、日本の評判を著しく貶め、個体数の多いイルカや、捕獲量が法で規制され、ごく限られた数に抑えられているイルカや鯨とは違って、象は日本人ではない密猟者によって、その角だけのために狩られ、実際に絶滅の危機にあり、世界的な闇の中で取引が行われているのは、言い訳のできない事実です。

 時代と共に廃れていった産業は沢山あり、それによって甚大な被害を受けた人々も膨大な数に上るでしょう。炭鉱業は中でも大きな分野でしょうし、かつては街中にあふれていた写真の現像屋さんに、貸しレコード・ビデオ、本屋さん等々。大きな経済的打撃を受け、閉店、転職を強いられた人々が身近にも沢山いる。無責任であることは自覚していますが、象牙産業の人々だけを保護するという理論は、ムリがあると思います。

 それだけではありません。象牙に変わる樹脂が既に開発されています。 エルフォリン(elforyn)というものが、象牙の代用として、既に頻繁に利用されているのだそう。環境省も象牙等はルールを守って取引しましょう!なんて言ってないで、全面禁止に向けて動くしか無いと私は思います。甘っちょろい理想主義とか、鯨はいいけど象はアカンのなら、海犬とどこが違うと言われても、先に書いたとおり、鯨と象は違うもん!って、わたしゃ歯向かうよ。

写真を多く含んだ、この記事は、ここから。写真とグラフだけでも、ぜひ見てください。一枚だけ、そんな写真の中から

JTEFがアース・デーに出したのぼり


 ちなみに、ナショ・ジオの記事をいち早く翻訳して載せてくれる、私的ネタの宝庫、Yahoo!Japanは、この記事中で「日本剤台の象牙取引の場」と指名されているので、そこでは掲載されないと思います。そして、この記事を書くための調査は、日本の機関が資金援助をしているそうです。

前澤友作氏のスピーチに思ったこと

2018-09-20 | 英語
 前澤友作社長が、イーロン・マスクの宇宙ベンチャー「スペースX」と月旅行の契約を結んだ前澤友作氏の、共同記者会見のビデオを見ました。前澤氏の事は全く知らなかったのですが、イーロン・マスク同様、自分の才覚で富を築いた40代の事業家で、アートの振興やアーティストの活動支援に力を入れている人だそうですね。この月旅行にも、自前で各方面のアーティストたちを招待するとか。

 ほぉ、ほぉ、ほぉ~、と、前澤氏関係の記事を探していろいろ読んだのですが、その中に個人的に引っかかった記事がありました。
会見について、2つ残念だった点がある。1つは前澤氏の英語のアクセントだ。あれだけの長い記者発表を英語で行ったことは、とてもすばらしい。ただ、宇宙という壮大なトピックについての世界に向けた記者会見において、アメリカ人や英語ネイティブにとって「なじみのない英語、聞き取りにくい英語」だった。

日本では、外国人がカタコトの日本語でスピーチをしようものなら、日本語習得がんばってと親近感がわくだろう。しかしアメリカでは事情が異なる。英語は話せて当たり前とされているため、一般的になじみのないカタコト英語をアメリカ人は「Bad English」として揶揄する傾向がある(特に移民が少ない内陸に行けば行くほど)。本人にはもちろん直接言わないしメディアもそれについてわざわざ書かないが、「Bad Englishを話す人」と印象づけられるのはもったいない。前澤氏が世界初の月旅行へ。記者発表を
見ながら考えた、アメリカ人とのビジネスで知っておいた方がいいこと
から抜粋

 上は、私のネタ元としては毎度おなじみ、Yahoo!Japanに出ていた、2002年からニューヨークにお住まいのジャーナリストで、編集者、翻訳家でもある安倍かすみさんの記事です。これを読んで、アメリカに来て30年にもなり、しかも一応は日英通訳を生業にしているにも関わらず、日本語訛りな私は「ウヒャー!厳しー!!」と、オノレを恥じたのでした。


