わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

白内障手術経験者より

2018-11-18 | 白内障手術
 『白内障手術によってごく少数ですが、期待通りの結果が得られないどころか、逆に長く苦しむ「白内障術後不適応」』という症状があります」』から始まる記事に興味を惹かれました。読売新聞の、yomiDr.に掲載されていた「「左右で見える大きさが違う」「上下左右から視野が圧迫」…白内障手術後に起きる不調 見え方に脳が「不適応」のケースも」です。

 私は40代だった7年前、2011年に白内障手術を受けました。40代で白内障手術というのは珍しいそうで、看護婦さんにも、間違いじゃないかと思ったと言われました。私の眼球は、真ん丸ではなく、やや長細いのだそうで、水晶体も少し厚めなので濁りやすいのだとか。どうせ、この先、症状は進行するばかりで良くなることはないんだし、手術しちゃったら?と、いう眼科医さんのアドバイスで手術を受けようと決めたのですが、かなり気軽に決めてしまいました。

 目の前の自分の手すらもぼやける程に強度の近眼に加え乱視も酷く、ソフトタイプのコンタクトレンズや、レーシックでも完全に矯正はできない状態でしたが、手術後は近視は矯正されました。引き換えに遠視になってしまいましたが、もとより眼鏡なしでは生活できなかったのですから、大して気にはなりません。今は、遠視・乱視矯正のために、近く、遠方に加え、コンピューター画面を見る中距離の3焦点レンズのメガネを掛けていますが、かつて特注の高くて分厚いレンズが必要だった頃に比べれば、レンズは安いし、軽いので縁無しメガネも選べるし…

 上記の記事によると、『強度の近視の人の場合、眼鏡をはずして見たい物体を目に近づけさえすれば、物は大きく明確に見えるという得意技を持っている』のだそう。そして、『白内障の手術前、医師から眼内レンズについて「遠くに合わせますか。近くにしますか」などと聞かれると、長い間強い近視で苦労した人は、手術を機に近視を解消しようと眼内レンズを遠方視に合わせることに同意してしまいがち』だそうで、私も、その一人。

 但し、近視と遠視を同時に対応する方法として、遠近両用の多焦点レンズを入れる方法がありますが、このレンズには保険が適用されません。保険適用内なら、片目に近視矯正用、もう一方の目に遠視矯正用の単焦点レンズを入れるという方法があるという説明を受けました。また、利き目に単焦点レンズを、もう一方に多焦点眼内レンズを入れる「ハイブリッドモノビジョン」という方法もあるのだそうです。

 記事に戻って、遠方視に合わせると、『遠くはよく見えるようになるのですが、近くはいつも老眼鏡が必要になり、あの得意技が使えなくなってしま』います。そして、『これまでの生活が一変するわけですが、そこまでの変化を予想しておらず、不適応を起こしてしまうことがある』そうです。この新しい状態に脳が適応するまでの時間がかかるのですが、通常、術後数日で気にならなくなるものですが、1~3%の人はいつまでも不適応が続くのだそうです。

 私が、片目に近視矯正用、もう片方に遠視矯正用を選ばなかったのは、この不適応を恐れたせいでした。なんだか想像しただけで、頭痛くなりそう…って。でも、この方法で快適に過ごしている人も沢山おられるので、全く個人の選択だと思います。

 白内障手術は、日本では年間で130万件以上、行われているそうです。私の時は、片目15分程度で終わってしまいまました。術後から5年経った2016年に、眼内レンズを固定している水晶体の袋の後方が濁る、後発白内障のレーザー手術を受けました。これは、本当に一瞬。

 いくら実施件数が多くとも、技術が進化して手術がルーティン化しようとも、100%ということは有り得ません。こういった不適応性があるという事実や、目にレーザーを当てて、自前の水晶体を砕く、というと、何やらおどろおどろしく、日常生活に支障がないなら、わざわざ手術しなくとも、と、思われる方もおられるでしょうし、不安で迷っている方もおられるでしょう。

