児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

幸田、3年目の宮本妥子(小学校)

2007年10月28日 | アウトリーチ
順序は逆になるが、先週の初めは幸田町での3年目のアウトリーチがあった。
演奏家は3年連続宮本妥子さんと後藤由里子さん(マリンバ&打楽器)
今年は前年ともまた少し変化をつけ、最後に動物の謝肉祭抜粋(語りつき)。手作りの楽器での競演の指揮とともに、幸田のプロデューサー本間氏がおはなしでも大活躍。
同じ人での3回連続は音活関係でもほとんどないと思うが、小中学校全校(計9校)全部に3年連続で訪問するというのもまたすごいと思う。
これだけ関係が作っていければ、もうまったくアウトリーチ自体は任せておけるところまできている。あとは、ほんの少しの安心感というかが付加できれば完璧。まあ、とはいえそれまでに3年間という時間は必要だったともいえる。

9月10月と同じマリンバの大熊さんと音活で付き合ってみて、それぞれの特徴というか個性が出ていて面白かった。例えば、大熊さんもいわゆる二人羽織を道化師のギャロップで子供たちにしてあげるのだけれど、同じことをやっても宮本さんとは違った空気が流れるのである。子供の反応の仕方も若干違いがあって、宮本さんではキラーコンテンツになるなと思う二人羽織も大熊さんの場合はまだ手のひとつという感じだった。もちろんそれぞれが違うことのほうが重要で、同じだったらなんと味気ないだろう。

NUUさんのコミュニティプログラムスタート(おでかけアリオスVol1)

2007年10月28日 | いわき
いわき最初のコンサートイベントがおとといから三日間あった。いわき最初のおでかけアリオスである。「はじめまして!NUUライブ」と題された3日間で、場所は平の龍門寺、田人ふれあい館、いわき市内郷の総合保健福祉センター。NUUさんとギターの笹子重治さんと、パーカッションの渡辺亮さん(まったくの同姓同名がチェロ関係の知り合いでいてまぎらわしいな)。
NUUさんはいわゆるシンガーソングライターであるが、自分では曲を産む人だといっている。それは曲の出来方がそのようだかららしいのだが、確かにヒンデミットの本にも「新しい作品が出来るときは、部分部分が出来てくるのではなく、ある瞬間にすべての細部まで俯瞰するように見えてしまう」ということが書いてある。それが産むということなのだと思う。案外女性らしい官能的な見方のような気もするけれど・・・。
今日の親子(1歳から5歳までのお子さんがいた)のコンサートで彼女のコミュニティでの能力が俄然と発揮されたように思う。ああ、この人のベースはこういうことなのね、と感じてしまうような進行。これについてはフィールドノートでは書きにくい(というよりもメモが取れない・・・)が、途中までの不安をよそに、少なくとも最後のスーダラ節(写真)では完全に子供たちが踊っていた。すごい・・!


アウトリーチ活動については、最近人前で話をすることが多いのだが、いつも思うことがある。それは活動拠点から出かけていくアウトリーチ活動には明らかに二つの要素があるということ。ひとつはその人の芸術というか音楽をわかりやすく伝えること、そのきっかけになるようなことをすることであり、もうひとつは聴きにこられない人のところには出かけていこうという思想である。片方が普及的にな意図を持ち片方は福祉や人権(最近は文化権というものがある)にかかわることだろう。
いずれにしろボランタリーな精神抜きに継続して行うのは案外しんどいだろう。
もちろん出掛けていくということは音楽活動としては本来的には必須条件ではない。しかし地域の会館の仕事という観点からすると、そこで地域の人と接触しわかり合い、ひとつのことに向けて力を出していくという作業が会館の役割として実に大きいということがある。それはスタッフもアーチストもである。
それがおでかけアリオスの欲張りな企画趣旨である。その上にアーチストが地域のいろいろなことから刺激を受けて、コンサートが成功した・・という以上の何かを持ち帰ることが一番うれしい。

その話はまたいずれするかもしれないけれど、今日はともかくNUUさんのコンサー
トがいい形で出来たことをいわきのために喜びたい。
全部のコンサートが終わってNUUさんに、いわきの人や自然から何かが貰えましたか?と聞いた。「もちろん!特にたくさんの人たちから貰いました」という返事を聞いてほっとして帰京の車に乗った。