児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

願います(それぞれの文化)

2007年07月23日 | 徒然
人がいるところ全て固有の文化が形成される。それも面白い。実際、複数の人間がいればそれは社会であって、それぞれのルールというのが成立するが、なかなかなじめないものも多いし、すっと当たり前になってしまうものもある。しかし、お互いが主張し合うような集団で形成されていくルールには、お互いのことを気にしつつ常識は生まれていくのだが、不特定多数(という観念的な)相手に発する言葉遣いには「状況」というのもが含まれないので、かえって個性が出るケースもありそうだ。
トリトンアーツネットワークは晴海の新しいオフィスタワーの中にいるわけであるが、トイレに行くとこう書いてあって、ずっと気になってるんですよねえ。「ご注意願います」(トイレットペーパー以外のものを流さないでください)。
この間、ホールのバックヤードに人が入らないようにする時にどんな掲示を出すかという話になり、きっと役所のホールならば「関係者以外立ち入り禁止」と書いてある。民間の感覚では、こういう命令型は馴染まないので「ここより先は関係者以外の立ち入りをご遠慮ください」「ここより先は入らないようにお願いします」とか書きそうだ、云々(第一生命ホールも同様である)。
こういう日常の中に文化はあらわれる。この「願います」ヴァージョンはここに来てからあちこちで見かけるが、なかなか微妙だと思った。形としてはお願いだが、あんまりお願いしているように感じられない。その辺が日本語の微妙さか?
この件、言語学的に整理をしてくださる人がいればご意見願います。