 ですが、私は手術後、生活はずっと快適になりましたし、手術を受けて本当に良かったと思っています。不適応性になってしまっても、同記事内で『どうしても慣れない場合は、眼内レンズを前方に移動するなどの処置をする再手術で解決』するとあります。もし私の経験が、迷っておられる方のお役に立てれば幸いです。


サイモンも白内障なって、晩年は殆ど見えなかったなぁ…

後発白内障レーザー治療してきた

2016-09-14 | 白内障手術
 5年前に白内障の手術を受けました(その時の記録はこちらから)。レーザーで水晶体の袋(水晶体嚢)の前面(前嚢)を円く切って水晶体の中身を砕いて吸い取り、人工レンズを挿入する手術です。この手術を受けた後、今度は水晶体の袋の後面(後嚢)が濁ってくることがあります。ネットで調べた所によると、この症状、後嚢混濁の発生率は、100人に1~2人くらいから、術後1年で10%、3年で20%、5年で30%程度と様々。

 ともあれ私は、そのうちの一人で、この頃、夜にランプの下で本を読もうとすると何やら白く靄がかかっていて、何度もメガネを拭いてしまう、でもモヤモヤが消えない、という症状が暫く続いていました。目医者さんで年に一度の検査を受けた時に、これは、眼内レンズを固定している水晶体の袋の後方が濁る、後発白内障の疑い有りとの診断を受けました。

 で、昨日、専門眼科で診察を受けた結果、レーザー治療(post cataract laser surgery)を受けることになりました。ネオジム・ヤグレーザーという特殊なレーザー光で衝撃波を起こし、後嚢の真ん中を切開します。手術はいえ、ほんの数分で終わり。一番、長かったのは、お医者様を待ってる間だったという、よくある展開。

 眼科の検査の時に使うような、顎乗せのある機械の前に座って、なんか赤い丸が眼前でチカチカしたなぁと思ったら、それで終わり。痛くも眩しくもありませんでした。先端技術、凄い。まぁ、昨日は、検査のために瞳孔が開いた状態のままだったので効果は分かりませんでしたが、今日、会社に行ってPCを立ち上げてみると、なにこれ、
画面が白く輝いてゐる


 自分では気付かない間に、世界が暗くなっていた模様。ただ。数日は飛蚊症が出ますよと言われた通り、視界に小さな黒い点が飛び回り、ハエか蚊かとジタバタしたりしていますが、そのうち収まるはずです。ちなみに自己負担費用は、両目で300ドルでした。色々出費がかさむわぁ…(タメイキ)

白内障手術その4-レーシック手術との関係など

2012-06-04 | 白内障手術
昨夜の月食を、今夜だと勘違いして見逃してしまったよ…orz

 しつこく今日も白内障手術について、少しだけ。手術の翌朝には、もう一度病院に戻って検査を受けます。何しろ前日が「白内障手術の日」ですから、眼科の待合室には、顔に大きな絆創膏を貼った人がズラリ。しかも皆揃って、「昨日の手術、上手く行ったかな?」と不安な表情なので、何も知らない人が見たら、かなりブキミな雰囲気でしょう。正直、私も待合室に入った瞬間、その異様な光景にギョッ!(かくいう自分も顔面半分が絆創膏なんだが、自分の顔は見えないからねw)

 術後1週間は、まだ眼球の孔が塞がっていないので、感染症を防ぐために、目に水など異物が入らないように気をつけなければなりません。一番困ったのはシャンプー時で、私は最初、水泳用のゴーグルをつけてシャンプーしてみましたが、これだと洗いにくいので、ぎゅっと目をつぶって、その上に目元用の絆創膏はっつけて髪を洗っていました。実家(美容院)だったら、母(美容師)に洗ってもらえたのにな。それにしても、シャンプーハットは偉大な発明だと、しみじみ思ったですよ。

 他には、なるべく長時間下を向いたままでいたり、重いものを持ち上げるのは控えるようにとの注意を受けました。力を入れすぎて目が飛びだす漫画があるけど、あれって本当だった?車の運転も一週間は控えるべきと日本のサイトでは書いてありますが、アメリカはその辺いい加減で、私の他にも、翌朝に自分で車運転して検診を受けに来てる人が居ました。ま、両目を一度に手術したんじゃないからいいのか?

