児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

カルミナ四重奏団の来日

2009年06月06日 | 徒然
カルミナ四重奏団が昨日来日して、来週の土曜日まで第一生命ホールで4回のコンサートをする。カザルスホール時代のはじめに内田光子さんの推薦で招聘して以来、12年間7回にわたってつきあったカルミナQであるけれど、その後はなかなか機会が作れなかった。第一生命ホールでの企画ではカザルスホールの印象を少し弱めたいというどこかの意志が若干働いていたこともある。
彼らとは次回(2年後)何をやるのか・・・というテーマを必ず話し合っていた。来日中のこともあったし、チューリッヒでのこともあった。SQは4人がそれぞれ意見を持っているので、全員一緒に話し合っていかないとなかなか意見がまとまらないのである。ヨーロッパのマネージャーも毎年そういうやり方で企画性のあるコンサートを各地の室内楽協会などにセールスしていて、なるほどと思った記憶がある。
今回は昨年レコーディングで久しぶりに来日したおりに3時間くらいの話し合いをもって、4つのテーマを決めていった。
今回10年ぶりで、音楽的にどのように変わってきているのかとても楽しみだ。一番初めに聴いてすごいと思ったのは、彼らの胸ぐらをつかむような集中力のある演奏で気持ちが異様に高揚するという体験をしたからである。説明しにくいのだけれど、意表を突かれるけれども納得する、という感じだろうか。ある意味では慰撫してくれるような音楽づくりではないかもしれない。しかし、彼らの持ち味はそれだけではなく、今は当たり前のようになってきたオーセンティックな弾き方を採用した音(だけでなく音楽)づくりとか、ハイドンでの自在性とか、カルミナの言葉通りの歌心とか彼らの多様な側面も聴いて、どれもが納得感のある演奏だったこともレベルなので続けてつきあってきた。それに彼らとのミーティングがいつも有意義だったのも自分にとって意味のあることだった。
今回の音楽的白眉は13日の最後の公演(CDが発売されたバルトークとスイスの作曲家の曲とラヴェル)でバルトークは彼等としては日本で初めて演奏することになる。

昨日夜はCD発売に関連して渋谷のタワーレコードでインストアイベントがあった(写真)今日をはじめとして、7日、12日、13日と第一生命でコンサートがある。


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