「死体をどうぞ」に続くピーター卿シリーズ第8長編です1933年刊行。
1990年英国推理作家協会ベスト22位、1995年アメリカ探偵作家協会ベスト56位にランクされている名作です。
こちらもAmazonで購入しました。
内容紹介(裏表紙記載)
広告主が訪れる火曜のピム社は賑わしい。特に厄介なのが金曜掲載の定期広告。こればかりは猛者揃いの文案部も鼻面を引き回される。変わり者の新人が入社してきたのは、その火曜のことだった。前任者の不審死について穿鑿を始めた彼は、社内を混乱の巷に導くが……。広告代理店の内実を闊達に描く本書は、真相に至るや見事な探偵小説へと変貌する。これぞセイヤーズの真骨頂。
「死体をどうぞ」で進展したように見えたハリエットとピーター卿の仲の方も気になるところなのですが本作中その件にはまったく触れられていません。
解説によると次作「ナインテイラーズ」の執筆が間に合わず、別建てで執筆していて出来上がりに満足していない本作を出版社との契約を守るためにいたしかたなく出版したらしいです、それが名作として評価されているのだからわからないものですね。
(といって「ナインテイラーズ」にもハリエットは登場していないのですが…。)
作者のセイヤーズはコピーライターとして広告会社に勤めていた経験があるらしくその経験を下敷きにしています。
執事のパンターもほとんど登場しないので本作の探偵は「ピーター卿」でなくても別に問題ないような気もしますが…コピーライターとしての才人ぶりと怪人として登場する場面のノリノリぶりはやはりピーター卿でないと無理かなぁ。
比較的オーソドックスに殺人が行われ謎解きが進行する前作までに比べ本作では、捜査対象である殺人がすでに行われてかなり経過した時点がスタートでなんの説明もなく、思いっきり広告業界に飛び込むので状況が把握できずかなり戸惑います。
その辺も広告業界のあわただしさを表現するためにわざとしたことなのかもしれませんね。
その他全般的に、殺人事件はほとんど脇に追いやられており、その背景にある事件の捜査メインに話は進むのですが主役は「犯罪」というよりも「広告業界」と当時の時代性、都市のあわただしさ、日人間性を浮き彫りにすることがメインのような展開になります。
そんなこんなの展開でミステリーーとしてどんな話だったかを記述するのは難しいのですが…。
「ミステリー」というよりも社会派サスペンスというところを狙って書かれた感もあるのでそれでいいんでしょうね。
「謎解き」メインのミステリーの可能性を拡げる実験作として1930年代に書かれた作品としては新鮮なものだったかもしれません。
ただし現代に生きる私としては素直に「新鮮味」は感じられなかったのは正直なところですが1930年代英国の近代性とピーター卿のテンションの高さが印象に残りました。
特に夜ダイアン・デ・モリーの前に現れるときのピーター卿のテンションの高さは素晴らしいかったです。
クリケットでムキになっているのもなかなか(笑)
でもラストで殺人事件の犯人をあのように処理しちゃうのはどうだか….。
人命に関する観念は少なくとも現代より薄かったんでしょうね。
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1990年英国推理作家協会ベスト22位、1995年アメリカ探偵作家協会ベスト56位にランクされている名作です。
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広告主が訪れる火曜のピム社は賑わしい。特に厄介なのが金曜掲載の定期広告。こればかりは猛者揃いの文案部も鼻面を引き回される。変わり者の新人が入社してきたのは、その火曜のことだった。前任者の不審死について穿鑿を始めた彼は、社内を混乱の巷に導くが……。広告代理店の内実を闊達に描く本書は、真相に至るや見事な探偵小説へと変貌する。これぞセイヤーズの真骨頂。
「死体をどうぞ」で進展したように見えたハリエットとピーター卿の仲の方も気になるところなのですが本作中その件にはまったく触れられていません。
解説によると次作「ナインテイラーズ」の執筆が間に合わず、別建てで執筆していて出来上がりに満足していない本作を出版社との契約を守るためにいたしかたなく出版したらしいです、それが名作として評価されているのだからわからないものですね。
(といって「ナインテイラーズ」にもハリエットは登場していないのですが…。)
作者のセイヤーズはコピーライターとして広告会社に勤めていた経験があるらしくその経験を下敷きにしています。
執事のパンターもほとんど登場しないので本作の探偵は「ピーター卿」でなくても別に問題ないような気もしますが…コピーライターとしての才人ぶりと怪人として登場する場面のノリノリぶりはやはりピーター卿でないと無理かなぁ。
比較的オーソドックスに殺人が行われ謎解きが進行する前作までに比べ本作では、捜査対象である殺人がすでに行われてかなり経過した時点がスタートでなんの説明もなく、思いっきり広告業界に飛び込むので状況が把握できずかなり戸惑います。
その辺も広告業界のあわただしさを表現するためにわざとしたことなのかもしれませんね。
その他全般的に、殺人事件はほとんど脇に追いやられており、その背景にある事件の捜査メインに話は進むのですが主役は「犯罪」というよりも「広告業界」と当時の時代性、都市のあわただしさ、日人間性を浮き彫りにすることがメインのような展開になります。
そんなこんなの展開でミステリーーとしてどんな話だったかを記述するのは難しいのですが…。
「ミステリー」というよりも社会派サスペンスというところを狙って書かれた感もあるのでそれでいいんでしょうね。
「謎解き」メインのミステリーの可能性を拡げる実験作として1930年代に書かれた作品としては新鮮なものだったかもしれません。
ただし現代に生きる私としては素直に「新鮮味」は感じられなかったのは正直なところですが1930年代英国の近代性とピーター卿のテンションの高さが印象に残りました。
特に夜ダイアン・デ・モリーの前に現れるときのピーター卿のテンションの高さは素晴らしいかったです。
クリケットでムキになっているのもなかなか(笑)
でもラストで殺人事件の犯人をあのように処理しちゃうのはどうだか….。
人命に関する観念は少なくとも現代より薄かったんでしょうね。
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