 「移民が少ない内陸に行けば行くほど」カタコト、というか、アクセントのある英語が通じにくいのは本当です。私が何年経っても訛りが抜けないのは、ニューヨークやワシントンD.C.、そしてLAと、現地のネイティブ達が外国人の英語に接する機会が多い地域に長く、彼らは少々こっちが訛っていても聞き取ってくれるので甘えていたのも原因だと思います。オハイオの田舎じゃ、ドライブスルーで注文するときや、ウォルマートで何かを探している時に、店員さんに私の英語が通じなくて困ったことが何度もありました。仕方ないから、紙に書いて渡したり、こりゃダメだと諦めたことも。

 一方で先日、LAでレンタカーを借りる時には、受付のお兄ちゃんと「ここにいたら、色んな訛りを聞き取らなくなんないから大変だね」なんて言ってたばかり。この兄ちゃん自身ヒスパニック系だから多分、スペイン語とのバイリンガル(微かにメキシカンのアクセントが聞き取れました)、その彼に無駄口叩いてるお客の私は日本語訛り、隣の窓口はフランス語訛りの二人組、大声なので聞こえてくるのは中国語訛りの英語、ってな具合なので、LA等の大都市だと、多少訛っても問題なしに通じちゃう。

 でも、ビジネスにおいて、英語が訛ってるから、相手をばかにするような田舎者アメリカ人は、国際取引をするに値しないと、私は思う。ここはアメリカ、移民じゃなくても、世界中から人が集まっています。だいたい、大統領夫人からして英語訛ってるし、アメリカ人である元ファーストレディーのローラ・ブッシュさんは、南部訛りが強く、かなり聞き取りにくかった。日本国内でだって、「西郷どん」で字幕が出たのくらいじゃないですか。

 私は、カタカナ英語でも、堂々と英語でスピーチした前澤さんはすごいと思う。そんなふうに卑下するから、日本人は英語が苦手になっちゃうんじゃないかな?息子にいつも「母ちゃん、訛ってるよ」とバカにされてるレベルの日本語訛りの私が、インド訛りの電話顧客サービスと意思疎通するのが難しい(お互いに相手が聞き取れないwww)。メキシコ支局とのテレビ会議で、メキシコ訛りの英語が聞き取れなくてお手上げになっちゃったこともあるし、昔、国際機関にいたときには日本人発表者のカタカナ英語が聞き取りにくくて、通訳さんの英語音声に切り替えちゃったこともあった。

 でも、前澤さんの英語、ゆっくり丁寧に一語一語を、はっきり発音してて、聞き取りにくいとは思わなかった。不満は、「My English is poor」だから聞きにくかったらゴメンね、ってビデオに移るのは戦略的ではあるけど、それ言わなくって良かったんじゃない?って思っただけ。一方、イーロンだって南アフリカ出身で、「完全な」アメリカン・イングリッシュのアクセントじゃないよ。私は
日本人はビジネスシーンでも卑下せず、カタカナ英語で堂々と意見を言おう!って、声を大にして言いたい。大事なことなので、字を大きくして太字で色も変えました。

 相手が聞き取れなかったら、それは相手が悪い。少しでも聞き慣れていなアクセントだったり、見た目がアメリカンじゃない(つまり東洋人。たとえ4世代目の中国系アメリカ人でも)と、偏見で相手の英語がわからないってことは、実は多々ある。日本で育ったカメルーン生まれの星野ルネさんのまんが「アフリカ少年が日本で育った結果」でよくある、先入観でルネさんが日本語喋ってんのに、ミー・ノー・イングリッシュとか言い出す人と同じ?

