拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

少年メリケンサック×少年レントゲンが見たい

2008-04-28 00:17:24 | 映画
宮藤官九郎が『少年メリケンサック』という映画を撮るらしい。宮崎あおい演じるロックに興味の無いレコード会社社員の女の子が、「少年メリケンサック」というオヤジばかりのパンクバンド(メンバーは佐藤浩市、木村祐一、ユースケ・サンタマリア)の全国ツアーに同行することになり…という、あらすじから既にドタバタコメディーの匂いがプンプン漂ってくる話である。
「少年メリケンサック」という映画タイトル&バンド名で私が思い出したのは、宮藤脚本の連続ドラマ『マンハッタンラブストーリー』に登場した「少年レントゲン」というヴィジュアル系バンドだった。塚本高史演じる喫茶店のウエイターがプライベートで組んでるバンドで、バンドのコンセプトは「人体実験された美少年」。曲は聖飢魔Ⅱ×初期Xみたいな、悪ふざけとハードコアの間を横断する変なバンドだった。ライブを「ギグ」ならぬ「オペ」と称し、「只今からオペを開始する!我々は、少年レントゲンだぁ!!」と絶叫してライブスタート。以下、歌詞を抜粋(もちろん作詞・クドカン)。

霧の立ち込む森の病院
ここは少年レントゲン室
夜が紅に染まる時
人体実験の儀式が始まる
さあ吸って吐いて息止めて(少年レントゲン)
お前の心写してやる
さあ吸って吐いて息止めて(少年レントゲン)
お前の全て壊してやる

ドラマが放送されたのは2003年の秋。当時は「うわ、今時ヴィジュアル系か…懐かしいなぁ(笑)」なんて言って笑ってた。2003年前後って、90年代に興ったヴィジュアル系ブームは完全に沈静化してたし、多くのバンドはアンダーグラウンドに潜り込んでいた。代わりに流行ってたのはブルーハーツリバイバルみたいなパンクやメロコア系バンド、バンプやアジカンのようなギターロック、それからヒップホップ勢で、ヴィジュアル系バンドの入る隙間は無かった。世間はヴィジュアル系の存在を忘れた、又は二度とオーバーグラウンドで受け入れられることは無いと思っていた。売れてないわけじゃないが、アングラで手堅くやってくんだろうな、と。現在のような「ネオヴィジュアル系ブーム」が興り、彼らにもう一度スポットライトが当たる日が来るなんて誰も思ってなかった。LUNA SEAやXが再結成するなんてことも、2003年当時は考えられなかった。このような「ヴィジュアル系・冬の時代」にラルクが活動休止してたり、Gacktが「ガックン」としてお茶の間でブレイクしてたりするのって、実は凄く興味深かったりして。
映画『少年メリケンサック』の制作発表を見た時、私は「オヤジパンクバンドかぁ…面白いんだろうけど、どーせバンドが出てくる物語だったら少年レントゲンみたいなヴィジュアル系を出して欲しかったな(笑)」なんて思ってしまった。だってオヤジもパンクも、クドカンと関係が深すぎる、というか既視感がありすぎるもん。若い女の子×オヤジ集団という組み合わせは同じクドカン作品で、田中麗奈がオヤジ達を率いてラクロスする『ドラッグストアガール』再び、という感じだし、みうらじゅん原作作品の脚本を担当した『アイデン&ティティ』はパンクバンドが苦悩する作品。さらにクドカンが俳優・脚本活動と平行してやっている、「君にジュースを買ってあげる」という曲で紅白出場まで果たしたバンド「グループ魂」はパンクバンド。…で、少年メリケンサックもパンクバンド。なんとなく新鮮味に欠ける…。
しかし、抜群のコメディセンスを持つクドカンが、彼の人生に全く縁が無かったであろうヴィジュアル系バンドを描く、とかだったら凄く興味がある。『マンハッタンラブストーリー』の「少年レントゲン」と宮崎あおいが絡むなんて超気になるじゃないか!……まぁ、ここでこんなこと書いてても仕方ないですが。対バン相手とかで奇妙なヴィジュアル系バンド出てきたりしないかなぁ…。 

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