わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

紳士なクマとやくざなウサギ

2018-05-26 | 映画・ドラマ・本
似て非なる映画を見ました。どちらもイギリスが舞台で、有名な絵本を基にしていて、リアルでかわいいけど擬人化されたCGの動物が出てきて、動物と人間との触れ合いを描いています、が!片や心温まる優しい熊の物語で、もう一方は本気で命を狙ってくる殺人ウサギと人間との熾烈な抗争を描いた映画です。

  


 殺人ウサギとは、「ピーターラビット」のこと。予告でなんか違うと思って見に行かなかったのですが、日本では人気だと言うので、遅ればせながら見てみました。勝手に他人のシマに潜り込んではシノギ(野菜)をかっさらい、邪魔するものは本気でタマを取りに来る狂暴なウサギ。ピーター・ラビットじゃなくて、キラー・ラビットだった。敵を徹底的に痛めつけるピーターと、何度か死んでそうなトマスの関係は、古き良きハンナ・バーバラのドタバタアニメを継承していると言えるでしょう。トムとジェリー、シルベスターとトウィーティ、コヨーテとロードランナー、etc.

 対する人間側の主要キャラクター、トマスとビーも、相当にサイコな人達です。だいたいトマスは、ロンドンの高級百貨店、ハロッズの玩具売り場の職を失った理由が、心神喪失による錯乱。その彼を再雇用した上司も、相当キてると思う。自称画家のビーは理不尽な動物愛護・自然愛好家のパロディーのような人物です。しかし、死んだ方のマクレガーさんは、何故、畑を護るために狂暴な犬や猫を飼おうとしなかったのかなぁ。家に勝手に入り込む、お化け、妖怪、幽霊、害獣の類には、犬猫を飼うのが一番の対策だと思うのですが。

 この映画を見て、1980年の映画、ビル・マーレイの出世作「キャディー・シャック」という映画を思い出しました。ゴルフ場で盛大な独立記念日のパーティーが行われている一方で、ちょっとイっちゃってるグラウンドキーパーが、モグラとの壮絶な戦いを繰り広げるドタバタコメディーです。劇場で観たのではなく、なんちゃらロードショーとかで観たのですが、もうおかしくておかしくて、床転がって笑った。このキラー・ラビットのノリとCG技術で、「キャディー・シャック」のリメイクして欲しいな。

一方、紳士なクマは、盗みも殺人未遂もしていないのに監獄行きになっちゃった、というのが「パディントン2」。家族を深く愛し、信じ、大切にする事と同時に、汝の隣人を愛せよ… ほっこりするお話の裏に、前作同様にイギリスの移民問題に対して霧k見つつ、今回は刑務所の待遇や資本主義への批判が含まれているのですが、それを押しつけがましくなくサラリと入れてくるのはにくい。

 ブラウン家のお母さん、メアリーは「シェイプ・オブ・ウォーター」のサリー・ホーキンスなので、水中シーンで、ここは微かに笑うべきところなのか、単なる偶然のネタ被りなのか?と、悩んでしまいました。他のブラウン家の皆さん、ご近所さんや刑務所の皆さんも、偏屈だったり、当然犯罪者だったりなのですが、パディントンとの出会いで、人を愛することのできる善人になってしまったという、恐るべしパディントン効果です。


なぜか漂うウェス・アンダーソン感


 前回、かなり気になったロンドンの街に普通に熊が歩いてるというシュールさは、慣れましたが、CGのレベルの凄さは本当に驚く。熊なんだけど、犬っぽい顔なので、犬なんだけど熊っぽい顔のうちの犬を思い出させて、パディントンが悲しい顔になると、私もかなり切なく、犬を呼びつけ無理矢理なでなで。何度目かになると、犬、呼んでも来ない。

 悪役のフェニックス・ブキャナン、プライドばかり高くて、自分勝手なので売れなくなった名優を、かつてのラブコメの帝王、ヒュー・グラントが演じています。「役者は噓をつくのがうまい」とか、色々と毒吐きセリフが笑える。でも結局、今回の騒ぎで一番、恩恵を受けたのは、実は刑務所送りになった彼って気がする。ところで、やっとの思いで見つけた秘宝、あの後どうなったんでしたっけ?