 無論、発音教室に行ったりして訛りを無くす努力は素晴らしいし、ネイティブ並みの発音で喋れる人は羨ましいです。でも、大多数の場面で、言いたいことが伝わりゃ、それでいいってのが、アメリカ生活30年で開き直った日本人おばさん、私の本音です。英語は国際語だから、いろんな母国語の人が喋るし、「ネイティブ」だって、イギリス、インド、アメリカ、オーストラリア、カナダやアフリカ諸国で、「標準語」は違う。自分の英語が通じなかったら、かつては落ち込んだものですが、立派なオバタリアンに成長した今じゃ「これだからイナカモンはぁ~」なんて、オノレのことは棚に上げてカカカと笑っとりますわいw

どっちを向いてもインスタ映え

2018-09-16 | Museumsとイベント
 カントリー・リビング・フェア再び!昨年、そして今年の6月に続いて、またまた雑誌の「Country Living」が主催するフェアがオハイオにやってきました。いつもの私なら、旅から帰ったばかりの日曜日は遅く起きて犬の散歩行ったらお昼寝、夕方頃に起き出して、晩御飯食べながら「西郷どん」観て、お夕寝、深夜前に起きてネットサーフィンしてから寝る、なんて暮らしですが、今日ばかりは大好きなフェアの最終日を逃すまいと、張り切って参りました!


爽やかな秋空でした




ハロウィーンを前に、かぼちゃもたくさん飾られていました


右下に写り込んじゃったのは、エドナ・モードではありませんw
気に入ってる一枚なのに、あちゃー!だよ


かわいくって、気になってるフクロウさん
一つ連れて帰りたいけど、選べなくて毎回諦めてる


うちに出窓がったら、絶対これ飾りたい!
でもいいお値段なので手が届かない


 せっかくなんで、いっぱい撮った(と、いうか獲った、って気分)写真を、インスタグラムにも載せたよ。だって、特に狙わず、これステキ~でパチリしただけで素敵な写真が取れちゃっうんだもの。暑かったけど、いい風の吹く気持ちのいいお天気で、とっても楽しい一日でした!

LAに行ってました

2018-09-16 | アメリカの街の暮し
 先週は、ロサンゼルス郊外に行かねばならぬ急用ができ、慌てて荷物を詰めて、行ってきました。せっかくなので、かつて住んでいたガーデナに宿を取り、この機会に久しぶりのLAを堪能してきました!

 火曜の夜に到着して直ぐ、晩御飯を食べようと予め連絡しておいたロングビーチに住む上息子に「着いたよー!」とテキストしたら、「Busy tonight sorry」の3語で断られる。むっかー!レンタカー借りて高速乗った途端に大渋滞だ、ムッカー!ガソリン代は高いわ、ホテルの部屋は道に面してうるさいわ、ムッカー!!だったのですが、朝、起きて一歩外に出たら、雲一つ無いあっけらかーん!な青空と、微かに潮の香る浜風。もう、全てがどうでもよくなって、LA最高!!と、叫びたい気分になる、実に単純な私。

 ダイソーとブックオフ($1本が$2なってた。悲しい)で買物したし、ビーチを散歩したし、回転寿司もラーメンも焼き肉も食べたし、サウスベイに住むお友達には、いきなり電話したのに遊んでもらって、すっごく楽しかったよ!コリアンスパで垢すりしたんで、文字通り一皮剥けて、帰ってきました。


出発時のコロンバス国際空港。大電光掲示板が、こんなんなってた


帰りはちゃんと修理されてた


海はいいねぇ…


子犬の頃から知ってるアロちゃんとグンちゃん
こんなに大きくなっても甘えん坊。おばさん、メロメロ


オレンジを絞って新鮮なジュースを出してくれる自販機。さすがカリフォルニア


 ダイソーや、元マルカイな日系スーパーを歩くと、本当に何でも棚に並んでて、羨ましいを超えて、こんなに何でも買えるなんてずるい!って嫉妬。トヨタがテキサスに移ったら、サウスベイのラーメン屋が半分無くなるなんて言ってたのに、逆にカジュアルな和食のお店が増えてるやんかー!トヨタは、確かに無くなってて、入口にTOTOTAの文字が、そこだけ白く残ってたのが、なにやら切なかったです。

