しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター 中田 耕治訳 ハヤカワ文庫

2013-04-07 | 海外SF
数年前にブックオフで105円で購入。
SFの古典的名作であり超有名作ですが食わず嫌いで未読だったため105円棚で見かけて即購入しました。
が...どうも粗っぽい作品だろうなーというイメージがあり読む気にならず置きっぱなしでしたが(少なくともSFはわりとちまちままとまっている作品が好き)今回のSF読み直し気運に乗り読んでみました。

内容(裏表紙記載)
ジョウント効果と呼ばれるテレポーテーションの開発によって、世界は大きく変貌した。一瞬のうちに空間を跳び、人々はどこへでも、自由に行けるようになったのである。しかしそれと同時に、このジョウント効果がもたらしたもの、それは富と窃盗、収奪と劫略、怖るべき惑星間戦争でもあった。この物情騒然たる25世紀を背景として顔に異様な虎の刺青をされた野生の男ガリヴァー・ファイルの、無限の時空をまたにかけた絢爛たる<ヴォーガ>復讐の物語がここにはじまる・・・・・・。アメリカSF界きっての鬼才が、前衛的な手法と華麗な筆致を駆使して見事に描きあげた不滅の名作!

本作ローカス誌オールタイムベスト9位、06SFマガジンベストで5位。
日米で非常に評価の高い作品ですし、ネット上でも評価高い。

読後の感想。
想像通り、粗っぽく・矛盾だらけかつ単純な展開ですが....。
なんともいえないパワーを感じました。
とにかく思いっきり正面からいろんな道具をぶつけてなんとか作品に仕上げています。
無茶苦茶なようでなんとか作品になっているという点では奇跡的ですね。
SFで「岩窟王」を書きたいという思いもあり書かれたようですが、岩窟王をアメリカンかつSFにしたらこうなるんだろうなぁという作品でもあります。

細かいことをとやかくいうような作品ではないと思いますが、繊細な作品を期待して読むと受け付けない作品ですね。
同じ作者の「分解された男」はもうちょっとまとまっているそうですので機会があれば読んでみたいなとは思います。

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