デッドプール2

2018-05-20 | 映画・ドラマ・本
実に楽しかったです。前作は、おちゃらけを期待してたらシリアスだったんで、なんか思ってたのと違う…だったのですが、今回は、狂言回しとしてのデップーの軽さといい加減さが場を救うことが多くて、飽きずに楽しめました。ふざけたオープニング・クレジット最高。

 この映画は家族の話だよ、と、デップーさんも言ってますが、前作の感想で「家族の絆がテーマなパニック映画と、人間ドラマが主体のアクション映画、もう見飽きた」と書いた私にとっては、いやはや、やってくれたね!ってひざポンですよ。家族の愛をテーマにしつつ、ありがちな陳腐さを笑い飛ばす。これぞ、デッドプールの真骨頂v

 いきなり、今どきのハリウッド映画ではタブーとされているタバコ吸うシーンから始まるし、下ネタ満載、麻薬ネタ、首やら腕やらいろいろ吹っ飛ぶし、子ども虐待、肥満、囚人虐待等、ひたすらタブーをネタにしたって感じ。でも、X-メン絡みの内輪ネタが多く、一見さんはお断り的なところも感じました。私、X-Menのシリーズも映画は全部見てるはずなんだけど、「??」ってとこが何度かありました。デッドプールは、XーMenシリーズの一部って解釈すべきなのかな?



 今回は、メガソニックのガールフレンドとして、忽那汐里ちゃんが、ユキオ役で出てます。ウルヴァリンでは、きりっとした女用心棒みたいな感じだったけど、今回は髪の毛ピンクで、キャピっとしてて、ステレオタイプの日本人高校生っぽくてかわい~ 昔のハリウッド映画じゃ、日本人といえば、スーツ着てカメラを首に下げたメガネのおじさんだったけど、昨今は、かわゆい女子高生だわな。

 レズビアンって設定らしいけど、ウルヴァリンのユキオも、お嬢さん命!だったし、唐突って気はしない。オスカル様だって、マリー・アントワネット様命だったし。宝塚とか、女子校のかっこいい先輩への憧れ(マリア様がみてる、とかおにいさまへ、とか)、日本人的に、女の子同士がキャッキャウフフでベタベタしてても同性愛とは少し違うような気がして、ユキオとメガソニックは、初のLBGTキャラ!ってのは、これもなんか違う気がする。


Yukioちゃん、かわい~!癒やし~


 マーベル映画のお楽しみ、エンドクレジットのおまけは、まとめて5つ。内輪ねたあり、本編で気になったことが回収されたり、絶対見逃しちゃ勿体無い!マーベルは絶対、終わりになにかあるのがお約束なのに、いつも本編終わると、直ぐ席をたっちゃう人の方うが多いのは、いつも不思議なんです。

 ところで、こちらの悪役ケーブルさんと、アベンジャーズの悪役サノスさんの中の人が同じなのは、なにか意味があるのでしょうか?実は同じキャラなの?

 ジョッシュ・ブローリンなぁ、、むかし「ヤング・ライダーズ」って西部劇のテレビドラマで、実在の人物、ワイルド・ビル・ヒコック(なのに役名はジミー)の役してたん。絶対「ヤング・ガンズ」がヒットしたから、便乗したに違いなかったんだけど、西部劇群像なんて珍しくて、私は毎週見てました。ルーって、小柄な紅一点のライダー、ルー役が、くりっとした目の可愛い、コケティッシュな女優さんで好きだったんですが、このドラマ出演後すぐに女優さん辞めちゃって残念でした。