 寝ている間に目をこすったり圧力を加えないよう、保護用のプラスティック製パッチを当てて寝るよう指示されましたが、パッチを固定する絆創膏が痒くて一晩でやめてしまった。読書はしてもいいけど控えめに、とも言われましたが、私の場合は先日書いたように、ちゃんとしたメガネを作るまでは読みたくてもよく見えない状態だったので、控えざるを得なかった。でも仕事なんで、きっちり8時間、PC画面は眺めていましたが。

 こういう、世にも適当な態度でしたが、術後半年、今のところ問題はありません。水晶体の下の膜部分が再び混濁し始めることもありますが、その場合は目医者さんが、レーザーでじゅっ!とやってくれる(I'll zap it for ya!)そうです。

 ところで、レーシック手術をしたら白内障になったら一巻の終わりという認識は誤りです。レーシックはレーザーで角膜を削りますが、白内障手術では、角膜に小さな穴を開けて、そこから水晶体そのものを入れ替えるので、レーシック手術のせいで白内障手術ができないということはありません。白内障の症状が進んで水晶体の核が硬化し、超音波で乳化が出来ない場合は、水晶体前囊を切開しなければなりませんが、レーシックで角膜が薄くなっていでも余り関係はないそうです。

 同じように、白内障手術後でもレーシックは可能です。実際に私は、手術をしてくれた目医者さん(毎週20件ほどの白内障手術をこなしている眼科専門医)に、眼鏡が嫌なら、半年ほど待ってからレーシックで乱視と遠視を治せばいいと言わました。いつかお金持ちになって、実現したいものです。近視の度合いが強すぎてレーシックでは完全に矯正できないといわれた私も、乱視と遠視だけなら普通に矯正できるそうですから。それとも水晶体を多焦点眼内レンズに入れ替えるほうがいいかなぁ?ま、それは宝くじにでも当たったら考えましょうw


 ところで、黒猫背景が気に入って選んだgooでしたが、文字部の背景画像のせいで読みにくいので、テンプレートを変えました。こうやって弄ってるうちに、結局また自分で背景テンプレートを作りかねない、一体何をやってるんでしょう、この人は?な私。しかも、あーでもない、こーでもないとテンプレートを弄ってる間に、上息子が自分のiPodに、私のPC内に入ってる音楽をDLしていいか聞くので、ああウルサイ、勝手にしろ、と適当に答えたら、ケイティー・ペリーやリアーナの成人向けバージョンCDも全部DLしやがった。不覚!

 ちなみに、クラスメイトの女の子は全員、正真正銘本物のカリフォルニア・ガールズである息子たちによると、ケイティー・ペリーの「カリフォルニア・ガールズ」は全て事実だそうです。なるほど君たちは、
Laying underneath the palm trees
The boys break their necks try'na to creep a little sneak peek
(椰子の木の下に寝転がって、覗き見しようと精一杯に首ばしてる男の子たち)

なんだねw

白内障手術その3ー術後約半年後の感想編

2012-06-03 | 白内障手術
白内障の手術を受けて約半年が経過しました。それでも長年の習慣とは面白いもので、今だに風呂場でよく見えすぎて「あ、眼鏡外すの忘れた!」と、顔に手が入ってしまうことがあります。数十年の間、お風呂に入る時は眼鏡を外すので、常に周りがぼやけていましたから。

 私の場合は、遠視のみならず、元々、乱視も強いので、手術後も眼鏡をかけています。両目の手術後、二ヶ月弱してからやっと、ちゃんと視力に合わせたメガネを作ることが出来ました。手術後直ぐは角膜のカーブが落ち着いておらず、屈折率が変わる可能性があるからです。今は、一つは乱視と遠視の遠近両用の眼鏡と、コンピュータ作業用に、上部がPC画面を見るための中距離矯正で、下部は手元を見るための近距離矯正のバイフォーカルの眼鏡2つをを使っています。