LAにいる間は、やっぱLAに帰りたい~、って考えてたんだけど、我に返れば、お家賃は高いし、ガソリン代も高いし、なんでも揃ってる、日本食いつでも食べられるイコール誘惑多すぎで、あっという間に貯金が底をつきそうで怖い。一方で、オハイオから日本は高くて遠いけど、西海岸ならタマにお手頃価格の航空券が出る。なにより、息子らに近い。うーん、悩ましい…

 

なかなか暮れない夏の夕暮れ

2018-09-08 | 映画・ドラマ・本
 そして苦笑する。ベルリンで東京を思い、東京でベルリンを思っているのだから世話はない。今回の帰国を、雀は日本の知人にあまり知らせていない。(中略)外国暮らしのながい雀は、日本国内の旅行というものをあまりしたことがなく、今回の滞在中、九州か島根に行ってみたいと思っていた。この家の、畳の部屋での昼寝もあと二、三回はしたい(昼寝について、けれど雀の気持ちはやや複雑だった。ドイツでは宵張で、仕事のない日は午前中をたいてい寝て過ごすのだが、日本で昼寝をすると、何故か気が咎めるのだ)。江國香織著「なかなか暮れない夏の夕暮れ」243ページ


「雀」は、この本の主人公の姉で、普段はドイツに住んでいる写真家です。主人公の稔が50歳なので、海外に一人で長く暮らす、五十路の日本人女性という設定です。作者の江國香織さんが、海外生活の経験があるのかどうかは知らないのですが、アメリカでは日本を思い、日本にいればアメリカを思う五十路女の私の心情にぴったり。小説家ってすごいなぁって思う。

 「雀」さんは、莫大な遺産を引き継いだ裕福な女性で、老後の心配もないでしょうし、帰りたいと思えばいつでもファーストクラスで日本に飛び、日本国内のどこでも旅行して、高級旅館に泊まることが出来るようなキャラクターですから、私の設定とは全くかけ離れているのですが、この気持は「ある、ある!」と共感してしまいました。作者の江國香織さんは、ご自身が海外に住んだことがお有りなのかしら?もし、想像だけで描かれているのなら、小説家って本当に凄い!って思うとともに、海外に一人で住まう、いいトシの日本人女性には、共通の思いなのかしら、と、思ったり…

温泉入りてー!

猫の耳先

2018-09-05 | 犬と猫、たまに人間の息子
今日(ってか、つい今)学んだこと:猫の耳先にある、ちょろっとした毛、あれには「リンクスティップ」という名前がある

 リンクスはLynx(オオヤマネコ)で、ティップ(Tip)は先っちょだから多分、英語だとLynx's Tips?と、思ったら「Ear Tufts(耳の頂毛)」って、そのまんまだった。リンクスチップのほうが絶対かわいい。ともあれ、確かにリンクスの耳の先っちょの毛って特徴的ですよね(右の画像は、Wiki先生から借りてきました)。

 この毛、カワイイだけじゃなく、ちゃんと役目があり、狩りの際に僅かな風の動きを察知してるそう。家猫にも種類によってはリンクスティップがあり、特に大型猫種のメインクーンの特徴にもなってるんですって。リンクスって、オオヤマネコとボブキャットのことだそうなので、メインクーンも大きいので、飼い慣らされる前の種に関係があるのかも?

 うちのデカ猫は、重さにはメインクーン(雄は6~8kgだって)とタイマン張れる18ポンド、長さは伸ばしたこと無いから不明(持ち上げると後脚を蹴り上げちゃう)だけど、その出自は疑うことなき立派な雑種、アメリカの普通の猫です。その彼にも、チョロっと耳の上に毛があるけど、単に長めの耳毛って気もする。

かつてはハンターで、庭や地下室から色んな小動物だの蛇だの虫だのを獲ってました。玄関先にモグラがひっくり返ってたときは、本当に飛び上がりました。人間って、びっくりしたら本当に飛び上がるんだって感心した。モグラって、絵や写真ではなんだか可愛いって思ってたけど、実物は毛のない長い指が「ギエー!」もんでした。一生に一度の遭遇で十分です。ありがとうございました。

