しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ナイン・テイラーズ ドロシー・L・セイヤーズ著 浅羽莢子訳 創元推理文庫

2016-06-11 | 海外ミステリ
ピーター卿シリーズ第9長編、1934年刊行です。

殺人は広告する」に続き勢いで読み始めました。

本書は1990年英国推理作家協会ベスト18位、1995年アメリカ探偵作家協会ベスト28位2012年週刊文春海外ミステリベスト45位にランクインしています。

江戸川乱歩が名作推理小説ベスト10の10位に推した作品ということもあり、セイヤーズの中では最も日本で有名な作品である本作ですが、永らく「幻の名作」扱いされていた作品とのこと。
(海外では次作「学寮祭の夜」の方が英国4位、米国18位と評価が高いようですが…。)

作品自体はブックオフで入手済でした。

有名作だけにブックオフでもセイヤーズ作品としては最も目にする作品だったりします。

内容紹介(裏表紙記載)
年の瀬、ピーター卿は沼沢地方の雪深い小村に迷い込んだ。蔓延する流感に転座鳴鐘の人員を欠いた村の急場を救うために久々に鐘綱を握った一夜。豊かな時間を胸に出立する折には、再訪することなど考えてもいなかった。だが春がめぐる頃教区教会の墓地に見知らぬ死骸が埋葬されていたことを告げる便りが舞い込む・・・・・・。堅牢無比な物語に探偵小説の醍醐味が横溢する不朽の名作。


前作「殺人は広告する」がモダンなロンドンのあわただしさを描いた作品なのに対し、一転して中世の香りを引きずる田舎町が舞台になっています。

名作の評判高くかなり期待して読んだのですが…。

「探偵小説」としてみて名作かと聞かれると「う~ん」というのが正直な感想です。
中世の香り漂う沼沢地方を舞台にしたファンタジーというか幻想小説という雰因気です。

車で中世的世界に訪れる所、少女(ヒラリー・ソープ)を助けるおじさん(ピーター卿)、ラストの水と中世のイメージがなにやらとても「ルパン三世カリオストロの城」のイメージとダブりました。
ネット上を調べてみても誰も書いていませんでしたが…私は宮崎駿は本作読んでいたんじゃないかと確信しております。

殺人(?)方法が突飛という評価になっているようですが、殺人場所と時期がわかった段階で普通の人ならまぁ推察つくと思います、しかしまぁそうくるか…という感じではありますが...。

中世的雰因気と幻想的な因果応報、ラストのクライマックスと楽しめる部分はいっぱいありますが純粋にミステリーとして期待して読むと肩すかしされた気分になる作品かもしれません。

正直「ミステリー」として「不朽の名作」とは私には思えませんでした。

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