拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

おそらく。多分。

2008-04-01 09:51:45 | 漫画
今週も面白かったな『HUNTER×HUNTER』。ゴン、凄く良い感じです。感情をコントロール出来ずに暴走してる感じが素晴らしい。ヒソカが見たらさぞ喜ぶだろう。「そうか、ゴンにとって大切な人を傷つければ彼は全力以上の力を出すのか◆」なんて味をしめるかもしれないけど…。なんか今週号読んでて『ドラゴンボール』のセル編のクライマックスの悟飯を思い出したなぁ。覚醒して父・悟空やセルを超える力を身につけた悟飯。悟空の「セルにとどめをさせ!」という指示をかわし、「まだまだこいつをこらしめてやらなくちゃ」という、かつて「良い子」だったのが嘘みたいなドS発言でストーリーを盛り上げた悟飯。あの時の彼の顔は作中No.1の好戦家・ベジータみたいになってたが、今回のゴンも通常モードとは掛け離れた顔をしていた。
人間を散々食い物にしてきた輩が、ある理由で人間の命を懸命に救おうとしている。ゴンが発した「ずるいよ」は、「お前最低な奴のハズなのになんでそんな善行してんだよ。遠慮無く戦いを挑めるように、もっとわかりやすい悪人でいてくれよ」という意味なのだろう。もの凄く勝手な発想。だが、かつてメレオロンと出会った時、「俺が裏切ってたらどうする?」という問いにシレっと「そしたら遠慮なく倒せる」と答えてたゴンだから仕方ない。この「遠慮なく倒せる」は、裏を返せば「悪人じゃなきゃ手は出さない」という事だろう。ゴンはおそらく生まれて初めて葛藤する。「コイツ絶対倒す!」「でもコイツ、今凄く良い事してるみたい…」…攻撃的な発言や身に纏うオーラの暴走は、後者の考えを必死で打ち消そうとする所から来てるのだろう。でも打ち消せない。じゃなきゃとっくに手が出てる。「畜生…」なんて言う前に殴ってるよ。…「おそらく」とか「だろう」とか「きっと」とか多いな。ゴンに怒られそうだ。
そんなゴン。「いくらなんでも暴走し過ぎだろ」「キルアに暴言吐き過ぎだろ」と読者に袋叩きにされてるようだが、ゴンはまだ子供だってこと忘れてんのかな。念能力は大人顔負けだが年齢的には思春期に突入したばっかり。そんな子が、頭にフッと浮かべるだけでオーラを増強出来るような仇敵と対面したら…ね。「子供だったら何やっても良いのかよ」とつっこまれそうだが、良いんだよ主人公なんだから。あの状況でピトーの要求やキルアの意見をすんなり受け入れる優等生・ゴンなんて逆に見たくないぜ。百戦錬磨のゼノやネテロとは違うんだから、ゴンは。さすがにキルアは少し可哀相だったけど。今回の件が無事に済んだら、二人共一気に大人になったりするのかな(精神的に)。グリードアイランドでは極悪人のゲンスルー達に「大天使の息吹」を使い、読者の共感を得難いリベラルな態度を見せたゴンだが、仲間が被害受けてる今回の場合はどうなるんでしょうねぇ。
そいえばキルアは今週号で意味深な表情をしていた。宮殿突入前、シュートに「消え入りそうな」と言われていたのとよく似た表情。「あの悲しげ無な表情…まさか死亡フラグ?」と当時騒がれてたけど、どうもそうじゃなさそうだな…。


追記
映画『靖国』、上映中止だって。どんな内容であろうと、上映してどんなトラブルが起きる事が予想されようと、「上映中止」だけはあってはならないよねぇ…。

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