 そんなエリさんも、今はアパート暮らしで、田舎の庭付きの家に住んでた時みたいな運動の機会がないので、更に体重増えてるんじゃないかと…(上から見ると普通だけど、腹肉がどっしり)。せめて背の高いキャットタワー買ってきたら、とも思ってしばらく物色してたんだけど、今、家中に聳えてる箱の山脈を爪研ぎ以外の用途に使ってる姿を見たこともなく… 無駄かな…(遠い目)

読書感想文

2018-09-03 | 映画・ドラマ・本
 日頃から怠け者の私ですが、9月一週目の月曜日、労働者感謝の日を含む、この週末、普段を上回るさらなる自堕落日を過ごしております。先週、日本語本の棚のあるワーシントン公立図書館の近くを通ったので、古本売り場にめぼしいものがあるかもと立ち寄ってみました。ここの貸出本は殆ど読んでしまって、過去数回は全く成果がなかったので、余り期待していなかったのですが、棚の位置が変わって、新しい本が入っていました。嬉しくて、目新しいのん、帆布バッグにいっぱい借りてきた。

 こうと決めたら、とことん!だし、帰りにスーパーで、ビールとポテチも買ってきた。普段はポテチも買わないし、一人でお酒も飲まないよ。で、ここ数日は、昼間っからポテチ食べながら本を読んだり、PCで映画やドラマを見たり、夜になったらビール飲みながら、やっぱ本読んだり映画見たり。自堕落の通常運転をさらに上回るハイパー自堕落ですわ~(←もっと恥じて!)。

 この週末を終えると、日本では新学期ですね。宿題の一環、じゃないけど、印象に残った本の感想を書きます。供の頃は、読書感想文は得意でした。素直にではなく、こういうコトをが書くのを、先生は生徒に期待してんだろうな、ってことを、こしゃまくれて書くのが得意だったって意味だけど。

 近頃の日本人って、タレントさんの不倫に厳しいのに、純文学では不倫が付き物みたいなのって、一体何なんだろう?「失楽園」が流行った時くらいの頃は、「文学」小説は不倫ものばっかで、海外の図書館という超限られた選択肢から、兎に角なんか読みたいんで借りてくると、不倫女性の話ばっかで辟易なんですが、今どきの小説にも、人死に拔きの群像劇だと登場人物には必ず不倫してる奴がいて、日本って、そんなに不倫が多いんですか?と、日本を離れて30年のおばさんは悩む。

まず、ご飯食べながら軽く読んだのは(私は行儀が悪い)、畠中恵氏の「こころげそう」。「しゃばけ」で有名な作者さんだけに、幽霊が普通にいる江戸時代のお話。長良で読むのにぴったりな、登場人物もお話もネタも軽い一冊(←えらそーにwww)。未婚の若い男女のお話なので不倫は出てこないけど、岡惚れあり、市に至る恋あり。人物紹介を兼ねた栞が付いており、「恋のお守り」ってあるけど、幽霊なっちゃたり、死んだり、殺されたりしてんのに、一体どんな「お守り」やねん?!

 昨日回読んだうちの一冊は、江國香織氏の「なかなか暮れない夏の夕暮れ」です。タイトル通り、これといった事件も起こらず、親の莫大な遺産で生きてる高級遊民な五十路男と、その周辺の何処にでも居そうな、でも主人公との関係故に、実際にはこんな甘ったれた状況の日本人は滅多にいないだろ、っていう、正に、ダラダラした夏の夕暮れの曖昧な海と空の境のような、ある意味、とても小説的な数日間が語られます。ぐーたらと本を読んでる自分に、ある意味ぴったり。

 作中に、主人公が読んでいる本の内容が挟まれるのが面白くて、その一冊は、北欧を舞台にしたスパイサスペンス、もう一冊はジャマイカ舞台で、読んでいる側もクーラーの効いた部屋を挟んで、寒々とした北欧/蒸暑い熱帯を行き来するような感覚が味あえます。ちなみに、登場人物たちは不倫してないけど、主人公が読んでる本の登場人物たちは不倫。

