拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

先生は「外郎売り」暗唱できたりするんですか?

2006-02-26 20:54:59 | 日記
私より一歳年下のいとこ(♀)と久しぶりに会った。一緒にご飯を食べに行き、「今まで何してた~?」等と他愛もない話をダラダラした。時間が経つにつれ、会話の内容はどんどん過去にさかのぼる。そして、いとこの小学校時代の話になった。「あんたそういえば俳優養成学校行ってたよね~?」…。
私や彼女が小学生の頃、それはちょうどチャイドル(死語)全盛期の頃である。沢山の小学生たちが子役としてドラマに出たり小中学生向けのファッション誌のモデル等をしていた。安達祐実(人妻)が「家なきこ」に出ていたのもこの頃だっただろうか。いとこはそんな世界に憧れて、某劇団のオーディションを受け無事合格して、未来のスター目指してレッスンを受けていた。レッスンにはいろいろな項目があったようで、日舞やらバレエやらパントマイムやら…もっといろいろ聞いたけどちょっと忘れてしまった。パントマイムはよく私の目の前で実演してくれた。定番ぽい「壁」とか。昔からよーく知っている人が披露してくれるパントマイムを見るのは滑稽だな、と感じた覚えがある。どんなに上手でも笑ってしまう。きっと私には見る目が備わっていないのだな(笑)。
彼女は中学に入り、「テニス部に入りたいから」という理由で結局劇団をやめてしまったが、やめる前に出ていた舞台は何度か見に行った記憶がある。「なんか、『青い鳥』のおばあさん役とかやってなかった?」「やったやった。そんなんより明らかにテニスの方が楽しいと思ったし~」。…スターへの道は本当に険しい。
彼女が受けていたレッスンの一つで、「外郎売り」の暗唱というのがあった。江戸時代の歌舞伎の十八番(と言われてもなんのこっちゃだ)の一つらしいのだが、これを覚えてすらすら言うのが演劇の練習の定番だったりするようで、当時彼女も必死に暗唱していた。物凄く頑張って唱えてたので、私も微かに記憶していた。「拙者親方と申すはお立会いのうちに…みたいなのだったよね?」「ああよく覚えてるね…あたしも覚えてるかも」いとこはその後、長い長い台詞を約十年ぶりくらいに暗唱してくれた。彼女は「さすがに最後まではムリ」と言っていたが、何も知らない私はかなり驚いた。必死で頑張ったことって覚えてるもんなんだな。