 以前はレンズが分厚すぎて、選べるフレームのタイプが限られていたのですが、今ではどんなフレームでもOK。憧れだった縁無しフレームと、可愛いセルのフレームを使っています。散歩程度なら裸眼でも大丈夫なので、かっこいいサングラスがかけられるようになったのも嬉しい。レンズも特注の必要がないので、何週間も待つ必要も無く、ずっと安くなりました。それに、以前は近視の度が強すぎて使えなかったソフトタイプのコンタクトレンズでの矯正も可能になったので、気張ってお洒落したい時には、使い捨てコンタクトが使えます。

 けれど、手術してよかったと思うのは何より、眼鏡がなくとも通常の生活ができること。手術によって遠視になってしまった不便さもありますが、以前のようにメガネ無しでは生活できないわけではありません。かつては、もし天災にでも見まわれて眼鏡を壊してしまったら、自分だけでは何も出来ないだろうという恐怖がありました。なにしろ、文字通り「一寸先は闇」ならぬ、10cm先はボヤボヤ状態ですから、足元の悪い場所を一人で歩くことすら無理です。例えば、出先などで、スペアの眼鏡を持っていない時に大地震に襲われてメガネが割れてしまったら??もう身動きも出来ません。

 もう一つ、元々の私は鳥目で、光を見ると周りに光の輪が見えるハロー現象のような症状もあったので、夜間運転は怖かったのですが、今では問題なく見えるようになりました。長年、眼鏡で矯正していても、光がソフトフォーカスをかけたように滲んで見える状態が普通になっていたので、クリスマスのイルミネーションがくっきり見えたのには感動しました。さすがは曇り無しの人工レンズ。

 手術は保険でカバーされたので、事故負担金は両目の手術費用、その前後の診察、目薬代等、全部で600ドルくらいでした。レーシック片目代よか安いよ。国民保険が充実している日本とは違い、アメリカでは高い掛け金を払って民間の医療保険を購入せねばなりませんが、病気や怪我がない限り、何かあった時には使える、という、心の安心代以外は、殆ど全部ムダになってしまいます。だからといって怪我や病気は嫌だし。だから、こういう手術なんかすると、ああ、モトが取れたという、渋ちんな私的に嬉しいものもある(わにの奴、昔からちっとも変わってないと笑ってるでしょ、アンタ!)

 この手術の後の意外な弊害は、ここ数十年ぶりに、メガネ無しの自分の顔がよく見えたこと。なんと、ちょうど眼鏡の縁で隠れるあたりに大きなシミがあったですよー!!!これは結構、ショックだった…orz 

 それにしても目のレンズは人工物だし、最近、歯も人工の被せ物したし、この調子で取り替えていくと、今にロボコップになるかしら?

白内障手術その2-手術後編

2012-06-02 | 白内障手術
 白内障手術の記録、2日目、手術後の苦労など。

 眼球の水晶体を入れ替えてしまうのですから、目の機能が術前とは全く変わってしまいます。私の場合、強度の近眼は、新しいレンズに取り替えることで完全に補正されることになりました。ですが、老眼による遠視と乱視の矯正には、保険ではカバーされない多焦点レンズが必要となります。このレンズは、一枚(片目用)が3000ドルからと、大変にお高い。白内障は老化現象とハッキリ言い切っている眼科のサイトも多いですし、私のご同輩の皆さんが白内障にかかる頃には、他の治療方法が普及していたり、多焦点レンズの価格も下がっているかもしれません。そうなったら、私も新しいレンズに入れなおしてもらおうかな(?)なのですが、今のところは、私には6000ドルの負担はムリ。だから、手術の結果、近視ではなくなる代わりに、遠視になってしまいました。遠くを見る機能は得たものの、近くを見るという機能は失ってしまったのです。今では、メガネ無しにはレストランのメニューも読めません。