 第一シーズンは面白かったんだけど、シーズン2以降は段々グダグダになり、最後は打切りという、ありがちな末路で、主役を含めほとんどの出演者が消滅しちゃった。そんな中で、特に花があるわけでもなく、演技も上手くない、朴訥なジミーが好きだった私(ルーとくっつけば良いなーと思ってた)は、ジミー役だったジョッシュ・ブローリンが、生き残ってるのは嬉しい。義理母が天下のバーバラ・ストライザンドという、すげーコネも無視できないけど、無個性が個性!みたいなフシギな役者さんで、今後もどんな役するのか楽しみです。

 最後に一つ、ネタばれ(?)。ラッセルは、普通に男の子でした(Ready Player Oneの事もあって、密かに期待してたんだな)。

サクラメントはカリフォルニアの中西部 Lady Bird

2018-05-19 | 映画・ドラマ・本
 アメリカ映画の伝統であるティーンエージャーの大人への一歩のお話なんだけど、そこに物凄く意地っ張りなお母さんが絡んでくる話。日本の予告では、「これはあなたの物語」って言ってるけど、こんな女子高生、日本にはおらへんわ!と、思う。



 舞台はカリフォルニアの州都サクラメント、カトリック高校のシニア、クリスティーン・レディバード(てんとう虫)・マクフィアソンは、大学進学を目前に、つまらない地元から出て、東海岸の大学に行くことを夢見る17歳。ここんとこ、東京に行きたい!と、叫んだ「君の名は」のヒロインに重ねられなくもないけど…

 時は、ドットコム・バブルが弾けた頃の2002年。サクラメントは、シリコンバレーの近くで、その煽りを大きく受けた地域です。そんなご時世で、父親は長らく失業し、看護婦の母は、ダブルシフトで家族を支えています。数字に強い優秀な兄も、大学は出たものの、仕事がなくてスーパーレジで働いている。

 この兄、ミゲルはヒスパニックで、多分養子だと思われるんだけど、その辺の事情は映画では何も触れられません。養子が何ら珍しくもない、現代のアメリカの家族の形を反映しているのかも。ラストで、母の手紙の中に、レディバードは「Lucky accident」だったとあるから、子供は出来ないと思って、養子をとったのかもね。

 レディバードは、成績はそこそこだけど、生徒会長に立候補したり、ちょっと太っちょで、数学の先生に憧れている親友、ジュリーと、ミュージカルの配役募集の張り紙を見て演劇クラスに入ったり、誰とでもすぐ仲良くなれる、明るく活発な女子高生。「線路の向こう側」の裕福なエリアに建つ家々に憧れています。

 学校に送ってくれた父のしょぼい車を見られるのが嫌で、1ブロック前で降りて学校まで歩いたり、つい憧れの邸宅を自分の家と嘘ついちゃったりと見栄っ張りなところを批判する感想も読んだけど、この年頃って、自分をよく見せたい盛りじゃないかしら?裕福な家庭の友人たちの前で、見栄を張ってしまうのも、等身大の女子高生らしくて共感できました。

 母に似て頑固ではあるけど、とってもいい娘さんで、私には母親がなんだって娘を不満に感じているのか、てんで理解できないし、「質かあなたが最高のあなたになったときに」なんて言って、娘に「今のこの私が最高の私なの!」と言い返された時には、親のくせに、よくもそんな無神経なことが言えるもんだとムカついた。

 演劇部で知り合った、お金持ちでハンサムな男の子、ダニーと恋に落ち、素敵な青春…と思ってたら、実はこのBFはゲイ。ドタマに来たレディ・バードだけど、彼の苦しみを知って良い理解者に。同時に、 母親に強制されたバイト先のコーヒーショップで知り合った、少女漫画に出てきそうな素敵な男の子、カイルといい雰囲気に。カイル役を『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメくんが演じています。今どきのハリウッドでは珍しい、正統派の繊細な美少年。

 そして、青春映画の定番として、主人公の初体験となるのですが、実はカイルくんの方は経験済み。初めてなのに私が上って、こんな初体験あってたまるもんですか!と怒るレディ・バード。以前から憧れていた、クーでお金持ちの家の女の子、ジェンナと、シスターの車に一緒に悪戯したことがきっかけで仲良くなっていくけど、一方でジュリーとは疎遠に。