 主人公は、何度も読書を中断され、数日に渡って一冊を読んでいるので、作中に出てくる料理にはまって毎日作ったりといった向き合い方が面白かったです。私は通常、小説は一冊丸ごと一気読みに加え、何冊かを同時進行的に読むのが習慣で、生活の中に読んでいる別世界を少しだけ取入れつつ、何日かを過ごす経験がないので、少しずつ楽しみながら、自分の生活の中に本の世界を取り入れるって、贅沢な読み方だと思いました。

 この本を読む前は、百田尚樹氏の「フォルトゥナの瞳」→誉田哲也氏の「ケモノの城」を読んだ直後に読み始めました。突然に数日後に死ぬ人が判ってしまうという能力を得た主人公の自己犠牲のお話というやるせない本から、北九州の監禁殺人事件を基にした「これアカンやつや」と最初の数ページで思ったのに、始めたら途中でやめられないんで、結局最後まで読んで、「やなモン読んじゃった」に。作り話なら作者の発想と表現力を、すごーい!で読み過ごせたかもしれないけど、事実を基にしているので、本当に暗澹たる気持ちになっちゃった。

 誉田哲也氏は、以前図書館で借りた「プラージュ」が面白かったので、同じノリで読み始めちゃったのだな。登場人物は立ってるし、構成も上手い!でも、それだけに一層、うわー…なった。あまり万人にお薦めできない一冊でした。でも、人間の闇の深淵を覗いた後に、たとえ自分の為だけであっても、善意に生きている人々の長閑とも言えるお話を読んで、全く別の世界に異世界転送されちゃうのも、読書の醍醐味。

 しかし、ここの司書さんの本の選択基準を、ちょっと知りたい…

実写版「銀魂」

2018-09-02 | 映画・ドラマ・本
 今、劇場公開中のんではなく、1作目をやっと観ました。お友達のKちゃんが褒めてたんで、ずっと観たいと思ってたのですが、日本で地上波放送があって、やっとネット上で見ることが出来ました。Kちゃんは芝居や映画には造詣が深くて目が肥えているだけじゃなく、私の趣味をよ~~~く知っているだけに、ハズレはないとは思ってたけど、さすがに面白かったです。Kちゃんが面白かったと言った、イコール、期待値も上がってしまうし、先にアニメの劇場版、紅桜篇を観てたので、自分基準ではかなり厳しい目で観ちゃったと思うのですが、十分、期待に答えてくれる楽しさでした。

 「銀魂」は、名前と、どんなお話かは知ってたけど、Kちゃんにオススメされるまで、漫画もアニメも見たことありませんでした。で、どんなんかなぁ?と、劇場版アニメを観たのです。アニメは、海外からでも比較的見易くて、放映した同日にはネットに上がっています。劇場アニメも、この「銀魂」や「NARUTO-ナルト-」等、人気あるのは、観るの簡単。でも、邦画は結構タイミングが難しくて、中国語や韓国語の字幕付きで上がっても、暫く経ったら削除されて…の追いかけっこ。Hulu等でお金を払ってでも観たいと思っても、海外からの申込は受け付けてくれなかったり。海賊版駆逐の一番良い方法は、合法に何処からでも見れるようにしてくれることだと思うんですけど…



 神楽役の橋本環奈ちゃん、とっても可愛かったです。新八の菅田将暉くんも、アニメのイメージそのものでした。エリザベスの着包み感や、サダハルのいかにもCGは、むしろ好き。映画の雰囲気に合ってたと思います。ネタのてんこ盛りと破茶滅茶ぶりが、大阪人な私のツボにはまりました。

 でも、これを昨日の夜に見て、今朝、見逃してた先週分も含めて「西郷どん」を観たら、桂小五郎が薩摩の皆さんに土下座されてるわ、その横で銀ちゃんが、ぜよ、ぜよ言ってるわでダメでした。とりあえず、今年中は決して「変態仮面」を観ないようにします。今、上映中の「掟は破るためにある」も、早く観た~い!