 遠近共に、メガネやコンタクトでの矯正なしに視力をキープするには、片方に近視矯正用レンズ、もう片方の目に遠視矯正用を使った「モノビジョン」という方法が可能ですが、私は想像しただけで頭痛がしそうなので、この方法は選びませんでした。ですが、片目の術後…私の場合、右目を先に手術したのですが、残りの左目の手術を受けるまでの2週間は、この「モノビジョン」的経験を止む無くをされます。右目はおニューの遠くはよく見えるけど、近場はもうボヤボヤ、一方、自前の左目は、近くは目を細めれな見えるけど、10cm先はもうボヤけて見えません。暫く経つと、脳がこの状態に慣れて不自由がなくなりますが、それまでは左右の遠近感が狂って、自分は真っすぐ歩いてるつもりなのに、片方に寄ってしまったり。危ないので、運転は左右どちらかの片目だけに頼ることとして、片目を眼帯でカバーします。ドラックストアで買ったクロのアイパッチをしたら、今時はやりの海賊風?ちょうど手術後は10月でしたから、ハロウィーン前哨戦のフリ。

 ですが、更に困ったのは、PC画面を見る時も両目では視点が合わないことです。私の仕事は、PC画面を眺めないことには始まりませんから、職場でも眼帯の上に眼鏡をかけて、とっても謎な人化しておりました。何それ?と、気軽に尋ねられれば、事情を説明できるんだけど、周りが気を遣ってくれて、敢えて見てみないふりをしてくれるのが、却って辛い

 やっと二週間待って左目も手術を終え、これでメデタシかといえば、そう簡単でもありません。脳が新しい視力になじみ、最終的に落ち着くまで3-4週間ほどかかります。それまで眼鏡を作っても無駄になってしまいますから、近所のドラッグストアで買った老眼鏡で間に合わせます。普通の生活ならそれで十分ですが、仕事をするには不便。小さな字は見えにくいし、印刷されたハードコピーを虫眼鏡で見ながら、PC画面に訳を打ち込んでいくなんて面倒な事をしていました。長年インターネット中毒だった私も流石にギブアップで、目は疲れるし、肩こりは酷いし… 結局、2ヶ月弱は、仕事以外では必要最低限、メールのやり取り程度だけという状況でした。

 この間に、ついメールの返答が遅れたり、その結果、ご無沙汰になってしまった方もおられて、失礼してしまったことも多いですし、仕事でも数字の読み違えが多くて、校正担当の方に迷惑をかけしまうこともありました。手術自体は楽勝でしたが、結局3ヶ月以上も不便な生活を強いられました。だから、手術を後悔しているかといいますと… こうやって公開はしてますが、後悔はしていません。今の心境などは、また明日に。

白内障の手術、その1

2012-06-01 | 白内障手術
唐突ですが、ここのコメント投稿って、指定の半角数字を入力しなきゃなんないの、メンドくさい~

 唐突ついでに今日は、昨年の秋に受けた白内障の手術について、記憶を辿って書いてみます。折角、人生一度の(で、あってほしい)手術を受けたのだから、記録を残しておきたいじゃないですか、ねぇ?

 そもそもの始まりは、新しく眼鏡を作る為の視力検査でした。極度に近視で乱視に加え、老眼も入ってきて毎年のように眼鏡を作り変えなくてはならなかったのです。レンズは特注になりますから値段が高いし、出来上がるまでに時間はかかるし… ご近所のチェーンで30分で出来上がりなんて、夢のまた夢。いっそレーシック手術を受けたくても、視力が弱すぎて完全に矯正は不可能な状態でした。そんなことを検査技師の方にボヤきながら、目の検査をしてもらっていると、いや、アンタ、なんか眼球の中に影があるよ、緑内障かもしれないよ、と、宣言を受けて、総合病院の眼科へ行くことに。そこでの結果は、緑内障ではなく、初期の白内障でした。