 レディーバードは、母親には内緒で受験していたニューヨーク大学に補欠合格していましたが、そのことがバレてからは、母親は口をきいてくれなくなります。同じ家に住んでて、娘はもう少しで手を離れていってしまうのに、よくもそこまで怒れるもんだと、同じ母親として呆れる。娘をNYに送り出すときにも、やはり口を利かず、車を降りずに後から後悔する母。自分の子に対して、そこまで意地を張らなくてもと思うのだけど、女同士だからこそ譲れないものがあるのかな?私には息子しかいないから分からない。

 結局、レディバードは、憧れのニューヨーク大学に入学します。ここでも、9/11同時多発テロ直後で、ツインタワーからもほど近く、NYUの入学希望者が減っていたという背景が垣間見えます。彼女、あんまりお勉強はできない方でしたから。

 私事ですが、レディ・バード同様、若息子が進学先を決めようとしていた時、作中で地元の大学として出てくるUCデイビス校に合格し、見学に行ったものの、サクラメントのあまりの田舎っぷりに「こんなトコやだ!」と、却下しちゃった経過があります。レディバード曰く「サクラメントはカリフォルニアのミッド・ウェストよ!」なのですが、道理で息子ら、ミッドウェストに住む母ちゃんトコに来てくれないわけだと…orz

 ニューヨークで、父が忍ばせた、母親が書いては捨てた娘への手紙を読んだレディバードは、名前を聞かれてファーストネームである「クリスティン」と答えます。ちなみに名字はマクフィアソン、ダニーのオニール同様、アイルランド系の名前で、クリスティンとは当然、キリストさんに因んだもの。急性アルコール中毒でぶっ倒れた翌朝、実家に電話する主人公。ここは、映画「ブルックリン」のラストシーンの彼女を思い出させました。一皮むけて、開き直った、みたいな。

 私は「ブルックリン」以来、シアーシャ・ローナンちゃんが好きなので、この映画も彼女目当てで見たのですが、批評集積サイトのRotten Tomatoesで長期に渡って批評家支持率100%を記録という、アメリカじゃえらく評価が高い作品です。でも正直、たしかに面白くはあったけど、そこまで絶賛されるほどのものか?って、気もした。私には映画がわからない…


アベンジャーズ・インフィニティ―・ウォー

2018-05-13 | 映画・ドラマ・本
これでラストだって言ったじゃないですかー!?!


この盛り沢山感

 いきなり終わるし、サノスは帰ってくるよ、とか言い出すし、前後編かよ?!と、小一時間… 今回もスタン・リー御大がいい味出してましたね。本当に長生きしてほしいものです+半世紀以上前にセクハラ受けましたなんてオバさんが出てきて映画界追放に、なんてならないことを祈ります。

 とにかく登場人物が多いんで、グループ分けしたものの、あっちで、こっちでピンチだらけ。別れたんちゃうんか?な、スターク家はいつの間にかよりを戻してお目出度までにおわせるし、GoGの緑のおねいさんと地球人(半分)、赤いお兄さんと地球人がラブラブな一方で、緑のお兄さん(地球人)の恋路はやや微妙な模様。

 アクションに次ぐアクションの間に、これだけドラマをぶち込んでくるの、さすがに、これだけ人数がいても、それぞれのキャラが立ってるマーベルならではでしょうか。シリアスの間に、ボケを突っ込んでくるタイミングも絶妙。ボケ集団のGoGに、アベンジャーのボケ役、ソーを組み合わせてボケボケなのも、大阪人としては大いに楽しかった。

