田中優子・法政大学前総長の「経歴詐称?」記事を読む
2024年5月19日の東京新聞の「時代を読む」欄には、法政大学名誉教授・前総長の田中優子氏が「学歴詐称?」の見出しで書いています。田中優子氏といえば、TBSサンデーモーニングに出演している方でもあるので、かなり信頼できる方と考えています。
日本の学校の常識は、世界の常識ではない
社会全体が就職や選挙のために「学問」ではなく「学歴」を問うのは、異常な社会だ。その異常が普通だと思うから学歴詐称する人が出てくるのだが、面白いことがわかってきたのだ。大学は千差万別だ、ということだ。入学や卒業について、日本の常識とは異なる基準もあるようだ。日本の大学では裏口入学は不正入学であり、口利き卒業などそもそもできない。だから学歴にはとくもあしくも一定の信頼性がある。
以前、ある人が孫の裏口入学を依頼しにきた。すでにその頃、入試はマークシート方式で手採点のページは名前や受験番号が見えないようになっていた。それを説明したが、その方は「絶対裏があるはずだ」と譲らない。ようやく追い返して終わったが、私はどこを探してもそんな大学はあるはずがない、と思っていた。これが思い込みであったことが、昨今分かった。
カイロ大学入学の正規のルートは存在しない
浅川芳裕さん著『カイロ大学』には、「日本の高校卒業後、直接、カイロ大学に入学する正規のルートは存在しません。では、どうやって入るのか。いちばんシンプルな方法は『入れてくれ』と直談判することです」とある。著者もそうやったという。きっと卒業も、同じような方法を使う人がいるのだろう。
カイロ大学は軍人の文部大臣が学長を選ぶ
カイロ大学は1950年代に理事会に軍人が送り込まれ、学部長選挙が廃止され、軍人の文部大臣が学長を選び、その学長が学部長を選ぶ体制になった。戦前の日本でも想像がつかないような国家の大学になったのである。実際の学生生活がどうなのかは知らないが、現代社会における大学の「多様性」に恐れ入った。
ジャーリスト浅川芳裕氏と弁護士・郷原信郎氏のYuoTube(53分)を聞いて、はっきりしたこと
●小池百合子氏が自分で言ったという「カイロ大学主席卒業」という新聞記事は、ウソである事だけは確かです。
当時の新聞は誤報として「謝罪」する責任がある。