 白内障になると、水晶体(眼球の中のレンズ)が白濁して視界がぼやけたり、霞んだりします。その主な原因は加齢なので、白内障についてのウェブサイトを見ても、出てくるのはいかにもお年寄りって画像ばかり。華麗な眼ならいいけど、加齢な目の私、と、トホホなのですが、生まれつき眼球が真ん丸ではなく楕円で、しかも極度の近視の場合には、水晶体が普通より厚いので白内障になり易いのだそうです。すぐ手術の必要もないけど、どうせ、これからは悪化していく一方だし、ついでに近眼も治るから手術しちゃったら~と、軽いノリの目医者さんに乗せられ、それって保険でレーシックみたいなもんやん、しかも医学治療だから、レーシック難民になる心配もなきゃ、後遺症が出ても治してもらえるし、ラッキー!と、これまた軽く承諾する私。

 白内障の手術は、レーザーで元来の水晶体を破壊して吸い出し、替りに人工のレンズを挿入するという、映画ミッション・インポッシブルかと思うようなプロセスですが、眼球の表面を削ってしまうレーシックとは違って、レンズが合わなきゃ、また引っ張りだして入れ替えればいいじゃないという「やり直し可」ってのも宜しいではありませんか。しかし、眼球の票目ににレーザーで小さな穴を開け、超音波で水晶体を砕いて、人工レンズを入れるという精密作業なのに、部分麻酔で15分程度で終わってしまうそう。科学の進歩、スバラシイ!手術は片目づつ二週間の間をおいて行い、当日午後にチェックインして、同日の夕方には家に帰れます。ですが、片目で運転されて事故でも起こされてはかなわん、ので運転手さん同伴のこと、当日は絶食すること(これの理由はよく分からないんですけどね~ 別に全身麻酔するんでもないし)、そして術前術後1週間に抗生物質入りの目薬を毎日注すこと、という準備が必要です。

 私の手術は木曜日でしたが、どうやら、この病院では木曜は白内障手術の日らしく、ずらっと並んだ20台ほどのベッドに年配の方が眼帯して勢揃い。いや、たしかに15分で終わるとは聞いてたけど、ほーんと、1台のベットがガラガラと帰ってくると、「お次~!」とばかりに、違うベッドが端から運ばれていくので、これぞ正に流れ作業って感じ。待っている間に部分麻酔も目薬を3回に渡って注しますが、別に滲みもしないし、担当の看護婦さんと世間話をしながら自分の順番を待ちます。貴方は私が今まで観た中で一番若い白内障患者だわ、何かの間違いかと思ったわよ~、なんて笑顔でグサリと突き刺さるお言葉を下さる白衣の天使サマ…といっても、この頃の看護婦さんは、色とりどりのスクラブで、白衣の看護婦さんは過去の産物となってしまいましたが。

 ベッドに寝かされること二時間ほど、お隣のベッドが帰ってきて、遂に私の番。看護婦さんの押すベッドに乗せられ手術室へ向かいます。ここだけは、なんだか重病人みたいですね。でも、前の人たちが出てっては、20分ほどで帰ってきて、すぐに元気に付き添いの人とお喋りしているところを見ているので、プレッシャーはありません。移動用ベッドのまま、頭と手を固定され、目薬さして、ああ、視界がぼやける~と、思っていたら、いきなり直接光が当てられて眩しい。

術中も、目の奥を押されているようなプレッシャーや眩しさは不快ではありますが、痛みはありませんでした。お医者さんと看護婦さんも気軽なもので、のんきに世間話をしているのが聞こえます。10分ちょっとで、瞬きして、目を開けて、と、言われたとおりにしてみれば、何これ、見えてる!と、驚きの瞬間。私はあまりに近眼のため、目の前10cmほどにかざした自分の手さえボヤけていたのに、なんか急に眼鏡掛けてないのに物が見えるし!目医者さん、ありがと、ありがと、ありがと~と、言う間もなく、酸素マスクを外してもらった次の瞬間には、またガラガラと押されて出ていく私。ジュースもらって、血圧はかって、モニターの電極外してもらったら、さっさと出てっねという、いたってカンタンな手術でした。

 しかし、実際の苦難はこのあとだった!

って、とこで長くなってきたので、続きは又の機会に。インターネットでわかりやすい白内障手術の図解を拾ったので、ここをクリックして見てください。実際の写真もあったけど、微妙にグロいので絵で。興味があれば、白内障手術でイメージ検索すると、色々と出てきます。