 アイアンマン社長とドクター・ストレンジのおひげがステキなナイスミドルコンビは魔法合戦だし(いくらナノテクでも、もう、液状化したり、4次元ポケットか?ってほど、いろんなモノが出てきたリ、もう、魔法でしょ、これ?)、バトルの間に恋愛要素のみならず、社長と蜘蛛男の疑似親子、サノスとの確執義理親子のドラマは挟まってるわ、ちょっとだけとはいえ、アスガルド一家の複雑な姉兄弟とか、もう、高級お節か、一流ホテルのケーキバイキングか?ってほど豪勢ですよ。豪勢すぎて、単独でブロックバスターの主役張れるキャラが、チョイ出という贅沢さ。

 私はオタクなので、サノスが宝石を手袋に装着するとこなんか、FFシリーズのマテリアだし、Dr.変とサノスは螺旋丸に影分身でニンジャ・バトルしてるし、社長が「お前のマスターは誰だ?」と言った時には、聖杯戦争が始まるのかと思ったり、変な所でニヤリとしたりしましたよ。造り手さん側は、そういうつもりはないのでしょうが、ニッチな楽しみ方をしてしまいました。一粒で何度も美味しい映画でございました。ごちそうさまでした。

 

アーミッシュ一家の午後 アリエル・ファウンデーション・パーク - 2

2018-05-06 | アメリカの街の暮し
なんちゃらと煙は高い所に登りたがると言いますが…

 アリエル・ファウンデーション・パークの象徴とも言える、元煙突の展望台は高さ86m。その約半分、43メートルにある展望台まで、224段のらせん階段を上っていけます。田舎の真ん中なんで、大して面白い景色でもないだろうに、階段があれば上ってみたくなるのが人情。で、224段上った感想は、やっぱり、たいして面白い光景でもありませんでした。しかし、おかげで今日は太もも痛い。

 適当にパシャパシャ撮っても、素敵に絵になる廃墟エリアで写真を撮りまくり、わざわざ年寄りの冷水で階段昇降した後は、隣接する同公園内の森と湖のエリアへ。釣りを楽しんでいる家族連れが一杯いましたが、なんかもう入れ食い状態で、みなバンバン釣ってる。


これ、お腹に香草詰めて焼いたら絶対美味しいよね


 キャッチ・アンド・リリースの人もいましたが、殆どの人は持ち帰って今晩のおかずにするみたい。バケツの中に少なくとも10匹はいいサイズのブルーギルやパーチを入れてたアーミッシュ親子のお母さんに、どう料理するの?ってきいたら、ベイクするんだって。日本人的には塩焼きが頭に浮かんだんだけど、バター焼きやBBQも美味しそう~


牧歌的な光景ですが、持ってる釣り竿は上等っぽかった


湖の向こうに、モンダイのタワー


風光明媚な湖です


ピックアップ、バン、バギーの並ぶ駐車場
(馬は近くで草食んでた)


 写真撮ってからアーミッシュのおっさん達だったと気付いたのですが、なんか軽く手を降ってくれました。以前にも、携帯で撮った写真を送ってと言われて、その場で送ったことも。アーミッシュは写真を嫌うと聞きますが、ニューオーダー派の比較的、戒律の緩いグループはそうでもないみたい?前に住んでた田舎町にもアーミッシュの人達が住んでたけど、お店は当然、電気使ってたし、そういやフツーに車乗ってたな…

 戒律で家に電話は引かないアーミッシュの人々、昨今は携帯を駆使して手広く商売やってますし、昔ながらの暮しを固持しているようで、実は結構、したたかにしなやかに時代に合わせて変わっているのかも?

ガラス工場の廃墟が公園に:Ariel Foundation Park-1

2018-05-05 | アメリカの街の暮し
 週末、犬と一緒にどっかに行きたいなと、コロンバス近辺を調べていたら見付けた面白そうな市民公園、コロンバスの北、マウント・バーノンにあるアリエル・ファウンデーション・パークに行ってみました。コロンバスのメトロ・パークの遊歩道は、ほとんどがペット禁止。どの公園にも一応はペットもOKなトレイルか1本か2本はあるけど、面白くない短いトレイルばかり。ここは、車で小一時間程かかりますが、たっぷり歩けそうだし、廃工場の廃墟から成るエリアと、森と湖のエリアがあって楽しそう。


