拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「活字の電気は、こんなにも手に負えない」(帯より)

2008-04-04 00:09:58 | 音楽
電気グルーヴがロッキングオンジャパンで毎月やってる連載『メロン牧場』の単行本の新刊が先日発売された。2001年に第一弾が出て以来、7年ぶりの新刊は二冊同時発売。この連載は、電気の二人とジャパン編集長・山崎洋一郎が毎月くだらない世間話を延々するというシンプルな放談スタイルで、1997年1月から現在も続いている長寿モノ。…うわ、もう11年間続いてるってことか!1997年といえばまだ電気には「まりん」こと砂原義徳が在籍していて3人組だった。ピエール瀧はまだポンキッキーズのメンバーだった。「Shangri-La」が大ヒットしたのも、その勢いで出したアルバム『A』が50万枚を突破する大ヒットを記録したのも1997年。電気も出演者に名を連ねた第一回フジロックフェスティバルが、悪天候に見舞われ地獄絵図と化したのも1997年。あー、懐かしい。その頃からずっと続いてるんだねぇ。
2001年に出た『メロン牧場』第一弾は、1997年~2001年春までの連載+未公開放談が収録されていた。電気グルーヴの放談ゆえに死ぬほど笑えるのは当たり前。もう、2ページごとぐらいで笑えるので電車で読むのは超危険。瀧が出演した「世界ウルルン滞在記」裏話(インドネシアの山奥に行かされた)、卓球の暗黒の高校生活(超校則の厳しい私立男子校)、まりん見知らぬおばあちゃんを助ける、インタビュアー山崎洋一郎の前科話(薬物所持)、ヴィジュアル系バンド議論、第一回フジロックフェスティバルの裏話、第二回フジロックフェスには出演せず同じ日に開催されたポンキッキーズのイベントに出演した瀧の裏話、人の性格は「狩猟民族タイプ」と「食虫植物タイプ」の二つに分けられる件(瀧は狩猟民族、卓球と山崎は食虫植物。要は外交的に攻めるタイプかひたすら待つタイプか)…とにかく爆笑エピソード満載で、電気ファンでなくても十分楽しめる怒涛の内容。「ロッキングオンジャパンを買ったらまずメロン牧場をチェックする」という人も多いという。私も毎月立ち読みで「メロン牧場」をチェックしてます。

そんな人気連載の待望の続刊は2001年夏~2008年春までの連載分を上巻・下巻に分けて収録。爆笑エピソードだらけだが、今回の新刊で最大の見所はなんといっても上巻の「ピエール瀧、小室哲哉の結婚式に招待される」だろう。2002年の秋に大々的に行われた小室とglobeのKEIKOの結婚披露宴。出席者約1000人、テレビでも中継された豪華披露宴に何故か瀧が招待されたのだ(卓球は仕事で欠席)。瀧はネタ作りのつもりで、軽い気持ちで出席し、衝撃を受けた。広い会場にずらーっと並ぶテーブルの中で、彼が案内されたテーブルは会場のど真ん中。そしてそのテーブルには、globeのメンバーであるマークパンサーが居たのだ。さらに南こうせつ、KONISHIKIが同じテーブルという不可解な配席。焦る瀧。ダラダラと披露宴を見物するつもりが、そんな大物揃いのテーブルに座らされたおかげで終始テレビカメラが近寄ってきて恐縮してしまう。ふと横のテーブルを見ると、そこには安室やSAM、TRFなど小室ファミリーがずらり。…なぜマークパンサーはそっちじゃないんだ?後ろのテーブルはヤクルト古田や大魔神・佐々木などの野球選手がずらり。しかし何故か同じテーブルには芸人であるオール阪神・巨人の姿が…野球つながり?この披露宴を仕切ったのは吉本興業らしいし、シャレをきかせて席を決めたのかもしれない。しばらくすると会場が急にザワつく。人だかりの方に目をやると………YOSHIKIキター!しかもマークパンサーの隣に座った。YOSHIKI、南こうせつ、マークパンサー、KONISHIKI……ピエール瀧(笑)。数々の伝説を持つYOSHIKIと同じテーブルになりビビる瀧(ちなみにYOSHIKIは瀧より年上)。マークパンサーとYOSHIKIはなにやらワイワイ喋っているが、さすがの瀧もそこには入り込めない。するとYOSHIKIが「電気グルーヴのピエール瀧さんですよね?」と声をかけてきた!「お、俺の事知ってる!怖ぇ~!!」。なんか、電気グルーヴって芸歴も長くてもはや邦楽界の重鎮みたいな雰囲気すら漂うユニットだし(気のせい?)、二人のキャラも飄々としてて「怖いものなし、むしろ周りから恐れられてる」みたいな人たちだと思う。そんな中で、瀧がこういう恐怖体験(?)をするってエピソードはかなり貴重だと思う。さらに「僕電気グルーヴ結構好きなんです」……以降、まだまだ続く披露宴エピソード。この回は本当にクラシックだ。立ち読みの価値あり。でも笑いすぎ注意…。