元ガラス工場の廃墟


なかなか趣があります


丘からの見晴らし。中央に見える煙突は、今は展望台
池はカエル天国だった


丘への段々は、古墳をイメージ

     

 色んなオブジェとなってる鉄柱は、元々は工場の屋根でした。シカゴ万国博覧会(1933)で使われた築材を、わざわざ鉄道でオハイオまで運んできたのだそうです。一つ上の画像で、丘のてっぺんから生えているのも、その一つ。かつての大工作業所は今はイベント会場、事務所は博物館になっていました。


ガラスの塊と建物の廃材を使ったリサイクルなオブジェ


公園向かいの私用地も、ムード合わせてた(?)


犬も満足なようです

Hoodを知っていますか?

2018-05-03 | アメリカの街の暮し
私の住むコロンバス郊外の市内で、銃による殺人事件がありました。この事件をめぐって、フェイスブックの市民グループは喧々囂々、ある意味、市内で殺人事件が一軒あったら大騒ぎになるほどに平和なんだと、ちょっと安心した私が問題。ジュリアーニ市長の大規模な改革や、9/11以前の治安の悪かったNYCに始まって、ワシントン、D.C.や、LAに住んでいると、あっちで人が撃たれた、こっちでも銃声がしたってのは、日常茶飯事すぎて、被害者数が大量とか、警官絡みでもない限り、いちいちニュースにならない。

 事件があったのは、市内でも治安が悪いとみなされているエリアで、フェイスブックのコメントに「あそこは“hood”だから、というものもありました。この「フッド」は、多分、neighborhoodの略、ご近所という意味合い。ですが、スラムとまでは言わずとも、あんまりお上品な場所ではなく、ギャングのシマ的なタフなエリアを指します。

 映画「Boyzs N the Hood」は、LAのサウスセントラルを舞台に、黒人青年たちをめぐる厳しい環境が描かれます。映画は1990年ですが、現在も状況は変わらず、さらに過激なラティーノ・ギャングも増えている。貧しさゆえに犯罪に手を染めるものがい多くて治安が悪化し地価が下がる、家賃が安いその地域以外には住むこともできず、危険と知りながらも地域に囚われる隔離された地域、逆によそ者は踏み込めない、それがHoodです。

 さて、今住んでいる市に話を戻すと、彼らが「Hood」と呼ぶ地域は、ちょっとフンイキ悪いかもよ?だけなのではないかと思う。この地域にあるスーパーの駐車場で、先にスポットを取られたおじさんが怒って中指立ててるのに遭遇しましたが、確かに普通のNeighborhoodじゃ見られないかもね。でも、本当のHoodでもないと思う。そんなんしたら、いきなり撃たれますがな。

 もちろん、どんな場所に居ようが関係なく常に注意は必要だと思いますし、危機意識を持つのは重要だとは思いますが、それとは別に、自分達とは異なるもの、地域であれ、人間であれ、簡単にレッテルを貼って恐れ、極端な話、そこの住民を自動的に犯罪者と見なすような発言や態度も如何なものかと思います。この辺りでギャングの抗争や、流れ弾に当たって子供が傷付くなんて聞いたこともないし。

 因みに、私が以前住んでいたLA郊外の「普通の住宅地」では、昼間に自転車で通りを走ってる黒人青年は訳もなく警官に止められて尋問、隣の住民は年に数回ハイになりすぎて暴れてムショに引っ張っていかれ、夜中パトカーの音が聞こえるのが普通(むしろ静かな方が不安)、銃声も珍しくはなく、ゴミ出し日にはアルミ缶を集める集団がおり、高校の塀は3mほどあり塀の上には鉄条網が張られ、暗くなってから外に出るのは危険だと警告されました。ここの標準から見れば、立派にHoodですが、ホント、昔から住んでるお年寄りの多い、普通の住宅地なんですよぉ…


サウスセントラル出身の元野良、本物のGirl from the hoodな愛娘